運動方程式から軌道方程式まで(2)
極座標による運動方程式から,軌道の微分方程式までを追う。
(2) 運動方程式から軌道の微分方程式まで
動径方向および方位角方向の運動方程式より,
を得た。目標である軌道方程式を得るために,軌道が満たすべき微分方程式を導く。
先が分かっているからできることだが,ズルをして
と変数変換をする。まず,方位角方向の運動方程式の積分(角運動量保存)より
したがって,
これらにより,動径方向の運動方程式を書き換えて,
すなわち,
を得る。これが,軌道
が満たすべき微分方程式である。
ここまでくると,もうひとつの方法に思い至る。エネルギー保存則は,運動方程式の座標による積分だが,逆に微分することで軌道の微分方程式を得る。
上の
の表式を代入すると
を得る。両辺を
で微分すると,
ここで,
は軌道の各点で異なる値をとるから,全体から除すれば
と,上に同じ結果を得る。角運動量保存こそ用いたが,動径方向の運動方程式を経ずに導出した分,かなりのショートカットになっているといえる。
最終更新:2010年03月16日 23:00