製作工程を知る
以下は現在の製作工程です。長い歴史の中で洗練されていったものです(1)。
土づくり
陶石と呼ばれる原料の石を細かく粉砕し水簸(すいひ、水篩とも書く)します。
水簸とは、粒子の細かい粒子を取り出す方法です。砕いた土を水中に入れよくかき混ぜるると、粒子の粗いものが沈んで、細かい粒は泥状に沈澱します。この泥の水分を蒸発させると微粒子のみの土が取れます。
続いて、得られた土を足でよく踏みます。足で不純物感じ取り除いて、さらによく踏むことで粘り気を出していきます。
その後菊練りと呼ばれる作業で練り上げ、粘土の中の空気を抜きます。粘土の中に空気があると、焼いたときに割れる原因になります。
形成
作る形によって形成方法は当然変わりますが、代表的な作り方を挙げます。
まず一般的には、粘土を轆轤に乗せ形を作ります。これはお皿や丸ものでも同じです。
次にお皿や鉢などは型打ちが行われます。
型打ちはあらかじめ用意した型に、轆轤で形成しまだ柔らかい鉢や皿などを乗せ叩き締める技法です。型からはみ出した部分は糸で切り落とします。これにより形をそろえるだけでなく、複雑な形や、陽刻文様と呼ばれる凹凸をつけることができます。
型打ちはあらかじめ用意した型に、轆轤で形成しまだ柔らかい鉢や皿などを乗せ叩き締める技法です。型からはみ出した部分は糸で切り落とします。これにより形をそろえるだけでなく、複雑な形や、陽刻文様と呼ばれる凹凸をつけることができます。
型打ちが終わったら、数日乾燥させた後削る作業を行います。高台や外側をカンナで削りだしていきます。丸ものも同様に高台や形を削って形成します。
轆轤を使用しない方法として、糸切り成形(糸切り細工)があります。
糸きり成形とは、粘土の塊の周りに同じ厚さの板を置き、糸で均等な厚さにスライスした粘土版を型に押し当てて作る方法です。型ができたら高台の型を上に置きその周りに粘土を貼り付け高台を作ります。
糸きり成形とは、粘土の塊の周りに同じ厚さの板を置き、糸で均等な厚さにスライスした粘土版を型に押し当てて作る方法です。型ができたら高台の型を上に置きその周りに粘土を貼り付け高台を作ります。
糸切り形成は小物や変形皿などで、かつ形がそろっているものを大量生産するのに用いられました。轆轤のように技術をあまり必要としないため、高級品にはあまり見られないようです。
素焼き
成形した素地を水拭きし、乾燥させ、900度の窯で素焼きを行います。
素焼きをすることで、その後の染付、施釉などの仕事がやりやすくなります。
初期伊万里にはこの工程がありませんでした。そのため初期伊万里独特の特徴が表れることになります。
素焼きをすることで、その後の染付、施釉などの仕事がやりやすくなります。
初期伊万里にはこの工程がありませんでした。そのため初期伊万里独特の特徴が表れることになります。
参考文献
(1)骨董の名人に聞く古伊万里の見分け方,学研,1997
(1)骨董の名人に聞く古伊万里の見分け方,学研,1997