『Phun』 でヒットペット
Interactive Physicsへのnさんからのコメントにより思い立って,物理シミュレーションソフト『Phun』でヒットペットを試してみた。残念ながら初期条件の設定ができるのかさえわからず,しかたなく初速度を与えるマシンをそなえつけた。これはこれで自分で実験している気分にもなり,なかなかおもしろい。新しい発見もあった。

運動の軌跡を残す機能はみつけられなかったので,スクリーンコピーにより切り貼りして,シミュレーション結果をまとめたのが下図である。


動きはIP(Interactive Physics)よりなめらかでリアルであり,『Phun』の物理シミュレーションエンジンの優秀さを物語っている。

このシミュレーションでひとつ大きな成果があった。私の解析では下の質点が床から離れないものと仮定したが,ペットボトルの起き上がりでも示唆したように,床から多少とも離れることがあるとするのが実際により近いらしいということである。実は先の解析でも不思議に思ったのは,床への衝突前の運動において摩擦力によるエネルギー散逸がほとんどないことであった。それもそのはずで,どうも垂直抗力はほとんどゼロであったらしい。もちろん,『Phun』でのシミュレーションは剛体によるものだから,下を箱型にしたという形状の影響もあるのかもしれないが,衝突前はほとんど宙に浮いた状態というのがより現実に近いかもしれない。この点で床から離れないとした私の解析は,修正されなければならないだろう。ただし,重心が低くないとこの浮き方が激しくなり,頭から落ちる状態での衝突がヒットペットの失敗をまねくわけだ。

  • その後の検討で,私のシミュレーションの初期条件では,下の質点は床から離れておらず,シミュレーション結果が有効であるらしいことが判明した。初速を1.3倍ぐらいに増したとき床から離れ始め,1.5倍ぐらいに増せば,上の質点が着地するまで離れっぱなしになる。いずれにせよ,ヒットペットが成功する初期条件では,衝突までの運動において摩擦力によるエネルギー散逸がかなり少なく,場合によって皆無であることがわかった。

『Phun』のダウンロードはこちら
『Phun』のためのヒットペットシーン

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最終更新:2009年02月14日 21:53
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