ロールプレイ上のテクニック

ロールプレイによってフレアという汎用リソースを貰えるカオスフレアでは、ロールプレイは重要な醍醐味の一つである。何より、このゲームを常日頃から楽しんでいる人にとっては「ロールプレイ自体が楽しい」事が多い筈である。本項ではロールプレイの方法や手段を分析し模索する事によって、プレイに活かしたり対策を練ったりするのに役立てていきたいと思う。


再現キャラ

  • 実に多種多様なパターンのキャラクターを生成する事が出来、既存の作品をモチーフにしたりパロディ化したデータも多いカオスフレアでは「何かの再現」キャラクターが作成される可能性はかなり高い。サプリメント『ラピス・フィロソフォルム』では、ルール部分にその事を前提にしたコラムが存在するほどだ。
  • 再現キャラの場合、元ネタが存在する為ロールプレイの元ネタを拾いやすい。また卓のメンバーが元ネタをよく知っている場合、プレイにおいて貴重な「共通認識の構築」にかける手間を大きく軽減する事が出来る。その際は掛け合いによって場を盛り上げやすくなる為、活用するのは非常にいい事だと言えるだろう。
    • 問題はやはり、卓のメンバー間での情報格差がある場合である。コンベンションで初対面の相手を迎える際はできれば露骨な再現は避けるべきだし、カジュアルであっても、他の全員が知っていても1人だけ元ネタが判らない、などは最悪のパターンともいえる。常に周囲に気を配り、元ネタに固執し過ぎない様にすべきだろう。この辺りの詳細に関しては『ラピス・フィロソフォルム』のコラムを参照の事。

超人病

  • 通常の人間の域を超えた範疇にしか納まらないような突拍子もない言動によって、自身の特殊性や優位性を際立たせたり、その言動自体が誘発する笑いによって場を盛り上げる手段。
  • 普通に歩くのではなく短距離ワープし、ただ攻撃をかわすだけで「因果律を書き換えた」などと主張し、世界設定の隅っこを読まないと載っていないような設定に言及しつつしたり顔で予言をするなど、バリエーションは様々。
    • あまりやり過ぎると卓の他のメンバーがついていけなくなったり、何より自分自身で収拾がつけられなくなる事もあるので注意。

負けプレイ

  • 演出で片がつく戦闘に故意に敗れたり他のPC/NPCに劣っている所を見せるなど、かっこわるい振る舞いをあえて行なうことで場を盛り上げ自身をアピールするロールプレイ方法。
  • システム的に超人であり、最終的に強大な敵に勝利することを運命付けられているカオスフレアのPCにとっては「未熟な状態からの成長」や「トラウマの克服」などを手軽に表現しフレアを稼ぐ為の手段として重宝される。適度な負けプレイは他のPCからも絡みやすくなり、卓において「負けたがっている人」を活用するのは話の盛り上げにいい手段とも言える。
    • ただし世の中には、放っておくと際限なく負け続けた末フェードアウトする真の「負けの達人」が存在するので注意されたし。
  • 尚、負けプレイを行う場合、その目的は大きく分けて二つある。「他のPCを盛り上げる」、そして「クライマックスで格好をつける」。しかし基本は同じで、ようするに「現状の自分の強さ/格好良さを下げる」事で、相対的に「他のPCや、クライマックスでの自分の強さ/格好良さ」が上昇しているように見えるのだ。
    • 前者の場合、戦闘で剣豪が活躍したら「凄まじい剣技だ。奴とやりあったら、俺も勝てるかどうか」と唾を飲み込み、ガンマンが活躍したら「なんという早撃ち……手の動きがまるで見えない……!」と驚けば良いのだ。フォーリナーのPCが攻撃する前に「糞ッ!奴のプロミネンスの前じゃ、俺の攻撃は歯が立たない。どうすれば……!」とか言っておくのも効果的だろう。基本は『相手は(自分より)凄い』というロールプレイだと言える。
      • アリアンロッドのリプレイに登場したベネットのように、負ける事でコメディリリーフとしてのロールプレイをするのも良い。水戸黄門で例えれば、うっかり八兵衛がいるからこそ、風車の矢七や、助さん格さんの格好良さが際立つのだ。因みに八兵衛は各地の名産品を食べたがり、薀蓄を垂れるので、行く先々の土地の雰囲気を掴みやすくするという重要な役割を担っている。ある種、理想的な負けキャラだと言えるだろう。
    • 後者に関して言えば、OPでダスクフレアと戦い、何かを奪われる/勝てない/負けてしまう、というタイプのシナリオだと簡単だろう。どの道、クライマックスでは戦うのだし、勝たなければならないのだから。OPで派手に負けておいた方が、格好がつくというものだ。
      • またボロボロの状態での逆転劇というのは、古今東西、様々な作品で登場する展開だ。上記の超人病のように、常に「自分は凄い」というロールプレイをするのも良いだろうが、時には地べたを這い蹲り、血反吐を吐いて、歯を食い縛って立ち上がる。そんな泥臭いロールプレイをやってみてはどうだろうか。

情報収集

  • 様々な文化圏のキャラクターが集まっている以上、ここもまたそれぞれの特色を表現する絶好の機会だろう。一人で全ての情報収集判定を行うというのはありえないのだし。
    • 例えば「ネットからデータをダウンロード」「下忍を放って調査した」「敵地に潜入して情報を探った」「捕虜を拷問した」「予知した」「マスコットに調べて貰った」「ウチのかみさんがね」「宰相から授けられていた袋を開くと策が書いてあった」「調子に乗った敵が口を滑らせた」「こんな事もあろうかと調査しておいた」「調査資料を捨てる寸前だった」。実に多種多様である。
  • またGMに関して言えば、PCの勘違いによる暴走を防ぐ、実に良い方法である。ミステリ物、陰謀物にありがちな「いや、アイツが絶対に犯人だ!」とPCが思い込んだが故の悲劇は、情報収集を使えば確実に防げるのだ。何故なら、情報収集判定に成功して得られた情報は「真実」なのだから。
    • 公式シナリオにも多数登場しているが、謎の連続殺人鬼の正体から、黒幕はあのNPCだったという事実や、実はダスクフレアになってましたまで、サイコロを振るだけでアッサリ分かってしまうあたり、カオスフレアは恐ろしいゲームである。


購入判定

  • 情報収集に類似する例として、購入判定も演出に使える。
    • 「何時もの店に何時ものように入り、何時もの店長から何時もの物を買う」一度は使いこなしてみたいものだ。
  • 実際、これもレパートリーが豊富であり、「主君から賜る」「修理していた銃器を引き取る」「通販で頼む」「おばあちゃんが言っていた」「宅配便で届く」などなどなど。
    • 参考作品『コマンドー』の購入判定シーンは圧巻。流石州知事。軍放出品ショップにトレーラーで突っ込んでのお買い物である。
    • 特に食事類を購入する時には有効である。一杯の蕎麦を手繰るのにも「手打ちの更科蕎麦」「立ち食い師の様に」「三人で一杯の掛け蕎麦を」「それと熱燗を」などなど……

二人羽織

  • カオスフレアというゲームはロールプレイがリソースに直結する事もあってロールプレイの機会が多く、その為「複数のロールプレイ方針」を持つ事は極めて有利だと言える。心の中に弱さを抱えた神のごとき超人、などは一粒で二度美味しいと言う訳だ。その方法論を更に推し進め、自身で取得したエキストラを活用して「全く別の人物のロールプレイ」まで一緒にやってしまうのがこれである。
主人公「ねえ、ちょっと待ってよ。どうなってるのか訳がわからない」
マジン「寝言いうな! そんななりで敵と戦えると思ってるのか」
主人公「戦う!? そんな事僕には出来ないよ」
マジン「おい、今更それはねえぜ! ちっ、敵がきやがった……」
  • 上記のようなシーンはどこにでも見られそうだが、この両者が同じプレイヤーによるものだとしたらどうだろうか。彼は気弱で温和な「主人公」と好戦的で荒っぽい「マジン」の2人を使い分ける事で、単独キャラクター内での共存が難しい両極端な2つのロールプレイをどちらも行なう事が出来るのだ。
    • ただし、当然やりすぎは厳禁である。特にこういう「サブキャラクター」を多数抱えて本人の中だけのやり取りで完結してしまったりすると、卓の他のメンバーはとても複雑な気分になる事請け合いだ。例示の場合だと「主人公」が他のPCに助けを求めたり、「マジン」を口だけの役立たず(突っ込みやすいキャラクター)にして他PCに絡む、などの方法で積極的に話を振ると良いだろう。
  • 特殊な例として、部隊や土地などをそれ自体でPCとして「その中核となる個人はいない事にする」、という手法がある。場面に応じて「たまたまそこにいたモブ」を演じわけるのだ。情報収集したら「PC2どのに伝令! 急報に御座いまする!」、ダメージを受けたら「うわー、もうダメだー!?」、《俺ごとやれ!》を宣言しつつ「この場は我らが引き受けます。貴方方は先に!」といった具合だ。

コンビ打ち

  • 二人羽織りの発展系。つまり「最初からコンビを組む前提で」PCを作ってしまうのである。
    • 魔剣と主人、アニマと騎士、異世界から追いかけてきた幼馴染、そしてキャンペーンの途中でカップルになった二人まで!
  • 演出の幅、戦術の幅ともに広がり、GMやPLの負担も格段に減るが、他のPLが疎外感を覚えないように注意すべし。

乗っ取り

  • 読んで字の如し、他のキャラを乗っ取ってそのロールをやってしまう事である。大きく分けてNPCの乗っ取り・PCの乗っ取りがあるが、後者はコンベならば当然厳禁、カジュアルな卓であっても余程気心の知れた同士でなければ控えておいた方が無難である。
  • 前者、NPCの乗っ取り……NPCをプレイヤーが操って何らかの言動をさせるものに関しては、主としてカジュアルでGMが困らない程度であれば許されている場合もあるようだ。無論そのNPCが、GMが提示した未知のNPCであればこんな無茶はなかなか行なわれない。これが人気パーソナリティならばカジュアルでの扱いはある程度固まっているだろうから、共通認識がとりやすい為に乗っ取りも盛り上がりの一種として許容される事はある。
    • 乗っ取られたのも仕方が無い例外が『合わせ鏡の神子』でのアンゼロット様だろう。
      • 「何で二人いるんだよ!」
    • 大抵のロールプレイはそうなってしまうが、要はTPOの問題である。本項を書いている筆者はコンベンションであるゲームをやった際、うっかりミドルでボスと1対1で対峙する羽目になった為に「ボスを乗っ取って格の違いを指摘する台詞を言わせ、逃走しても格好がつくようにしよう」と考えて実行に移したがGMに伝わっておらず、自PCが大言壮語した事になってとても肩身の狭い思いをした事がある。

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最終更新:2009年01月02日 11:29
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