映像


映画

Mr.インクレディブル

  • 世界を守るため大活躍するスーパーヒーロー。Mr.インクレディブルことボブ・パーもその一人だった。しかしヒーローの行動が危険視され、15年前にヒーロー規制法が成立。引退して以来、彼は保険会社の冴えない社員としての生活を強いられていた。
    同じくスーパーヒロインだった妻、パワーがコンプレックスとなってしまった長女、パワーを持て余し気味の長男、そして何の力も持たない次男……家族のためにと必死で働くボブだったが、ついにストレスを上司にぶつけてしまい会社を解雇されてしまう。
    しかし、落ち込むボブの前に現れた美女・ミラージュから「スーパーヒーローとしての力が必要です」と誘われ、彼は再びコスチュームを身に纏う。
    AIが暴走した軍事ロボットの捕獲依頼を遂行すべく、家族に黙って南海の孤島を目指すボブ。しかしその背後では、ヒーロー達を標的とした恐るべき陰謀が進行していたのだった……。
  • ピクサー・ウォルトディズニー版『ウォッチメン』とも呼べるフルCGアニメ。ヒーローの法規制を題材にしたアメコミに暗い作品が多い一方で、本作はクライムファイターとニューマンハッタンを舞台にしたカオスフレアのシナリオと言われても違和感のない、ファミリー向けの娯楽作に仕上がっている。
  • 怪力と頑丈な身体を持つMr.インクレディブル、その妻で全身がゴムのように伸び縮みするイラスティガール=Mrs.インクレディブル、バリアを張り透明化できる長女のヴァイオレット、超音速で走れる長男のダッシュ、何の力も持たない次男のジャック、Mr.インクレディブルの親友で氷を操る力を持つフロゾンなどなど、登場するヒーローや能力、キャラ設定も様々!
    他にもヒーロー達の活動や引退後の生活もサポートする政府機関の人間や、コスチュームヒーロー専門のデザイナーなど、ヒーロー以外の登場人物も実に魅力的である。
  • また本作に登場する悪役・シンドロームも実に魅力的だ。ヒーローに憧れた少年が、全てのヒーローを駆逐して自分だけがヒーローになるべく、創世を試みる……これぞダスクフレアと言わずして何と言おう。
  • あと『ウォッチメン』でも言及されたとおり、マントは危ない。マジヤバい。

アイアンマン

  • 巨大軍事企業「スターク・インダストリー」の社長にして天才発明家、トニー・スターク。彼は酒と女性をこよなく愛する遊び人であり、強力な兵器こそが世界を救うと信じていた。
    しかしある日、新兵器の視察に赴いた最前線でゲリラの襲撃に遭って重傷を負い、捕虜となったトニーは、自分の作った兵器が人々を殺戮しているという現実を知る。
    ゲリラの要求に従う振りをしてパワードスーツを開発し、辛くも脱出に成功したトニーは、大量破壊兵器の撲滅を誓った。その身体に鋼を纏って……。
  • アメコミ史上でもっとも自重しない男、通称「社長」ことアイアンマン待望の映画化作品である。酒と女と博打(と麻薬)を堪能し、「強い敵が出た?ならもっと強い装甲服を作れば良いじゃん」とあっさり言ってのける、ヒーローにあるまじき破天荒な姿は実に痛快。昨今のアメコミ映画にありがちな「迷い」とは裏腹に、己の信念をまっすぐに貫く姿も、何ともカオスフレア的だ。
  • ありあまる財産と科学力でパワードスーツを組み立て、強化していく姿は購入判定のイメージソースとしても最適。こう、なんだろう。ジェイコブ会長も、このくらい破天荒かつアグレッシブで良いと思うのだが。

エスケープ・フロム・LA

  • 大地震によってアメリカ合衆国本土から隔絶され、全ての犯罪者が収容される最悪の監獄島となったロサンジェルス。そこに、一人の男が送り込まれた。
    彼の名はスネーク・プリスキン。かつて大統領をNYから救出した英雄にして、伝説のアウトロウ。
    彼が求めるのは、大統領の娘によってロサンジェルスに持ち出され、恐らくはテロリストの手に渡った最終兵器。タイムリミットは8時間8分26秒。それまでに装置を取り戻し、解毒剤を投与されなければ、スネークの神経組織は崩壊し、死ぬ。絶望的な状況の中で、スネークの孤独な戦いが始まった。
  • 奇才ジョン・カーペンター監督による傑作『ニューヨーク1997』の続編。あの男スネークが帰ってきた!という謳い文句で公開された、痛快アクション娯楽B級映画である。低予算映画だった前作のセルフリメイクにして続編という形式をとりつつも、監督が大はしゃぎして作ったに違いない盛り上がりを見せる。
    『メタルギアソリッド』の元ネタになった作品と書けば思い出す人も多いだろうが、これが実にカオスフレアな魅力に溢れた作品なのだ。
  • 監獄島となった崩壊後のロスにいる奇人変人犯罪者の数々。腐りゆく部品を交換するために人を襲う狂気の整形外科医に、ロサンジェルスにのみ来るビッグウェーブを待ち続けるサーファー、スネークの行く先々でちょっかいをかけてくる軽薄な男と、いやもう何を言っているんだかわからないかもしれないが、その筋の人には堪らないトンデモ度を保っている事は理解してほしい。
  • 実際問題、パンデモニウムの荒野ってのはこんな感じで大体あってるんじゃないかと思うんだが、その辺りはどうだろうか。

コマンドー

  • 「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか」「試してみるか?俺だってコマンドーだ」
    かつて最強の兵士として名を馳せていたジョン・メイトリクス。退役した彼は、一人娘のジェニーと共に平穏な日々を過ごしていた。しかしある日、謎の武装集団によってジェニーが誘拐されてしまう!
    犯人はかつての部下ベネットと、メイトリクスによって失脚したバル・ベルデ国の独裁者アリアス。彼らの要求は、娘の命が惜しければバル・ベルデの現大統領を暗殺しろというものだった。
    驚異的な手腕を発揮して監視役を抹殺したメイトリクスは、偶然から事件に巻き込んでしまったキャビンアテンダントのシンディと共に逆襲を開始。装備を整え、単独でアリアスの拠点へと潜入する。
    待ち受ける傭兵部隊、そして因縁深いベネットを相手に、たった一人の第三次大戦が始まった!
  • アーノルド・シュワルツェネッガーという俳優の方向性を決定づけた痛快娯楽アクション映画にして、史上最大のボンクラ映画。頭を空っぽにして楽しめる快作で、VIPERのイメージソースとしては最適である。
    走る!殴る!銃を撃つ!撃たれる!だけど当たらない!としか説明のしようがない戦闘シーンも、フレアの力があるのだとすれば納得いくはず。
    そして敵味方の登場人物が次々に発する名台詞やシチュエーションも参考に出来れば、確実に今日から君も大量のフレアが得られるだろう。特に演出面に関して言えば、中盤の購入判定シーンは必見である。

ザ・マジックアワー

  • まるで映画のセットのような町並みが続く不思議な港町、守加護(すかご)。マフィア「天塩商会」のボスの愛人に手を出してしまった備後は、見逃す代わりに伝説の殺し屋「デラ・富樫」を連れてくるよう命じられる。
    しかし期限が迫っても富樫を見つけられなかった備後は、苦肉の策として売れない俳優の村田大樹を「ギャング映画の撮影」と騙して連れてくる事に。デラ・富樫を熱演する村田は、相手が本物のギャングとは知らないまま、天塩商会と江洞商会の抗争に巻き込まれていく……。 
  • 三谷幸喜が監督、脚本を担当した傑作コメディ映画。そのストーリーと設定はむしろ『サタスペ』や『トーキョーN◎VA』を連想させるのだが、あえてカオスフレアの参考作品としてお勧めしたい理由がある。
    デラ・富樫を演じる村田は、ブランチ:アスリートなのだ。
  • ひたすら自分の演技、映画に拘り続ける村田と、村田演じるデラ・富樫に振り回されていく周囲の人々の姿は、まさに《試合状態》そのものと言えるだろう。そしてアスリートの活躍・熱意が、徐々に備後たちに広がっていく様は、パスとフレアのつながりを思わせる。
  • そしてクライマックスで見せる“マジックアワー”!強大なダスクフレアを相手取り、村田がアスリートとして《全力投球》する様は、実に痛快である。アスリートを使ったシナリオが思い浮かばないGM諸氏には、ぜひともお勧めしたい。

スキャナーズ

  • 人間の神経系統を「スキャン」し、その行動を自在に操ったり身体を破壊する事さえも出来る超能力者達。彼らは「スキャナーズ」と呼ばれ、一部の機関ではその実用化の研究が進められていた。
    世捨て人のベイルは機関に捕らえられ、彼もまたスキャナーである事を知らされる。高い潜在能力を開花させていくベイルの前に、スキャナーが全てを支配する新世界を樹立しようとする超級スキャナー・レボックの魔の手が伸びるのだった。
  • 人間自身の変容によるホラーやサスペンスを描く事に定評のあるデビット・クローネンバーグ監督の代表作。アナクロで懐かしい「念じる事で相手が苦しむ」描写を役者の演技と効果音だけで表す一方、派手な演出としてスキャンされた相手が炎上したり、頭が吹き飛んだりするものもある。古典的な超能力のビジュアル化に関しては公開から20年以上経つ今でも一見の価値あり。
  • レボック率いるスキャナー集団はプルガトリオのイメージソースにもってこいだし、1981年にして「ネット回線に神経を融合させてハッキング」という発想も凄い。相手の認識をジャックして他人に見せかける技などもあり。
    一味違う渋いスペリオルやリアハカをやりたいなら、観ておいて損はない傑作である。

スター・ファイター

  • カリフォルニアの片田舎に住む青年アレックス。彼はある日、街のゲーセンにあったシューティングゲーム「スター・ファイター」で前人未到のハイスコアを叩き出した。
    そんな彼の元にやって来たのは謎の宇宙人達。「スター・ファイター」は戦士選抜のためのシミュレーション機であり、彼らはアレックスの腕前を買って宇宙の宿敵・ズアーに立ち向かう銀河戦士としてスカウトに来たのだ。
    一度は逃げ出すアレックスだが、奇襲によって次々と銀河戦士たちが倒れてゆくのを見た彼は、ついに……!
  • ゲームが宇宙戦闘の訓練機、という発想は馬鹿馬鹿しくも夢に溢れ、後にいくつかの作品でオマージュとして使用される。
    有名所では『電脳戦機バーチャロン』がゲームでスカウトされたプレイヤーが実戦に……という背景設定になっており、作品自体がゲームである事と相まって雰囲気を出している。
    また、『電磁戦隊メガレンジャー』の主人公、メガレッド・伊達健太もアーケード格闘ゲームに偽装した訓練機のハイスコアを出した事でスカウトされた戦士であった。
  • シンプルで痛快な本作は娯楽SFとして高い完成度を誇っており、テオスの宇宙船などの参考として使いやすい。
    また、一度は逃げ出す主人公の決意までの過程や、戦友の宇宙人が最終決戦で必殺武器を使うために生命維持装置のエネルギーを使用して耐えるなど、カオスフレア的な美味しいロールも各所に見られる。

フレディVSジェイソン

  • エルム街に幾度となく悪夢をもたらした怪人、フレディ・クルーガー。しかし彼は住民達に忘れ去られ、消滅しようとしていた。
    そんな事が許されてたまるものか!フレディは「夢」を媒介にして一人の男をこの世へと蘇らせる。それこそ、かつてクリスタルレイクにて惨劇を繰り返した殺人鬼、ジェイソン・ボーヒーズだった。
    エルム街で殺戮を繰り返すジェイソンによって、人々に自分の事を思い出させる事に成功したフレディ。しかしジェイソンは彼の制御を離れ、やがて暴走を開始する。
    一方、フレディに狙われつつある少女ローリーは、フレディを倒すため、ジェイソンと対決させようと画策。かくしてクリスタルレイクを舞台に、現実世界に引きずり出されたフレディとジェイソンの戦いが始まった!
  • ホラー映画界の馬場対猪木とも形容された、一大お祭りクロスオーバー映画である。両作の設定をうまく取り入れつつ、初見の人にもわかりやすく再構築した傑作。
    「現実」「力」のジェイソン、「夢」「技」のフレディ。弱点は「水」と「火」。見事なまでに対極化された二人の最終決戦は、往年の東宝怪獣映画を思わせる怒涛の盛り上がりを見せる!
  • ジェイソンと少女ローリーの交流も実にカオスフレア的。
    夢の中で攻撃されているジェイソンを救いつつ、フレディを現実世界に引きずり出すため、夢の中に飛び込んだローリー。彼女が出会ったのは子供達によっていじめられている幼い頃のジェイソンだった。
    そこに会話らしい会話はない。だが、悲劇によって殺人鬼となった男が、一人の少女を守るべく、己の欲望のために殺人鬼となった男に戦いを挑む理由を考えると、やはりこれは、カオスフレアと呼ぶにふさわしい作品なのではなかろうか。

エイリアンVSプレデター

  • 南極で発見された謎の遺跡。未知の文明によると思われる遺跡調査のために送り込まれた発掘チームは、遺跡の中を徘徊する黒い怪物=エイリアンによって次々と抹殺されていく。
    窮地に追い込まれ、絶体絶命となった彼らを救ったのは、不可視の狩猟者=プレデター!そう、発掘チームはプレデター達の儀式に巻き込まれてしまったのだ。
    ただ殺されるためだけに囚われていたエイリアンが脱走を試みる中、イレギュラーな事態によって仲間を失ったプレデターと人類は、ついに共闘を開始する。
  • 上記『フレディVSジェイソン』がヒットし、その時流に乗る形で製作されたクロスオーバー映画だが、カオスフレア度はこちらの方が高いと言える。
    発掘チームによってプラズマカノンを盗まれ、不本意な形で儀式をスタートさせてしまったプレデター達が慌てふためき、しかし必死に戦って生き延びようとする姿(そう、この映画はプレデターにとってもホラーなのだ!)は何とも人間臭く、言葉は通じなくとも人間とコミュニケーションを交わし、共に戦っていく姿は何ともカオスフレア的である。
  • ……っていうか、スカー・プレデター。エイリアンの死体使って女博士驚かしたりとか色々やってるけど、お前は小学校低学年の男子か。

リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い

  • 19世紀ヨーロッパ、ファントムを名乗る仮面の怪人率いる謎の軍隊が暗躍を開始した!
    未知の超兵器を持つファントムに対抗するべく、英国諜報部員のMは、ある特殊な人材をロンドンに呼び寄せる。ソロモンの洞窟から帰ってきた冒険家アラン・クォーターメイン、ノーチラス号を駆るキャプテン・ネモ、透明人間ロドニー・スキナー、ドラキュラと戦った女性ミナ・ハーカー、ジキル博士にしてハイド氏、不死身の男ドリアン・グレイ、合衆国諜報部員トム・ソーヤー……いずれ劣らぬ奇人・怪人達が「超人紳士同盟」として、ファントムの野望に立ち向かう!
  • 『ウォッチメン』『Vフォー・ヴェンデッタ』などで知られる鬼才アラン・ムーアの原作を映画化した、傑作痛快冒険活劇。19世紀を舞台にした様々な小説の主人公達が一同に介し、共通の敵に立ち向かう姿はまさにクロスオーバー!
    小難しい事は考えず、彼らの超人病的なロールプレイに興奮し、黒幕の正体に驚き、アラン・クォーターメインの中二病っぷりを堪能せよ!
  • ちなみに原作は映画とは物凄い勢いで方向転換し、強烈なエログロがあるので注意すべし。そもそもからしてアランは阿片中毒者だしな、原作!
    地球に火星人が襲来したり、火星のジョン・カーターと神秘学者ランドルフ・カーターが親戚だったり、先代同盟の活躍が読めたり、フランスの神秘結社との対決があったりする。
    • 誤解されそうなので付記しておくが、原作版『リーグ・オブ・レジェンド』も間違いなく傑作である。別物と割り切って観たり読んだりするべし。

スター・トレック

  • 宇宙、そこは最後のフロンティア。これは宇宙船エンタープライズ号が任務を続行し、未知の世界を探索して、新しい生命と文明を求め、人類未踏の宇宙に勇敢に挑戦する物語である!
  • 40年以上の歴史を持ち、アメリカを代表するSFテレビドラマシリーズ。原点の『宇宙大作戦』(略称TOS)を皮切りに、『新スタートレック』(TNG)、『ディープスペース・ナイン』(DS9)、『ボイジャー』(VOY)、『エンタープライズ』(ENT)の5つのTVシリーズと11の映画が製作され、22~24世紀の未来世界で、惑星連邦の新鋭宇宙船(DS9のみ宇宙ステーション)とその乗組員たちが宇宙を舞台に繰り広げる活躍の数々を描く。
  • 本作は艦長PC・ネチェルPCのイメージソースに満ちているが、まず注目したいのは主人公である艦長達のキャラクター。
    熱血漢のカーク船長(TOS)、冷静沈着なピカード艦長(TNG)などそれぞれ違いはありながら、皆ここぞという時には卓越したリーダーシップで艦を救い、クルーにも慕われる。PCの個性付けには格好の参考資料だろう。
  • また、物語の舞台となるエンタープライズ号に関しても機関、艦橋、兵装、乗員の日常生活に至るまで詳細な描写がなされており、宇宙戦艦やスターシップの内部描写に豊富なネタを提供してくれる。
    特に≪光子魚雷≫については元ネタだけに原理、構造、使用法に関して様々な設定がある。
  • 「エンタープライズ」と言う艦名自体は米海軍の伝統ある命名だが、今やこのシリーズの方が知名度を上回っている。トレッキーと呼ばれるファンたちの投書が殺到してスペースシャトル試作機の船名が変更されたとか色々。この辺りは、日本に於ける「大和」や「雪風」の名と同じ扱われ方であろうか。
    • ちなみにTNG劇中に惑星連邦艦として「U.S.S.ヤマト」と「U.S.S.アカギ(赤城)」が登場しており、アメリカでのこの二艦の認知度の高さを窺い知る事が出来る。
    • TNG以降では(製作スタッフにファンが多いのか)日本のアニメ/漫画からの引用も何気に多く、艦名に『うる星やつら』や『AKIRA』が使われたり、明らかに『ダーティペア』のナンモそのままなゲストメカが登場した事がある。
    • VOYに登場した連邦最新鋭艦「U.S.S.プロメテウス」は三機分離合体と云う脅威のギミックを披露したが、後にデザイナーが「アレのモチーフはゲッターロボ」と公言して日本のファンが思わず感嘆した一幕も。
  • 作中に登場する異星人も多種多様であり、中でも武勇を尊ぶクリンゴン人はアムルタートの、他種族同化を目論むボーグは(『バレイシアへの帰還』以前の)グレズのロールプレイの参考になるし、DS9に登場するドミニオンは、様々な種族を支配下に置きながらも内部に不協和音を抱えており、テオスのイメージソースにぴったりである。
  • そして忘れてはならないのは、シリーズ全体を貫く世界観である。未来の地球では差別や戦争は消滅しており、エンタープライズ号の乗組員は世界各国から集められ、異星人やアンドロイドの士官すら存在する。クリンゴン人など当初冷酷な敵役であった異星人も、シリーズが進むにつれて彼らなりの倫理観を持つ事が明らかにされ、強大なボーグやドミニオンに対しては、惑星連邦と協力して立ち向かう。
    「自分と異なる者を差別するな」「今は対立していても、やがてわかり合える時が来る」という、ある意味では楽天的なテーマ―それはシリーズ創設者、故ジーン・ロッテンベリの持論でもある―は、実にカオスフレア的だと言えるのではないだろうか。
  • 「9.11ショック」以降、アメリカのSFTVドラマは『バトルスター・ギャラクティカ』のような民族間の対立・侵略戦争論といった現実的な問題を描いた作品が主流となっており、スタトレはその時流から外れてしまった感が強い。が、キャスト一新で製作されたTOSリメイクの新劇場版が高い興行成績を記録した事で、アメリカ人が今もスタートレックを求めている事は変わりないと証明されたのは、ファンにとっては朗報と言えよう。

未来忍者 慶雲機忍外伝

  • 時は慶雲、戦乱の世。機械仕掛けの忍「機忍軍団」を率いる黒鷺軍の侵略を前にして、諏訪部軍は劣勢を強いられていた。頼みの切り札は、最終兵器の機動砲のみ。
    しかし、襲来した機忍達によって砲弾が破壊され、さらには当主サキ姫さえも攫われてしまう。黒鷺軍はサキ姫を生贄とし、日蝕に乗じて世界を征服せんとしていたのだ!
    黒鷺軍によって兄を殺された次郎丸は、サキ姫奪還の依頼を受けた熟練の傭兵・赤城と共に、形見の十字剣を手に任務へと挑む。
    そして機忍どもに追い詰められた彼らを救ったのは、謎の機忍・白怒火であった。
    失われた本来の肉体を取り戻し、そしてサキ姫を救うべく、白怒火は天守閣を目指して疾駆する! 
  • 『ゼイラム』『仮面ライダーZO』『牙狼<GARO>』といった数々の特撮ドラマ・映画で辣腕を振るった鬼才・雨宮慶太の初監督作品。本来はナムコが開発したアクションゲーム『未来忍者』のPVであったはずが、そのSFと和風の入り混じった奇妙な世界観に惚れ込んだ雨宮氏によって、映画化されてしまったのだ。
    「未来世界の忍者物」ではなく、あくまでも「未来テイストの忍者映画」である本作は、その強烈なヴィジュアルと王道を行く展開によって、公開から20年以上経つ今なお多くのファンを引き付けてやまない。
  • その特徴的な世界観やガジェットの数々は、そのまま富嶽の参考とするにふさわしいものだが、あえてこの映画を参考作品とするのにはある理由がある。
    カオスフレアの製作者である小太刀右京氏に多大な影響を与えたTRPG『天羅万象』。その直接のイメージソースとなったのが、本作なのだ!つまりカオスフレアの遠い遠いご先祖様とも言える映画であり、そういった意味でも是非一度観ていただきたい。
    • なお、これはまったくの余談なのだが、下記『リリカルなのは』でも登場する「弾薬を装填する杖・白兵武器」の本家本元こそが、この『未来忍者』であったりする。
      劇中で登場する「十字剣」は剣弾を装填し引鉄を引きながら切る事で気合を高め、機忍の装甲さえも一刀両断するのだ。

特撮

仮面ライダーディケイド

  • 平成ライダー10周年記念として作られた「仮面ライダー大集合」作品。
    平行する9つの世界に誕生した9人の仮面ライダーと、それら全ての世界を破壊する運命にあるという謎のライダー・ディケイド。崩壊を止めるために全ての世界を巡って戦う使命を告げられたディケイド=門矢士(かどや・つかさ)の旅が始まる。
  • 最初に特筆すべきは、そのストレートなヒーロー物語と細やかな文芸設定の読み込みの同居だ。各世界を都合2話で渡り歩く関係上『ディケイド』内で繰り広げられる物語は非常にシンプルかつ高インパクトにまとめられており、無駄が少ない。
    平成ライダーではお約束だった「謎を引っ張る」ドラマ部分を極限まで減らし、各世界の怪人やゲスト敵ライダーなどとのアクションで埋めた構成は「最も古典的なヒーロー物っぽい平成ライダー」と言ってもいいだろう。
    それでいて555世界における重要ギミック「孤独なヒーローの正体が実は優しい怪人」を手堅くまとめ上げたり、アギト世界で「ギルスはアギトの不完全体」という設定を「覚醒したディケイド世界のギルスがアギトに変身」とアレンジするなど芸が細かい。
  • 物語の構造的にはカオスフレアの真逆(複数世界から集うのでなく、世界を渡り歩く)であるが、特にキャラクターのロールプレイ面で非常に参考になる部分が多い。
    特に2号ライダー・ディエンドであり「世界の価値ある宝を集める事にしか興味がない」と嘯く海東大樹は高圧的な態度で信念のためなら敵との共闘も辞さない一方、より価値があると睨んだ物を得るために一度握った宝を放棄したり、宝を奪うのは無理と見るやあっさり執着を捨てるなど非常においしいキャラクターである。
    そう、この動き方は、カオスフレアにおける「価値観は共有出来ないが、結局味方をしてしまう」PCの伝統的な動きなのだ。特に今作のテオスPCや、いまだ神炎同盟との間に確執のあるタイプのPCを演じたい際には素晴らしいお手本となってくれる。
    海東が劇中でいかに自由闊達に振る舞いながらも、曲解や妥協を駆使して他のメンバーと「共闘」しているかは拝んでおく価値があると言えるだろう。

ケータイ捜査官7

  • 明日かも知れない未来。多発するネットワーク犯罪に対抗するため、民間の通信企業アンカー社は非公然の対サイバー犯罪機関「アンダーアンカー」を組織。AI搭載の携帯電話フォンブレイバーと人間のエージェントをバディとした捜査活動を秘密裏に続けていた。
    ごく普通の高校生・網島ケイタは、作業機械の暴走に巻き込まれた所をアンダーアンカーのエージェント滝本とフォンブレイバー7号機“セブン”に救われたが、ケイタを庇った滝本は瀕死の重傷を負ってしまう。死の間際の滝本からセブンを託されたケイタは、最年少のエージェントとしてセブンと共に様々なネットワーク犯罪に立ち向かう事になる……。
  • 『妖怪大戦争』『ヤッターマン』などの怪作で知られる三池崇史が総監督としてメガホンを取った、テレ東久々の夕方7時枠での特撮ドラマ。近年の特撮ヒーロー作品ではすっかりガジェットとして馴染んだ感のある携帯電話を、意思を持つ主人公格に据えた意欲作である。
  • セブンに叱咤されつつエージェントとして、人間として成長して行くケイタと、その姿に前任者である滝本の姿を重ねつつ、人の心に似た感情を得ていくセブン(ケイタの呼び方が回を重ねるに従い「新米」→「バディ」→「ケイタ」と変化していくのも心憎い!)。
    4クールを費やしじっくり描かれた人間とAIのバディとしての姿は、《鋼の友》《人の心》持ちのグレズを演じるにおいて大いに参考になるはずだ。
  • 本作には金子修介・小中和哉・湯山邦彦といったアニメ・邦画界の著名クリエイターが多数参加しているが、その中に(小太刀/三輪両氏がこよなく愛する)押井守も名を連ねている。
    フォンブレイバーが全く活躍しない異色の前後編『圏外の女』(監督・脚本)と、某パトレイバーで御馴染み上海亭が登場する『ケイタのはつゆめ』(脚本)。どちらも押井作品好きなら色々な意味で必見である。

電撃戦隊チェンジマン

  • 30年以上を数える長寿特撮シリーズ『スーパー戦隊シリーズ』の第9作。
    全銀河の支配を企む侵略者「大星団ゴズマ」の全面攻撃を受け、危機に瀕した地球。その時、地球自らが発した超エネルギー・アースフォースを浴びて変身能力を身につけた5人の若者は電撃戦隊チェンジマンとなり、地球の未来のため敢然とゴズマに立ち向かっていく。
  • 戦隊ヒーローにミリタリー要素を取り込み、さらに敵側のドラマの充実も図られたシリーズ初期の傑作。ヒーロー物らしいおおらかな作風の中にも、ハード路線のエピソードが散見される。
    強敵を前に挫折し泣き言を言う主人公たちを叱咤する長官、やむにやまれぬ事情からゴズマに忠誠を誓わざるを得ない敵戦士との悲しい戦い、宇宙の人々を救うため地球を発つ想い人との別れ、そしてヒーローの奮闘が身を結び、ゴズマを抜ける者が現れたり各地のレジスタンスが蜂起して一斉に反ゴズマの旗印を掲げる終盤に至るまで、カオスフレアでも存分に参考にしたい燃えるロールの宝庫である。
  • その倒すべき敵であるゴズマも、「大星団」というネーミングのみならず、今までに多くの他の星を攻め落とした実力者である事、その残存勢力である宇宙人を恐喝・篭絡して配下に加え侵略に加担させる……という組織構成などがテオスと酷似している。間違いなくイメージソースの一つであろう。

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最終更新:2016年05月22日 19:51
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