偽装献金 亀井静後援会へ

西松建設 社員の寄付装い献金? 亀井静氏後援会へ

2008年12月30日 朝刊

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が一九九七年から二〇〇一年にかけて、亀井静香・国民新党代表代行の資金管理団体「亀井静香後援会」に、個人献金を装った実質的な企業献金をしていた疑いのあることが分かった。収支報告書に名前が記載された幹部社員らの多くは、本紙の取材に、自らが献金した事実を否定している。

 西松建設をめぐっては、OBが設立した政治団体を抜け道に、十年間で約四億八千万円の献金をしていた疑いが浮上しており、新たな脱法献金疑惑が明らかになった。

 官報に記載された同後援会の収支報告書の要旨によると、献金したとされるのは西松建設本社の総務部、経営企画部、営業管理部などの部長・副部長をはじめ、関東支店、中国支店などの副支店長や次長ら。ほとんどが一人十二万円で、九七年と九九-〇一年は毎年二十五人が寄付。五年間の総額は約千三百万円に上る。

 寄付者として名前が記載されている本社の元部長は、本紙の取材に「私がそんな金を出すはずがない。献金したら覚えているはず」と否定。別の元部長も「初めて聞いた。会社が勝手に名前を使ったのでは」と証言した。他の幹部社員も多くが献金の事実を否定するか、「記憶にない」と回答している。

 亀井氏は九六-九七年に建設相、九九-〇一年に自民党政調会長を務めた。亀井氏の事務所は「十年近く前のことなので確認のしようがない」とコメントしている。西松建設総務部は「現時点では何もコメントできない」としている。

 資金管理団体に対する企業献金は、二〇〇〇年以降禁止された。神戸学院大法科大学院の上脇博之教授は「個人名を使って事実上の企業献金をしていたならば違法行為だ。受け取った側にも虚偽記載の疑いがある」と指摘している。

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最終更新:2009年01月06日 03:48
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