地球上で太陽引力の影響が小さいのはなぜか?(2008.12.02)
OKWaveのQ&Aからいただいたテーマ。
 地上の重力に対して,太陽や月からの引力の影響が小さいのはなぜか?もちろん,太陽や月が遠くにあるからである。ただし,この答えにはいくらか誤解を招く部分がある。

 太陽や月からの引力の影響が小さい本当の理由は,公転の遠心力とほぼつりあっているからである。重力のままに運動する実験室内が無重力であることは,よく知られている。しかし,同じ意味で地球は,太陽や他のあらゆる天体から受ける重力のなすがままに運動している「実験室」であることは,あまり意識されていないように思われる。つまり,他の天体の重力に対しては,地球は「無重力」であるといえる。惑星や恒星,銀河中心,他の銀河・・・宇宙には重力源があまた存在するが,地球はそれらの重力の海の中で自由浮遊している。そしてその加速度運動によって「実験室」内で受ける慣性力は,これらの重力源による引力とつりあっているわけである。
 唯一,「実験室」内の位置のちがいによる潮汐力が,これらの他の天体からの引力の影響といえる。潮汐力は,引力と遠心力との差。または同じことだが場所による天体の引力の差である。天体に近い側と遠い側で,上方に引かれる力として現れる。

 いまさらながら,潮汐力が天体からの距離の3乗に反比例することの意味を理解した。潮汐力は場所による引力の差だからだ。引力の勾配は,引力を距離で微分すれば得られるのだから,潮汐力が距離の3乗に反比例するのは納得できる結果である。

f \simeq \left| \frac{d}{dr}\left(\frac{GMm}{r^2}\right)\Delta r\right| = \frac{2GMm\Delta r}{r^3}

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最終更新:2008年12月02日 23:37