silver25@人狼BBS

RP村

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おとぎの国の人狼
灘さんside
■欧州でやることを前提とした勝負要素のあるRP村構想
■黒絵本は軽度ブラック表現につき注意

舞台

人狼は、その世界で名の知れた絵本の中の物語。
子供たちにねだられ、語り部はその物語を語り聞かせる。
当然それは、人狼を退治する、ハッピーエンドの物語。

だが、ひっそりと、悪い結末の物語も残されている。
不思議な男がやってきて、黒い絵本の存在をつげられる村の一同。
背筋に恐怖を感じながら誰かが口にする。

「そんなの、どうせ物語の中の話だろう?」
「…どうかな」

世界は、ファンタジーのはずだった絵本の世界と、交わってゆく。
はたして、真の結末は…

どちらの物語にたどり着くのか。

黒絵本


森に入ってはならない。
なぜなら、そこは… 異端者たちの処刑の場だからだ。
大昔この村にいた貴族が、戯れに作った処刑台を知っているか?
命をたってなお、血の雨がふる仕組みになった、そんな機械さ。

だが、ある少女が、その教えを破って森に入る。
自殺願望のある姉が、自ら森に入ったのを、追いかけて止めるためだった。
姉もみつからぬまま…
少女が、森から出たいと望んだとき、すでに日は落ちていた。

ふと、腕をつかむ者がいる。
金のある格好をした男で、少女は貴族の末裔かと想像する。
だが男は寡黙で、とつと猟師を名乗った。

今、森から出るのはかえって危険である。
自分の家にこいとだけ言って、先を歩く男。
疑わしいが、疑っても仕方ない。
彼女は、今日は男を頼ることにした。

どこに連れて行かれるのかと、不安に思うものの、連れて行かれた先は、見事に整えられた集落だった。
見たこともない、美しい村。
それは、夜であっても、各地に火がともっているから明らかである。
月明かりで、整地された道が、白く光っているようにすら見える。

男は、ひとつの家に彼女を預け、また来ると帰っていく。
紳士な態度に安心する少女。
明日はこの村で、姉のことも聞いてみようなどと思う。
少女を預かった家の女主人は、あたたかなベッドに彼女を案内する。
その夜はよく眠れた。

翌日。家に帰りたい、姉を探したいと告げる。
一人で森に入ると危ない。あなた以外に、ここに来たものはいない。
月に一度、昨日の男が、森の向こうまで仕事でゆく。
だから、それまで待つように。
それが少女に向けられた答えだった。

村での生活が始まる。
牛の乳をしぼり、薬となる植物を摘む。
お祭りごとでは、山羊が生贄とされた。
占いや呪術が、その村では信じられていた。
いよいよ明日には帰る。
そのとき、惨劇は起こった。

ここの一ヶ月、少女ともっとも仲良くしていた少年が死体となって発見された。
昨夜二人は月を見ながら話したばかりだった。
「明日君が帰っても、僕は君とまた会いたい」
「会いに来て。森を抜ける彼の仕事の、跡を継ぐのはどうかしら」
「いい案だ。今度、弟子にしてもらえるように頼んでみる」
「楽しみにしてる」

涙がとまらぬ少女の前で、ある村人がつぶやいた。
「あの女は…人狼ではなかったか…?」

あの女?
その疑問は数時間後に解ける。

幽閉され、やせ細った女… 少女の姉が… 村の広場で開放された。
半ば気の狂った状態でこの村に辿り着いた着いた少女の姉は、危険な存在として幽閉されて、存在を伏せられた。
幽閉に伴うかりそめの罪状として、彼女は人を喰らう人狼であるとされたのだ。
しかし、少年の死が人狼のものであるならば、すくなくともその実行犯は彼女ではない。
広場で最終審問が行われる。

「汝は人狼なりや?」

「ああ! あたしは、狼さ… ふふふ… あはは… お前らを、食ってやる!」

少女は、姉の気が完全にふれているのを己の目でみた。
そして、処刑が行われるのを。
絶望は、それだけではなかった。
「ならば、血がつながったこの子も?」
村の目線が、少女に集まったのだ。

「違う! 私は違う! 姉も違うのだ!」
言葉は届かない。
最も彼女の言葉を汲んだであろう少年も、姉も、既にあの世である。
少女は監禁され、いいようのない絶望の中に沈む。

その夜、彼女の元を訪れるものがあった。
彼女をこの村へと誘った、あの男。
月の影を少女に落としながら、男は説明する。

我こそが人狼。されど、本当に恐れるべきは人心。
この集落は、昔この地に栄えた貴族の手による私的処刑を逃れた者の子孫で構成される。
恐れるべきは人心と最も知る立場にありながら、いまだに疑心暗鬼から逃れられず、呪術に頼る愚かな者たち。

「汝は人狼なりや?」
「違うわ…」
「汝は愚者なりや?」
「わからない…」

ならば狼になれ。
愛を失い、知恵と誇りを失わなかった者には、そうなる資格がある。
復讐ならば、簡単に叶うぞ。
我々には、力がある。
少女は頷いた。

そして… 知恵と力を出し切り、少女は村に復讐をとげる。
だが、話はそこで終わらなかった。
森の中に、古の処刑台をみつけた少女は、そのからくりを隠して、男の誘ったのだ。

「どうぞ、こちらにいらして…」
血をすった彼女は、少し前より妖艶になっている。
男は吸い込まれるように、少女のなすままになった。

数分後。鳥たちが、声を上げて散った。
血にそまった少女の姿がある。
男の命は既になかった。

「彼を殺したのは、あなたでしょ?」

本当の復讐が終わったのだ。
少女のその後の足取りは史実にない。
元の村に戻ったとも、そのまま別の村へと消えていったとも…

<校正中>

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