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「公法私法二元論の立場からの国籍法」(2009/01/14 (水) 17:16:03) の最新版変更点
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261 :164 ◆aGzgb/DTYc :2009/01/14(水) 04:32:21 ID:s/8ZaW0g
>>259,260
ありがとうございます。お疲れ様です。
も少し二元論について正確に書きたかったので、
勝手ながら追記させて頂きます。
&color(blue){ ・なぜ二元論が必要とされてきたか}
→行政機関のどのような活動に民法や商法が適用されるのか
(逆に言えばどのような活動にはには適用されないのか)という範囲を画すため
&color(blue){ ・公法と私法の区別の基準}
→権力関係(行政主体が私人に対して法的に優越する意思をもって臨む場合;
典型例は税法)および
管理関係(特に公益上の理由によって私人間に妥当する法原則が
適用されない場合;典型例は薬事法)
を公法とし、それ以外を私法とする
&color(blue){ ・二元論の根拠}
行政事件訴訟法4条に「公法」との文言があるため
裁判においても、民事事件・刑事事件・行政事件と区分される
公法私法二元論の立場からは、国籍法は「権力関係」とは言えないまでも、
少なくとも「管理関係」にはあたると考えられます。
民法上の認知を要件としてはいるものの、国籍付与は公法行為であるから、
民法上の認知には必要とされないDNA鑑定を国籍付与の要件としても、
問題が生じないと考えられます。
. ところが、&color(red){現在は二元論をとる論者は少ない。}
裁判では具体的紛争の解決を目指すため、
個々の事例に必要に応じ民法などを適用することはあっても、
このような議論はなされることがありません。
262 :164 ◆aGzgb/DTYc :2009/01/14(水) 04:48:06 ID:s/8ZaW0g
. では、&color(red){これに対する公法私法一元論とはどのようなものか}というと、
二元論に対する批判から生まれた考えで、
要は、国と私人との間の法律関係であっても、
こちらは公法関係、そちらは私法関係、
と一概にきっかり分けることは難しいので、
個々の事例ごとに私法とされる分野の法の適用を考えていこうというものです。
「一元論」という言葉から誤解されがちですが、
公法と私法の性質が同じとする考えではありません。
一元論の立場からも、国籍法の公益性を考えれば、
当然ながら国と国籍取得届出者との間の関係は、
民法などの私法関係とは性質が異なる、
という結論を導くことが可能ではないかと思われます。
二元論の方が直感的に理解しやすいことは事実ですが。
以上、個人的意見補足させて頂きました。
参考文献:原田尚彦『行政法要論〔第6版〕』
263 :164 ◆aGzgb/DTYc :2009/01/14(水) 05:55:47 ID:KsMfh6IN
&color(blue){ ここから先は戦略論}なので書かずもがなですけれども…
一元論でも二元論でも結論が似たようなものであるならば、
なぜお前は古くさい二元論を持ち出したのか?
という突っ込みを頂くかと思います。
一元論は、国と私人との間の法律関係を権力的なものとする考えに対する
アンチテーゼという性質を生まれながらに持っています。
ですので、国と私人の間はできる限り対等であるとして、
民法などの私法を積極的に適用するという立場をとります。
ということは、国籍法に民法上の文言である「認知」が出て来たら、
それは民法とまったく同様に扱うべきであって、
DNA鑑定を民法が要求していない以上国籍法でもそれは同じだ、
という結論につながりやすい考え方です。
ですので、あえて二元論を持ち出しました。
百地教授が上記の寄稿文で、
&color(blue){ 国籍の付与は「主権の行使」}という言葉を用いていらしたのも、
国籍の公法的側面、公益的側面を強調される意味合いもあると愚考します。
連投失礼いたしました。
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