顔出し着ぐるみ関連】カテゴリです。
超級バラエティ研究所管理人の【着ぐるみ】という言葉の定義についてのコラムです。

§1. なぜ、中の人の顔を見せていないものを着ぐるみと呼ぶ例が増えたのか

近年ゆるキャラブームの影響や、ネット上でのアニメ風のキャラクターのマスクをかぶってなりきったもの*1が流行したことで、『着ぐるみ=顔が見えない実写キャラクターのこと』という定義が増加している感じがします。

それらの愛好家は『顔が見えない実写キャラクターのこと』を着ぐるみと呼び、顔の出ていないものを着ぐるみと呼ぶことをタブーとしたりする風潮が多くなっているようです。

実質的にウィキペディア日本語版の【着ぐるみ】の項目でも、着ぐるみ=『顔が見えないもののこと』と定義していることを重点化している内容になっていることが伺えます。

女性タレントの人体着用ぬいぐるみ(以下、ぬいぐるみ)の頭部を外すこと(マスクオフと呼称)が00年代半ばに入って、TVドラマやバラエティ番組、CM、プロモーションビデオなどで急に増加したことも、ネットの影響で着ぐるみが『顔が見えない実写キャラクターのこと』と定義する愛好家が多くなってきたことにより、一般化させた結果と思われます。

女性タレントが顔出し着ぐるみを来ている場合は、マスクオフのシチュエーションと異なり、愛好家の間ではあまり注目されていないことが多いようです。

着ぐるみん】という2004年の流行語は、「着ぐるみパジャマを着て外出する人々(主にギャルが中心)」を指す呼称として使われていたのですが、ドーラーのことを指す言葉(この場合は、ウィキペディアによると【着ぐる民】と表記)に転用されることが多くなりました。

ゆるキャラブームの影響で、本来マスコミでは伝統的にタブーとされてきたスーツアクターの顔を見せない実写キャラクターに対する“着ぐるみ”呼称も急激に増加し、堂々と『顔の出ていない実写キャラクター=着ぐるみ』と名乗ることが許された状況を決定打づけた印象があります。


§2. 着ぐるみ呼称のタブー

特撮ヒーロー作品や子供番組を始めとするテレビ番組やTVCM、各種遊園地では伝統的に『顔の出ていない実写キャラクター=着ぐるみ』と呼称するのをタブーとされています。
テレビ業界では、スーツアクター、いわゆるぬいぐるみやフルフェイスのスーツを着ての演技やスタントを行う役者の顔を出さないキャラクターの衣装のことを、着ぐるみという言葉が生まれる前の“ぬいぐるみ”呼称を伝統的に使われ続けていたり、東映制作の特撮作品のスタッフクレジットでは原則的に怪獣・怪人の造型制作を“キャラクター制作”という表記になっていて、実写キャラクターの着ぐるみ呼称がタブーとされている例のようです。
『おかあさんといっしょ』(NHK→NHK教育)の歴代のキャラクター劇のコーナーも、“ぬいぐるみ劇”と呼ばれているようです。

『ポンキッキ』シリーズ(フジ系)の《ガチャピン&ムック》は、子どもたちの夢を壊さない配慮として、テレビ局側が実在の生物という定義をしている例が見られます。
多くの遊園地のキャラクターもそのような例が多く取られています。

その最たる例は、北海道日本ハムファイターズのマスコット《B・B》の日ハム公式HPのコラムでマスコットキャラの「着ぐるみ・ぬいぐるみ呼称は蔑称に相当する」ことについて語っているほどです。

あるタレントが遊園地内で禁句とされている着ぐるみ発言をしたり、ぬいぐるみの頭部を外そうとして騒動になるハプニングもあったようです。

’11年4月、東日本大震災による被害を被った東京ディズニーランドが営業再開したニュースで、NHKなどでは『ミッキーマウス』などのキャラクターに対して、マスコミ内で長年タブーとされてきた“着ぐるみ”呼称を使用し、ネット上などで猛クレームが起こったこともありました。
ディズニーキャラクターは何があっても子どもたちの夢を厳守するために着ぐるみ呼称を厳禁としてきたイメージが強かったため、着ぐるみ呼称がニュースで使用されたことはショッキングな出来事でした。

§3. 着ぐるみ=顔の出ているもの

着ぐるみ・かぶりものは“着用している人の顔を出しているぬいぐるみ”の響きが強い例は、《キグルミ》という子役2人組アーティストの代表曲『たらこ・たらこ・たらこ』におけるタラコのかぶりもの姿が印象づけられます。

『オレたちひょうきん族』や『世界まる見え!テレビ特捜部』などにおけるビートたけし〈工事中〉氏の着ぐるみアピールも、『着ぐるみ=顔の出ているもの』であることのアピールを活発に行っている感じがします。

管理人の印象は、特撮やバラエティ番組などのキャラクター、遊園地でのマスコットキャラクター、着ぐるみ呼称を堂々アピールしているゆるキャラなどの顔を見せないキャラクターのことを着ぐるみと呼称するのは、子どもたちの夢を壊している印象が大きい感じがする言葉で、原則的に禁句としています。
管理人にとって“着ぐるみ”という言葉のイメージは、『顔の出ている実写キャラクターのこと』です。


参考HP・ブログ

B・B's コラム #26 僕がコラムを書く理由
最終更新:2011年04月28日 12:03

*1 そのマスクは“アニ顔”(つまりアニメ風の顔立ちのマスク)と呼ばれ、愛好家の間の用語ではアニ顔をかぶって女装した人のことを“ドーラー doller”と呼ばれています。