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ギャグ怪獣怪人考察の9番目では、キャストやスタッフの魂が伝わっているギャグ怪獣・怪人を取り上げます。

ギャグ怪人の声優について


東映特撮ヒーロー番組では、俳協に当時所属していた声優陣が怪獣怪人の声を長らく担当していた時期がありました。
特に飯塚昭三氏・渡部猛氏・依田英助氏・西尾徳氏は声色を変えて1970~90年代の東映怪獣怪人の声を多数担当しました。

飯塚氏は『ジャッカー電撃隊』の《侵略ロボット》や『電子戦隊デンジマン』の《ベーダー怪物》、『地球戦隊ファイブマン』の《銀河闘士/合身銀河闘士》におけるギャグキャラのハマり具合は、怪物のデザインにマッチしていました。
渡部氏は『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のお笑いレギュラー悪役《ブックバック》を始め、『大戦隊ゴーグルファイブ』の《合成怪獣》におけるギャグキャラの中心になっていました。
依田氏は『太陽戦隊サンバルカン』の《機械生命体》や『科学戦隊ダイナマン』の《進化獣》でギャグキャラを多数演じていて、東映作品の怪獣怪人を最も多く演じたと思われるほど重宝されていたと思われます。
西尾氏は『大戦隊ゴーグルファイブ』の《合成怪獣》、『科学戦隊ダイナマン』の《進化獣》でコミカルな声のキャラを多数演じました。
他にも増岡弘氏(『時空戦士スピルバン』の《ユメパックン》など)や神山卓三氏(『五星戦隊ダイレンジャー』の《墓石社長》など)、篠田薫氏(『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』の《サウナギンナン》など)らも東映作品でギャグ怪獣怪人の傑作を演じてきました。

東映作品のキャスティング協力のもう一つの主流であるテアトルエコーに当時所属していた声優陣では、八代駿氏(『兄弟拳バイクロッサー』の《フデバゴン》など)や槐柳二氏(『仮面ライダーアマゾン』の《モグラ獣人》など)、安西正弘氏(『超電子バイオマン』の《ジュウオウ》など)らがギャグ怪獣怪人の声に多く貢献しました。

青二プロダクションは円谷プロ作品と90年代後半以降の東映作品で所属声優が多数ギャグ怪獣怪人の声を担当し、佐藤正治氏(『ビーファイターカブト』の《モゲラード》など)、高戸靖弘氏(『重甲ビーファイター』の《ガリネーズ》など)、江川央夫氏(『百獣戦隊ガオレンジャー』の《ウェディングドレスオルグ》など)、松野太紀氏(『救急戦隊ゴーゴーファイブ』の《呪士ピエール》など)がギャグ怪獣怪人担当の代表格であります。
他にも青二プロ系では、永井一郎氏(『秘密戦隊ゴレンジャー』の《野球仮面》)、田の中勇氏(『超力戦隊オーレンジャー』の《バラベイビー》)などといったベテラン声優が意外なキャラの声を担当しました。


ギャグ怪人と有名人

俳優やタレントがギャグ怪人を演じることはフジテレビ系『東映不思議コメディシリーズ』で定着し、主要なギャグ怪人を演じたタレントでは、WAHAHA本舗の柴田理恵〈工事中〉さん(『有言実行三姉妹シュシュトリアン』の《ETおばさん》)や佐藤正宏氏(『どきんちょ!ネムリン』の《寝不足怪人イビキ》)が有名どころで、珍しいところでは、久本雅美〈工事中〉さんが『おもいっきり探偵団覇悪怒組』で《豆板醤ババァ》、出川哲朗〈工事中〉氏が『不思議少女ナイルなトトメス』で《ナイルの悪魔三兄弟の三男》、室井滋〈工事中〉さんが『うたう!大龍宮城』で《麺類の母》を演じたことなど、大物タレント・俳優が意外なゲスト怪人を演じました。

お笑い芸人が怪獣怪人の声を担当することは2000年代に入ってからの『スーパー戦隊シリーズ』で見られることがあります。
主な例では、ダンディ坂野氏(『特捜戦隊デカレンジャー』の《オズチュウ星人イーアル》)、アントキの猪木氏(『炎神戦隊ゴーオンジャー』の《スプレーバンキ》)、エド・はるみ〈工事中〉さん(『ゴーオンジャー』の《ダウジングバンキ》)があります。
お笑い芸人の当時流行したギャグを取り入れることで、ギャグ怪獣・怪人の演出の幅を広げました。

女性タレントが扮するギャグ悪役も00年代『スーパー戦隊』から頻繁に見られ、演じたタレントは山本梓さん(『忍風戦隊ハリケンジャー』の《フラビージョ》)、山崎真実〈工事中〉さん(『轟轟戦隊ボウケンジャー』の《風のシズカ》)などがいます。
特に注目すべきポイントは『ゴーオンジャー』で及川奈央〈工事中〉さん扮する《害水大臣ケガレシア》で、ヒロイン二人とアイドルユニット“G3プリンセス”を結成してCDデビューしたり、そのメインエピソードがあるなど、悪の女幹部革命を起こしました。
前述のフラビージョは後のシリーズ作品にも登場するほどでした。

ギャグ悪役の常連

特撮作品にギャグ悪役常連俳優は結構います。
特にギャグ悪役路線を貫いたのは曽我町子さんで、代表作の『電子戦隊デンジマン』の《ヘドリアン女王》はギャグ回ではイキイキしたキャラぶりを発揮し、後番組『太陽戦隊サンバルカン』でも続投し、悪ノリぶりを発揮していました。
『時空戦士スピルバン』の《女王パンドラ》では、迷セリフ「ペンペンしなさい」を生み出し、使用回数は少ないながらも印象に残るものです。
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の《魔女バンドーラ》では主役を食ってしまうほどの存在感があり、専用の挿入歌も頻繁に使用されたほどで、後の『パワーレンジャー』の二ヵ国語版の《女王リタ》でも吹き替えを担当するほどです。

男性俳優では、潮健児氏が『河童の三平~妖怪大作戦~』の《いたち男》や『兄弟拳バイクロッサー』の《ドクターQ》といったコメディリリーフのレギュラー悪役を演じたりしました。

名ギャグ系怪獣・怪人を演じた特撮作品の常連的俳優は、花巻五郎氏(『コンドールマン』の《マッドサイエンダー》)、石井愃一氏(『五星戦隊ダイレンジャー』の《トランプ公爵》や『バッテンロボ丸』の《トリツキマン》)、梅津栄氏(『宇宙刑事ギャバン』の《アオガメダブラー》)がいます。

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最終更新:2008年11月22日 23:56