ティルフィードは次の日もその屋敷に行った。
「やあ、昨日の……一人?」
「リディアは宿の仕事だ……これを渡すようにと」
リュイナッツに封をした封書を渡す。
リディアとはワーキャットの事だ。
シノビという職業柄、名前はいくつも持っている。本名はイツファというらしい。
「………了解。ボス達は、仕事でね」
(仕事……イツファが言っていたように次に攻め入る地の偵察か)
「僕は留守番さ。そういえば、君の名前は?」
「わ…私は…ティル――――――」
危うく本名を口に仕掛けたティルフィードはその言葉を飲み込み、言った。
「私はティル」
「了解、ティル。僕のことはリューイって呼んでくれ、仲間達もそう呼んでる」
「………わかった」
そうしていると昨日のエルフの神官、確かアリスが二階から姿を現した。
「あら、昨日の……ちょうどいいわ、リューイ。食糧の買い出しをしてきて」
「ちょっと待ってくれよ。もう夕方だぜ、明日ボス達が戻ってからでいいだろ?
ティルに悪いって」
「そのコ、ティルって言うの……ちょうどいいわ、リューイと一緒に行ってくれない?」
ねぇ…とアリスはティルフィードに向かってウィンクした。
「私は構わないが…」
「ほら、ティルもこう言ってるんだし、護衛も兼ねて」
「わ、わかったよ…」
リュイナッツは渋々と言った。


「…アリスは人使いが荒いなぁ…付き合わせてごめんね」
「あ、ああ…気にするな」
この街では人々は活気に満ち溢れていた。戦時中という事を忘れるくらいに。
リュイナッツによると元々はタチの悪い貴族が仕切っていたらしいが、その連中を追い出してから
街は自治を取り戻し、かつての活気を取り戻したというのだ。
そんな事もあり、リュイナッツは買い付け先の店やすれ違う人々から声を
掛けられることもしばしばあった。
「…っと、これで最後か……持ちきれないのは後で届けて貰うから…」
「待て。アリスに頼まれた買い物がまだある」
「え?そんなのあったっけ?」
きょとんとするリュイナッツにティルフィードは堂々と言った。
「生理用品だ」

「……全く…アリスは」
女性専門の店内でリュイナッツはブツブツと言っていた。
「私が購入する…避妊具とナプキンか…あと化粧水と…」
テキパキと品を選び、店の女主人に注文する。
「本当にごめん、ティル」
心底申し訳ないというようにリュイナッツは言った。
「男と女が同居するならそういう事もある」
店の女主人が奥に品を取りに行ってから
「アリスはエルヴィンと恋人同士だしね。あ、エルヴィンは僕達のボスね。
僕や他の仲間と出会う前からそうらしいよ。二人を見ていれば一目瞭然だけど」
「勇者達も男と女というワケだ」
これは皮肉を込めて言ったティルフィード、さすがのリュイナッツも苦笑していた。
「リディアもそういった点では、な。リューイにはいないのか?」
そう質問してから、ティルフィードは胸の高鳴りを覚えた。心臓の音がヤケに
重く、胸が苦しい。顔が赤く紅潮するのが自分でもわかった。
「ええ?ぼ、僕」
「あ、ああ…そうだ。他に…誰か気になる女とか…」
緊張が最高潮に達した。次の瞬間、
「ははは、僕にはいないよ」
ふぅ…と息をつくティルフィード。
「お嬢ちゃん、お待たせ」
店の女主人が品を持って出てきた。
「ティル、僕は先に出てるから」
「ああ」
リュイナッツが出て行くと、店の女主人はニヤニヤしながら聞いてきた。
「お嬢ちゃんはリューイのコレかい?」
小指をたてながら女主人は聞いてくる。
「…いや、違う」
「またまた、赤く成っちゃって。いいよ、コレおまけに付けとくからさ。
先にデキちゃったら、このご時世、困るもんね。リューイ達、勇者様が早く世を
安泰にしてくれることを望むよ」
「…………」
避妊具を渡されたティルフィードは赤くなりながら店を出て行った。


「ごめんね、ティル。リューイには頼めなくてさ」
「構わない」
屋敷に帰った後、アリスの個室に招かれたティルは本人から
ねぎらいの言葉をかけられた。
「リュウイナッツはかなり怒っていたようだが」
「気にしない、気にしない。女には女の事情があるのよ。このメンバーの中にだって
恋人同士なのは結構いるし…」
「エルヴィンとアリスもその中の一員か?」
ポッと赤くなるアリス。
「そ、そうよ。ま、立ち話もなんだから、座って、座って♪」
(恋人の話か…この手の話はイツファで十分だ…)
上機嫌なアリスを見て、ティルフィードはげんなりとした。

それからしばらくは長々とアリスの恋人であるエルヴィンの事を
聞かされ、そして仲間の恋人やこれからの予想。
さらに耳を覆いたくなるような深い情事の話。
しかし、アリスはふと、こんな話をした。
「私のお母さんの話になるんだけど、前の大戦でね。勇者軍の一員だったの、それで
その勇者のリーダーと恋人同士だったけど…覇王を倒してから、別れたの」
紅茶が入ったカップを持ちながらアリスは静かに言った。
「別れた?」
同じように紅茶に口にしていたティルフィードが視線を上げた。
「そう。別れようって言ったのはお母さんでね。
…そのリーダー、実は滅亡した国の王子だったって事が公になっちゃって……
勇者軍を一番、支援してくれた大国の王様が『是非、娘と結婚して国を治めてくれ』って。
その国は私のお母さん達の事を悪く言わなかったし、行き場のない勇者軍の人達を
受け入れてくれたの。お母さんも滅亡したエルフ族の王女だったけど、少数民族だったし
釣り合わないって……私がお腹にいたのも原因だったかもしれない」
「では…アリス、お前は」
「そう……私も勇者の末裔」
ティルフィードはカチャリとカップを置いた。
「別れとは辛いものだな」
「でも私はお母さんとは違う。私は私だもの、エルヴィンと絶対に幸せになるんだから。
って言うワケで、お近づきの印にはい、コレ♪」
アリスが何枚かのチケットをティルフィードに差し出した。
「何だ、これは?」
「明日のお祭りの出店の割引チケット。リューイと親睦を深めるには、
また熱い夜を過ごすにはもってこいじゃないかしら?」
「……お、お前まで…私はそんなつもりではない。リュイナッツもな」
「またまた~……私にはわかるんだから、エルフの恋の占いは当たるのよ?」


一方、その頃のイルファは尋ねてきた獣人と共に熱い情事を交わしていた。
「はぁ…はぁ…ん、あっ…い、いいよ。そ、そこ…あ、あはっ」
イルファは獣人によってベッドに押しつけられるようにして、
はだけたスカートの間から手を突っ込まれ、濡れそぼった股に愛撫を受けていた。
「もう濡れて…手に絡みつくみたいだな…」
「あ、ダメ…ソコばかり触らないで…おっぱい…好きなんでしょ?」
獣人はゴクリと生唾を飲み込み、娘の胸元を一気に押し開いた。
反動で、お椀方の美乳がぷるんと、零れ落ちてきた。
更に胸もとを開くと白いうなじに生肩が顕わになった。
「んちゅ…お前はほんと…いい女だ……」
「嬉しい……ちゃんと覇王の娘や他の悪い奴らをやっつけて帰ってきてね」
「ああ、任せろ。俺達の力を持ってすれば敵はいねぇ!」
獣人は今、当に抱いている娘が覇王のスパイであることなど夢にも思わないだろう。
そのごつごつした手でイルファの白い乳房を揉みし抱き、乳首に食らいついた。
手の中で淫らに歪む乳房は、つきたての餅のように柔らかくその先端の桜色の突起は
硬く、勃起し始めていた。
「あっ…あふん…はああっ」
「な…なぁ…頼み…聞いてくれるか?」
「あん…何?語尾に『ニャ』でも付けて欲しいの」
貪るように乳房を吸い、舐め、揉みしだく。服を完全に腰まで引き下ろすと、
今度は股間に頭を埋め、イルファの秘所を愛撫し出した。
両腕でがっちりと尻を掴み、腰を引く娘を固定する。
「あっあああっダメ、そこはまだ…っ」
「ち、違う……そ、その全部さ…片づいたら…」
「あんっ…ああっあっ…ダメ、ダメ…ちゃんとイカしてくれるまでダメ」  
娘の長い髪が乱れ、白い喉が仰け反った。
その獣人の頭部を両手で押さつけて娘は達した。
「はああ…ああ……んっ…」
くたぁと脱力した娘はそのまま荒い息をつき、獣人と対面座位の格好になった。
「ん…先にイっちゃったにゃ~ん♪……ごめんね。いいよ…な~に?」
「ぜ、全部…全部終わって帰ってきたら…俺と結婚してくれ!」
「えっ?あっ…ちょっと」
「だ、ダメか?お、俺は真剣なんだ…た、頼む」
両手を持ち、懇願する獣人に娘は営業スマイル……というのだろうか。
心にもないことを平然と言った。
「うん…いいよ……待ってる。って、前もそれ言ったよね、」
くすくすと笑うイルファ。
「あ、あれそうだっけ!?で、でも絶対、帰ってくるからな」
それから娘は対面座位、正常位、駅弁…と様々な体位で獣人に尽くした。
何度も何度も精を膣内に、口に、顔に受け止め、今は後ろから突かれていた。
「はっはあっ…あ…も、もぉ……元気すぎるよォ…」
スカートを捲り上げられ、小振りな尻を掴まれ激しい剣突を受けながら娘は弱々しく言った。
「はっ…ん…ダ、ダメ…ん、んんっ出る、出る!」
背後から抱きつかれ、うなじにしゃぶりつかれ、背後から揺れ踊る乳房を揉みくちゃにされる。
獣人同士の交尾は何ともいえないほど甘美で、淫らだった。

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最終更新:2010年01月28日 19:52