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ファイアーパフォーマンスについて



はじめに


 ジャグリングのステージでトーチ等の火のついた道具を使うと非常に盛り上がります。火は様々な魅力を演技に加えることが出来るものであり、使ってみたいと興味を抱いたことがある人もいるかもしれません。また、演者が使うので、そのサポートをする必要があるという人もいるでしょう。

 しかし、そういうとき、私達は火を使うときに必要な知識をしっかりと持っているでしょうか?引火したときの消火の仕方や火傷したときの対処等、火を扱う際には自分を、そして周りの人々を守るために知っておかなければならないことがあります。

 以下の文章はその「知っておかなければならないこと」をまとめたものです。ただし、内容は「これだけ守れば安全」というものではなく、最小限の注意でしかありません。必ず過去のパフォーマンスなどから情報収集を行い、経験者による監督と十分な安全対策の下で火を扱ってください。


服装


 普段着ている服で燃えないものは殆どありません。また、金属は非常に加熱されやすいのでアクセサリ等は必ず外すようにしてください。推奨されるのは綿素材の動きやすい服装です。

 服の材質には天然繊維と化学繊維がありますが、それぞれの注意点は下記の通りです。
  • 化学繊維
溶けて肌に張り付いてそのまま燃えるので、天然繊維に比べて酷い火傷を負う危険が高まります。特にセーター等に使われるアクリルは簡単に燃え上がります。
  • 天然繊維
綿などはけばだっていると簡単に火がつき、そのまま燃え続けます。これは実際の着衣引火事故の主原因となっています。


消火のための備え


 まず、一人で火を使うことは絶対にしないでください。自分の服に火が点いても気付かない可能性がありますし、簡単に消せるわけでもありません。必ず複数人でやりましょう。

 近くに必ず消火用の水を用意し、他にも不燃性の消火布や濡れタオルを準備してください。ステージの場合はそれらに加えて消火器を用意しましょう。使う必要がなくても周囲との無用なトラブルを防げるかもしれません。

 燃料の傍に荷物や飲料を置かないでください。燃料を道具につける際に少量が周りに飛び散ることがあります。こぼれた時にも危険です。


燃料


 燃料としてはストーブにも使われる灯油が一般的です。ただし、市販の灯油は添加剤としてナフタとベンゼンを含んでいるため、非常に有害です。

 ガソリンは絶対に避けてください。ガソリンは揮発性が高く、普段から蒸発して周りの空気と交じり合っています。ここに火を近づけると爆発的に燃え、蒸し暑いとガスが拡散しにくくなって非常に鎮火が難しくなります。同様の理由でシンナーなどの揮発性の液体も避けてください。

 燃料を放置することは絶対にしないでください。悪意のある人が燃料の入った器を倒して火をつけるまではあっという間です。注意しましょう。


道具


 使う前に道具が壊れていないか、ネジが緩んでいないかを確認しましょう。トーチ・ポイ・デビルスティックなど、多くの道具は使う際に回転をかけるので、火の点いている部分が外れると何処に飛ぶか分からず非常に危険です。また、ポイやメテオは失敗すると体に巻きついて外せない可能性がありますので、十分に上達してから挑戦しましょう。

 燃料を容器から直接道具にかけないでください。必ず別の容器に少量を移し、スポイト等を使って道具にかけてください。

 燃料をつけた後、周りに人がいない場所で道具をよく振って余分な燃料を切り、演技中に燃料が飛び散らないようにしてください。また、このとき燃料を付けすぎているとそれが周りに沢山撒かれてしまいます。何かの拍子で引火する危険がありますし環境にもよくありません。あらかじめ、どの道具にどの程度の燃料をつけるのか確認しましょう。

 火をつけた道具を扱う際は近くに人がいないことを必ず確認してください。関係者以外の人が近くにいるときは火を点けないようにしましょう。無用なトラブルは避けるようにするべきです。

 火を点けた道具の受け渡しは相手に近づいて行ってください。投げて渡す演技も行われていますが、これは十分にリハーサルを行った上での行為ですので、普段練習しているときに軽い気持ちで行うことは止めましょう。

 燃えていたり、火が消えた直後の道具に燃料を注ぎ足すのは危険です。灯油よりも引火性の高い燃料での危険は言うまでもありませんが、引火しにくい灯油でも熱せられれば蒸発が早まって引火しやすくなります。必ず火を消し、しばらく冷ましてから燃料を補給してください。

 道具を片付けるときは燃料を最後まで燃やしきり、しばらく冷ましてから整理しましょう。火が消えた直後の道具、特にネジなどの金属部品は非常に熱くなっています。そのままだと触れたときに火傷をするし、道具を入れる容器が溶けたり燃えたりする可能性があります。

観客の安全


 パフォーマンスというからには観客が存在します。演技をするからには彼等の安全を確保することを必ず考えなくてはいけません。最低限確認することとしては

  • 観客との位置関係
  • 水の確保は何処でできるか
  • 可燃物の有無とその位置
  • 事故が起こった際の緊急連絡先

これらを確認の後、演者・裏方・消火器具の配置を決定し、緊急時の行動を決定していくことになります。

事故の際の対処


  • 火傷をした場合
 流水でしばらく冷やし、軟膏などは塗らないことが基本です。ただし、火傷のしかたによって対処が変わるので注意が必要です。
~指に火傷をした場合
 十分に冷やした後、指1本1本別々にガーゼで巻きましょう。複数の指をまとめて巻くと、癒着することがあります。
~衣服の上から火傷をした場合
 そのまま衣服の上から水をかけて冷やします。無理に衣服を取ろうとすると場合によっては皮膚ごと取れてしまうことがあります。
~顔面を火傷した場合
まずは流水で冷やします。焦げた髪の毛やまつ毛が気管に入っていることもあるので、必ず病院へ行きましょう。

  • 灯油を吸い込んだ場合
 市販の灯油は添加剤としてナフタとベンゼンを含んでいるため、非常に有害です。皮膚についた場合はすぐにふき取ってください。目に入ったときは水で洗い流してください。誤って飲んでしまった場合、無理に吐こうとせずにまずは内臓へのダメージを抑えるために水を飲み、それから医師の診察を受けてください(燃料が肺に入ると化学性肺炎を起こし、呼吸困難になってしまいます)。



その他


  • 「慣れ」に注意しましょう
 火を使い慣れてくると、どの程度まで安全なのか、ということが感覚で掴めてくると思います。その感覚は大事ですが、だからといってそれによって鈍感にはならないでください。自分が安全だと思っていても、一般の人にとっては、「火は危険なもの」です。たとえば、燃えているトーチを落したジャグラーが「しばらくならそこに落ちていても大丈夫」と判断していても、周りに居る人(特に、その場所に責任のある人)の方は血相が変わっている、ということはありえます。

 実際に危険が無くてもトラブルが起これば損をするのはジャグラーです。それに、火を点いた道具をぞんざいに扱われていい気持ちがする人はいないでしょう。

  • 時、場所、場合を良く考えましょう。
 燃えやすいものが近くにある状況で火を使うのはともかくとして、それ以外は常識と想像力を働かせてくださいとしか言いようがありません。例えば、ある人がある場所で火を使ったことで何か問題を起こした場合、その場所でジャグリングやその他パフォーマンスが出来なくなればその人だけの問題ではありません。

  • 火吹きはやめましょう。
 火吹きはファイアージャグリングの中でも群を抜いて危険な行為です。
まず、火傷の危険があります。火を噴いた瞬間に風向きが変われば確実に火傷をしますし、口の中に引火したらただではすみません。肺の中まで焼ければ、最悪、死にます。

 また、燃料には多かれ少なかれ毒性があります。前述の通り灯油にはナフタとベンゼンが含まれていて有毒です。口に含むだけでも粘膜から吸収されるし、飲み込んでしまう可能性もあります。肺に入れば化学性肺炎を起こして呼吸困難を起こしてしまいます。そうすればよくて入院することになりますし、最悪、死にます。

 どうしてもやりたいという場合は比較的毒性の少ないエチルアルコールを使い、経験者に教わりましょう。ただし、リスクをゼロにすることは出来ません。


最後に


 ここまでで挙げた様々な注意点の中には実際に守られていないことも多々あるでしょう。
化繊の服で火を扱う、ガソリン等危険な燃料を使う、火が消えた直後の道具に燃料を継ぎ足すetc・・。

 しかし、これらの行為はやっている本人と他のメンバーが相応のリスクを背負い、加えて入念な準備を行った上で実現しているものであり、決して安易な気持ちで行っていいものではありません。

 上の文章でも述べていますが、火を使ったことで起こした問題は本人の責任だけでは済まずに他の火を使うジャグラーにも影響を与え、その被害は多くの場合周りにも及びます。そのことを常に意識して火を扱うようにしてください。




参考

「火の取り扱いについて」(日本ジャグリング協会)
「ファイヤージャグリングとスインギング」(ラネゲード・ジャパン)


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