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HPで中傷、仲間に溝 最後は現金要求に 高3自殺、さらに2人逮捕 【大阪】2007/09/26, 朝日新聞 朝刊, 31ページ
テストの成績を競って励まし合い、フットサル同好会で毎日のようにボールを追う。昼食の弁当はいつも一緒。周囲に
は「仲良し」グループに見えていた。だが、昨年秋、インターネットのホームページ(HP)を開設したのを機に、中
傷を繰り返すようになった。最後は自殺した生徒が標的になり、執拗な現金要求へとエスカレートした。
同校関係者によると、今月17日に逮捕された少年は高1時の5月、「今からは想像もつかないほど明るい」クラスメ
ートを「学園祭のコンテストに出よう」と誘った。自殺した生徒だった。翌年夏、今回逮捕された2人も加わって計5
人でフットサル同好会を結成し、毎日のように練習した。
最初に逮捕された少年と生徒はグループで最も仲が良く、一緒に予備校の夏季講習に通ったり、大手レコード会社のオ
ーディションに参加したりした。高2の秋には、生徒会役員選挙に2人で立候補。演説会で歌をうたったが、落選した。
だが、このころから関係が微妙に変わる。パソコンの知識にたけた、今回逮捕された少年の1人(18)が同好会の
HPを開設したことがきっかけだった。「5人の仲良しホムペ」と題して、それぞれが自己紹介のページを持つように
した。これを見た別の生徒から「(生徒と)つるんでいるのか」「気持ちが悪い」などと冷やかされるようになり、
次々と個人ページは閉鎖された。だが、生徒のページだけは残された。HPの開設者で、管理もしていた少年が生徒の
ページを消すことに最後まで応じなかったためという。
ここに、生徒が服を脱がされる写真や中傷の書き込みが投稿されるようになった。逮捕された少年の1人は学校の調査
に「激しい内容で、面白くなって参加してしまった」と話したという。
また、生徒は日常生活でうそをついたとして、フットサル仲間から責められるようにもなった。生徒は苦し紛れに、
「次からパチをつくごとに1万円ずつ払う」と約束したとされる。
逮捕された少年らから現金を要求するメールが送られたとされる今年6月。生徒が投稿した別のインターネットサイトを
通じて、その閲覧者からも匿名の脅迫メールが届くようになったという。「じゃあ行くからな!」という内容のメール
を受けた後、生徒は7月2日にメールアドレスを変更。翌日に自殺した。
同校は18~20日、今回逮捕された少年2人から話を聞いた。うち18歳の少年は、最初に逮捕された少年に「現金を
要求するメールに、おれの名前も入れてくれ」と頼んだことを認めた。さらに、この少年が生徒への嫌がらせの写真など
が投稿されたホームページ(HP)を作成したこともわかったという。
もう1人の少年(17)は「3年になって、自殺した生徒とはほとんど接触がなかった。メールでの現金要求を仲間と相
談したことはない」と話した。
また、会見に同席した生徒指導部長は、自殺した生徒が2年の時、1学期末の試験で成績が悪かったという理由で、少年
らから髪の毛をモヒカン刈りにされていた事実も明かした。
校長によると、前回の調査後、生徒の一人が担任に「自殺した生徒がズボンを売りつけられていた」と証言。生徒にブレ
スレットを売って、代金の追加支払いを要求していた生徒の名を挙げたという。
自殺した生徒に昨年、今回逮捕された少年を介して「父親が8万円で買ったものを4万円で売ってやる」と提案。生徒は
5千円を渡したが、「偽物だからそれ以上払えない」と拒んだ。その後は同級生が直接、「お金はできたか」「残金を
払ってくれ」などとの内容のメールを携帯電話で送信したとされる。
この同級生は学校側の調査に対して、「(生徒は)納得して買った。強い文言で現金を要求したことはない」などと話し
ているという。
今月17日に恐喝未遂容疑で最初に逮捕された少年(17)=兵庫県西宮市=の弁護人が25日、神戸地検に「慎重な捜
査を求める」とした上申書を提出した。それによると、少年は「(生徒が)自殺する日に楽しく会話している。恐喝する
者とされる者の関係としては不自然」としたうえで、生徒が残した遺書に「(少年の)名前は無かった」と主張している。