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Panic Theater」(2009/09/10 (木) 13:44:52) の最新版変更点

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*Panic Theater ◆zmHe3wMKNg 『みんな色んな人が死んで悲しいだろうけど、人生は別れの連続です。  今の内に慣れて耐えられるようにしないといけませーん。じゃあ今日も一日頑張ろうなー』 そこでぶつりと音を立てて、声が消えた。  そして、再び静寂が訪れた。 ◆ ◆ ◆ 「……そんな……如月が……?」 「どうしたんですか?添島さん。」 あれ以上得るものがないと判断し、住宅街を後にした添島龍子は 楠森昭哉に誘われるままカードキーの裏に書かれていたというF-4地点へ向かうことになった。 行動方針を支給された本に縛られているこの男に危うさを感じながらも、 他に手がかりがないことに歯がゆさを感じ、歩いている途中に放送が始まった。 「……あいつが死ぬなんて……くっ……引き摺ってでも連れてくればよかった!」 「それにしても、死亡ペースがちょっと早過ぎますね。この本より沢山死んでいる。  ラトが居なくなったらこうまで脆くなってしまうのでしょうか?このクラスの結束は。」 「……冷静に分析しないでよ。むかつくわ。」 「すみません。」 この惨状に苛立っている自分の弱さに嫌悪を感じる。 自分ではラトの代わりにならないのだろうか? 気持ちが沈んだまま、二人は巨大な建物の前に到着した。 どうやら映画館の裏手側らしい。 「…ここにだれか居ると思う?」 「さぁ?でも、少し気になりますね。」 「何が?」 「この本、バトルロワイヤルはデビュー時批評家の酷評で受賞を逃したものの、  捨てるには惜しいと評価した出版社の熱意で文庫化されると一大ベストセラーに  なり映画化までされるに至った、と、あとがきに書いてあります。  何か、ヒントになる物がここにあるかもしれません。映画のDVDとか。」 「本当にその本が原因で殺し合いさせられてるんなら、とんだ迷惑ね。」 「…調べる価値はあるでしょうか?いや、根拠もなく行動するのは危険か…  やはり先を急ぐのが先決…。」 「ねぇ楠森。どうしてそんなにその本にこだわるの?罠とは思わないわけ?」 「…そうですね。確かにおかしいですよね。」 一息ついた楠森は、遠い眼をして語りだした。 「多分。僕はまだ信じられないんだと思います。先生と生徒という垣根を越えた  親友だと思っていた若狭吉雄が、僕を裏切ったという事実が。  この本は若狭が僕に託してくれた、ゲームの裏をかく為のヒントなんじゃないかという  希望を捨てることができないのですよ。」 「……私はあなた達の間になにがあったか知らない。でも。  あいつはラトの首輪を爆破したわ。笑いながら。絶対許せない。」 「…添島さん。」 その時、銃声が鳴り響いた。 音が聞こえたのは、おそらく映画館の正面玄関付近。   「銃声?」 「……はぁ。信じたくなかったけど。やっぱりみんな始めてるのね。殺し合いを。」 そうして、龍子は音が聞こえた方向に足を向けた。 「……行ってくるわ。」 「危険ですよ。それより先を急いだ方が。」 「ねぇ、あんたが行こうとしてるとこに何があるっていうのよ?  目と鼻の先でみんなが殺し合ってるのを止めるのより優先しなきゃならないこと?」 「……それは……。」 「着いてきたくないなら、来なくてもいいわよ。じゃあ。」 迷う楠森をその場に置き、走り去った。 生徒会役員、添島龍子。 彼女は、今どき珍しいぐらいにまっすぐな性格をした少女だ。 曲ったこと、そういう事を見て見ぬふりをする事が何よりも嫌いな。 だからこそ、何かそういう事が彼女の周りで起これば、 彼女は必ずと言っていいほど首を突っ込んだ。 ――そして、今度も、見事に解決してみせる! ---- 「行ってしまいましたね。どうしましょう?」 ちらと周りを見渡す。 映画館の裏口が見えた。 「……ここで突っ立ってるのもなんですし。中に何があるか見てみましょうかね?」 ◆ ◆ ◆ 「やれやれ。みんな物騒だなぁ。」 映画館の二階の待合室。白崎篠一郎は放送を聞いて思わず肩をすくめる。 あれから即座に行動しようとしたが。由佳の泥酔ぶりが想定以上に酷く、 酔いつぶれた由佳をなんとかここまで連れて来てソファーに寝かせることにしたのだった。 映画館に向かうのは一応最初の行動方針通りでもあったし、 とりあえず由佳の酔いが醒めるまではここで待つのが吉だろう。 愛する捜し人、暮員未幸が生きていたことに安堵しつつも、 まだ面倒くさいことが残っていることに若干の不安を感じる。 「神崎健二が死んでくれてたら嬉しかったのですが…。」 本人もソファーに腰かけて、気を紛らわすために読んでいるのは 資料室に置いてあった旧時代の骨董品映画「バトルロワイアル」のパンフレット。 「…大東亜帝国…BR法…。現在は知る人が知る悪趣味映画の設定に過ぎないと認識されてますが、  しかし。今僕達が置かれているこの現状は何なのでしょう。正に、プログラムそのものですね。」 パンフレットを閉じ、歴史の授業で習ったこの国の歴史を思い出す。 100年ほど前に起こったクーデターで過去の資料が大量に焼き払われたという忌まわしき出来事。 その後の大改革による世界の変貌。毎年教科書上で変化する獣人の出現時期の胡散臭さ。 この世界はとても曖昧で嘘だらけだ。 「遥か昔に実在したプログラムという制度。その生き残りが起こしたクーデターにより壊滅した大東亜帝国。  その結果生まれたのがこの世界。そして今、僕たちは再現されたプログラムの渦中に―――――なーんてね。」 中二病的にくだらない妄想を振り払う。 このゲームがなんなのか。そんなことは暮員未幸の安否に比べれば本当にどうでもいい話だ。 ソファーから立ちあがり、ふと窓の外を覗いてみた。 「…おや、これはこれは。」 「ふぇ?なに~?」 別のソファーで寝ていた間由佳が目覚めたのか、顔だけこちらを向く。 「へぇ、ちょっと面白いことが起きてますね。」 篠一郎はポケットから拾ったコインを取り出し、トスした。 手の中に落ちてきたそれを見ると、表を向いている。 にやりと顔を歪めた。 「…外に行ってきます。由佳さんはゆっくりしていてください。」 「うん…そうするぅ~。むにゃ…ひでと…すきぃ~…。」 酔いが醒めぬまま再び眠りにつく由佳をおいて、ドアに手をかけた。 「妄想してるより現状を楽しむのが一番。そうですよね、未幸さん。」 ◆ ◆ ◆ (喜佳は無事だったのね。でも、もうそんなに?) 「……う……ぐすっ…ひぐっ……。」 「……倉沢さん……。」 長谷川沙羅と倉沢ほのかは港から更に離れるため、島の中央部に向かうことになった。 あれから随分走って歩いた。ほのかの様子がおかしかったがなにをそんなに怖がっているのか? そして放送を迎え、それが終わった瞬間、ほのかはその場で泣き崩れた。 「……なんで…なんで……?  …みんなで体育祭も頑張ったじゃん……文化祭の時も  みんなで教室に泊まって準備して楽しかったじゃん……。  …こんなゲームみんなで潰しちゃおうよ……うぅ……  …みんな……どうして殺しちゃうの!?」 「気持ちは判るわ。でも、落ち込んでる場合じゃないわよ。」 「落ち込むに決まってるじゃん!長谷川さんはなんとも思わないの!?」 「…私は…。」 日が上がったことで見渡しやすくなったのだろう。 顔を上げると、大きな建物が見えた。映画館だ。 「こんなところで止まってたら危ないわ。あそこで休みましょう。」 「…うん。」 ほのかの手を引っ張り、二人は正面玄関まで辿り着いた。 「…でも、裕也は無事だったんだ。よかった。」 「…そうね。」 「はぁ。嫌だなぁ。結局私も他の誰かより裕也の方が大事なんだよね…。」 「…そんなことないわよ。」 「私も、裕也の事になったら殺しちゃうのかな?他のみんなを。」 「倉沢……!!!」 「え?」 「誰だ!そこに居るのは!」 突然、懐から拳銃を取りだした沙羅は正面玄関の麓の茂みに銃を向け、 「・・・ちっ!」 異様な速度で飛び出した何かが、異様な即出で倉沢ほのかの首に腕を巻きつけた。 「…かはっ!」 「倉沢さん!…お前は…!」 「おっと動くなよ~。こいつの首をへし折るのに一秒もかからんぜ?」 「…うっ…はぁ…。」 その体制のまま、じりじり距離を離す男、朱広竜に銃口を向けたまま、長谷川沙羅は膠着する。 「その銃をこっちに投げてくれねぇかな~?俺も強い武器が欲しいんだよねー。  なーんかいまいち数殺せねぇし、「奴」とまた会った時いまのままじゃヤべぇしなー。」 倉沢ほのかが何かを懇願するような眼を向ける。 長谷川沙羅は模索する。現状を打破する方法を。 (こいつに渡したら終わりね。二人ともこの場で死ぬわ。でも、見捨てるなんて。  ……喜佳……お願い。私に……!) 覚悟を決め、ほのかに優しい眼を向けた。 「倉沢さん、大丈夫。私を信じて。絶対外さないから。」 「……!?」 「あぁ?」 そして、躊躇なく、トリガーを引いた。 ---- 「……倉沢さん……。」 結果的に、二人とも助かった。 銃を撃とうとした瞬間、朱広竜が倉沢ほのかを突き飛ばし、姿を晦ましたのだ。 慌てて照準を外したものの、一歩間違えればほのかに当たっていたかもしれない。 やはり、あの男は只者ではない。 「……ごめんなさい。」 「嫌!触らないで!」 差し出された手を振りはらい、倉沢ほのかは沙羅に恐怖の目を向ける。 「もういいよ。私に近寄らないで!」 踵を返し、逃げるように映画館の中に向かって走る。 「おっと!」 その時誰かにぶつかったが、構わず中へ入って行った。 「あーあ。あんまし虐めちゃ駄目ですよー。」 「…そうね。今のは私が悪い。」 顔を上げ、階段の上に立つ男に話しかける。 「ねぇ、あなたは殺し合いに乗っているの?」 「・・・僕は・・・。」 その笑っている顔から、男の真意を読み取ることはできなかった。 ◆ ◆ ◆ 「ふぅ、あぶねぇあぶねぇ。油断ちゃいかんよな。」 茂みに隠れた朱広竜は鼓動を落ち着かせる。 あの時、判断をミスっていたら確実に死んでいただろう。 鈴木正一郎といい、無双を許さない危険な連中がこのクラスには結構潜んでいるらしい。 「そう、うまくいかねぇんだよな・・・?」 頭に、固いものが当たる。この感覚。銃器の物だ。 「あんただったのね。」 「…その声。添島龍子か?」 座っている朱広竜に拳銃を当てる龍子は、朱に問いかける。 「ねぇ、何人殺したの?言いなさい。」 「全然殺してねーよ。獲物が減って辛い辛い。」 「嘘よ!あなたが殺したんでしょ!?みんなを沢山!これで終りにしてあげるわ。」 「はぁ。イメージでものを語っちゃいけねぇぞー?」 「だまって!」 圧倒的に不利な状態。しかし、朱広竜は喉を鳴らして笑っていた。 「何がおかしいの?」 「…いや、さっきの女は直感したんだよな。あの距離でも絶対俺に当たるって。  でもさぁ、お前はちっとも怖くねぇのな。  この距離でも当たる気がこれっぽっちもしねぇよ。」 「何言ってるの?あんた、今の状況分かってるの?」 「いいから撃ってみろよ。俺の頭を吹き飛ばしてみな。龍ねぇちゃん♪」 「……ば……!」 ふいに如月にあしらわれた時の事を思い出し、顔が真っ赤になる。 どいつもこいつも――! 「馬鹿に、するなぁ!!」 龍子は激情のまま引き金を引き、 ――その瞬間、朱の右腕が視界から消え、 銃声が、辺りに鳴り響いた。 「……あ……?」 龍子は何が起こったのか理解できなかった。理解できる筈がない。 銃を持った腕が折れ曲がって自分の胸を撃ち抜いているなんて。 (……何これ……。) 「あーあ。だから言ったじゃん。全然怖くねーってなっ。ははは!」 力が抜けた龍子はその場に膝をつき、そのままうつ伏せに倒れた。 (……如月……ごめん……ね……。) このゲームが始まって最初に遭った強い男の記憶を最期に、彼女の意識は消失した。 ---- 「…しまったな…俺としたことが…。畜生!鹿和の野郎ぉ!」 鈴木を警戒して武装したつもりだった。だが、実際持ってみて気付いてしまった。 中指を失った今の状態では上手く使えないかもしれない。 「……ちっ。これじゃ全然怖くねぇな。俺もこの女のことは言えねぇか。」 銃声が響いている。誰か聞いてるかもしれない。 「逃げた方が、いいかな。」 朱広竜は、添島龍子の亡骸を後にし、その場を立ち去った。 &color(RED){【女子十八番:添島龍子 死亡】} &color(RED){【残り30人】} 【E‐5 映画館の外/一日目・朝方】 【女子二十四番:長谷川沙羅】 【1:私(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】 [状態]:良好 [装備]:ベレッタM92(14+1/15) [道具]:支給品一式、予備マガジン×3 [思考・状況] 基本思考:みんなを助ける、ラトの仇をとる 0:白崎篠一郎に話しかける 1:ほのかの事は半分諦め気味 ※日向有人がゲームに乗っているかもしれないと強い不信感を抱いています 【男子十五番:白崎篠一郎(しらさき-じょういちろう)】 【1:僕(ら) 2:貴方(たち) 3:○○(名字さん付け)】 [状態]:右肩に裂傷(応急処置済み) [装備]:なし [道具]:支給品一式、予備用38スペシャル弾(42/42) 、ボウイナイフ、S&W M10(2/6)、縫い針 [思考・状況] 基本思考:スタンスをコロコロ変える (現在のスタンスは不明) 0:長谷川沙羅を? 1:暮員さんに会いたい。 2:由佳の酔いが醒めるまで待ち、玉堤英人捜しに協力する。 3:気が変わったら由佳を殺す。 ※最近見た映画の影響によりコイントスで行動方針を決めることにしました 【男子二十番:朱広竜】 【1:俺(達) 2:お前(達) 3:○○(呼び捨て)(達)】 [状態]:右手中指欠損(止血、応急処置済み)、屈辱 [装備]:モーゼルC96ミリタリー“レッド9”(9/10) [道具]:支給品一式(鹿和太平から奪った支給品) 9mmパラベラム予備弾薬(30/30) [思考・状況] 基本思考:ゲームに乗る 0:この場から離れる 1:積極的に相手には近付かない(今は尚更) 2:しかし機会があれば相手をすぐには殺さず痛め付けて楽しむ 2:危ない橋を渡るのは極力止す [備考欄] ※中指を失ったことで拳法の腕が格段に落ちました ※これにより技の発動などに支障が発生することがあります ※ 中指を失ったことで拳銃がうまく扱えないかもしれません ◆ ◆ ◆ 「はぁ、はぁ。」 映画館の中を倉沢ほのかは奔る。 元々信用していなかったが今回で確信した。 長谷川沙羅から離れたい。 私を見捨てて撃とうとした彼女から。 誰かが、進行通路に立っていた。 黒い表紙の奇妙な本を手に持つその男に、見覚えがある。 海野裕也ほどではないが、割と信用できる人だ。 「…ほのかさん?」 「…楠森君?楠森君だよね!?」 彼の近くに寄り、息を切らして立ち止まった。 「ほのかさん。こんなところに居たんですか。良かった。心配してましたよ。」 「…楠森君は違うよね?」 「え?」 「楠森君は誰も殺してないよね?殺し合いなんかしないよね?」 その悲痛な眼を見て、楠森は思わず同情の眼を向ける。 「…当たり前ですよ。殺し合いなんかしません。  殺し合いなんかして、僕なんかが生き残れる筈がない。」 「…あ、あはは。そうだよね。よかったぁ…。」 ほのかは安堵の笑みを浮かべる。それを見て楠森も安心し、 パンッ! 「……が……!」 「ふぁ~。にゃにようるさいわね~。」 楠森がほのかから顔を離すと、泥酔している由佳の持っている銃から煙が吹いているのが見えた。 楠森はそのまま仰向けに倒れる。ぴくりとも動かなかった。 「…嘘。」 ほのかは、唖然として立ち尽くすだけ。 恐る恐る後ろを振り向き、理解したのか再び奔り出した。 目に涙を浮かべて。 「まって~ははははっ!」 意識がもうろうとするが、とりあえず由佳は追いかけることにした。 ――なに?なに?意味分かんないよ!?どうしてどうしてどうして―― ---- その場に残された楠森昭哉の死体。 (そろそろ、行きましたかね?) しばらくして、それがむくりと起き上った。 生き返ったわけではない。最初から死んでいなかったのだ。 撃たれたショックで倒れてしまったが、幸運にも弾丸は 抱えていた分厚い本に突き刺さり、事なきを得た様だ。 「読むのは大変でしたけど、今はこのページ数に感謝しますよ、作者さん。」 だが間違いなく九死に一生。次はこんなことはないだろう。 やはり寄り道しようなどと思ったのがいけなかったのだ。 自分はこんな処で死ぬわけにはいかない。 一刻も早くここを立ち去ってF-4へ―― ほのかさんを見捨てて? (ふぅ…そう言う訳にも、いきませんかね…。) 流石に親友を切り捨てれるほどドライではない。 楠森昭哉は廊下に立てかけてあった緊急用の消火器を手に取った。 【E‐5 映画館の中/一日目・朝方】 【男子十一番:楠森昭哉】 【1:俺(達) 2:あなた(達) 3:彼(彼女)(達)、名字(さん)】 [状態]:怒り、激しい憎悪、裏切られた悲しみ [装備]:消化器 [道具]:カードキー、本(BR)、工具箱(ハンマー、ドライバー、スパナ、釘)、     木の枝、支給品一式 [思考・状況]  基本思考: 若狭吉雄を許さない(具体的にどうするかは決めていない) 0: F-4へ向かう(たとえ添島龍子と別れることになっても行く) 1:倉沢ほのかをどうにかして助けたい 2:間由佳を撒けたら映画館の中(特に資料室)を調べたい 3:海野裕也が少し心配 4:内木聡右を警戒 [備考欄] ※今回のイベントが本の内容をなぞったものだと考えています ※自分では冷静なつもりですが、その実かなり危ない状態です ※G-7の森の中で内木聡右とすれ違いました ※卜部悠、テトが主催者側に居ると確信しました 【女子十三番:倉沢ほのか】 【1:わたし(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】 [状態]:良好、不信、疲労、右頬に痣 [装備]:ドス [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本思考:できるだけ速く遠くへ移動する、もう沙羅とは行動しない 0:間由佳から逃げる 1:長谷川沙羅と日向有人に強い不信 2:裕也くんに会いたい [備考欄] ※沙羅が主催側の人間ではないかと強い不信感を抱いています ※日向有人がゲームに乗っているかもしれないと強い不信感を抱いています ※楠森昭哉は死んだと思っています 【女子二十三番:間由佳(はざま-ゆか)】 【1:あたし(達) 2:あんた(達) 3:あいつ、○○さん(達)】 [状態]:頭に切り傷(白崎が治療)、酩酊状態、呂律が回らない、まともに立てない [装備]:なし [道具]:支給品一式、グロック19(9/15)、グロック19のマガジン(2) [思考・状況] 基本思考:玉堤英人を生き残らせる(優勝させる) 0:何だかよくわからないがとりあえずほのかを殺す 1:白崎に協力してもらいたい(ムカつくので遅かれ早かれ殺したい) 2:英人を捜す 3:頭が………… [備考欄] ※酒に酔っています ※楠森昭哉は死んだと思っています *時系列順で読む Back:[[大いなる遺産]] Next:[[traffic]] *投下順で読む Back:[[誓いの剣]] Next:[[traffic]] |[[Towering Inferno]]|長谷川沙羅|[[DOUBT]]| |[[Towering Inferno]]|倉沢ほのか|[[Life was like a box of chocolates]]| |[[Cocktail]]|白崎篠一郎|[[DOUBT]]| |[[Cocktail]]|間由佳|[[思い通りにいかないのが世の中だなんて割り切りたくないから]]| |[[闇の聖典]]|楠森昭哉|[[誤算]]| |[[闇の聖典]]|&color(RED){添島龍子}|&color(RED){死亡}| |[[Raging bull]]|朱広竜||
*Panic Theater ◆zmHe3wMKNg 『みんな色んな人が死んで悲しいだろうけど、人生は別れの連続です。  今の内に慣れて耐えられるようにしないといけませーん。じゃあ今日も一日頑張ろうなー』 そこでぶつりと音を立てて、声が消えた。  そして、再び静寂が訪れた。 ◆ ◆ ◆ 「……そんな……如月が……?」 「どうしたんですか?添島さん。」 あれ以上得るものがないと判断し、住宅街を後にした添島龍子は 楠森昭哉に誘われるままカードキーの裏に書かれていたというF-4地点へ向かうことになった。 行動方針を支給された本に縛られているこの男に危うさを感じながらも、 他に手がかりがないことに歯がゆさを感じ、歩いている途中に放送が始まった。 「……あいつが死ぬなんて……くっ……引き摺ってでも連れてくればよかった!」 「それにしても、死亡ペースがちょっと早過ぎますね。この本より沢山死んでいる。  ラトが居なくなったらこうまで脆くなってしまうのでしょうか?このクラスの結束は。」 「……冷静に分析しないでよ。むかつくわ。」 「すみません。」 この惨状に苛立っている自分の弱さに嫌悪を感じる。 自分ではラトの代わりにならないのだろうか? 気持ちが沈んだまま、二人は巨大な建物の前に到着した。 どうやら映画館の裏手側らしい。 「…ここにだれか居ると思う?」 「さぁ?でも、少し気になりますね。」 「何が?」 「この本、バトルロワイヤルはデビュー時批評家の酷評で受賞を逃したものの、  捨てるには惜しいと評価した出版社の熱意で文庫化されると一大ベストセラーに  なり映画化までされるに至った、と、あとがきに書いてあります。  何か、ヒントになる物がここにあるかもしれません。映画のDVDとか。」 「本当にその本が原因で殺し合いさせられてるんなら、とんだ迷惑ね。」 「…調べる価値はあるでしょうか?いや、根拠もなく行動するのは危険か…  やはり先を急ぐのが先決…。」 「ねぇ楠森。どうしてそんなにその本にこだわるの?罠とは思わないわけ?」 「…そうですね。確かにおかしいですよね。」 一息ついた楠森は、遠い眼をして語りだした。 「多分。僕はまだ信じられないんだと思います。先生と生徒という垣根を越えた  親友だと思っていた若狭吉雄が、僕を裏切ったという事実が。  この本は若狭が僕に託してくれた、ゲームの裏をかく為のヒントなんじゃないかという  希望を捨てることができないのですよ。」 「……私はあなた達の間になにがあったか知らない。でも。  あいつはラトの首輪を爆破したわ。笑いながら。絶対許せない。」 「…添島さん。」 その時、銃声が鳴り響いた。 音が聞こえたのは、おそらく映画館の正面玄関付近。   「銃声?」 「……はぁ。信じたくなかったけど。やっぱりみんな始めてるのね。殺し合いを。」 そうして、龍子は音が聞こえた方向に足を向けた。 「……行ってくるわ。」 「危険ですよ。それより先を急いだ方が。」 「ねぇ、あんたが行こうとしてるとこに何があるっていうのよ?  目と鼻の先でみんなが殺し合ってるのを止めるのより優先しなきゃならないこと?」 「……それは……。」 「着いてきたくないなら、来なくてもいいわよ。じゃあ。」 迷う楠森をその場に置き、走り去った。 生徒会役員、添島龍子。 彼女は、今どき珍しいぐらいにまっすぐな性格をした少女だ。 曲ったこと、そういう事を見て見ぬふりをする事が何よりも嫌いな。 だからこそ、何かそういう事が彼女の周りで起これば、 彼女は必ずと言っていいほど首を突っ込んだ。 ――そして、今度も、見事に解決してみせる! ---- 「行ってしまいましたね。どうしましょう?」 ちらと周りを見渡す。 映画館の裏口が見えた。 「……ここで突っ立ってるのもなんですし。中に何があるか見てみましょうかね?」 ◆ ◆ ◆ 「やれやれ。みんな物騒だなぁ。」 映画館の二階の待合室。白崎篠一郎は放送を聞いて思わず肩をすくめる。 あれから即座に行動しようとしたが。由佳の泥酔ぶりが想定以上に酷く、 酔いつぶれた由佳をなんとかここまで連れて来てソファーに寝かせることにしたのだった。 映画館に向かうのは一応最初の行動方針通りでもあったし、 とりあえず由佳の酔いが醒めるまではここで待つのが吉だろう。 愛する捜し人、暮員未幸が生きていたことに安堵しつつも、 まだ面倒くさいことが残っていることに若干の不安を感じる。 「神崎健二が死んでくれてたら嬉しかったのですが…。」 本人もソファーに腰かけて、気を紛らわすために読んでいるのは 資料室に置いてあった旧時代の骨董品映画「バトルロワイアル」のパンフレット。 「…大東亜帝国…BR法…。現在は知る人が知る悪趣味映画の設定に過ぎないと認識されてますが、  しかし。今僕達が置かれているこの現状は何なのでしょう。正に、プログラムそのものですね。」 パンフレットを閉じ、歴史の授業で習ったこの国の歴史を思い出す。 100年ほど前に起こったクーデターで過去の資料が大量に焼き払われたという忌まわしき出来事。 その後の大改革による世界の変貌。毎年教科書上で変化する獣人の出現時期の胡散臭さ。 この世界はとても曖昧で嘘だらけだ。 「遥か昔に実在したプログラムという制度。その生き残りが起こしたクーデターにより壊滅した大東亜帝国。  その結果生まれたのがこの世界。そして今、僕たちは再現されたプログラムの渦中に―――――なーんてね。」 中二病的にくだらない妄想を振り払う。 このゲームがなんなのか。そんなことは暮員未幸の安否に比べれば本当にどうでもいい話だ。 ソファーから立ちあがり、ふと窓の外を覗いてみた。 「…おや、これはこれは。」 「ふぇ?なに~?」 別のソファーで寝ていた間由佳が目覚めたのか、顔だけこちらを向く。 「へぇ、ちょっと面白いことが起きてますね。」 篠一郎はポケットから拾ったコインを取り出し、トスした。 手の中に落ちてきたそれを見ると、表を向いている。 にやりと顔を歪めた。 「…外に行ってきます。由佳さんはゆっくりしていてください。」 「うん…そうするぅ~。むにゃ…ひでと…すきぃ~…。」 酔いが醒めぬまま再び眠りにつく由佳をおいて、ドアに手をかけた。 「妄想してるより現状を楽しむのが一番。そうですよね、未幸さん。」 ◆ ◆ ◆ (喜佳は無事だったのね。でも、もうそんなに?) 「……う……ぐすっ…ひぐっ……。」 「……倉沢さん……。」 長谷川沙羅と倉沢ほのかは港から更に離れるため、島の中央部に向かうことになった。 あれから随分走って歩いた。ほのかの様子がおかしかったがなにをそんなに怖がっているのか? そして放送を迎え、それが終わった瞬間、ほのかはその場で泣き崩れた。 「……なんで…なんで……?  …みんなで体育祭も頑張ったじゃん……文化祭の時も  みんなで教室に泊まって準備して楽しかったじゃん……。  …こんなゲームみんなで潰しちゃおうよ……うぅ……  …みんな……どうして殺しちゃうの!?」 「気持ちは判るわ。でも、落ち込んでる場合じゃないわよ。」 「落ち込むに決まってるじゃん!長谷川さんはなんとも思わないの!?」 「…私は…。」 日が上がったことで見渡しやすくなったのだろう。 顔を上げると、大きな建物が見えた。映画館だ。 「こんなところで止まってたら危ないわ。あそこで休みましょう。」 「…うん。」 ほのかの手を引っ張り、二人は正面玄関まで辿り着いた。 「…でも、裕也は無事だったんだ。よかった。」 「…そうね。」 「はぁ。嫌だなぁ。結局私も他の誰かより裕也の方が大事なんだよね…。」 「…そんなことないわよ。」 「私も、裕也の事になったら殺しちゃうのかな?他のみんなを。」 「倉沢……!!!」 「え?」 「誰だ!そこに居るのは!」 突然、懐から拳銃を取りだした沙羅は正面玄関の麓の茂みに銃を向け、 「・・・ちっ!」 異様な速度で飛び出した何かが、異様な即出で倉沢ほのかの首に腕を巻きつけた。 「…かはっ!」 「倉沢さん!…お前は…!」 「おっと動くなよ~。こいつの首をへし折るのに一秒もかからんぜ?」 「…うっ…はぁ…。」 その体制のまま、じりじり距離を離す男、朱広竜に銃口を向けたまま、長谷川沙羅は膠着する。 「その銃をこっちに投げてくれねぇかな~?俺も強い武器が欲しいんだよねー。  なーんかいまいち数殺せねぇし、「奴」とまた会った時いまのままじゃヤべぇしなー。」 倉沢ほのかが何かを懇願するような眼を向ける。 長谷川沙羅は模索する。現状を打破する方法を。 (こいつに渡したら終わりね。二人ともこの場で死ぬわ。でも、見捨てるなんて。  ……喜佳……お願い。私に……!) 覚悟を決め、ほのかに優しい眼を向けた。 「倉沢さん、大丈夫。私を信じて。絶対外さないから。」 「……!?」 「あぁ?」 そして、躊躇なく、トリガーを引いた。 ---- 「……倉沢さん……。」 結果的に、二人とも助かった。 銃を撃とうとした瞬間、朱広竜が倉沢ほのかを突き飛ばし、姿を晦ましたのだ。 慌てて照準を外したものの、一歩間違えればほのかに当たっていたかもしれない。 やはり、あの男は只者ではない。 「……ごめんなさい。」 「嫌!触らないで!」 差し出された手を振りはらい、倉沢ほのかは沙羅に恐怖の目を向ける。 「もういいよ。私に近寄らないで!」 踵を返し、逃げるように映画館の中に向かって走る。 「おっと!」 その時誰かにぶつかったが、構わず中へ入って行った。 「あーあ。あんまし虐めちゃ駄目ですよー。」 「…そうね。今のは私が悪い。」 顔を上げ、階段の上に立つ男に話しかける。 「ねぇ、あなたは殺し合いに乗っているの?」 「・・・僕は・・・。」 その笑っている顔から、男の真意を読み取ることはできなかった。 ◆ ◆ ◆ 「ふぅ、あぶねぇあぶねぇ。油断ちゃいかんよな。」 茂みに隠れた朱広竜は鼓動を落ち着かせる。 あの時、判断をミスっていたら確実に死んでいただろう。 鈴木正一郎といい、無双を許さない危険な連中がこのクラスには結構潜んでいるらしい。 「そう、うまくいかねぇんだよな・・・?」 頭に、固いものが当たる。この感覚。銃器の物だ。 「あんただったのね。」 「…その声。添島龍子か?」 座っている朱広竜に拳銃を当てる龍子は、朱に問いかける。 「ねぇ、何人殺したの?言いなさい。」 「全然殺してねーよ。獲物が減って辛い辛い。」 「嘘よ!あなたが殺したんでしょ!?みんなを沢山!これで終りにしてあげるわ。」 「はぁ。イメージでものを語っちゃいけねぇぞー?」 「だまって!」 圧倒的に不利な状態。しかし、朱広竜は喉を鳴らして笑っていた。 「何がおかしいの?」 「…いや、さっきの女は直感したんだよな。あの距離でも絶対俺に当たるって。  でもさぁ、お前はちっとも怖くねぇのな。  この距離でも当たる気がこれっぽっちもしねぇよ。」 「何言ってるの?あんた、今の状況分かってるの?」 「いいから撃ってみろよ。俺の頭を吹き飛ばしてみな。龍ねぇちゃん♪」 「……ば……!」 ふいに如月にあしらわれた時の事を思い出し、顔が真っ赤になる。 どいつもこいつも――! 「馬鹿に、するなぁ!!」 龍子は激情のまま引き金を引き、 ――その瞬間、朱の右腕が視界から消え、 銃声が、辺りに鳴り響いた。 「……あ……?」 龍子は何が起こったのか理解できなかった。理解できる筈がない。 銃を持った腕が折れ曲がって自分の胸を撃ち抜いているなんて。 (……何これ……。) 「あーあ。だから言ったじゃん。全然怖くねーってなっ。ははは!」 力が抜けた龍子はその場に膝をつき、そのままうつ伏せに倒れた。 (……如月……ごめん……ね……。) このゲームが始まって最初に遭った強い男の記憶を最期に、彼女の意識は消失した。 ---- 「…しまったな…俺としたことが…。畜生!鹿和の野郎ぉ!」 鈴木を警戒して武装したつもりだった。だが、実際持ってみて気付いてしまった。 中指を失った今の状態では上手く使えないかもしれない。 「……ちっ。これじゃ全然怖くねぇな。俺もこの女のことは言えねぇか。」 銃声が響いている。誰か聞いてるかもしれない。 「逃げた方が、いいかな。」 朱広竜は、添島龍子の亡骸を後にし、その場を立ち去った。 &color(RED){【女子十八番:添島龍子 死亡】} &color(RED){【残り30人】} 【E‐5 映画館の外/一日目・朝方】 【女子二十四番:長谷川沙羅】 【1:私(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】 [状態]:良好 [装備]:ベレッタM92(14+1/15) [道具]:支給品一式、予備マガジン×3 [思考・状況] 基本思考:みんなを助ける、ラトの仇をとる 0:白崎篠一郎に話しかける 1:ほのかの事は半分諦め気味 ※日向有人がゲームに乗っているかもしれないと強い不信感を抱いています 【男子十五番:白崎篠一郎(しらさき-じょういちろう)】 【1:僕(ら) 2:貴方(たち) 3:○○(名字さん付け)】 [状態]:右肩に裂傷(応急処置済み) [装備]:なし [道具]:支給品一式、予備用38スペシャル弾(42/42) 、ボウイナイフ、S&W M10(2/6)、縫い針 [思考・状況] 基本思考:スタンスをコロコロ変える (現在のスタンスは不明) 0:長谷川沙羅を? 1:暮員さんに会いたい。 2:由佳の酔いが醒めるまで待ち、玉堤英人捜しに協力する。 3:気が変わったら由佳を殺す。 ※最近見た映画の影響によりコイントスで行動方針を決めることにしました 【男子二十番:朱広竜】 【1:俺(達) 2:お前(達) 3:○○(呼び捨て)(達)】 [状態]:右手中指欠損(止血、応急処置済み)、屈辱 [装備]:モーゼルC96ミリタリー“レッド9”(9/10) [道具]:支給品一式(鹿和太平から奪った支給品) 9mmパラベラム予備弾薬(30/30) [思考・状況] 基本思考:ゲームに乗る 0:この場から離れる 1:積極的に相手には近付かない(今は尚更) 2:しかし機会があれば相手をすぐには殺さず痛め付けて楽しむ 2:危ない橋を渡るのは極力止す [備考欄] ※中指を失ったことで拳法の腕が格段に落ちました ※これにより技の発動などに支障が発生することがあります ※ 中指を失ったことで拳銃がうまく扱えないかもしれません ◆ ◆ ◆ 「はぁ、はぁ。」 映画館の中を倉沢ほのかは奔る。 元々信用していなかったが今回で確信した。 長谷川沙羅から離れたい。 私を見捨てて撃とうとした彼女から。 誰かが、進行通路に立っていた。 黒い表紙の奇妙な本を手に持つその男に、見覚えがある。 海野裕也ほどではないが、割と信用できる人だ。 「…ほのかさん?」 「…楠森君?楠森君だよね!?」 彼の近くに寄り、息を切らして立ち止まった。 「ほのかさん。こんなところに居たんですか。良かった。心配してましたよ。」 「…楠森君は違うよね?」 「え?」 「楠森君は誰も殺してないよね?殺し合いなんかしないよね?」 その悲痛な眼を見て、楠森は思わず同情の眼を向ける。 「…当たり前ですよ。殺し合いなんかしません。  殺し合いなんかして、僕なんかが生き残れる筈がない。」 「…あ、あはは。そうだよね。よかったぁ…。」 ほのかは安堵の笑みを浮かべる。それを見て楠森も安心し、 パンッ! 「……が……!」 「ふぁ~。にゃにようるさいわね~。」 楠森がほのかから顔を離すと、泥酔している由佳の持っている銃から煙が吹いているのが見えた。 楠森はそのまま仰向けに倒れる。ぴくりとも動かなかった。 「…嘘。」 ほのかは、唖然として立ち尽くすだけ。 恐る恐る後ろを振り向き、理解したのか再び奔り出した。 目に涙を浮かべて。 「まって~ははははっ!」 意識がもうろうとするが、とりあえず由佳は追いかけることにした。 ――なに?なに?意味分かんないよ!?どうしてどうしてどうして―― ---- その場に残された楠森昭哉の死体。 (そろそろ、行きましたかね?) しばらくして、それがむくりと起き上った。 生き返ったわけではない。最初から死んでいなかったのだ。 撃たれたショックで倒れてしまったが、幸運にも弾丸は 抱えていた分厚い本に突き刺さり、事なきを得た様だ。 「読むのは大変でしたけど、今はこのページ数に感謝しますよ、作者さん。」 だが間違いなく九死に一生。次はこんなことはないだろう。 やはり寄り道しようなどと思ったのがいけなかったのだ。 自分はこんな処で死ぬわけにはいかない。 一刻も早くここを立ち去ってF-4へ―― ほのかさんを見捨てて? (ふぅ…そう言う訳にも、いきませんかね…。) 流石に親友を切り捨てれるほどドライではない。 楠森昭哉は廊下に立てかけてあった緊急用の消火器を手に取った。 【E‐5 映画館の中/一日目・朝方】 【男子十一番:楠森昭哉】 【1:俺(達) 2:あなた(達) 3:彼(彼女)(達)、名字(さん)】 [状態]:怒り、激しい憎悪、裏切られた悲しみ [装備]:消化器 [道具]:カードキー、本(BR)、工具箱(ハンマー、ドライバー、スパナ、釘)、     木の枝、支給品一式 [思考・状況]  基本思考: 若狭吉雄を許さない(具体的にどうするかは決めていない) 0: F-4へ向かう(たとえ添島龍子と別れることになっても行く) 1:倉沢ほのかをどうにかして助けたい 2:間由佳を撒けたら映画館の中(特に資料室)を調べたい 3:海野裕也が少し心配 4:内木聡右を警戒 [備考欄] ※今回のイベントが本の内容をなぞったものだと考えています ※自分では冷静なつもりですが、その実かなり危ない状態です ※G-7の森の中で内木聡右とすれ違いました ※卜部悠、テトが主催者側に居ると確信しました 【女子十三番:倉沢ほのか】 【1:わたし(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】 [状態]:良好、不信、疲労、右頬に痣 [装備]:ドス [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本思考:できるだけ速く遠くへ移動する、もう沙羅とは行動しない 0:間由佳から逃げる 1:長谷川沙羅と日向有人に強い不信 2:裕也くんに会いたい [備考欄] ※沙羅が主催側の人間ではないかと強い不信感を抱いています ※日向有人がゲームに乗っているかもしれないと強い不信感を抱いています ※楠森昭哉は死んだと思っています 【女子二十三番:間由佳(はざま-ゆか)】 【1:あたし(達) 2:あんた(達) 3:あいつ、○○さん(達)】 [状態]:頭に切り傷(白崎が治療)、酩酊状態、呂律が回らない、まともに立てない [装備]:なし [道具]:支給品一式、グロック19(9/15)、グロック19のマガジン(2) [思考・状況] 基本思考:玉堤英人を生き残らせる(優勝させる) 0:何だかよくわからないがとりあえずほのかを殺す 1:白崎に協力してもらいたい(ムカつくので遅かれ早かれ殺したい) 2:英人を捜す 3:頭が………… [備考欄] ※酒に酔っています ※楠森昭哉は死んだと思っています *時系列順で読む Back:[[大いなる遺産]] Next:[[traffic]] *投下順で読む Back:[[誓いの剣]] Next:[[traffic]] |[[Towering Inferno]]|長谷川沙羅|[[DOUBT]]| |[[Towering Inferno]]|倉沢ほのか|[[Life was like a box of chocolates]]| |[[Cocktail]]|白崎篠一郎|[[DOUBT]]| |[[Cocktail]]|間由佳|[[思い通りにいかないのが世の中だなんて割り切りたくないから]]| |[[闇の聖典]]|楠森昭哉|[[誤算]]| |[[闇の聖典]]|&color(RED){添島龍子}|&color(RED){死亡}| |[[Raging bull]]|朱広竜|[[愛にすべてを]]|

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