会社員レスラー大技受け死亡、首の骨折る


会社員レスラー大技受け死亡、首の骨折る (日刊スポーツ 2008/12/25)
 東京都江東区の格闘技ホールで10月、インディー(小規模)プロレス団体に所属する会社員の神奈川県平塚市、由利大輔さん(25)が練習中に掛けられた技で頭を打ち、6日後に死亡していたことが24日、分かった。掛けられた側が高所から落ちる「ダブルインパクト」という派手な技だったという。警視庁東京湾岸署は、過失致死の疑いがあるとみて、技を掛けた選手2人らから事情を聴いている。

 調べでは、由利さんは10月18日午前0時半ごろ、江東区新木場の格闘技ホールのリング上で練習中、所属するプロレス団体の代表の男性(30)に肩車された状態で、ロープ上から飛び降りた別の男性選手(34)から「ラリアット」(腕を相手の首にたたきつけて倒す技)を掛けられた。由利さんは、頭から垂直に近い角度でマット上に落ちて首などを強打。病院に運ばれたが、同24日に死亡した。第4、第5頸椎(けいつい)を骨折していたという。

 東京湾岸署などによると、この団体の所属選手は代表を含め3人だけ。由利さんは4月ごろ入団し、8月ごろデビュー。プロレス経験は実質数カ月で、2試合程度しかしていない「会社員レスラー」だった。この技は通称「ダブルインパクト」と呼ばれている。米国の筋肉マン系レスラーコンビ「ロード・ウォリアーズ」が同様の技を使ったことで知られ、相手に対し、ラリアットと落下の2つのダメージを与えることができ、決め技としてしばしば使われる。

 同署では、この団体が練習中の安全管理を怠った過失致死の疑いがあるとみて、代表の男性らに事情を聴いている。この男性は由利さんが死亡した後、自身のブログでファンや関係者に謝罪しつつ「しっかり責任持って対処していくつもりです」と述べている。

 関係者によると、この練習は、同団体など、複数のインディー団体のレスラーが集まって実施されていた。当時リング上にいたのは、由利さんと技を掛けた2人の計3人。ホールは約200人収容可能で、プロレスを中心に年間約250回、興行が実施されている。ホールの中心には常に試合と同じリングが設置されており、試合と同様の技が練習可能なため、常設道場を持たないインディー団体のレスラーが練習場所としてしばしば利用している。関係者によると、現在プロレス団体を名乗るのに特別な規約はないという。

 [2008年12月25日8時46分 紙面から]



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最終更新:2008年12月25日 16:54
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