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我輩は犬である。名前はまだない。そして今、我輩の前には一人の人間がいる。シュ「おや、犬か・・・ふむ、首輪もタグも自爆装置も無いところを見ると野良のようだな」そう言って我輩の前に手を差し出す。シュ「ほーら、エサだぞー。これは米分とか米分とか米分とか炭水化物が取れる完全米養食品だぞー」掌には何か生米が乗っていた…これは食べろということなのだろうか?本来、我輩たち犬は生米など食わないのだが、今日の栄養もままならない野良の身としてはそんな贅沢は言っていられない。ありがたく頂戴するとしよう。うむ、やはり美味しくは無いな。ところが、そんな我輩をよそに、人間はいたく感激した様子だ。シュ「おお、素晴らしい!こんなところで米好きの犬と発見するとは! よし君を同胞と認め、ウチで飼うことにしよう。 ふむ、とりあえず刺し当たっては名前だな、今日から君の名前はネコだ!」…我輩はネコである。
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我輩はネコである。…そこ、不思議そうな顔をするな。我輩とてまだ慣れてはいないのだ。男「で、猫を飼い始めたって言ってたよな」シュ「うむ、間違いなくネコを飼っているぞ」男「んで、じゃぁお前が連れてきたそいつは何だ?」シュ「ネコだ」ネコ「ワン!」男「猫?…犬じゃなくて?」シュ「当然だ、コイツは正真正銘のネコだ」男「えーっと…そいつの生物学上の種類は?」シュ「ふむ、どうやら雑種のようだが、柴犬と秋田犬の血が濃いようだな」男「…もう一度聞く、そいつは犬じゃないのか?」シュ「何を馬鹿なことを言っているのだ?コイツは生粋のネコだ」男「…そうか」シュ「そうだ。なぁネコよ」ネコ「ワン!」…我輩はネコである。
我輩はネコである。…いつまで不思議そうな顔をしている。いい加減なれて欲しいのだが。男「因みに何食わせてるんだ?」シュ「ご飯に鰹節をふりかけたものが好物だ」男「…マジで?」シュ「マジだ」ネコ「ワン!」男「えーと…お前マジで猫なのか?」ネコ「ワン!」シュ「何度も言っているじゃないか」男「…普段はどんなことして遊んでるんだ?」シュ「毛糸球にじゃれ付くのがお気に入りのようだな。時々絡まってじたばたしているが」男「…マタタビは好きか?」シュ「何を馬鹿なことを言っているのだ?猫じゃあるまいし」男「…は?」シュ「なぁネコよ」ネコ「ワン!」…我輩はネコである。
我輩はネコである。今日は主人と散歩中だ暖かい室内もいいが、やはり外は落ち着くな。シベ「こんにちわシューさん、あら?その子は?」シュ「ああ、こいつはネコだ」シベ「ネコちゃんですか、なんだか賢そうですね」シュ「そうだな、どうやら人間の言葉を理解している節がある」ネコ「ワン!」シベ「本当にそんな感じですね。芸とかできるんですか?」シュ「ふむ、まだ試したことは無かったな」芸だと!?むむぅ、ここで芸ができなければシュ「なんだ、芸もできなかったのか。ネコ、君にはがっかりだ」などと言われて野良に逆戻りやもしれん。ここはなんとしても切り抜けねば!シベ「ネコ、お手!」ネコ「ワン!(右前足を手に乗せる)」シベ&シュ「お~」シベ「ネコ、お座り!」ネコ「ワン!(お尻を地面につける)」シベ&シュ「お~」
シベ「ネコ、ch シュ「召喚!」ネコ「…」しょ、召喚だと!? 私にそんなことできるはずは無いではないか!むぅ、しかし、この窮地どうにかして乗り越えなければ明日の食事が心配だ!そ、そうだ!ここは顔なじみの連中に頼もう!ネコ「ワン!」トテトテトテ猫「ニャー」シベ&シュ「……」シベ「…ネコ、召喚!」ネコ「ワン!」猫「ニャー」バサバサバサカラス「カー」シベ&シュ「!?」シベ「…す、すごいですね」シュ「ま、まさかここまでやるとは…さすがネコだな!」我輩はネコである。
~10分後~ガチャ!男「シュー!大丈夫か!ってあれ?」ネコ「ワンワン!」おお!男氏よ!待っていたぞ!こっちだ!男「猫!案内してくれのるか!」ネコ「ワン!」物分りの良い人物で助かった。そうだ!こっちだ!男「待ってろよシュー!今助けてやるからな!」タッタッタッタッタ男「シュー!って、あれ?」ネコ「ワンワン!」男氏よ、すまないがこの猫缶を開けて欲しいのだ。男「猫缶と置手紙…なになに?『召喚術で何とかしてみたまえ』なんだこりゃ?」ネコ「ワン!ワン!」おおい!子猫よ!もうすぐ食事にありつけるぞ!子猫「ミー」男「…まさかお前の子供?」ネコ「ワン!」そんな訳無かろう。
男「おーい、シュー、なにして…ってお前!」シュ「ん?どうした?突然声を荒げて」ネコ「ワン!」男「どうしたもこうしたも猫捨てるのかよ!」シュ「なんだと?人聞きの悪い。どうして私がネコを捨てなければならないのだ」ネコ「ワン!ワン!」男「いや、だって『可愛がってください』って書いてあるダンボールに入れて持ち運んでるから…」シュ「それと捨てることが何の関係があるのだ?私はネコをみんなに可愛がってほしいだけだ」ネコ「ワンワン!」男「え?ああ、そう…そうか…あれ?おかしいのは俺?」シュ「そうだ、君がおかしいのだ」ネコ「クゥ~ン(ペロペロ」男「……猫。慰めてくれなくていいから」
¥ここまで元祖ネコ筆者¥
我輩はネコである。何だか最近、主人がご機嫌斜めなようだ。原因はわからんが…何だというのだ?男氏がなにか関係しているのではないか?こないだなんか、主人は男氏と玄関先でひとしきり言い争ったあげく、拗ねて部屋に帰ってしまった。それ以来…あの機械は…電話だったか?が鳴ると、始めは喜んで電話に出るのはいいが…段々声が下がっていくではないか。そのたびに、主人の電話の手持ち無沙汰で我輩は、梅干しを額にくっつけられるのだ。電話のやり取りが終わるまで、主人のそばで待っていなければならんのだ。これでは困る。我輩、このまま額が酸っぱいままの犬生を送りたくはないぞ。…仕方ない、ここは我輩一肌脱いで、主人の悩みを解決しようではないか!いざ、調査に出発だ。差し当たって…当の男氏の匂いをたどってみよう!……玄関から先に出れん。
ネコがみんなに可愛がられますように。親バカですか? はい、親バカです
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