不飽和脂肪酸
スーパー等で売られている食用油の主成分。常温で液体。
3系統(オメガ3、オメガ6、オメガ9)に分類される。
必須脂肪酸
人間の体の中で合成できない脂肪酸=必須脂肪酸は、オメガ3系列のα-リノレン酸とオメガ6系列のリノール酸の二つです。皮下脂肪は飽和脂肪酸であり、体内で余剰の糖から合成できますので、食品中から飽和脂肪酸を取り込む必要はありません。
アルファ・リノレン酸 (オメガ3) <必須脂肪酸> ⇒ 不足気味。重要。
- とても不安定で変化しやすい (酸化しやすい)
- DHA、EPA等
- アレルギーやガンの発生を押さえる
- 現代の食環境ではα-リノレン酸は不足しています
(100年前と比較すると20%しか摂取できていません)
- 魚や海藻類、野菜、種子、胚芽類(熱帯のものではないもの)
穀物の精白や肉食化でα-リノレン酸の摂取量が減っています。
- DHAはオメガ3系の脂肪酸でα-リノレン酸から体内で合成されます。
- 酸化、変性しやすい
- 細胞膜の重要な構成要素である
- 脳、神経系の発達や働きに重要な役割を果たす
⇒ 脳神経系にはオメガ3、6系の脂肪酸が多く含まれ、特にオメガ3系の脂肪酸が重要な役割をしています。脳神経系の成長段階でα-リノレン酸が欠乏するとDHAが合成できず、十分な発達ができないことが分かっています。視力にも重要な役割があり、ぼけや痴呆にも関与していると考えられている。
- アレルギーやガンの発生を押さえる
- 心臓病や脳血管病を防ぐ
⇒ 血中のコレステロールをコントロールしたり血液をさらさらにし、血圧を下げ心臓病や脳血管病を防ぐはたらきをします。
- 脳神経系に欠かせない栄養素
- 亜麻仁油、エゴマ油、シソ油
- 熱や光、酸素などによって変性する
リノール酸 (オメガ6) <必須脂肪酸> ⇒ 過剰摂取が問題
- オメガ3より安定性が高い
- 市販の油に含まれる割合が高い
- 紅花油
- 過剰に摂取するとアレルギーやガンの発生を助長します。
- 現代の食環境ではリノール酸は十分摂取でき欠乏することはありません。かえって摂取し過ぎています。
- リノール酸の過剰摂取によって生成されるプロスタグランジンはアレルギー症状を助長するように働きます。
- 市販のドレッシングや、マヨネーズ(リノール酸系列の食用油から作られている)
オレイン酸 (オメガ9)
現代の食環境でα-リノレン酸が不足している理由
1) α-リノレン酸は反応性が高く保存性が悪い。
→ほとんどの食用油はオメガ6系のリノール酸かオメガ9系のオレイン酸が多い
2) α-リノレン酸を多く含む食品が食卓から減っている
→ α-リノレン酸を多く含む食品は、魚や海藻類、野菜、種子、胚芽類(熱帯のものではないもの)ですが、穀物の精白や肉食化でα-リノレン酸の摂取量が減っています。
明らかに不足しているα-リノレン酸ですが、その役割は非常に重要です。
植物油
オレイン酸 (オメガ9) 82% / リノール酸 (オメガ6) 8%
オレイン酸 (オメガ9) 13% / リノール酸 (オメガ6) 79%
オレイン酸 (オメガ9) 46% / リノール酸 (オメガ6) 41%
オレイン酸 (オメガ9) 60% / リノール酸 (オメガ6) 24% / αリノレン酸 (オメガ3) 10%
現代人の油環境
1)油、脂肪の総摂取量が多い
2)オメガ6系のリノール酸の摂取量が多く、α-リノレン酸の摂取量が極めて少ない
3)有害な脂肪酸=トランス脂肪酸の摂取量が多い
油とガンの関連性
●遺伝的にガンになりやすい系統のラットに5種類の油を与え自然にガンになる率を比較した研究では、
亜麻仁油( α-リノレン酸の含有率が高い) |
⇒ 2匹 |
魚油 |
⇒ 6匹 |
ラード(飽和脂肪酸) |
⇒ 32匹 |
コーン油(リノール酸含有率が高い) |
⇒ 60匹 |
紅花油(リノール酸含有率が最も高い) |
⇒ 66匹 |
という結果になったと報告されています。
(1988年:ライナス・ポーリング科学医学研究所)
その他にも同じような研究結果が多数報告されています。
これらの研究から、
- オメガ3系とオメガ6系の必須脂肪酸バランスが重要
- オメガ6系のリノール酸の過剰摂取がガンを起こしやすい
●紅花油は高リノール酸の油で、リノール酸が必須脂肪酸であったことから健康に良い油と宣伝されていました。しかし現在ではリノール酸の過剰摂取は発ガン作用を示すと考えられており、メーカーも「リノール酸が豊富に含まれる」と宣伝しなくなりました。リノール酸は多くの食品に含まれ、現代の食環境でも不足することはありません。
(リノール酸はごはん2杯半で1日の必要量が摂取できます)
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最終更新:2008年01月11日 15:32