仕事中@ファミレス ~涙が止まらない~

    

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家にいると仕事が進まないので、しうはよく、〆切がせっぱ詰まってくるとファミレスに自主缶詰をするんです。長時間ファミレスにこもっていると、奇妙なお客さんに出くわします。
 先日なんかも、人気の少ない深夜のファミレスで、大学生の6人組(女4:男2)が、いきなり王様ゲームをはじめてビックリしました。
 最初のうちは、『3番が1番に、ご飯をたべさせてあげるー!』とか可愛い内容だったのですが、次第にエスカレート。
『2番が1番の首筋にちゅー!』
『4番が2番に、氷口移しー!』
 いやいやいや、待ってくれ! ここはファミレスだぞ! つーか、おまえらシラフだろ?! 首が長いよそれは
ジラフだろ?! とか思いつつ、女子同士の首筋ちゅーを見て( *´∀`)ハァハァしてしまう、しうなのでした僕も混ぜてください。

 そんなこんなで。
 今回もファミレスで出逢った奇妙なお客さんについて書こうと思うんですが……
 ファミレスに来るお客が、楽しくていい人たちばかりとは限りません。
 見ていてツライ想いをしてしまうお客さんもいるのです。今日は、そんなお客さんについて書こうと思います。

 今日も今日とて、ファミレスで仕事をしていると…
 隣のテーブルに、親子が座ったんです。妙に若作りしてる茶髪のお母さんと、中学一年生ぐらいの兄、そして小学校低学年ぐらいの妹です。
 まあ、どこにでもいる家族連れだなあぐらいにしか思ってなかったのですが……驚きました。

母「ほら! 早く決めなさいッ! ったく、トロいんだから!」

 お母さんが、デフォルトでキレてるんですよ。
 子どもがなにをしても、怒鳴りつけるんです。

妹「それじゃ、わたしカレーにするー」

母「そ。わかった」

妹「わたし、カレー好きー」

母「うるさいな! そんなこと聞いてないでしょ?!」

 カレー好きって言っただけじゃん!
 なんで、怒鳴るんだよ?!ヽ( `Д´)ノ

 お兄さんの方は、もうこのお母さんに呆れてるのか、

兄「…………」

 無表情でそっぽ向いたまま、一言も喋ろうとしません。注文を決める時もメニューを指さしただけ。関わり合いになるのを、極力控えているみたいです。


 料理が届いてからも、お母さんはキレっぱなし。

妹「いただきまーす」

母「黙って食べなさい」

妹「……ショボーン(´・ω・`)」

兄「…………」

 ただカチャカチャと鳴り響く、食事の音。
 さっさと自分だけ平らげた母親は、タバコ吸いながらケイタイをいじり始めました。
 やるせねぇ('A`)

 すると突然、妹が明るい顔をして口を開いたんです。

妹「あ、そだ、お母さん! 聞いて聞いてっ! あのね! えとね! 今日、学校でね、とってもいいことが……」

母「うるさい! 食べてる時は騒がないの! 周りの人に迷惑でしょ!」

 ちっとも迷惑じゃないよ! うるさいのは、アンタだよ!
 むしろ、そのコの話、聞いてあげてよ!

 怒鳴られてびっくりした妹が、カレーをテーブルにほんのちょっと落としちゃったんですが…

母「あーもー! 汚いな! なんでちゃんと、食べられないの?! 綺麗に食べなさい! 綺麗に! あーもームカツク!」

 烈火のごとく、怒る母。
 そんなに怒るほど、こぼしてないだろー?!ヽ( `Д´)ノ

妹「うう…ごめんなさい……」

 ブツブツ文句いいながら、母親はケイタイをいじくっている。
 妹は涙目。兄は一言も喋らずに、黙々と食べています。
 まるでお通夜みたいな雰囲気に包まれたテーブル。

 こんな食事、楽しいはずがない。


 すると。
 母親のケイタイが鳴り始めました。

母「ちょっと、お母さん、電話してくるから。サッサと食べちゃってね」

 そう言い残して、ケイタイ片手に母は店から出ました。
 電話するヒマがあったら、我が子としゃべれよ!

 子育てを経験するどころか、恋人もいない僕には言う資格がないかもしれませんが、それでも言いたい。もうちょっと、子どもとの接し方ってもんがあるだろ。それじゃ、あまりにも可哀想だろ。子どもがグレてからじゃ遅いんだぞ、ゴルァ( `Д´)
 と、隣のテーブルで、私はキレまくっていたんですが……
 妹のようすを見て、怒りも吹き飛びました。

 そのコは、涙目のまま、一生懸命カレーを食べてたんです。
 お母さんの言いつけを守りたいから、ゆっくり食べていたら怒られてしまうから……味わう余裕もないぐらい、急いで食べてたのです。
 でも。
 もともと、食べるのが遅い子なのでしょう。焦っているからか、口の周りをべそべそに汚してしまっていて……きっと、それをまた怒られてしまうのに、それすらも気付かずに必死にカレーをかき込んでいたんです。目にいっぱい涙を溜めて。一生懸命に。あぐあぐ。

 そのコが健気で不憫で、しうは泣きそうになってしまいました。
 もうね、この世には親子の情はないのかと、寂しい気持ちになってしまいましたよ。あんなお母さんはやめて、お兄さんチの子になれと、そう言って抱きしめてあげたくなったほどです。


 そのとき。
 一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。

兄「……そんなに急がなくてもいいよ」

妹「え?」

兄「ゆっくり食べな」

妹「で、でも……お母さんが」

兄「いいから。好きなんだろ、それ」

妹「うんっ」

 兄は、チラッと母親が出て行った出口の方を確認しつつ…

兄「で? なにがあったって?」

妹「???」

兄「学校でいいことあったんだろ」

妹「う…うんっ! あのね! えとね! 今日学校でね!」

 妹は、楽しげにしゃべり始めました。他愛もないことだったんですが、とっても嬉しそうに。きっと、聞いてもらえるだけで嬉しいんでしょう。さっきまで涙目だったのに満面の笑みを浮かべています。
 兄は、にこりともせずに話を聞いてあげていたのですが、

兄「そっか。良かったな」

 と言って、妹のべそべそになった口元を拭いてあげたのでした。


 そのとき、隣のテーブルでは……


 しうさん号泣・゚・(ノД`)・゚・。


 親子の情は見えなくとも、兄妹の情はちゃんとありました。
 きっと、この二人はまっとうに育つと思います。

 いやー、今日はいいもん見せてもらいました。


 え?
 仕事は進んだのかって?


 仕事なんざしてる場合か!
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