「交通安全週間」(2006/06/12 (月) 23:17:38) の最新版変更点
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"#000000">交通安全週間のある日、母から二枚のプリントを渡されました。<br>
そのプリントは、交通事故についての注意などが書いてあり、<br>
その中には実際にあった話が書いてありました。<br>
それは交通事故で加害者の立場で亡くなった人の家族の話でした。<br>
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残されたのはお母さんと子供たち、上の子が小学二年生、<br>
下の子が五歳の男の子の兄弟です。<br>
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この人たちは、事故の補償などで家もなくなり、<br>
土地もなくなり、住む家もやっとのことで四畳半のせまい所に<br>
住めるようになりました。<br>
お母さんは朝6時30分から夜の11時まで働く毎日です。<br>
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そんな日が続くある日、三人でお父さんのいる天国に行くことを考えて<br>
しまっていました。<br>
(以下、プリントから)<br>
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朝、出かけにお兄ちゃんに、置き手紙ををした。<br>
「お兄ちゃん、お鍋にお豆がひたしてあります。<br>
それを煮て、今晩のおかずにしなさい。お豆がやわらかくなったら、<br>
おしょう油を少し入れなさい。」<br>
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その日も一日働き、私はほんとうに心身ともにつかれ切ってしまった。<br>
皆で、お父さんのところに行こう。私はこっそりと睡眠薬を買ってきた。<br>
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二人の息子は、そまつなフトンで、丸くころがって眠っていた。<br>
かべの子供たちの絵にちょっと目をやりながら、まくら元に近づいた。<br>
そこにはお兄ちゃんからの手紙があった。<br>
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「お母さん、ぼくは、お母さんのてがみにあったように、お豆をにました。<br>
お豆がやわらかくなったとき、おしょう油を入れました。<br>
でも、けんちゃんにそれをだしたら、<br>
「お兄ちゃん、お豆、しょっぱくて食べれないよ。」<br>
と言って、つめたいごはんに、おみずをかけて、それをたべただけでねちゃった。<br>
お母さん、ほんとうにごめんなさい。でもお母さん、ぼくをしんじてください。<br>
ぼくのにたお豆を一つぶたべてみてください。<br>
あしたのあさ、ぼくにもういちど、<br>
お豆のにかたをおしえてください。でかけるまえに、ぼくをおこしてください。<br>
ぼく、さきにねます。あした、かならずおこしてね。<br>
お母さん、おやすみなさい。」<br>
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目からどっと、涙があふれた。<br>
お兄ちゃんは、あんなに小さいのに、こんなに一生懸命、生きていてくれたんだ。<br>
私は睡眠薬を捨て、子供たちのまくら元にすわって、お兄ちゃんの煮てくれた、<br>
しょっぱい豆を涙とともに一つぶ一つぶ、大事に食べました。<br>
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このお話を読み終えたとき、私と母の目から、涙が出てきました。<br>
そうして、何度も、何度も、くり返し読みました。<br>
私は、今まで、交通事故は被害者だけが悲しい思いをしていると<br>
思っていましたが、このお話を読んで、加害者も、私たち以上に悲しくせつない<br>
思いをしていることがわかりました。<br>
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毎日、毎日、日本のどこかで、こういう子供たちが生まれているのかと思うと、<br>
とてもたまりません。<br>
どうか、お願いです。車を運転するみなさん、交通事故など、<br>
絶対におこさないでください・・・・・。<br>
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