ジェラル2-前編

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ジェラル2-前編

キャストに関しては前作で演じた人の名前が
そのままキャスト名となっております。

元々は6月後半公開予定の台本でした。が、
キャストが集まらないのと、
台本としては、他の話を読んでないと
楽しめないんじゃないか?(用は2流)
という台本ですので、ずっと保留してました
が、後編は、前作と関係無い?(なくもない?)
一般の人でも楽しめる作りになってる(筈)
ですので、見る前に判りやすいよう
前編を公開しておきます。

キャスト
司会               :未定
ジェラル             :ジェラル
神                :未定
悪魔               :未定
愛遮(傭兵団姉御)        :未定
迅朔(傭兵団子分A)       :未定
ナツキ(傭兵団子分B)      :未定
汐莉那(司祭)         :未定
帝国騎士団長          :未定
メルティー(ジェラルの母)   :未定
ジョーカー(傭兵団姉御の元恋人):未定
皇帝陛下            :未定

司会:
今晩は。今日もDLFの劇を見に来て頂き、ありがとうございます。
先ずは物語を始める前に、作品の概要等を
この作品は、前作、ジェラルの続き物になっております。
また、全てのla_mer作成の台本の続きものでもあります。
それを踏まえた上で、知らない方でも出来るだけ楽しめる用
前編は説明を中心に話を進めていこうと思います。
気になる方は、是非DLFHPに足を伸ばして、台本の方を一読
して頂けると幸いです。
物語は、愛遮視点。ジェラル視点で話が進みます。
前編は、愛遮視点が中心となっております。
…それでは、DLF定期公演

「ジェラル2-前編」

お楽しみ下さい。


ジェラル「・・・ごめんね。でも、ボクはそろそろ行かなきゃ。
この世界に長くとどまるには、ボクの力は大きすぎたから。
でも、ボクはまたいつか、帰ってくるよ。」

ジェラル「この世界でも、良く言うでしょ?『さようなら。また、明日』」

愛遮「待って!まだ・・・!」

(ジェラルフェードアウト)

ある日、神と魔王が議論をした。
果たして、人間は良いものか悪いものかと。
その答えは今だに見つかっては居ない。
でも、見つかっていないからこそ、人間は、迷い。傷つき、そして
成長していくものだと、思いたい。
それが、人間なのだから。



……

ジェラル「ここは?」

神「お目覚め…かね?」

ジェラル「貴方は?」

神「私は、この世界の創造主。貴方は十分に役目を果たしました。
  それでは、約束通り、新たに生まれ変わらせる事にしましょう」

ジェラル「約束?」

神「…覚えてませんか?」

悪魔「我と、契約せし出来事を…」

ジェラル「…貴方は?」

悪魔「我は、魔王。汝は1度、我と契約し、転生する予定だったのだ。
   だがしかし、その時、ある男を救う為、自分が
   犠牲になった。そのお陰で契約は不完全なものとなり
   一度こちらへ戻されたのだ」

ジェラル「契約…とは?」

悪魔「本来は、自分の転生の為に使うはずの契約を途中で
   廃棄し、ある男を生かす為にその力を使った…
   そのせいで、魂は汚れる事を知らず、我との契約は
   廃棄された。…純真無垢な魂では、我と交わした
   契約は受理出来ないからな」

神「その為、我らは2度、汝に試練を与えた」

悪魔「人は、本当に、正しい心をもっているのか
   それとも、我に溺れ、悪の心に染まってしまうのか…をな」

ジェラル「…試練?」

神「そう、1度目は、我との試練。汝が救った人間は本当に
  汝が救うに値するかどうか」

ジェラル「…」

神「結果として、汝の父…は、汝を愛した。だが…」

悪魔「人間とは欲深き生き物…折角生まれ変わっても、
   汝の業ゆえか、災いを呼び、汝はまた、窮地に陥る事になる」

ジェラル「…」

悪魔「結果として、汝は命を失う事になる。だが…」

悪魔「結果として、汝の魂は汚されず、またここに戻ってくる事になった」

ジェラル「…」

悪魔「汚れなき、汝の魂を見て、思いついたのだ。
   それならば、人智を超えた力を与えてみてはどうだろうか?と」

ジェラル「…それで?」

悪魔「汝にもう一度、生を与える事にした。ソレが、2回目の試練」

神「悪が与えたもうた、人智を超えた力。それを悪用する考えをもつ
  ものが現れ、汝の魂が汚されるようであるならば、
  この世界を神と魔王の名の元に滅ぼしてしまおう、と。…だが」

悪魔「汝は、結局、汚れる事無く、またここに、戻ってきた」

神「さぁ、今こそ、約束を果たす時は来た」

悪魔「我らは、汝の行く末を見守ろう」

神「3度目の人生を、歩むが良い。」

(神/悪魔フェードアウト)

ジェラル「待ってください!まだ…」

(フラッシュバック/ジェラル舞台真中で眠る)


ジェラル「んん…ここは?」

メルティー「あら?気が付いた?」

ジェラル「アッ。ママ…」

メルティ「今日は随分とうなされてたのね」

ジェラル「なんだか、不思議な夢を見たの…」

メルティ「…そう、ゆっくりお眠り。坊や」

ジェラル「…うん」

(ジェラル眠る)
メルティ「この子がずっと幸せでありますように…さてと…」


司会:メルティは静かに、ジェラルを見つめ、外に出る
   その瞳に決意の光を宿らせて…


ジョーカー「愛遮…」

愛遮「…ジョーカー…やっと、見つけたわよ」

ジョーカー「…長い長い時だった。さぁ!はじめようか!」

迅朔「あ。姉さん!」

愛遮「お前たちは、下がってなさい」

ナツキ「はいっ。」

(愛遮VSジョーカー、激しいバトル)

ジョーカー「…思い起こせば、アレから15年。少しは腕を磨いたのかな?」

愛遮「おだまりっ!」

ジョーカー「はははっ。愛遮…変わったなぁ。昔はそんな事を言う子じゃ
      無かったのに。」

愛遮「女もね!25過ぎると強いのよっ」

迅朔「姉御ももう、歳だからな…」

愛遮「おだまりっ!」

迅朔「ひぃっ」

(カキィン)

(愛遮、剣を落とす)

愛遮「っく!」

ジョーカー「腕を上げたね…愛遮」

(ジョーカー剣を愛遮の前に突き出していう)

愛遮「舐めんじゃないわよ!さっさと止めを刺したらどうなの!?」

ジョーカー「…」

迅朔「姉御!」

ナツキ「姉さん!」

愛遮「大丈夫。まだやれる!」

(剣を拾う)

(ジョーカーVS愛遮再び)

???「(何かスキル使用)!」

(キィィン!)

ジョーカー「!?」

???「大丈夫ですか?愛遮さん!」

愛遮「汐莉那!どうしてココに!」

汐莉那「司祭たる者、常に、自分達の国の情報は判ります。ソレに、
    今日のお告げで、嫌なお告げが出たから…きてみたんです」

???「俺も居るぜ?」

愛遮「(王国騎士団長~キャラ名)!」

(帝国騎士団長)「我ら、帝国騎士団。愛遮殿に助っ人致す!」

ジョーカー「…これはこれは。皆様おそろいで。今日は陛下は?
      いらっしゃらないのですか?」

皇帝陛下「居るぞ」

ジョーカー「コレは陛下。ご機嫌麗しゅう」

皇帝陛下「ジョーカー、お前は、再び、過ちを繰り返すというのか?」

ジョーカー「…どういう事です?」

皇帝陛下「お前の叔父は、確かに、優れた人物であった。…表向きはな。」

皇帝陛下「だが、裏では、人体実験を繰り返す、狂気の人物であった。
     だから、我が父は、愛遮の父にお願いして、
     お前の叔父を抹殺するよう願ったのだ。」

ジョーカー「黙れ!そんな話…信じられるか!」

メルティ「…それが、真実なのよ」

ジョーカー「!?叔母様っ!?」

メルティ「久しぶりね…」

ジョーカー「何で…ここへ」

メルティ「そろそろ、貴方を解放してあげなきゃと思って…
     あの人の幻影から…」

ジョーカー「黙れ!黙れ黙れ!」

皇帝陛下「…かつて、この国は、世界を手中に収めんとして、
     反乱を興した、その際、沢山の子供狩りを行った。
     その時に、お前の叔父は、科学者として、沢山の子供を
     拉致した。愛遮の父もまた、その一人だった…」

ジョーカー「…黙れ!あの優しい叔父様がそんな事をする訳が無い!」

皇帝陛下「その時、お前の叔父には愛する女性が居た。
     …彼女の死が全ての歯車を狂わせたのだ。」

メルティ「そして、あの人は、私と結婚した…でも、私との間には
     子供は出来なかった。」

皇帝陛下「彼は自分の息子に不思議な力がある事を利用し、
     世界を掌握しようとした。…だが、後1歩と言う所で
     愛遮の父に敗れた。
     幼いお前には、理解出来なかったのかもしれないが…な」

メルティ「それが、全ての始まり。」

ジョーカー「黙れ!黙れ黙れ黙れっ!ソレが真実だったとして、
      今の俺には関係無い事だっ!」

皇帝陛下「まぁ、聞け。その戦いで命を失ったのは、何もお前の叔父だけ
     では無い。我が母も命を失う事になったのだ。
     …我が父も。」

(呆然と立ち尽くすジョーカー)

皇帝陛下「愛遮の父には、不思議な力があった。
     恐らくは人工的に、作られた力だとは思うのだが
     その力を持って、お前の叔父を倒し、この国を救う
     英雄になった。私が彼とあったのはその頃だ。」

ジョーカー「…」

皇帝陛下「私の母は、かつて、この帝国が世界を制覇しようとして
     いた頃、女ながら軍人として、中尉にまで
     上り詰めた軍人であった。
     私はそんな母の事を誇りに思っていた。
     …ある日、愛遮の父が私の前に来て、父も母も死んだ事を
     聞かされるまでは、な」

ジョーカー「……」

皇帝陛下「愛遮の父は、幼い私を見て、こういった。
     これからは、君達若い世代がこの国を引っ張っていくものだ。
     とな。そうして、暫くして、私は愛遮の父の勧めで
     皇帝の任についた。…本来なら国を救った英雄である、彼が
     なるべき所を、私が…だ。」

ジョーカー「…」

皇帝陛下「…何故?と思うだろう?
     私も思った。そしたら、彼は、こういった。
     相棒の忘れ肩身。だからさ。と。
     それはとても、穏やかな、でも寂しそうな笑顔だったよ」

ジョーカー「……」

皇帝陛下「その後、彼は引退し、結婚し、穏やかな時間を過ごしていた
     それはそれは、幸せそうだったよ。
     でも、憎しみは憎しみを生む事を知っていたんだろうね。
     だから、あえて、ジョーカー…君の凶刃に倒れた…と。」

ジョーカー「……そんな…それでは、私は…何の為に…」

メルティ「…ジョーカー…もう。忘れなさい」

ジョーカー「叔母様…」

愛遮「ジョーカー…」

ジョーカー「愛遮…」

愛遮「アタシ達…また、やり直せないかな?」

ジョーカー「…」

メルティ「私もね、あの人の事は、愛していた。
     例え、この身が、あの人の愛した人の
     …偽りの人口生命体だったとしても…ね」

ジョーカー「…どうして、今更そんな事を言うの…酷いよ」

メルティ「知って欲しいの。あの時、私はあの人も、
     …貴方も止める事が出来なかった。
     旅立つ時も…でも、ずっと、貴方の事を心配していた
     だって、貴方は、私と同じ…」

ジョーカー「!」

メルティ「…人口生命体。TYPE-4だから」

ジョーカー「そんな…馬鹿なっ!僕は人間だっ」

メルティ「いいえ。嘘じゃないわ。ただし、貴方は最後の
     …成功作。完璧な自我を持った。ね。
     私はあの日…陛下の父に敗北して生死を彷徨った日に
     自我が芽生えた不完全な存在。でも、貴方は違うわ。
     だから…」

ジョーカー「黙れ!黙れ黙れっ!」

(ジョーカー気が狂ったように攻撃)

愛遮「っ!叔母様っ!」

メルティ(ザシュ)

メルティ「ジョーカー…貴方は…幸せ…に…」

ジョーカー「う…うわあああああああああっ」

(血まみれで立ち尽くすジョーカー)

愛遮「ジョーカー…」

ジョーカー「くるなっ!くるなくるなくるなっ!」

(力の暴走)

迅朔「姉御ぉ!ここは、ヤバイ!」

輪「崩れるぞっ!」

ナツキ「姉さんっ!早くこちらへっ!」

(一同非難)

ジョーカー「ははははは…僕は…何の為に…叔父さん…」

(メルティの死体を見つつ、立ち尽くすジョーカー)

愛遮「…」

迅朔「…姉御ぉ…」

愛遮「…何も、言うな。判ってる…」

汐莉那「愛遮さん…」

輪「今は、そっとしといてやろうぜ」

汐莉那「…うん」

愛遮「復讐は、復讐しか…生まない。か」

皇帝陛下「…結局。彼もまた、時代の犠牲者なのかも…な」

愛遮「お前達!帰るよ!」

(陛下以外の一同、返事)

司会:
こうして、また、1つの物語が、幕を閉じる。
そして、もう一人の主人公は…

ジェラル「あれ?…ママ?」

(気が付いたら、メルティが居ない)
(舞台をウロウロするジェラル)

ジェラル「ママ…何処にいったんだろう?そのうち帰ってくるかな?」

司会:

幾ら待っても帰ってこない母

ジェラル「ママ…遅いな…僕、良い子にしてるのに…」

司会:

そうして、幾日が過ぎた日。ジェラルの自宅に一人の男が訪問して来る

(コンコン)


ジェラル「はぁい。どなた?」

皇帝陛下「こんにちは。…ジェラル君。だね?」

ジェラル「貴方は?知らない人はおうちに入れちゃ駄目だって
     ママがいってたよ?」

皇帝陛下「…そうか。ジェラル君は偉いね。ちゃんと一人で
     お留守番出来たんだね」

ジェラル「うんっ!」

皇帝陛下「…ママはね。遠くの所でお仕事する事になったんだ。
     だからね。その間、うちに来ない?」

ジェラル「そうなんだ…うーん…でも、ママを待ってる。」

(後ろで泣いている汐莉那)

(慰める輪)

皇帝陛下「そっか。じゃあ、困ったら、私の所を尋ねておいで。
     歓迎するからね」

ジェラル「うんっ。おにいちゃん。またねっ」

(立ち去る皇帝。去り際に)

汐莉那「あの子…可愛そう。あんなにしっかりしてるのに…」

皇帝陛下「…そう。だな…輪。汐莉那」

(二人)「はい」

皇帝陛下「これからも、あの子の面倒を見てやってくれないか?」

(二人)「喜んで!」

こうして、ジェラルは、大人になっていく。

ジェラルの物語は今、始まったばかり。

(前編終了)

司会:
いかがでしたでしょうか?
これから、ドンドン成長していくジェラルの物語については
後編をお待ち下さい。

それでは、今宵はこれにて。
ご静聴ありがとうございました♪
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