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 彼女は今、自分がどこにいるのか分からなかった。
 幻の秘祭とそれに関係する宝を探していて、現地のガイドを雇ったはいいが、背後からガツンとやられてしまい、気が付けばこの状態であった。
 現地のガイド──あの少女は、やはり敵側の人間だったのか。もはや喋る気力もなく、彼女はうなだれていた。
 そこに現れたのは、調査中に幾度と見かけた老人であった。彼が秘祭を治める神官に間違いはないだろう。
 老人は、両手で抱えるようにして、袋を持っていた。大きさは、そう、大体人間の頭部くらいの──。

「や」
 彼女は呟くように言った。
 同時に、老人は哂った。
「や、やめ、て」老人は「やめて」手を「やめてえええええええええ!!!!!!!」離した。

 鈍い音。地面に広がる、赤い液体。目を大きく見開き、涙を流し、絶望を感じる彼女。
 しわがれた声で、老人は言う。
「……知り過ぎた者には、安らかなる眠りを……」
 どこが安らかな眠りなのか。落ちた衝撃で袋の口は開き、少女の虚ろな瞳は、じっと彼女を見る。

 ごめんね、ごめんね、貴女を雇ったばっかりに、私を、わたしを、ユルシテ。

 彼女が拘束されていたのは、大きな岩。
 目の前は、長く広い坂。 かつて彼女が憧れた冒険映画の主人公は、こんな状況をどう切り抜けただろうか。
 少女が、ずっと見つめている。

 つっかえ棒が外れた。
 ぐらり。岩が傾く。

 彼女の視界一杯に地面が広がった時、彼女は口を開いた。


 ぐしゃ。