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 私、島津由乃の朝はちょびっと遅い。
 今日は、夏休み明けの、始業式。
 ご飯を食べて学校に行く準備をして、などとやっている内に時間になる。
 外に出ると、丁度令ちゃんが出てくるところだった。
 令ちゃんは早起きして少し素振りをしてからやってくる。見習わなければ。
 ……でも、なんだか様子がおかしい。
 私は令ちゃんに近づいて、そっと背後から肩に手を置いた。
「おはよう、令ちゃん♪」
「ぅあぁん!」
 変な声を上げて、令ちゃんはその場に座り込んだ。
「えっ? えぇっ? 令ちゃん?」
「お、おはよう……由乃」
 顔を真っ赤にして、令ちゃんは私を見た。
 あれ?
 昨日と肌の色が違う?
「もしかして令ちゃん、皮剥けたの?」
 今年の夏の海で、令ちゃんは日焼け止めとよく焼けるオイルを間違えて塗ってしまい、こんがり小麦色になっていたのだ。
 でも今はキレイな肌色。多分、昨日のうちに剥けたんだろう。
「じゃあ、触るとヤバい?」
「できれば……触らないでほしいな……」
「わかった。立てる?」
「大丈夫」
 令ちゃんはゆっくり立ち上がる。
「制服がこすれるだけでも結構ピリピリするんだ……」
「ふーん……」
 うずうず。
 触るなって言われると触りたくなるのが人間ってものよね。
 私は微妙に後ろに下がり、一気に令ちゃんのおしり目掛けてキックを食らわした。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 令ちゃんが大きく口を開けた。悲鳴は出ない。
 大粒の涙を流し、ちょっとだけ涎もたらしちゃってる。
「……あ、あの……令、ちゃん?」
「ぁ……ぁ、ぁぁ……」
 なんか……令ちゃん、壊れたかもしれない。少し笑ってるし。
 やばいと思ったその時、私の後ろから足音が聞こえてきた。
「令ー! おはよー!!」
「ああ、黄薔薇さま! 今は駄目ぇ!!」
「え?」
 私の制止は遅かったようだ。
 猛スピードで走ってきた江利子さまは、令ちゃんに思いっきり抱きついてしまった。
「ひぁ……ぉ、ぁ、ぇ、ぃ、ぅ、ぇぁ……」
 令ちゃんは気を失った。
「ちょ、ちょっと、令? 由乃ちゃん、これはどういうこと?」
「……黄薔薇さまの、バカ……」
 キックかました私がいうのもなんだけどさ。
 令ちゃんはそれから一週間、近づいてくれませんでした。