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「こりゃあ、まずいわね」
「そうですね……」
 すぐに雲が通過してくれればいい。にわか雨くらいならちょっとしたイベントと思えるが、もしこれが嵐になれば、せっかくの休暇が台無しになるかもしれない。
 私たちは無意識に──半ば意識していたのだろうが──歩みを速めていた。

 ──結局、私の嫌な予感は当たり、雲は壮絶な嵐を呼び起こして、私たちは数日の間、小笠原の別荘に閉じ込められることになる。
 それと同時に、この島にいたとある人物の心の中に、雨雲よりもどす黒い感情が渦巻いていたのだが──。