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「ごきげんよう黄薔薇さま、大好きです」

 ……まただ。
 何が起きてるかわからないけど、何故か今朝からずっと、私は告白され続けている。
 ただの挨拶ならまだいいが、最後に何かしら恋愛感情を込めた言葉がついているのだ。
 私をからかっているのかわからないが、とにかく私の顔は赤くなりっぱなしで、今日ほど由乃がいなくて良かったと思った日はなかった。

 マリア像の前にいた祥子も、私に告白してきた。
「あら、ごきげんよう、令。貴女が好きよ」
「ご、ごきげんよう、祥子……」

 祐巳ちゃんも。
「ごきげんよう、黄薔薇さま! えへへ、私幸せです!」
「何かいいことでもあったの?」
「黄薔薇さまとこうして会話できただけで私、幸せなんです!」
 例え祐巳ちゃんも変になっていたとしても、これはすごく嬉しい。

 志摩子も。
「ごきげんよう、令さま。紅茶をお煎れしますね」
「ありがとう。お願い」
「ローズティーとミルクティーと私のどれになさいます?」
「……今、なんて?」
「私を味わいませんか、と」
「そ、そこまでストレートに言ってなかったでしょ!?」

 紅薔薇さまも。
「令、ちょっと手伝ってくれないかしら」
「はい、なんでしょう」
「二人の共同作業なんだけど、ウェディングケーキはどれにしようかな、と」
「……はい?」
「だから結婚式よ。こういうのは早く決めないといけないでしょ?」
「か、勝手に話を進めないでくださいっ!」

 白薔薇さまも。
「れーい♪」
「わっ!」
「ん~、鍛えられた身体の中に、柔らかな乙女も混ざりあって、最高の抱き心地だ」
「は、放して下さい」
「どーお? お姉さんと一緒に、愛について一晩語り合わない?」
 何か大事なものが奪われる気がした。

 そして。
「……令。なんだか今日はおかしな一日ね」
「……気付いてましたか?」
「ええ。みんなが令に告白やアタックをする。不思議じゃない?」
「悪戯とも思えないけど、リリアンで出会った人はみんな、私を……」
「まったく、悪戯ならヒドイ話よね。誰よりも一番貴女を愛しているのは私だというのに」
「はい。……えっ!?」
「蓉子も蓉子よ。令にはウェディングドレスの方が似合うじゃない。それに聖はわかってないわね~。令は身体もいいけど背中から腰、そしてヒップラインがたまらないってのに」
「……」
 何だか、どっと疲れましたよ、お姉さま。

 その日の夜。
 由乃の熱もさがり、私は安心した途端に眠くなってしまった。
 急激に襲ってきた睡魔に勝てずに、私は由乃のベッドに突っ伏してしまう。
 夢の世界に旅立つ寸前、由乃が私の耳元で囁いた言葉は、今日聞いたどの言葉よりも感情が込められていた。

「愛してるよ、令ちゃん」