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ナイフで突き刺して魂を削って涙が飛び散る夜に」(2007/12/31 (月) 23:37:20) の最新版変更点

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――カラン。 星が瞬く夜に響く、ナイフが落ちる音。 刃は鮮血を吸い、鈍くも妖しい光を放つ。 目の前には細川可南子。 彼女はとても悲しそうな瞳で、私を見ている。 ――貴女は、祐巳さまを独り占めにしたいのね。 ――もう、祐巳さまは貴女だけを見ているというのに、まだ足りないのね。 ――私、死ぬのかしら。 ――祐巳さまに、お別れが、言いたかったな。 ――さようなら、祐巳さま。 ――さようなら、瞳子さん。 ――私、貴女のこと、嫌いじゃなかったわよ。 ……細川可南子は、倒れたまま、動かない。 彼女を中心に広がる、赤い水溜まり。 まるで泉に住む妖精のように、笑顔で……。 ……ただ、悲しそうに、彼女の瞳は、私をずっと見ている。 私は涙を流し、取り返しのつかないことをしてしまったことに気付く。 冷たくなった彼女にすがりつく。 ――お願い、目を覚まして。 ――何か喋って。 ――恨み言でも何でもいい、私に何かを喋って。 そんな私を、夜空の真ん中に浮かぶ月が、小さく嘲笑った気がした。

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