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祐巳の決断眠れぬ夜の演奏会」(2007/12/31 (月) 23:20:24) の最新版変更点

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-[[第一夜>アイドルミスター沈む]] ♪デン デデデ デンデンデンデン デン デデデ デンデンデンデン <リリアンどうでしょう サイコロの旅 第2夜>    車内 「由乃さま、そろそろですね」  小笠原邸に一番近いバス停が近づいてきた。由乃は降車ボタンを押し、運転手や他の乗客に次で降りるという主張をする。 「さぁ、降りるわよ」 「由乃、いきなり行って迷惑にならないかなぁ」  ミスターこと令ちゃんが相変わらず情けない声を上げる。親友が突然家を訪ねてきて、迷惑に思う訳がない、と由乃は踏んでいた。いざとなったら祐巳さんを生贄にしてしまおう、とも考えている。 「な、なんか嫌な予感がした」  祐巳さんは少し涙目でそう呟いた。大丈夫。祥子さまがキレたりしなかったら大丈夫。由乃は心の中でそう語りかけながら、小さく合掌するのだった。  バスが停車する。ノリノリの三つ編みとおかっぱ、なんだかんだで愛する姉の家が楽しみなツインテール、そして邪零に捕り憑かれたかのような表情のベリーショートな四人がバスから降りて行った。    小笠原邸  門扉の前に立つや否や、由乃はピンポンダッシュをする子供のように、ベルボタンを連打した。 「おぉ、高橋名人ですね。ゲームは一日一時間ですよ、由乃さま」  乃梨子ちゃんのズレたつっこみに、令ちゃんはうろたえるばかりだ。 「よ、由乃ぉ、いくらなんでもそれはマズいよ。祥子だけならまだしも、小父さまとかがいたら絶対に怒られるよ」 「大丈夫。それを回避する方法はあるの」 「本当に?」 「うん。まず、令ちゃんはあの有名なクラーク博士のポーズをして」 「こ、こう?」  どこかを指差すポーズを取る令ちゃんに、由乃は満足そうに笑って、 「それを、ここに立ってやってみて」 「え、でも」 「せーの、はいっ!」  由乃が手を打ち、反射的にクラーク博士のポーズを取る。  令ちゃんの指先がベルボタンに触れ、ピンポーン♪と小気味いい音を立てた。 「……よ、由乃ぉ!?」  妹の方を見るがそこにはすでにその姿はなく、あるのは首と手足にリボンを巻き、『貢物』と書かれたガムテープを口に貼られた祐巳さんがいるだけだった。 「えええええええーーーーーーーっ!?」  令ちゃんが叫んだ瞬間、ギギギ、と門扉が開いた。そこには、般若の表情の…… 「さっささささささちさちちちちち」 「れえええぇぇぇぇぇぇぇぇぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい」 「ごごごご誤解誤解なんだってばさちさ祥子おおおおおお」 「ベルの連打のみならず、祐巳をこんな目に合わせるなんて容赦しないわよおおおおおおおお」 「さ、祥子、落ち着いてええええええdぇdrfgきfhいwhぢhgf    ──しばらく お待ちください TVO テレビ小笠原── 「祐巳ぃ、痛くなかった? このケダモノに痛くされなかった?」 「むーむー(口のテープを剥がしてください、お姉さまっ)」 「そうなのね、私のお部屋に? いいわよ、早速行きましょうっ」 「むむー、むむむー(違います、嬉しいけど違うんですっ)」  祐巳さんを拉致しようとする祥子さまは今や上機嫌で、壁に叩きつけられた挙句モザイク処理しても放送できない状態になった令ちゃんの事なんかすっかり忘れている。思い切って由乃はアタックを仕掛けた。 「ごきげんようっ、祥子さま!」 「あ~らぁ、由乃ちゃんじゃない。ご・き・げ・ん・よぅ♪」 「早速ですが祥子さま、サイコロを振って下さいませんか?」  今回の目はこの6つ。 1:ちょっと佐藤聖に会いに行く 2:まったり藤堂志摩子に会いに行く 3:ひょっこり山口真美に会いに行く 4:なぜか蟹名静に会いに行く 5:とりあえず薔薇の館に行く 6:いつかきっと支倉令を病院に連れて行く 「はい!」  由乃の掛け声と同時に、乃梨子ちゃんが歌いだす。 「何が出るかな、何が出るかな、それはサイコロ任せよっ」 「とう!」  祥子さまもノリノリでサイコロを宙に舞わせた。  コン、と硬い音と共に、アスファルトに落ちたサイコロ。 「何、目は何!」 「あ゛っ」  乃梨子ちゃんが濁った声を出した。    ┏━┓    ┃::┃    ┗━┛ 「4……」 「静さんに会いに行くのね? ちょうどいいじゃない。頑張ってちょうだい♪」 「え、あの、日本に帰ってきているとか?」 「ええ。確か明日には帰ってしまうはずだけれど」 「わかりました! ありがとうございます!」 「良かったぁ、私、イタリアまで行くことになるかと思いましたよ」 「それじゃあ祥子さま! 祐巳さんとお幸せに!!」 「ええ! 連休は一秒たりとも寝かせないわ!!」 「むーむーっ!(由乃さんたちのバカー!!)」  嵐のように由乃と乃梨子ちゃんはその場を去り、祥子さまは鼻歌交じりで縛られてもがく祐巳さんをお姫様だっこで拉致していく。  そして我らがミスターは、 >へんじがない。 >ただのしかばねのようだ。 <リリアンどうでしょう サイコロの旅 第2夜 終わり>  せーかいじゅうを(略
-[[第一夜へ>アイドルミスター沈む]] ♪デン デデデ デンデンデンデン デン デデデ デンデンデンデン <リリアンどうでしょう サイコロの旅 第2夜>    車内 「由乃さま、そろそろですね」  小笠原邸に一番近いバス停が近づいてきた。由乃は降車ボタンを押し、運転手や他の乗客に次で降りるという主張をする。 「さぁ、降りるわよ」 「由乃、いきなり行って迷惑にならないかなぁ」  ミスターこと令ちゃんが相変わらず情けない声を上げる。親友が突然家を訪ねてきて、迷惑に思う訳がない、と由乃は踏んでいた。いざとなったら祐巳さんを生贄にしてしまおう、とも考えている。 「な、なんか嫌な予感がした」  祐巳さんは少し涙目でそう呟いた。大丈夫。祥子さまがキレたりしなかったら大丈夫。由乃は心の中でそう語りかけながら、小さく合掌するのだった。  バスが停車する。ノリノリの三つ編みとおかっぱ、なんだかんだで愛する姉の家が楽しみなツインテール、そして邪零に捕り憑かれたかのような表情のベリーショートな四人がバスから降りて行った。    小笠原邸  門扉の前に立つや否や、由乃はピンポンダッシュをする子供のように、ベルボタンを連打した。 「おぉ、高橋名人ですね。ゲームは一日一時間ですよ、由乃さま」  乃梨子ちゃんのズレたつっこみに、令ちゃんはうろたえるばかりだ。 「よ、由乃ぉ、いくらなんでもそれはマズいよ。祥子だけならまだしも、小父さまとかがいたら絶対に怒られるよ」 「大丈夫。それを回避する方法はあるの」 「本当に?」 「うん。まず、令ちゃんはあの有名なクラーク博士のポーズをして」 「こ、こう?」  どこかを指差すポーズを取る令ちゃんに、由乃は満足そうに笑って、 「それを、ここに立ってやってみて」 「え、でも」 「せーの、はいっ!」  由乃が手を打ち、反射的にクラーク博士のポーズを取る。  令ちゃんの指先がベルボタンに触れ、ピンポーン♪と小気味いい音を立てた。 「……よ、由乃ぉ!?」  妹の方を見るがそこにはすでにその姿はなく、あるのは首と手足にリボンを巻き、『貢物』と書かれたガムテープを口に貼られた祐巳さんがいるだけだった。 「えええええええーーーーーーーっ!?」  令ちゃんが叫んだ瞬間、ギギギ、と門扉が開いた。そこには、般若の表情の…… 「さっささささささちさちちちちち」 「れえええぇぇぇぇぇぇぇぇぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい」 「ごごごご誤解誤解なんだってばさちさ祥子おおおおおお」 「ベルの連打のみならず、祐巳をこんな目に合わせるなんて容赦しないわよおおおおおおおお」 「さ、祥子、落ち着いてええええええdぇdrfgきfhいwhぢhgf    ──しばらく お待ちください TVO テレビ小笠原── 「祐巳ぃ、痛くなかった? このケダモノに痛くされなかった?」 「むーむー(口のテープを剥がしてください、お姉さまっ)」 「そうなのね、私のお部屋に? いいわよ、早速行きましょうっ」 「むむー、むむむー(違います、嬉しいけど違うんですっ)」  祐巳さんを拉致しようとする祥子さまは今や上機嫌で、壁に叩きつけられた挙句モザイク処理しても放送できない状態になった令ちゃんの事なんかすっかり忘れている。思い切って由乃はアタックを仕掛けた。 「ごきげんようっ、祥子さま!」 「あ~らぁ、由乃ちゃんじゃない。ご・き・げ・ん・よぅ♪」 「早速ですが祥子さま、サイコロを振って下さいませんか?」  今回の目はこの6つ。 1:ちょっと佐藤聖に会いに行く 2:まったり藤堂志摩子に会いに行く 3:ひょっこり山口真美に会いに行く 4:なぜか蟹名静に会いに行く 5:とりあえず薔薇の館に行く 6:いつかきっと支倉令を病院に連れて行く 「はい!」  由乃の掛け声と同時に、乃梨子ちゃんが歌いだす。 「何が出るかな、何が出るかな、それはサイコロ任せよっ」 「とう!」  祥子さまもノリノリでサイコロを宙に舞わせた。  コン、と硬い音と共に、アスファルトに落ちたサイコロ。 「何、目は何!」 「あ゛っ」  乃梨子ちゃんが濁った声を出した。    ┏━┓    ┃::┃    ┗━┛ 「4……」 「静さんに会いに行くのね? ちょうどいいじゃない。頑張ってちょうだい♪」 「え、あの、日本に帰ってきているとか?」 「ええ。確か明日には帰ってしまうはずだけれど」 「わかりました! ありがとうございます!」 「良かったぁ、私、イタリアまで行くことになるかと思いましたよ」 「それじゃあ祥子さま! 祐巳さんとお幸せに!!」 「ええ! 連休は一秒たりとも寝かせないわ!!」 「むーむーっ!(由乃さんたちのバカー!!)」  嵐のように由乃と乃梨子ちゃんはその場を去り、祥子さまは鼻歌交じりで縛られてもがく祐巳さんをお姫様だっこで拉致していく。  そして我らがミスターは、 >へんじがない。 >ただのしかばねのようだ。 <リリアンどうでしょう サイコロの旅 第2夜 終わり>  せーかいじゅうを(略

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