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友達でいいのに春眠暁を覚えず天使さま」(2007/12/31 (月) 22:21:50) の最新版変更点

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 ──私は、空を見ていた。抜けるような、吸い込まれるような、青空。  そう言えば、初めて祐巳さまを見かけた時も、こんな日だったと思い出す。  天使さま、なんて言っていた頃もあったと、私は少し口の端を吊り上げた。  幻滅をして、目が覚めて。私はますますあの方に惹かれ、そして瞳子さんとの仲を応援しようと決めたんだ。  瞳子さん、私に何かあったら泣いてくれるかしら。  例えば、私が死んだら。  私という存在が、この世界から消え去ったら。  ……祐巳さまは泣くだろう。己惚れではなく、確実に。 「……可南子ちゃぁん……どうして、どうしてぇ……」  なんて、死んでしまった事に罪悪感を覚えてしまうような、切ない声で。  乃梨子さんはどうだろう。きっとその場では泣かないかも知れない。  誰も見ていないところで、泣いてくれるのを信じよう。  ……瞳子さんは、ずっと泣かないのかも知れない。  なんだか、不意にそんな気がした。  ──ああ、なんだかいい気持ち。  このまま目を閉じて、眠ってしまおうかしら。 「駄目、駄目だよ可南子!」 「可南子ちゃん、目を開けて!!」  乃梨子さんの声が聞こえた。祐巳さまの声も。  私は、目を閉じきる前に、瞳子さんを探した。  でも、見つけるより先に、視界は暗闇に閉ざされた。 「……可南子、さん……」  瞳子さんの声が聞こえた。  背中に伝わる、アスファルトの冷たさ。  体温は奪われ、私の身体はアスファルトと同じくらいの温度になる。  全く。祐巳さまったら、車を避けないんですもの。  わたしが、とっさにかばったから、よかったものの。  ──とうこ、さん、は、ないて、くれる、かしら。  ──と もだち だ っ てみと めて くれ るかし ら──。
 ──私は、空を見ていた。抜けるような、吸い込まれるような、青空。  そう言えば、初めて祐巳さまを見かけた時も、こんな日だったと思い出す。  天使さま、なんて言っていた頃もあったと、私は少し口の端を吊り上げた。  幻滅をして、目が覚めて。私はますますあの方に惹かれ、そして瞳子さんとの仲を応援しようと決めたんだ。  瞳子さん、私に何かあったら泣いてくれるかしら。  例えば、私が死んだら。  私という存在が、この世界から消え去ったら。  ……祐巳さまは泣くだろう。己惚れではなく、確実に。 「……可南子ちゃぁん……どうして、どうしてぇ……」  なんて、死んでしまった事に罪悪感を覚えてしまうような、切ない声で。  乃梨子さんはどうだろう。きっとその場では泣かないかも知れない。  誰も見ていないところで、泣いてくれるのを信じよう。  ……瞳子さんは、ずっと泣かないのかも知れない。  なんだか、不意にそんな気がした。  ──ああ、なんだかいい気持ち。  このまま目を閉じて、眠ってしまおうかしら。 「駄目、駄目だよ可南子!」 「可南子ちゃん、目を開けて!!」  乃梨子さんの声が聞こえた。祐巳さまの声も。  私は、目を閉じきる前に、瞳子さんを探した。  でも、見つけるより先に、視界は暗闇に閉ざされた。 「……可南子、さん……」  瞳子さんの声が聞こえた。  背中に伝わる、アスファルトの冷たさ。  体温は奪われ、私の身体はアスファルトと同じくらいの温度になる。  全く。祐巳さまったら、車を避けないんですもの。  わたしが、とっさにかばったから、よかったものの。  ──とうこ、さん、は、ないて、くれる、かしら。  ──と もだち だ っ てみと めて くれ るかし ら──。

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