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もしも令が歩いてたら告白される戦争」(2008/04/02 (水) 02:33:48) の最新版変更点

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「ごきげんよう黄薔薇さま、大好きです」  ……まただ。  何が起きてるかわからないけど、何故か今朝からずっと、私は告白され続けている。  ただの挨拶ならまだいいが、最後に何かしら恋愛感情を込めた言葉がついているのだ。  私をからかっているのかわからないが、とにかく私の顔は赤くなりっぱなしで、今日ほど由乃がいなくて良かったと思った日はなかった。  マリア像の前にいた祥子も、私に告白してきた。 「あら、ごきげんよう、令。貴女が好きよ」 「ご、ごきげんよう、祥子……」  祐巳ちゃんも。 「ごきげんよう、黄薔薇さま! えへへ、私幸せです!」 「何かいいことでもあったの?」 「黄薔薇さまとこうして会話できただけで私、幸せなんです!」  例え祐巳ちゃんも変になっていたとしても、これはすごく嬉しい。  志摩子も。 「ごきげんよう、令さま。紅茶をお煎れしますね」 「ありがとう。お願い」 「ローズティーとミルクティーと私のどれになさいます?」 「……今、なんて?」 「私を味わいませんか、と」 「そ、そこまでストレートに言ってなかったでしょ!?」  紅薔薇さまも。 「令、ちょっと手伝ってくれないかしら」 「はい、なんでしょう」 「二人の共同作業なんだけど、ウェディングケーキはどれにしようかな、と」 「……はい?」 「だから結婚式よ。こういうのは早く決めないといけないでしょ?」 「か、勝手に話を進めないでくださいっ!」  白薔薇さまも。 「れーい♪」 「わっ!」 「ん~、鍛えられた身体の中に、柔らかな乙女も混ざりあって、最高の抱き心地だ」 「は、放して下さい」 「どーお? お姉さんと一緒に、愛について一晩語り合わない?」  何か大事なものが奪われる気がした。  そして。 「……令。なんだか今日はおかしな一日ね」 「……気付いてましたか?」 「ええ。みんなが令に告白やアタックをする。不思議じゃない?」 「悪戯とも思えないけど、リリアンで出会った人はみんな、私を……」 「まったく、悪戯ならヒドイ話よね。誰よりも一番貴女を愛しているのは私だというのに」 「はい。……えっ!?」 「蓉子も蓉子よ。令にはウェディングドレスの方が似合うじゃない。それに聖はわかってないわね~。令は身体もいいけど背中から腰、そしてヒップラインがたまらないってのに」 「……」  何だか、どっと疲れましたよ、お姉さま。  その日の夜。  由乃の熱もさがり、私は安心した途端に眠くなってしまった。  急激に襲ってきた睡魔に勝てずに、私は由乃のベッドに突っ伏してしまう。  夢の世界に旅立つ寸前、由乃が私の耳元で囁いた言葉は、今日聞いたどの言葉よりも感情が込められていた。 「愛してるよ、令ちゃん」

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