「モウハナサナイ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

モウハナサナイ」(2008/04/02 (水) 02:20:48) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 ――最近、龍宮の様子がおかしい。  仕事だと言って部屋を出るのはいいが、向かう場所はいつも同じだ。  逢引き、か。相手は毎回違うが、場所は一緒。  あいつはわかっているんだ。私が気付いていることを。知っていながら、私を挑発するかのように。  可哀想なのは相手だ。私を妬かせたいがために、その気持ちを弄ばれているのだから。  しかし、いつ龍宮が本気で相手に溺れるかわからない。それだけは私も嫌だ。  どうしたらいいのか。浮気現場に飛び込めば、龍宮の思う壺だ。  ――あぁ、そうか。動けなくすればいいのか。  どうせ仕事じゃないんだ。動けなくても、たいした支障はない。  手足を折っても治るからなぁ。切り落とすか。ふむ。研いでおくかな……。 ----  ――刹那には気付かれているんだろうな。  でも、あいつに贈るプレゼントをあいつ自身に訊くのは何か嫌だ。  だからといって、手当たり次第にみんなに訊ねたはいいが、あまり役には立たなかった。  最初から近衛に相談すればよかったんだよ。まったく、私は馬鹿だな。  ここ最近は不必要にコソコソしてしまったが、今日からはその必要も無くなる。  ドアを開けて、あいつに言うんだ。「誕生日、おめでとう」って。  ……部屋に入ると、真っ暗だった。おや、寝るにはまだ早い時間だが。  出かけているのか? しかし鍵は開いていた。 「刹那? おーい、刹那」  少しすると、背後から抱き締められた。 「刹那か?」 ----  背後から抱きついた桜咲刹那の顔には、作り物のような笑顔。  その手には、愛用の刀。刄は龍宮真名の喉に食い込む。  龍宮は「何故?」といった顔で、目だけを動かした。口を開くと、鮮血が溢れる。 「龍宮……、愛してるよ」  刹那がささやいた。  真名の手から、指輪の入ったケースがこぼれ落ちた。
 ――最近、龍宮の様子がおかしい。  仕事だと言って部屋を出るのはいいが、向かう場所はいつも同じだ。  逢引き、か。相手は毎回違うが、場所は一緒。  あいつはわかっているんだ。私が気付いていることを。知っていながら、私を挑発するかのように。  可哀想なのは相手だ。私を妬かせたいがために、その気持ちを弄ばれているのだから。  しかし、いつ龍宮が本気で相手に溺れるかわからない。それだけは私も嫌だ。  どうしたらいいのか。浮気現場に飛び込めば、龍宮の思う壺だ。  ――あぁ、そうか。動けなくすればいいのか。  どうせ仕事じゃないんだ。動けなくても、たいした支障はない。  手足を折っても治るからなぁ。切り落とすか。ふむ。私の愛刀を、研いでおくかな……。 ----  ――刹那には気付かれているんだろうな。  でも、あいつに贈るプレゼントをあいつ自身に訊くのは何か嫌だ。  だからといって、手当たり次第にみんなに訊ねたはいいが、あまり役には立たなかった。  最初から近衛に相談すればよかったんだよ。まったく、私は馬鹿だな。  ここ最近は不必要にコソコソしてしまったが、今日からはその必要も無くなる。  ドアを開けて、あいつに言うんだ。「誕生日、おめでとう」って。  ……部屋に入ると、真っ暗だった。おや、寝るにはまだ早い時間だが。  出かけているのか? しかし鍵は開いていた。 「刹那? おーい、刹那」  少しすると、背後から抱き締められた。 「刹那か?」 ----  背後から抱きついた桜咲刹那の顔には、作り物のような笑顔。  その手には、愛用の刀。刄は龍宮真名の喉に食い込む。  龍宮は「何故?」といった顔で、目だけを動かした。口を開くと、鮮血が溢れる。 「龍宮……、愛してるよ」  刹那がささやいた。  真名の手から、指輪の入ったケースがこぼれ落ちた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: