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妬み姫とニート姫 - (2009/01/06 (火) 19:44:58) のソース

--初日/紅魔館大食堂/水橋パルスィ 

 ……妬ましい。ああ、妬ましいわ。 
 どうして勇儀ってば、初対面の連中とあんなに笑顔で話せるのかしら。 
 どうしてお燐ってば、あんなにテンション高くできるのかしら。 
 ええ、どうせ私は一人よ。どうせ私はテンション低いわよ。ああ妬ましい! 
「パルシーだっけ?」 
 私の隣に、青い子が座った。 
「……チルノだっけ、名前」 
「うん! あたいはチルノ! さいきょーなのよ!」 
「……私、パルスィ」 
「ぱるしー!」 
「パルスィ」 
 チルノは笑顔で私を見ている。 
 ああ、妬ましい。この子の無邪気さが妬ましい。 
「ぱるしーは地下から来たんだよね?」 
「そうよ」 
「いいなー、あたいも地下に行きたいなー」 
「暗くて、怖いわよ」 
「う、じゃあ行かない」 
 ……なんだろう。妬ましいのに、可愛いとも思える。 
 この子は恐ろしい子だ。私から妬む心を奪い去るなんて。 
「チルノ」 
「なに?」 
「貴女が、とても妬ましいわ」 
 可愛くて、愛しくて、とても妬ましい。 
 私は、チルノのことを見れなくなった。 

   * 

--初日/紅魔館大食堂/風見幽香 

「あー、私のことニートニート言うけどねぇ」 
 私の目の前に座る輝夜さんは、得意げな表情でそんなことを言い出した。 
「ニートっていうのは、素敵な、とか綺麗な、とかそういう意味があるのよ。決して働かないとかひきこもりとかじゃないの。わかる?」 
 あらあら。どこからツッコもうかしら。 
 彼女の表情が歪むのを想像すると楽しいわ。 
 じゃあ、早速いきましょう。……うふふっ。 
「さすがね、輝夜さん。素晴らしい知識をお持ちのようね」 
「そうでしょ?」 
 ふふ、この蓬莱ニートが。 
「NEATは確かにそういう意味ね。でもきっと、八意さんが言っているのはNEETの方ね」 
「ん?」 
「Not in Employment, Education or Training. つまりは勉強もしない、働きもしない、働く努力すらもしない。ふふっ、そっちではないかしら」 
「な、なによ! 私がそんな風に見える!?」 
「起きたら最初に何をする?」 
「パソコンの電源を入れる」 
「好きな食べ物は?」 
「宅配ピザとポップコーン」 
「履歴書はある?」 
「何それ。食べれるの?」 
「普段着はその服?」 
「ジャージ」 
「完全にNEETじゃないの」 
「……あ、私そっちのニートだわ」 
 気づいたようね。一安心だわ。 
 さすがに泣きはしないけど、面白い子というのはわかったわ。ふふっ。うふふっ。 
「だって私姫だもーん」 
 うふふ、ふふふふふっ。 
 この可愛い可愛い蓬莱ニートめ。うふふふふふふふふふふh(ry