コンセプト 小学生高学年~中学生向けSDロボ小説 
目標 子供にもわかるシンプルな小説

制作状況 とりあえず全体を粗く描写、文章推敲中。




出陣前夜

悪魔軍宇宙要塞の宇宙港には大勢の兵士が作業を行っていた。
ギガンダムのガルド攻略をサポートするため、出撃準備が行われているのだ。
一度に10隻の巨大船を整備できる広大なドックは満杯だった。

満たしているのは方々の戦線から少しずつ集められた歴戦の戦艦たちである。
どの艦も型式こそ古いが、乗組員の練度は高い。
彼らはギガンダムの砂漠の星投入を援護するための囮と護衛を担う。


ドックの中の一番見晴らしの良いところでは演説台を組み立てている部隊もいる。
その様子を待機中の部隊が見学に来ていたりする。



ドックは喧騒というより賑やかさを放っていた。
何しろ久しぶりの大作戦なのだ。

作業の合間には集まった精鋭部隊どうし、お互い名は轟けどあったことはない。
そんな部隊ばかりなのだ。
お互いに細かいは自慢話から後方の家族の話にまで幅広く交流がマジわされる。



精鋭ということで作業は順調に進んでいる。
3体一組で足並みをそろえて鉄骨を運んでいる部隊もあれば、巨大なクレーンで次々物資やミサイルを積み込んでいる船もある。
パーティションでは区切られた隅では接近戦となった時の剣を訓練しているものや、作業上の真ん中には地図を広げて航路の打ち合わせや確認を行っている部隊もいた。


接近訓練は白熱している。
何しろ熟練部隊中心。
腕に覚えのあるものが次々参加し、武道大会のごとき盛り上がりを見せている。




今回の作戦では、航路設定を行っている部隊が一等高い地位に据えられている。

作戦目標は砂の惑星ガルド。
悪魔軍本拠地の回るガス状星雲は恒星から遠く、ガルドは恒星の一番近くにある。

必然的に長距離進行となる以上航路選定は重要であった。



宇宙には両軍の整備航路が複雑に張りめぐらされている。
天使軍航路には防衛部隊が存在し、その隙間を通り巧みに通り進行する必要がある。




惑星の公転にもタイミングがあり宇宙にもルートがある。
今の時期なら、ガス状惑星を周回する悪魔軍本拠から発し、途中に存在する水の星、天使軍本拠地惑星ポイーンを通りぬけてガルドに進まなくてはいけない。


ポイーンは、月面にあるポイーン商人連合の精鋭私設部隊に天使軍本隊と強敵ぞろいで避けるべきだ。

スピードや軌道合わせも考えると、水の惑星でスウィングバイ(星の重力を使ってスピードアップする航法)を行い惑星ポイーンを避けて通る。
ポイーンを通らず、一度恒星の回りを回ってスピード調整を行って砂の星に到達するルートに決まった。

相談は決まった。
9隻がポイーン駐留部隊の高速艇の迎撃を担当し、ギガンダムを乗せた船が猛スピードですり抜ける。


相談を終えた彼ら操舵手と船長は方々に散って行った。
この世界では、熟練の操舵手は絶大な権限を握る。

物理法則が違うため、電磁波やレーダーが遠くに届かず、安全な長期航海には操舵手の熟練の技が必要なのだ。

戦闘経験の豊富な操舵者は戦況を巧みに見渡して船を動かす。
宇宙船が生きるも沈むも操舵手次第となれば、船長に次ぐ地位にあるのだった。



そうして、色々な作業が終わり、出撃前の酒盛りや打ち上げが方々の部隊で開かれ、意気揚々とした気分を維持したまま、翌日の出陣の儀へとつながっていった。