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*ここ数年のガンダムについて思うこと ここ数年のガンダムについてきちんとチェックしているわけではないのだけど、なんとなく思うことを書いてみたり。 ガンダム、なんだかシナリオの骨子が薄っぺらくないですか? 数年のガンダムのシナリオの主題は世界平和なのですが、これがどうもうすっぺらい。 なんというか奇麗で清潔な世界で、意志が統一され統制のとれた軍隊を相手にごく少数の実行部隊(軍隊)を叩けば世界平和が訪れる。 なんか、そのへんの物語設定が薄っぺらいのです。 うすっぺらいなと思う理由をあくまで物語の範囲内で書いてみます。 1 軍備をたたけば戦争が止まる。 2 世界平和に必要なステップがとても単純でストーリに厚みを持たせるに適当すぎる、国際政治におけるプレーヤの役割が単純すぎる。 1 軍備をたたけば平和が訪れるという発想 普通軍備というものは、表面的な自称なのであって最も簡単に再生産ができるものなのです。 軍備を再生産する機構や社会体制、思惑を持った人の意思を変更しないと、軍備だけ叩いてもすぐに復活します。 軍備をいくら叩いても平和なんてきません。 軍隊をたたきのめすというのは国家の総力を挙げた総力戦であり、それですら駆逐することが困難な代物です。 例えば、連合軍が総力を挙げて叩いたナチスドイツ、大部隊でドイツ軍を駆逐しようとしましたが。 ドイツ海軍はナチスと運命を共にすることを忌避し、見事に戦力を温存、戦後組織を存続させることに成功しました。 世界の大半の軍事力をバックにした大部隊でもドイツの軍事力を駆逐することはできませんでした。 政治的に十分な駆逐で終わったのです。 第2次大戦時の日本。 日本の軍事力を駆逐するに米軍が大空襲を繰り返すことによる大量虐殺を行ってようやく駆逐することができたのです。 米軍の紛争地域戦争地域における大部隊による長期駐留を見ても分かる通り、紛争地域における軍隊の駆逐はとても困難な仕事です。 紛争地域においては機械化部隊をめざさなければ、簡単に軍隊を復活させることができ紛争を継続したいという思惑をもつプレーヤがいるならそれだけで紛争を継続させるに十分です。 軍隊というのは回復率の高い組織であり戦争をやめたくなるほど軍隊にダメージを与えるというのは恐ろしく困難な事業です。 *2 国際政治の場に登場するプレーヤが単純すぎる 例えば一つの紛争地域に平和をもたらす物語を考えてみましょう。 私は紛争や戦争や国際政治に詳しくはありませんので考えられる限り最も単純な設定を考えてみます。 *考えつく限りもっとも簡単な設定 独裁国家であり、独裁者が圧政を敷いている。 圧政に対抗する派閥や武装勢力が存在するという状況です。 例えば、武装勢力は地元民の非民主的で抑圧的な地元文化を大事にし、良い統治を行い地元の支持を得ているが、国際的には反米を掲げたり、もし国家権力を握れば幾つかの国との間に戦争の火種を複数ばら撒くような主義主張を標榜している。 独裁者は圧政を敷いているが、親米よりで近隣諸国と仲良くやっていける能力を持っている。 第3勢力としてまったく統治能力や行政能力に欠けるが民主主義や平和を標榜しているグループがある。 さて、この両者の間で紛争があったとする。 平和のために戦うガンダムはどちらに味方すべきだろうか? 圧政に協力するか? 戦争の火種に協力するか? それとも無能なグループに国家を任せ国家崩壊を促進させるか? ガンダム世界ではこういった矛盾はでてこない、奇麗に片付くシナリオが採用される。 ここでプレーヤについて考えてみたりもする。 戦争や紛争を継続させる各プレーヤの意思である。 独裁者と独裁者の親族とだけでも一枚板ではない。 それぞれが派閥を持ち軍事権を分割している。 独裁者に従う軍人は軍人で、ことあらば独立を企てるかもしれない。 独裁者にしてみれば軍人との間の緊張関係がある。 家族だって信頼できないかもしれない。 軍人内部でも複数の派閥に分かれたり、いつ誰が独立するかわからない。 紛争地域でガンダムが特定勢力をたたけば、その勢力は複数に分裂して、再統合して紛争が激化する可能性がある。 治安維持のために現地に入った国連軍が、ほぼすべての現地勢力から敵視されて紛争を激化させた例もあります。 軍事力に軍事力で対抗するのは難しいオプションなのです。 組織が縦糸なら部族や宗教が横糸となり人を分類しなおす。 民族独立運動による社会の不安定化と、社会を構成する組織へ忠誠を誓うことによる社会の安定。 現今の国家を安定運用することが要求されている公務員が民族独立運動に巻き込まれたら、自分が今の国家を裏切って民族独立に協力するよう要求されたら? 貴方がそんな立場にいたらどうするだろう? 民族独立に協力しないという理由で家族が狙われるとしたら? 独裁者と仲がいいが職能の中では有能で良い統治をおこなった人物は圧政者に分類されるのだろうか? たった一つの小さい地域での紛争ですら矛盾だらけなのですから世界平和は遠い話。 ただ軍隊を叩けばいいというものではないでしょう。 武力介入による世界平和は戦争の火種以外の何物でもありません。 *紛争をたたくには 紛争をたたくには、軍隊の再生力を奪う必要があります。 戦争当事者の収入源を叩いて紛争を鎮圧した例もあります。 戦争当事者の思惑を上手に調整するという気の遠くなる話で平和にこぎつけた例もあります。 軍事力による調停や平和指導は圧倒的大部隊による長期の行動が必要になり、ガンダムの落とす機体程度では毛ほどでもありません。 まあ現実でなく物語上の話なんですけどね。
*ここ数年のガンダムについて思うこと ここ数年のガンダムについてきちんとチェックしているわけではないのだけど、なんとなく思うことを書いてみたり。 ガンダム、なんだかシナリオの骨子が薄っぺらくないですか? 数年のガンダムのシナリオの主題は世界平和なのですが、これがどうもうすっぺらい。 なんというか奇麗で清潔な世界で、意志が統一され統制のとれた軍隊を相手にごく少数の実行部隊(軍隊)を叩けば世界平和が訪れる。 なんか、そのへんの物語設定が薄っぺらいのです。 うすっぺらいなと思う理由をあくまで物語の範囲内で書いてみます。 1 軍備をたたけば戦争が止まる。 2 世界平和に必要なステップがとても単純でストーリに厚みを持たせるに適当すぎる、国際政治におけるプレーヤの役割が単純すぎる。 1 軍備をたたけば平和が訪れるという発想 普通軍備というものは、社会の中で表面的な事象なのであって最も簡単に再生産ができるものなのです。 軍備を再生産する機構や社会体制、思惑を持った人の意思を変更しないと、軍備だけ叩いてもすぐに復活します。 軍備をいくら叩いても平和なんてきません。 軍隊をたたきのめすというのは国家の総力を挙げた総力戦であり、それですら駆逐することが困難な代物です。 例えば、連合軍が総力を挙げて叩いたナチスドイツ、大部隊でドイツ軍を駆逐しようとしました。 ドイツ海軍はナチスと運命を共にすることを忌避し、見事に戦力を温存、戦後組織を存続させることに成功しました。 世界の大半の軍事力をバックにした大部隊でもドイツの軍事力を駆逐することはできませんでした。 政治的に十分な駆逐で終わったのです。 第2次大戦時の日本。 日本の軍事力を駆逐するに米軍が大空襲を繰り返すことによる大量虐殺を行ってようやく駆逐することができたのです。 20世紀21世紀を見ても、米軍の紛争地域戦争地域における大部隊による長期駐留を見ても分かる通り、紛争地域における紛争原因となる軍事力の駆逐はとても困難な仕事です。 紛争地域においては機械化部隊をめざさなければ、簡単に軍隊を復活させることができ紛争を継続したいという思惑をもつプレーヤがいるならそれだけで紛争を継続させるに十分です。 軍隊というのは回復率の高い組織であり戦争をやめたくなるほど軍隊にダメージを与えるというのは恐ろしく困難な事業です。 *2 国際政治の場に登場するプレーヤが単純すぎる 例えば一つの紛争地域に平和をもたらす物語を考えてみましょう。 私は紛争や戦争や国際政治に詳しくはありませんので考えられる限り最も単純な設定を考えてみます。 *考えつく限りもっとも簡単な設定 独裁国家であり、独裁者が圧政を敷いている。 圧政に対抗する派閥や武装勢力が存在するという状況です。 例えば、武装勢力は地元民の非民主的で抑圧的な地元文化を大事にし、良い統治を行い地元の支持を得ているが、国際的には反米を掲げたり、もし国家権力を握れば幾つかの国との間に戦争の火種を複数ばら撒くような主義主張を標榜している。 独裁者は圧政を敷いているが、親米よりで近隣諸国と仲良くやっていける能力を持っている。 第3勢力としてまったく統治能力や行政能力に欠けるが民主主義や平和を標榜しているグループがある。 さて、この両者の間で紛争があったとする。 平和のために戦うガンダムはどちらに味方すべきだろうか? 圧政に協力するか? 戦争の火種に協力するか? それとも無能なグループに国家を任せ国家崩壊を促進させるか? ガンダム世界ではこういった矛盾はでてこない、奇麗に片付くシナリオが採用される。 ここでプレーヤについて考えてみたりもする。 戦争や紛争を継続させる各プレーヤの意思である。 独裁者と独裁者の親族とだけでも一枚板ではない。 それぞれが派閥を持ち軍事権を分割している。 独裁者に従う軍人は軍人で、ことあらば独立を企てるかもしれない。 独裁者にしてみれば軍人との間の緊張関係がある。 家族だって信頼できないかもしれない。 軍人内部でも複数の派閥に分かれたり、いつ誰が独立するかわからない。 紛争地域でガンダムが特定勢力をたたけば、その勢力は複数に分裂して、再統合して紛争が激化する可能性がある。 治安維持のために現地に入った国連軍が、ほぼすべての現地勢力から敵視されて紛争を激化させた例もあります。 軍事力に軍事力で対抗するのは難しいオプションなのです。 組織が縦糸なら部族や宗教が横糸となり人を分類しなおす。 民族独立運動による社会の不安定化と、社会を構成する組織へ忠誠を誓うことによる社会の安定。 現今の国家を安定運用することが要求されている公務員が民族独立運動に巻き込まれたら、自分が今の国家を裏切って民族独立に協力するよう要求されたら? 貴方がそんな立場にいたらどうするだろう? 民族独立に協力しないという理由で家族が狙われるとしたら? 独裁者と仲がいいが職能の中では有能で良い統治をおこなった人物は圧政者に分類されるのだろうか? たった一つの小さい地域での紛争ですら矛盾だらけなのですから世界平和は遠い話。 ただ軍隊を叩けばいいというものではないでしょう。 武力介入による世界平和は戦争の火種以外の何物でもありません。 *紛争をたたくには 紛争をたたくには、軍隊の再生力を奪う必要があります。 戦争当事者の収入源を叩いて紛争を鎮圧した例もあります。 戦争当事者の思惑を上手に調整するという気の遠くなる話で平和にこぎつけた例もあります。 軍事力による調停や平和指導は圧倒的大部隊による長期の行動が必要になり、ガンダムの落とす機体程度では毛ほどでもありません。 まあ現実でなく物語上の話なんですけどね。

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