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3人石とりゲームには必勝戦略がない - (2013/01/07 (月) 15:45:38) のソース

一回きりの3人石取りゲームは結託以外の必勝戦略がないことの証明。
2人石取りゲームとは石がn個積まれてそこから交互に1~3個ずつ石を取っていき、最後に石を取った人のまけというゲームである。

これを3人で遊んだ場合、必勝戦略があるのかという質問がYahoo知恵袋に上がっていました。


直感的に考えれば、どのプレーヤも自分の手の後、2手行われて自分の番に戻ってきます。
なのでどのプレーヤから見ても自分以外のプレーヤを2人で一人とみなして、相手は一人で二手取れる2人ゲームに見えます。
相手二人に結託されたら残りの一人に勝利がないのは明白です。

このゲーム結託がなくても一回きりの勝負には、必勝戦略が存在しません。
石の数n<=7まで検討すればゲームの構造が判明します。

ゲーム展開を2,3,1,1のように記述するとします。
これはプレーヤ1が2個、プレーヤ2が3個、プレーヤ3が1個、プレーヤ1が1個で1の負けというゲーム展開を表します。


n<=4の場合
プレーヤ1は2か3取ればいいのでプレーヤ1の勝利。
2が負けるか3が負けるかは1次第。
プレーヤ1だけ必勝戦略を持ちます。

n=5の場合。
プレーヤ1は自分が負ける可能性を排除するため
3,1,1
というゲーム展開しかありません。
プレーヤ1、2が必勝戦略を持ちプレーヤ3が負けます。

n=6の場合
3,2,1プレーヤ3の負け
3,1,1,1プレーヤ1の負け
2,3,1プレーヤ3の負け
2,2,1,1プレーヤ1の負け
各人自分が負ける場合を回避すると上記のゲーム展開しかありません。

三個取りで始めた場合プレーヤ1、3どちらが負けるかはプレーヤ2にゆだねられます。
2個取りで始めた場合もプレーヤ1、3どちらが負けるかはプレーヤ2にゆだねられます。

1個取りでは1,3,1,1でプレーヤ1は必ず負けます。
プレーヤ2は自分の負けを100%回避するために3個取るからです。
よってプレーヤ2が必勝戦略を持ち誰が負けるかはプレーヤ2にゆだねられます。



n=7の場合
n=7の場合を検討すればそれ以上は検討する必要がありません、これは後で説明します。

7個の場合。
1個取りで始めるとプレーヤ2、石6個で始まったのとゲームが同じになります。
よってこれは6個の場合を思い出して、プレーヤ3が敗者を決定する権利を手に入れたのと同じになります。

2個取りで始めた場合、残り5個ですからその後3,1,1のパターンでプレーヤ1の負けとなるのでこの手はありません。

3個取りの場合、残り4個ですのでその後3,1か2,1,1の展開となります。
プレーヤ1が負けるかプレーヤ3が負けるかはプレーヤ2次第となります。

つまり7個で始めた場合、プレーヤ1がプレーヤ2、3どちらかに誰を敗者にするか決定する権利を貸与するゲームと同値となります。


プレーヤ2,3にしてみればプレーヤ1に決めてもらえないと必勝戦略は持てませんし、1にしてみれば2,3どちらが自分を敗者にしないか(両方とも1を敗者にする気かも)分からないので必勝戦略は持てません。

よってn=7には必勝戦略を持つプレーヤは存在しません。


n>7の場合
一度に三個までしか取れませんからn>7から開始したゲームは必ず5,6,7のどれかを通ります。
5にしてしまった場合、5にした人はその後3,1,1の展開で必ず負けます。
よって6か7しかありません。

自分の手版で6にした場合、その次の人から石6個でゲームが始まったのと同じとなります。
すると自分の二人先の手版の人が誰を敗者にするか決定することが可能となります。

7にした場合、敗者を決定する権利を持つ人が誰になるかを次のプレーヤが決定できることになります。

6にしても7にしても他のプレーヤに運命を委ねることになり1回ゲームでは運任せ他人任せとなります。
誰も必勝戦略を持ちません。



何回も行って勝利を競うゲームでは少し事情が代わります。
一番勝ってる人を負けに持っていきたいという無言の結託。
これが負けている2プレーヤの間に成立する可能性が高いからです。

この場合結託した2プレーヤの取る2手は協力した結果一人で二手取ってから、勝ってるプレーヤに手が戻る二人ゲームのようなものです。

石取りゲームの構造からいってnが十分大きければ確実に結託できた二人は勝てます。
m回繰り返しゲームにおいて長期的にも圧勝する戦略はないことが分かります。