「ガンパレードマーチ北海道に対する感想」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ガンパレードマーチ北海道に対する感想 - (2011/08/10 (水) 00:58:27) のソース

兵庫県加古川市加古川町南備後79-16
堀江伸一

題材としては非常にいい。
最高の素材だったと思う。
主人公二人の敵地での逃避行と破壊工作の点は非常に面白かったし北海道軍VS本土軍の戦いも面白かった、壬生屋のほのぼの日常話も悪くない。
政治劇は少し弱い感じなのが及第点。

ただ残念なのは、人間対人間の思惑という非常に深く描ける素材を、最後にげ幻獣という要素を入れたせいで矮小化してしまった。
独立を願うロシア人、北海道王国の存続を願う存在、北海道に利権を持つ政治家、北海道が独立すると困る日本経済。
おいしい素材はそろっていた。
なのに幻獣をいれたせいで全ての話が矮小化してしまったのである。

ガンパレの連載年数を考えた時、読者は十分大人であり、幻獣などといった要素を導入せず人間同士の戦いと欲と理想が火花を散らす大人が読むに耐える読み物に移行しても良かったはずだ。

読者層の年齢的精神的社会的成長に対し、キャラクターの成長や行動が未熟で追いついていない。
キャラ同士の掛け合いも弱かった。
ストーリも幻獣の親玉のせいで最後が矮小化してしまっている。

1、2巻は合格点だが3,4巻は下手な展開をしたと思う。

北海道を解放することで日本全土を不況の波に陥れたかもしれない大原首相の政策がすんなりと通ったのもどうかと思う。
物語としてはスッキリ爽快な終わり方なのはいいがちょっとハッピーすぎる気がした。

読者の年齢を考えた時、物語の結末が禍根を残してもいい。
北海道に火種が残る終わり方でもよかったはずなのである。

読者層はそれを受け入れられるだけの成長を遂げているはずだ。
次の作品に期待したい。