【まどか☆マギカ】佐倉杏子はand I'm home62曲目(実質63スレ)





89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:03:07.73 ID:0qpPQRQv0 [2/2]

某日。仕事より帰ると、何時かぶりに杏子を見た。沈む日と登る日を混ぜあわせたような深い朱の髪が印象的だ。
顔の覚えられない私でも彼女だけは一目で覚えられたことは、記憶に新しくない。
「待ったかい」
不法侵入者に、まるで旧友と待ち合せたかのように声をかける。
「いや、それほどでも。しかし、なんだ。まだこのボロ家に住んでるのかい?」
6畳一室、ちゃぶ台付き。押入れなんぞ上等なものはなく、部屋の隅には三つ折りにされた布団が埃を吐いている。
「ああ、まだ、なかなか手放せなくてね」
「ふぅん」
聞いた彼女はすでに興味なさ気につぶやく。かつて彼女と過ごしたこの部屋を、
未だ手放せないでいる自分を女々しいと思ったのだろうか。
「しかし、君。折角来てくれたのは嬉しいが、何分貧乏野郎の一人暮らしだ。持て成すモノなんてないぜ」
「それは、」
一音区切る。
「それは、いいよ。今日は私が作ってやるから」
「―――は。そう、か」
昔。
まだ、このボロ部屋を共有していた頃。
いくら料理を教えても、終ぞ何も作れず仕舞いだった彼女がそう言ったのだ。
「そうか―――なら、楽しみにしておこうかな」
「ああ。ま、期待しとけよ」


「どうだ」
薄汚い、ともすれば縄文杉よりも年代モノと言いたくもなる程に、それほどに古臭いちゃぶ台の上に置かれた料理の数々。
なんてこたあない、ただの家庭料理だったが、それは。
「うまい」
自然と声が出るほどに美味いのだ。
その瞬間、涙がこぼれる。
会わなかった数年何があったかは予想もつかない―――だが、これほどまでの家庭料理を作れるということは、つまり。
それは、つまり。
「うまいよ」
情けなく、泣きながら箸をすすめる。
実に滑稽なその姿を、杏子は何も言わずただ眺めてくれていた。
その視線には何も篭ってはいなかったのだ。

コメント:

98 名前:のぞみはいつも、そこにある[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:11:38.27 ID:jvJhxotv0 [1/4]

俺と杏子が月明りに照らされながら初めて一つになってから数年が経った。

今日、俺は杏子と小さな教会に来ている。
もう、ボロボロでいつ倒壊してもおかしくない教会だ。
バージンロードの代わりになったであろう赤い絨毯だったものの上を純白のドレスを着た杏子が歩いてくる
その薬指には指輪。
神父もいない。祝福してくれる参列者もいない二人だけの結婚式。
杏子が俺に聞く
「お前は、あたしを病める時も、不幸なときも愛し続けることを誓うかい」

俺は「誓います」と言う
杏子も「じゃぁ、あたしも誓う」と言う
ささやかな結婚式を終え、なぜこんなボロボロな廃墟のような教会を選んだのかを尋ねる
杏子が伏し目がちに言う
「ここさ、あたしの家だったんだ。ここで親父とモモと暮らしてた。あ、モモは妹な。
けど、ある日あたしが魔法少女だって知って親父はモモを道連れに死んだ」

杏子はドレスからいつもの服に着替えると、懐かしみむように教会の中を歩く。
「親父の部屋だったんだ」
そういうと、ある部屋に入っていった。
その部屋の片隅に、大事そうに取ってある箱を見つけて
「親父のかな。見てみよう」
と杏子が勝手に箱を開けた。
中からは数枚のDVDが出てきたのだった

コメント:

103 名前:のぞみはいつも、そこにある[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:16:36.42 ID:jvJhxotv0 [2/4]

そのDVDを俺と杏子は家に持ち帰って再生してみた。
「ほら、あなた、天井ばっかり取ってないでちゃんと杏子を映しなさいよ」
杏子のお母さんの声だろうか。
映し出されたのは生まれたばかりの杏子だった。
とても優しそうな両親。杏子は“あの日”まで本当に幸せな家庭で過ごしていたんだと。
俺に杏子を幸せにする事ができるのか?本当に。新婚早々こういう事を考えるなんて俺らしくない。
数枚DVDを見て分かった事は、このDVDは杏子のお父さんの宝物だったという事だ。

その中の1枚。“大きくなって、素敵な人と一緒になる杏子へ”というラベルの貼ってあるDVD
を再生する。

突然杏子から涙が溢れ出す。
そこに映っていたものは・・・・。

コメント:

112 名前:のぞみはいつも、そこにある[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:26:37.77 ID:jvJhxotv0 [3/4]

そう、そのDVDに映っていたの血まみれの杏子のお父さんだった。
画面の中で杏子のお父さんが杏子に語りかける。

“杏子。結婚おめでとう。このビデオを見ているって事は、きっと素敵な人を見つけて
幸せになってくれてると思います。そして、このビデオを見ているとという事は、
何故お父さんが血まみれなのか分かってると思います。”
杏子は黙ってみている。いや、少しうなだれた感じか

“杏子。今日の今日まで、多分お前をお父さんが苦しめただろう。杏子。お父さんは、
お前にとんでもない事をしてしまいましたね。まずは謝らせてください。”

俺は杏子に声をかけない。いや、かけられない

“杏子が、お父さんの為に怖い思いをして、辛い思いをして、そして痛い思いをして
頑張ってくれた事、嬉しく思うし、杏子をこんな状態にしてしまった自分が悔しい。
杏子を魔女にしてしまった自分が情けない。そして、それよりも、お父さんの為にやっていると
知っておきながら魔女だど罵り、殴ってしまった自分が許せない。
モモは何も知りません。でも杏子よりも小さいから一人では生きられないから
お父さんが一緒に連れて行きました。お父さんは、杏子を魔女にしてしまった罪、
そんな苦しみを救って上げられなかった罪を償います。
今日まで、ひとりぼっちにさせて本当にすまなかった。もう、そこは罪の償いようがありません
けど、今日からは違うよね。素敵な人が傍にいるから、ひとりぼっちじゃないから
本当の幸せを、杏子だけの幸せを見つけてください”

その後、画面は消えた。

杏子の肩が震えていた。俺は抱きしめることしかできなかった・・・。

コメント:

99 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:12:10.85 ID:/mMgHWj+0 [1/11]

世界は音楽に似ている
湖面で遊ぶ白鳥は円舞曲
人の行き交う街に響くは幾多の心の交錯する交響曲
朝の子鳥の奏でるは生命の朝への讃美歌
夕暮れの鴉が謳うは太陽への鎮魂歌
夜の虫達は子守唄を奏でる
そして人間はその全ての音楽を詩という形で奏でる
愛も喜びも悲しみも嘆きも
人間は皆、世界を奏でる演奏者だ
僕も例外ではない
僕は常に奏で続ける
僕達は常に奏で続ける
互いの名前を呼び交わし、互いの身体を、精神を楽器として
協奏曲を奏で続ける
愛も喜びも涙も葛藤も全て互いを奏で互いに奏でられる
僕達の奏でるは愛の協奏曲
互いの心の空白を互いの旋律で埋め
互いに心を満たそう
たとえ彼女の背負う逃れられない残酷な運命が如何に大きくても
僕は全身全霊を持って彼女を受け止める
過去の彼女も現在の彼女も未来の彼女も
耐え難い惜別と罪に塗れた辛い過去も
そして、幸福に満ちた明るい未来を現在から絶えず彼女に与えよう
僕の心は彼女にいつも満たしてもらっているから

コメント:

102 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:13:38.91 ID:/mMgHWj+0 [2/11]

杏子の過去は知っている
彼女が自ら打ち明けてくれたから
それは僕には想像できないほどの凄惨で残酷なものだった
自分の望んだ幸福が壮絶な絶望と破滅に姿を変えてしまったと杏子
満ち足りた心は一気に空虚な空匣になってしまった
それが杏子が僕に教えてくれた過去だった

杏子はいつも僕に笑顔を振りまいてくれる
その凄惨な過去を匂わせないほどに
しかし、たまに今の様に杏子の表情が翳る時がある
街中を行き交う家族連れなどを見た時だ
自嘲めいていて、しかし悲嘆の表情は完全に隠せない様子の杏子
懐かしいのだろう
家族と過ごした日々が
当たり前だ、僕だって家族との思い出は大切なものだ
正月に顔合わせする時は照れくさくも落ち着く
しかし杏子はその思い出は思い出でしかない
新しく思い出をつくる事は出来ない
そこに関しては杏子はいつまでも空虚さに耐え続けねばならない
しかし僕は悲しみ、身を震わせて耐えている杏子を黙って見ていることはできない
僕が杏子の為にできること・・・
それは果たして何だろうか?

「家族っていいもんだよな」
寂しそうに、しかしそれを隠すように言う杏子
僕はそんな杏子にこう言った
『協奏曲』って知っているかい?
「なんだ・・・それ?」
協奏曲は沢山の楽器が一つの音楽をつくり出すんだ
なんでだと思う?
「何が言いたいんだ?」
杏子は家族がいない事、どう思う
「・・・・・・寂しいに決まってるじゃねーかよ・・・」
杏子はそう言うと俯く

コメント:

105 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:21:54.31 ID:/mMgHWj+0 [3/11]

ごめんね、辛い事を聞いちゃって
「それで協奏曲と何の関係があるんだよ?」
杏子の『家族』に対する寂しさ
それは即ち空白だ、心の空白
欠如した部分
「認めるよ・・・」
協奏曲っていうのはね
一つの楽器だけじゃ駄目なんだ
一つの楽器だけでは欠如が大きすぎて曲をつくることなんて出来やしない
だから多くの楽器が集まり曲を奏でるんだ
人間も同じことだよ
杏子はその寂しさという空白・・・
それの所為で完全な幸せな気分にはなれないだろう
「っ!そんなことねーよ!お前はいつも優しくして━━」
僕は杏子が叫ぶのを抱きしめて止める
そうやって怒るのも自分が嘘ついてるってことの表れだよ
「う・・・」
でも、だからこそ僕は杏子を愛しているんだ
僕はどんなに頑張っても杏子の家族にはなれない
だから違うところで杏子の空白を埋めるんだ
「お前・・・」
杏子は前、こう言っていたよね
この世界の不幸と幸福は差し引き0だって
だから僕は杏子の空白を埋めるんだ
「ありがとな・・・」
僕は杏子を抱きしめる

じゃあ『協奏曲』を奏でようか

コメント:

107 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:22:52.48 ID:EPHpdVlO0 [1/15]

「ごちそうさま」
箸を置き手を合わせる。
「おそまつさま」
お決まりの発展性のない記号の応酬。
むしろそれが辛い。この会話を毎日している、どこかの幸せ者を思うと嫉妬と後悔で胸が痛む。
しかしそれでいい。食器を片付けてくれる、エプロン姿の杏子の後ろ姿を見ながら切にそう思う。
彼女にこの古臭いボロ部屋は似合わない。僕では彼女を幸せにはできない。
今日一日のこの晩餐こそ、本来見に会わぬ幸福だということを噛み締めなければならない。

だというのに。
彼女の後ろ姿が、昔と重なって―――

「―――痛いよ」
気づけば、僕は彼女を抱きしめていた。
小柄な肩は相も変わらず、鼻腔を擽る甘い香りも昔と変わらず。
「変わらないなぁ、君は」
「そりゃ魔法少女だもん。変わりゃしないさ」
違いない、とつぶやく。
彼女が魔法少女で、まだ生きてはいないということを知った時は、不思議と驚かなかったものだ。
むしろ、嗚呼成程、と。これほどまでに愛らしく、清らかな娘が、実は人間ではなかったというのは得心いった。
それからだったか。彼女と一緒に暮らすようになったのは。
「なぁ、君。君は今、幸せかい」
「そうだな。幸せだよ」
「そうか。そりゃあよかった」
その言葉で十分だった。僕は杏子を腕から離して、エプロンをほどいてやる。
「それなら、いい。今日は有難う。いい夢みr」
「―――けど、今幸せじゃなくなった」
僕の言葉を遮って、僕の思考までもを遮る言葉と共に、彼女はぼくの胸の中に収まる。
「私が、どうして今戻ってきたのかわかんないのか?この部屋を見て、まだ何もわからないのか?」
言われてみれば―――薄汚いシミはともかく、表面上の汚れは全て消えている。隅にかかったクモの巣も取り払われている。
「お前さ、言ったよな。「そんなんじゃ嫁の貰い手ないぞ」って。だから、私してきたよ、花嫁修業。3年間料亭で働いてさ、
 居酒屋でもバイトして料理の腕磨いて―――」
それは。
それは、つまり。
「なぁ―――これで、私、お前の花嫁になれるよな?」

その夜。
僕と杏子は―――    [了]

コメント:

121 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:39:51.05 ID:EPHpdVlO0 [2/15]

はぁ……あんこちゃんと一緒にお料理したい。

「はぁ?私はいいよ、失敗して素材を粗末にあつかうことになるだけだって」
料理に誘ってもなかなか一緒にしてくれないあんこちゃん。でも僕が食べ物へ感謝の気持ちを
表すなら、実際に作ってみるといろいろ見えてくるものもあるよ、っていうとしぶしぶ了解してくれるの。あんこちゃんマジ聖女。
「けど本当、私なにもできないよ?」
少し心配そうにエプロンをつけてるあんこちゃん。かわいい。
だから僕は、ひとまず簡単なカレーからはじめることにしたの。
玉ねぎを切って「いたい!目がっ、しみっ、ふぁっ」って涙目なあんこちゃんはとってもかわいいの・・・

そんなこんなで怪我もなくご飯ができたの。
あんこちゃんは「うめぇうめぇ!なんかいつもよりうまい気がする!」ってハシャイジャッテるから、
それはきっとあんこちゃんの愛情が入ってるからだね、っていうと顔を真っ赤にして下をむいちゃうの。その姿はとってもかわいらしいの・・・///
そしていきなり顔をあげて、僕のほうへ近づいてきたと思ったら・・・なんと唇を重ねてきたの!
僕は突然で唐突な行動に目を白黒させてたら、
「う、うまかったかよ・・・お前が私にもっと愛情こめてくれたら、私はもっとおいしくなるとおもうんだけど・・・///」

その夜、僕はあんこちゃんをもっと美味しく頂くために、
いつもよりずっと愛情をこめてあんこちゃんをいただきますしちゃったの・・・///

コメント:

146 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 00:59:25.01 ID:/mMgHWj+0 [4/11]

一日一杏子
「ちはやぶる 神代も聞かず 杏子ちゃん
 韓紅に あんあんするとは」

コメント:

158 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 01:16:23.92 ID:/mMgHWj+0 [5/11]

夏の夜に
赤髪揺らす
その少女
秋が来るとも
飽かぬことかな

コメント:

383 名前:赤い果実[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 15:15:33.16 ID:90OT1sUM0 [1/17]

杏子ちゃん。皆が議論している隙に二人であんあんしようよ
「なっ!・・・それに、あんあんってなんだよ・・・」
杏子ちゃんは驚きながらも赤面の表情を隠せない。
あんあんの意味は知らないだろうけど、想像してドキドキしているのだろう
彼女の頬はまるで熟れた林檎のような赤みを帯びていた
あんあんの意味、知りたい?
俺がそう尋ねると、
「・・・変な事、じゃ・・・ないよな・・・」
一番初めに”変な事”を出してくる辺り、少しばかり期待しているのだろう。
俺は杏子ちゃんの手を取り、人気のない橋の下へ駆けだした
「お、オイ!どこに行く気だ!」
決まっているだろ?誰にも気が付かれない。しかし、気が付かれる可能性もある場所だよ
そっちのほうがドキドキするだろう?
「・・・あんあんの意味が分かった気がする」
杏子ちゃんは俺の手を振りほどくと、急いでこの場から立ち去ろうとした。
しかし、俺は杏子ちゃんの手を掴んで彼女を抱きしめる
好きだよ・・・杏子
「え・・・?」
戸惑う杏子ちゃん。
「馬鹿!あ、アタシはもう帰るからな!じゃあな!」
だが次の瞬間、杏子ちゃんは飛んで去って行った。
・・・いいよ・・・これでいいんだろう?別れるのは辛い・・・そうだろ・・・?
だったら自分から関係を断つ。それが君の選択か・・・
分かった・・・少しずつ、少しずつでいいから・・・君の想いを変えていく・・・
君に、別れるからこそ出逢いを大切に出来る・・・
だから・・・別れることは恐くない・・・って君に伝えたい・・・それが俺の選択だ・・・
ふと、地面に赤い林檎が転がってることに気が付いた。
・・・そうか、杏子・・・お前はもう・・・気付いてたんだな・・・
俺は赤い林檎に口づけをした。溢れる涙を抑えながら……

コメント:

402 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 16:16:18.25 ID:ymGUcP4Q0 [1/3]

「杏子~漫画読んでいないで掃除手伝ってくれよ」
8月の終わり夏の最後に散らかった(主に杏子が汚した)部屋を片付ける為、一緒に掃除しようと提案した
杏子は快く「しょーがねーから手伝ってやるよ!」と言ったのに開始10分もしないうちに戦力外に

「あのー杏子さん手伝ってもらえないでしょうか?早くしないと日が暮れちゃうよ」
「あーもうメンドクサイな」
読みかけの漫画を床に置いて、左手の指輪に祈るような動作をすると・・・目の前に杏子が二人!?
「ほら、分身用意したから掃除でも洗濯でも手伝わせな・・・さてっと漫画の続きでも・・・」

・・・こんな事に魔法使ってもいいのか?
まぁいいや折角杏子が用意してくれたんだから
「えーと、じゃあ杏子(分身)?こっちの雑誌や新聞を縛って玄関にまとめて欲しいんだけど」
「ったく何でアタシが掃除を手伝わなきゃいけないんだよ」
「いやいや、君の本体が手伝ってくれるって言ったからで」
「はいはい分かりましたよー、ここにあるのを縛って置いとけばいいんだろ?」
「それじゃお願いするね、僕はその間に風呂掃除やっておくから」

・・・10分後・・・
「お風呂掃除終了っと、さて杏子(分身)は片付け終わらしてくれたかな」
などと思っていた自分が甘かった
「なんで二人?して漫画読んでくつろいでるのー!」
『あーもううっさいなぁー、捨てちまうのが勿体ないから読んでいるんだよ』
「なにハモって返事しているのー!」
「そりゃ本物の影響を強く受けるからに決まってるだろう?」
「そんな事を聞きたいんじゃないのー」
「まぁまぁ落ち付けって」
「なんで分身杏子が一番落ち着いているのー」
「そんなイライラするなって、ほら牛乳飲むかい?」
「小魚も食うかい?」
「なんなのー、この見事な連携はーチクショウ可愛いなー!」
『ふふん、惚れなおしたか!』
「新たな魅力に溺れそうです」
『しょーがない奴だな』

訂正、溺れそうではないな、杏子と出会ったときから沈んでいたんだから
今更溺れるなんて・・・ただただ深く沈んでいくだけなんだ

コメント:

415 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 16:51:58.75 ID:ymGUcP4Q0 [3/3]

夜、僕とあんこちゃんは一緒に寝ている
一人なら平気なのに、誰かの優しさに触れると途端に弱くなる普通の女の子
夜中うなされるあんこちゃんの背中をぎゅっと抱きしめて
ダイジョウブ ダイジョウブダヨと声をかけてあげる

でも今夜はいつもと違っていた・・・
「マミさん、マミさん・・・」
女の人の名前を呼び続けるあんこちゃん
僕はいつものようにギュッとして優しい言葉をかける

「マミさん・・・マミさん・・・」
大丈夫だよあんこちゃん・・・一緒にいるから平気だよ

「うぅぅ・・・分かったよ・・・ロッソ・・・ファン・・タズマ・・・」
寝言で何かを唱えた瞬間、あんこちゃんが赤く光り輝き
寝室には増殖したあんこちゃんが寝ていた
えーっと・・・ふふっ・・・おやすみ、あんこちゃん

僕は考えるのをやめて眠る事にした
あんこちゃんがひとりーあんこちゃんがふたりーあんこちゃんがさんにんー

コメント:

418 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 17:00:30.67 ID:+EZ0N72g0

鐘が鳴ったよ
もう5時だね
バサバサバサ
カーカーカー
鴉が鳴きながら夕焼け空の果てに飛んでいく
幼い少年たちは各々自宅に帰っていく
お婆さんは井戸端会議を楽しんでいる
辺りには焼き魚の匂い
あるいはカレーの匂い
お腹をすかせた子供は母親に夕飯の献立を聞く
そして、僕と杏子は公園のベンチでペットボトルのお茶を飲みながらお喋りする
「腹減ったな」
じゃあ、今日は奮発して焼き肉屋にでもいこうか
「やった!肉だ肉!」

じゅーじゅーと肉が焼け、食欲をそそる匂いが広がる
杏子は美味しそうに肉に食らいつく
「やっぱり誰かと食うメシは美味いな」
杏子は僕の顔を見て言った
僕も杏子と一緒に食べるご飯は美味しく感じるよ
「そっか、ありがとな」

幸せな夕食だったよ

コメント:

432 名前:赤い果実[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 17:37:15.72 ID:90OT1sUM0 [4/17]

杏子ちゃん!無理に吐かなくってもいいんだよ!
「・・・」
杏子ちゃんの様子がおかしい…いつもはこんなことないのに…
もしかして…!?
杏子・・・まさか・・・
「お前の所為だからな・・・責任、取ってくれよ・・・///」
恥じらう杏子ちゃん。でも、嬉しそうな表情をしていた。
彼女の頬は熟れた林檎のような赤みを帯びていた

――っていう夢を見たんだ
「ハア?何それ?馬鹿馬鹿しい」
杏子ちゃんは怒ったような、でも少しながら笑顔を浮かべたような、
言葉では良い表せれないような顔をし、
「食うかい?」
と、いつものように林檎を差し出す。
頂くよ。そう呟き、
俺は赤い林檎に口づけをした。溢れんばかりの笑顔を浮かべながら……

コメント:

439 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 18:00:15.61 ID:wO/lA7CW0 [1/2]

空が赤紫に染まってきた
懐中時計を見るともう6時だ
夏だからまだ中途半端に明るい
昏い紫と明るい赤の空が混じり合う空は幻想的だ
そんな空の下、僕と杏子は河川敷にいた
こちらと向こう岸に架かる陸橋を京王線がガタガタと揺らす
後ろを振り向くと遠くで自動車がせわしなく行き交う
もう一度前を見ると向こう岸は車のライトやら建物や競輪場の電気やらで眩しく輝く
「夜の河原ってのも悪くないね」
北風に揺れる杏子の長い赤髪はこの世のものとは思えぬほどに美しい
僕は杏子の身体を手繰り寄せる
「どうした?」
何でもないよ
「そうかい」
杏子は僕にぴったりとくっ付いて微笑する
どうかした?
「どうもしねーよ」
僕の肩を組む杏子
「こうやって肩組みながら腹割って話してると親友みたいだよな」
もう親友でしょ?
「へへっ、それもいいかもな
でも、あたしとしてはお前の恋人って感じの方が強いんだけどな」
空の所為かどうか分からないけど、そう言う杏子の頬は赤みを帯びていた

「なぁ…」
杏子が悪戯な笑顔を見せた
「キスしちゃおうぜ」
外だよ?
「平気さ。バレやしねーって」
「夏ももう終わる。夏っぽいロマンチックなキスも乙なもんだろ?」
分かったよ杏子
僕は黙って杏子の身体を抱き寄せる
そして何も言わずに互いの瞳を見つめて唇を交わす
「へへっ、やっぱ、あたしはお前のことが大好きだよ」
そう言ってもらって嬉しいよ
でも僕の杏子への気持ちも負けないくらい強いよ

コメント:

582 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/29(月) 22:56:02.45 ID:UHRcozOA0 [4/11]

杏子ちゃんとお祭り行きたい
待ち合わせしてたら、着付けが長引いてちょっと遅れて杏子ちゃんがやってくるんだ
それで「に、似合うかな……」ってモジモジするんだけど、俺は素直になれなくて「馬子にも衣装だな」って言っちゃう
それで杏子ちゃんは顔真っ赤にして「どういう意味だ!」って怒っちゃって、俺は慌てて機嫌をとろうとして、りんご飴三個で手を打つんだ
それで祭りに行って、祭り会場に入ろうとすると、杏子ちゃんが手を出すんだ
俺が理解できずにいると、「え、エスコートくらいしろよ。バカ///」って言う
んで俺は凄く照れつつも杏子ちゃんの手を握ろうとする
そして指が触れ合う直前で悲鳴が聞こえる
ハッとして音の方向を見ると、そこでは喪男の集団が覆面を被って火炎瓶やエアガンやらで祭りを滅茶苦茶にしてた
喪男達はリア充達への呪いを叫びながら暴れ続けるしたんだ
喪男達に憤って杏子ちゃんが戦おうとするんだけど、浴衣だから上手く戦えずに負けてしまう
それで浴衣がボロボロになって、杏子ちゃんが泣きながら言うんだ
「折角○○に見てもらう為に、頑張って着飾ったのに……」
俺はそれを聞いて、生まれて初めて憤怒というものを感じた
喪男達にも、杏子ちゃんを守れない俺にも
俺は杏子ちゃんの肩にポンっと手を置いて

コメント:

636 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 00:13:07.40 ID:bX8F4Urs0 [1/19]

奇跡ってのはタダじゃない
希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる
そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立ってるんだ
あたしはそう思っていた
あいつに逢うまでは

あたしは幸福を願った
別に大金持ちになってラクして暮らしたいなんて願ったんじゃない
みんなが親父の話を聞いてくれるように願っただけだ
赤の他人から見たら小さな願いに思われるかもしれないがあたしにとってはとても大きな願いだった
あたしの願いは叶い、沢山の人が親父の話を聞いてくれるようになった
親父はガキみたいに泣いて喜んでいた
母さんもモモも泣いていた
そして、あたしも泣いていた
あたしは確信していた
このささやかな幸せが永遠に続くだろうって

魔法少女なりたてのあたしは失敗をした
あたしの倒すべき敵『魔女』を逃がしてしまった
魔法少女ってのにはテリトリーがある
他のテリトリーを冒さないってのは魔法少女の暗黙のルールみたいなもんだ
でも、あたしはそれを破り隣町の見滝原に行った
どうしても逃がした魔女を仕留めたかったから
あたしはその魔女を見つけ、ぶっ倒そうとした
でも、そいつはあたしの思っていたより強かった
もし、あそこでマミに助けてもらわなかったらあたしはここで過去を思い返すこともなかっただろう
その時からあたしとマミは友達となった
マミからは沢山の事を学んだ
あたしとマミは互いを高め合い、最強の魔法少女コンビとなった
初めての友達、それはとても嬉しいものだった
あたしは確信していた
ずっとこの友達と一緒に笑っていられるだろうと

しかし、現実はそんなに優しくなかった
親父はぶっ壊れ、家族はみんないなくなっちまった
そして、あたしもぶっ壊れた
ぶっ壊れたあたしは初めての友達と自らの手で袂を分かつことになった
全部自分の所為で全てを失った
その時からあたしは悟った

奇跡ってのはタダじゃない
希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる
そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立ってるんだ、と

コメント:

638 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 00:14:36.88 ID:bX8F4Urs0 [2/19]

今思うと荒んだ生活だった
魔女を狩ってグリーフシードを手に入れて、の繰り返し
いくらメシを食っても美味く感じない
同じモンを食ってるはずなのに、家族と一緒に食べた時の美味しさは感じられなかった
でも、手は止まらない
食って、食って、食って
食わなきゃ生きていけない
食うためにはなんでもやってやる
あたしは一人で、自分の為だけに生きるんだ

しかし、今までの価値観が揺らぐ日がやって来た
その日、あたしはあいつに逢った
あいつは魔女に襲われていた
別にあいつを助けようと思って魔女をぶっ倒したわけじゃない
あの時のあたしなら、あいつを襲っているのが使い魔だったらそのまま放置してただろう
あたしは魔女を見て腰を抜かしたあいつに話しかけていた
大丈夫か?って
別にあいつと話をしたかったってワケじゃない
ただ、なんとなく、話をかけたんだ
そしたらあいつは言った
「ありがとう」って
久しぶりに聞いた言葉だった
「ありがとう」、最後に聞いたのはマミと一緒にコンビを組んできた時だったかな
あたしは何故か戸惑った
嬉しかったのかどうかは覚えていない、とにかく戸惑ったんだ
あたしは何を思ってか、あいつにリンゴを渡した
食うかい?って
あいつは泣きながらそのリンゴにかぶりついていた
そしてあいつは言った
「お礼がしたい」と
あたしは別にいらないと言ったがあいつは一歩も退かなかった
そこであたしは言った
じゃあ、美味いもん食わしてくれよ、って

それがあたしの世界を変えた

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657 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 00:24:38.77 ID:bX8F4Urs0 [3/19]

あいつの家に招かれた
そこで出された食べ物はステーキ
滅多に食えない極上の肉だった
あたしはこんな豪華なものを出されるとは思っていなかった
本当にこれ、食っていいのか?とあたしはあいつに聞いた
「おかわりならあるから、一杯食べて」
あいつは笑顔で言った
あたしに向けられた笑顔も久しぶりだった
頬に温かいものが伝った
それが涙だって気が付くのには時間がかかった
温かいメシに温かい笑顔
あたしが忘れていたかつての食卓
あたしが願って失ったもの
それがそこにあった
「どうしたの?」とあいつは驚いた風にあたしを気遣った
あたしの声は言葉にならなかった

その日からあたしとあいつは友達みたいなもんになった
そして段々距離は近づいていき、あいつが好きになった
世界が変わって見えた

ある日、巴マミと出逢った
マミは下級生を連れていた
あたしはマミと会話するのは気が進まなかった
でも、マミは昔のことがなかったようにあたしに接してくれた
「久しぶりね、佐倉さん」って
それから見滝原にワルプルギスの夜という超弩級の魔女がやってくるという事も聞いた
あたしたちはそいつを倒すということで再び同盟を組んだ
そして、結果、あたしとマミを含めた5人の魔法少女でワルプルギスの夜の撃退に成功した

失ったものが全て戻ってきた
それどころかかけがいのない恋人まで手に入れた

「どうしたの?難しい顔しちゃって」
あいつがちょっかいをかけてくる
ちょっと昔の事を思い出してただけだよ
「杏子が物思いなんて珍しいね」
うるせー
あたしは恋人らしくあいつにキスをする
「じゃあ、協奏曲を奏でようか」

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639 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 00:15:03.71 ID:gIy0V5Zh0 [2/4]

あんこちゃんと一緒にand I'm home聞きたい。イヤホン片方ずつ分け合って聞きたい。

片方だからモノラルに聞こえていたんだけど、その内左耳からも声が聞こえてくるの。
それは、隣で聞いてるあんこちゃんの声なの、目をつぶって歌っているの。小さな声だけど、至近距離だからはっきりと聞こえてくるの。

僕はその音楽をより完全なものにしたくてゆっくり、ゆっくりあんこちゃんの唇に顔を近づけていくの・・・そうしたらあんこちゃんがふと目を開けて、
僕達はそのまま沈黙して、音楽だけが流れていくの。


音楽が終わった時、僕は気恥ずかしさのままイヤホンを外そうとするけど、あんこちゃんは再び再生ボタンを押して、今度は僕に頭を押し付けてくるの///

音楽はリピートになっていて、僕達はイヤホンをつけながらピストンするの・・・///

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667 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 00:35:58.06 ID:y1goFqBB0 [5/32]

空想の中に止まる事はない
なびく赤髪と、しなやかな脚を
紅く煌めく、美しき閃光
来よ、来よ、愛しの人よ
さあここに来て、私に再び夢を与えよ

愛しさを誘いし者
俺と出会うために生まれし子
その名を口にするなかれ
彼女は俺以外の元へ降りてはいけない
佐倉杏子
佐倉杏子

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698 名前:粉雪 [sage] 投稿日:2011/08/30(火) 01:56:25.11 ID:1WxJ0VlS0 [1/4]


初めて会ったときから いつもすれ違い
En la estaci?n en que la nieve en polvo revolotea, siempre nos echamos de menos
アンタを見ると イライラした
Aunque estemos perdidos entre la multitud, vemos el mismo cielo
救ってやりたいなんて 思わない けど
Soplados por el viento y temblando de fr?o

似ていたから かもしれない
Probablemente no s? todo sobre ti
だから 他人の願いを叶えることの
A?n as? entre cien millones de personas te encontr?
悲しみも虚しさも 知ってる
No tengo evidencias para esto, pero realmente es lo que creo

些細な争いもあったけど、同じ魔法少女なんだ
No podemos vivir el mismo tiempo juntos sin discusiones triviales
きっと分かり合えるはず だから
Si no podemos ser sinceros, entonces la felicidad y la tristeza no tienen sentido

ねぇ 神様 アンタが本当にいるのなら
Si la nieve en polvo ti?era hasta el coraz?n de blanco
二人の孤独を分け合う事が出来たのかな
?Seremos capaces de compartir nuestra soledad?

アタシはアンタの心に耳を押し当てて
Presionando mi o?do contra tu coraz?n
その声のする方へすっと深くまで 下りてゆきたい
Quiero descender hasta la profundidad de esa voz
そこでもう一度会おう
Para encontrarnos all? de nuevo

分かり合いたいなんて 上辺を撫でていたのはアタシの方さ
Quiero que entendamos, fui yo quien acarici? la superficie
いまは、アンタの手を 握りしめることしかできない
Sin saber que bastaba apretar tu mano helada para estar conectados

ねえ 神様 アタシたちは絶望を前にあまりに脆く弱い
Nieve en polvo, delante de la eternidad, son tan fr?giles
それでも 諦めたくないんだ
Y se transforman en manchas sobre el asfalto aspero

ねえ 神様 いまさらと 笑うかもしれない
Nieve en polvo, mi desconfiado coraz?n a veces tiembla
それでも アタシはさやかと一緒にいたい
Pero a?n as? quiero seguir protegi?ndote

ねえ 神様 もう一度会えるなら
Si la nieve en polvo ti?era hasta el coraz?n de blanco
二人の孤独を包んで空にかえすから
Envolver?a nuestra soledad y la mandar?a de vuelta al cielo

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736 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 12:41:24.44 ID:383xSwfN0

わざわざ、サークルKのホームページから店舗検索したのにポストしかないなんてわけがわからないよ
「あたしは帰り道ローソンで唐揚げ買えたからいいけどな」
杏子ちゃんはほんとに食べ物が好きだね
君を見ていると癒されるよ
「そんなこと、どうでもいいから唐揚げ食えよ。美味いぞ」
差し出された唐揚げを一つ僕は摘む
うん、美味しいよ唐揚げだ
「だろ?美味いもん食うと気が晴れるだろ」
うん!ありがとう杏子ちゃん

そして互いの口の中の唐揚げを口渡しで交換した
「お前の味がするよ///」
僕もだよ///

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755 名前:赤い果実[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 14:47:44.01 ID:bMHj6CjK0 [1/13]

「13人・・・」
そう、13人。
杏子ちゃんは13人に分身出来るんだよね?
「まあな。でも、魔力の無駄遣いはしない質でね」
それもそうだろう。
魔法少女である彼女にとって魔力は命そのもの。
無駄遣いをすればするほど命が削られていく
そっか・・・ごめんよ、我侭言っちゃって・・・
「気にすんなって」
杏子ちゃんの優しいフォローが入る。まるで聖女のようだ
初対面のころは不良少女だと思ったが、そんな行動にも理由があったのだと今は思える。
彼女はそれだけ、他人のことを思いやれる優しい少女だから……
なぁ・・・杏子
「ん?どうし――」
杏子を抱きしめ、一言、呟く
杏子・・・愛してるぞ・・・
俺は真っ赤に熟れた林檎のような杏子の頬に口づけをした。それは……一瞬の出来事だった……

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757 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 14:59:46.55 ID:/w140D9t0 [1/4]

はぁ、あんこちゃん今日もまたあんこちゃんの夢を見れなかったね。
頑張って明晰夢をマスターして、夢の中であんあん☆したいよねぇ、文字通りそのままの意味だよ
でも、僕の中では「あんあん☆」をするより、ちょっぴり酸っぱい感じにあんこちゃんとの関係になりたいな
まぁでも!あんあん☆して、そういった関係になるのも悪くない訳じゃないよ!!
重要なのは、そこまでの過程であるから、こう……ちゅーから始まって、いや手をつなぐ所から?
段取りは大切だし、あんこちゃんもいきなりじゃびっくりするもんね、僕もびっくりするよ
あんこちゃんがガンガンいこうぜだったら話しは別だよ?僕はありのままのあんこちゃんを受け入れるからね!
だから、あんこちゃん夢に出てきてよ、あんあん☆するよりも、一緒に添い寝して貰うことが一番幸せかもしれないけどね!!



……ふぅ

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772 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 16:39:46.26 ID:UReDwsr70 [1/6]

「ただいまー」
おかえりーどうだった?
「あぁ順調順調、問題ないってさ」
そっかー良かった良かった!

「全然良くないっつーの!!」
あぁぁぁ杏子いきなり怒鳴ったりしてお腹に良くないよ?
「誰のせいだ!誰の!」
僕?
「そうだよ!」
いやだって、今日病院に行く前に「一緒に行こうか?」って言ったら
『一人ぼっちでお留守番は寂しいのかい?つーか付き添いなんかいらないよ』
って言ったのは杏子じゃん

「だってさ・・・病院の待合室でマミさんに会ってさ、マミさんは旦那と一緒にいたんだよ」
うんうん
「マミさんお腹も大きくなって、マミさんも旦那も幸せそうでさ・・・」
ごめんな杏子、寂しかった?
「悲しかった」
本当ごめんな・・・次からは嫌だって言っても一緒について行くから
「絶対だからな」
絶対だよ

そういやマミさんに会ったの久しぶりなの?
「連絡はしていたけれどな」
お腹大きかったの?
「9か月、出産準備も進めているんだってさ、マミさん子供の名前決めるのに夢中でw」
旦那さん困ってただろうw
「最悪、当て字の名前だけは阻止するってw」
大変だねー
「だなー」
うちの子は普通の名前にしような
「そうだな」
あんこってどう?
「殺すぞ」
キョキョウコサン 妊婦サンガ ネックハンギングハヤメタホウガイイデスヨ


そんな幸せな日常

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811 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 19:07:08.02 ID:SJV2MZeY0

人に永遠なんてないし無限もない
人はいつか死に、死んだら愛も喜びも全て斉しく燃え去り消える
だからこそ俺は有限の中で杏子ちゃんを愛し続ける

俺の有限は世界にとってはほんの一瞬に過ぎないかもしれない
それは刹那に散りゆく花火のよう
ならば、花火がその刹那、己の命をかけて盛大に散りゆくように

俺はこの瞬間に全てをかけて杏子ちゃんを愛し続けるよ
そう言うと杏子ちゃんは涙を流しながら俺に身体を預けた

そして甘い一時をすごしたのだった

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863 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/30(火) 20:22:42.42 ID:QxVTOt4T0 [1/2]

あんこちゃんに思い切って手紙を書いたの
「僕のために祈ってほしい」

それを読んだあんこちゃんは徐に僕の腕を極めてきたの
え?なんで?

     ___
   /     ヽ、     /
.  /    え   ヽ    /!
  i     、   Y___.i:ヽ、___
.  |     折    |: : : : ` -: : /二⌒`
.  |     っ    | : : : : : : : : ヾ:::ヽ-- . 、
.  !     て    | : : : : : : : : : :!:::::ヽ: : : :ヽ、
  |.    ほ    | : : : : : : : : : |:::::::::`..、: : :ヽ.‐┐
  |.    し    !: : : : : : : : : :i::; -.x/: : : : -i: :i
  |    い     |: : : : : : : : ト !: : : : : : : : : : :! : |
  |    ん    |: : : : : : : : |ヾ!: : : :|i: :| |: : /!: :!
  |    だ     .! : : : : : : : |: :ヽ: : :|' ⌒i: : i,イ:/
  |    な    | : : : : : : |: i: : : : : !   !: :| |/
  |     っ    ヽ、 : : : : |ヽ!: : :/  ,人:i !
  i.    て    .i⌒: : : : : |, __/   '  ヾ ノ
.  !.    思    | : : : : |、 i((       /
.  |    っ    |: : : : :|ヽ: | ̄`>'  -<
  !    て    ,: : : : :i ヽ !.    , > 、
  ∧    ・    .八: : : !  ヾ!  ./ ,/`>x
.   ヽ、.. ・   ,ノ : : : : i___> '  , '    .ヽ
   i: i` --r--.': : : : : : :!      ,/      .Y
   ヾ!   ヽ : : : : : : : i___> '   、i     | 
それ以上いけないの///

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最終更新:2012年03月01日 00:11