【まどか☆マギカ】佐倉杏子はコカコーラ可愛い76杯目





62 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/03(木) 00:05:43.28 ID:AWJO+3iH0 [1/4]

11月3日、そう文化の日だ
文化(culture)は耕す(colere)ことに由来する
そして、杏子ちゃんは耕作のプロだ
昨日、お芋を貰った事もあるし、今日は杏子ちゃんに特に感謝するようにしよう
そういえば、11月3日は「蜜柑の日」でもあるらしい
11(良い)3日(みっかん)というところに由来するらしい
なんだか、無理矢理すぎる気もするが、まぁ、いい機会だ
最近は寒くなってきた事だし、炬燵を出して、蜜柑を食べるとしよう
そう計画すると、わたしは自転車に飛び乗り八百屋に向かって走り出した

人生初炬燵の杏子ちゃん
炬燵に串刺しになって気持ちよさそうにすぅすぅと寝息を立てている杏子ちゃん
まるで、可愛らしい子猫のようだ
猫は炬燵で丸くなる、と言うが猫は炬燵で伸びをする事もあるのだ
わたしは寝ている杏子ちゃんの頬をプニプニする
杏子ちゃんは普段ガサツに見えるけど肌のケアとか、しているのだろうか
していないのだとしたら、少し嫉妬してしまう
まるで、この世に生を受けたばかりの赤ん坊のような柔らかい肌をしているのだ
杏子ちゃんの口元に手を近づけてみると温かく甘い吐息を感じる
そういえば、蜜柑の花言葉は何だっただろうか
思い出した、『清純』と『花嫁の喜び』だ
実に杏子ちゃんに合っているだろう
ウェディングドレスを身に纏い、わたしの手を握る杏子ちゃんを思い浮かべる
うん、とても可愛い 早く実際に見てみたいものだ
そんな将来を想像してウフウフしていると杏子ちゃんが目を覚ました
目を擦りながら上体を起こす杏子ちゃん
炬燵の上を見ると杏子ちゃんは目を輝かせた
なんて、可愛い少女なのだろう
蜜柑ひとつでここまで目を輝かせる女の子なんてわたしは杏子ちゃんくらいしか知らない
杏子ちゃんはわたしにそれを食べていいか、と聞いてきた
わたしはまだダメと少し意地悪をする
しゅんとした杏子ちゃん
心配しないで杏子ちゃん、貴女にはわたしが剥いたのを食べてほしいから

指で摘んだ蜜柑を杏子ちゃんの口元に運ぶ
彼女はわたしの指ごと、自分の口に入れる
温かくて、柔らかくて
杏子ちゃんの唇の感触が、舌の感触がわたしを悦ばせる
杏子ちゃんは、わたしのそんな気持ちを知ってか知らずか
ただ、美味しそうに、幸せそうに蜜柑を食べていた

部屋中には蜜柑の香りが広がっていた

コメント:

187 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/04(金) 00:04:49.70 ID:tiI6FkGv0 [1/6]

ふざけんなガラクタめ、いつの間にかにイカれやがって
わたしは役に立たない貧弱なモノはキライなんだ
アイツの所為で杏子ちゃんが悲しそうな顔をしている
わたしと杏子ちゃんは電車に乗っている
ガタンゴトンと静かに揺れる戦車はわたしの心の中の静かなる怒りを表しているようだ
杏子ちゃんは申し訳なさそうに俯いてしまっている
彼女は悪くない、そう、彼女は決して悪くないのだ
勿論、わたしも悪くない、明瞭な事だ
何故、わたし達が電車に揺られているかというと電器屋に行く為だ
では、何故わたし達が電器屋に行くのか?
それは、家の電気ストーブがぶっ壊れたからだ

物置から引き摺り出してきた電気ストーブ
杏子ちゃんと一緒にわざわざ埃も取り除き綺麗にしてやったというのに
恩知らずなアイツはわたし達を温めなかった
そう、壊れていたのだ
あれは去年買ったものだというのに、あっさりイカれてしまって仕方がない
買い換えるのは当たり前だが、ゴミに出すのも色々と面倒くさい
それより、一番腹が立ったのはわたしの杏子ちゃんを悲しませたことだ
それは何故かというに、電気ストーブの電源を入れたのは杏子ちゃんだからだ
全く以って彼女の所為ではないのだが、若干必要のない罪悪感を感じてしまっているらしい

買い物をおえたわたしはレストランにてディナーを楽しむ
杏子ちゃんは最初はパソコンやら携帯やらに興味を示していたようだが最後は飽きてしまったようだった
すごく退屈そうに見えたので、お金を渡してどこかで時間をつぶしているかどうか聞いてみたが、
杏子ちゃんは退屈でもわたしと一緒に見ている方が好いと言ってくれた
それはとっても嬉しかったので、わたしは早めに買い物を負えた
そして、これから杏子ちゃんと夕食を楽しもうと考えている
つまらない買い物に付き合ってもらったお礼だ
パフェでもチーズケーキでもハンバーグでもステーキでも好きに頼むがいい
彼女はメロンソーダに乗っているさくらんぼをモグモグし、種をペッと更に吐き出す
杏子ちゃんがものを食べているのを観察するのはとても面白い
ファミレス程度で喜んでくれる杏子ちゃんはとても優しい
財布にも、わたしの心にも
杏子ちゃんは食事を終えるとわたしに今日は楽しかったな、と言ってくれた
あんなに退屈そうにしていたのに・・・
わたしは益々杏子ちゃんが愛おしく思えてきた

イライラなんかは何処かに消し飛んでしまい、わたしの心は満ちたりていた

コメント:

196 名前:†[] 投稿日:2011/11/04(金) 00:31:57.93 ID:OFxeM33E0 [1/2]

暗い・・・・ここは暗すぎる
音も、光も無い世界で、あたしは「何か」を求めこの一本道をただ一人歩いている
目に映るのは己が歩んでゆく道のみで、星や月の明かりも、人工的な光も無い
ただただ暗く、暖かさなんて微塵感じられない世界。
あたしは何で、こんな道を歩いているのか。
あぁ、そうか『あたしがちゃんと死ねた』からか。
魔女にならずに済んだ、あの街を破壊せずに済んだ。
それだけがあたしの救いだった。

もう何時間歩いているのだろう。
目の前にひかりが見えた。
あたしはそのひかりに向かって歩いていく。
「家だ、家がある。」
その家に近づいたとき、こちらに向かってくる人影があった。
あたしは、その人影に見覚えがあった

コメント:

203 名前:†[gase] 投稿日:2011/11/04(金) 00:43:52.65 ID:OFxeM33E0 [2/2]

(さっきsageるの忘れてました・・・。すみません・・・。)
「父さん・・・・。」
その家の前にはあたしを置いて無理心中をした父さん・母さんと妹がいた。
あたしの祈りが殺してしまった家族。
あたしの事を「魔女だ」と行って全てに絶望してしまった父さん。
そんな家族があたしを迎え入れる。

父さんが一番最初にあたしの事を抱きしめる。
本当に小さい時に奏してくれたように、
「魔女だと言ってすまなかった。ずっと一人ぼっちにしてすまなかった。
辛い思いをさせてしまってすまなかった。私の為にあんなに怖い思いをさせてしまってすまなかった」
父さんは震える声であたしに良い続ける。

あたしはどうしたら良いか分からない。
これは、神様が起してくれた奇跡なのかも知れない。

その夜、あたしはシチューと言うよりもビーフの煮込みと言った方が良いかもしれないビーフシチューと
ターキーの丸焼きとそして、妹もあたしも大好きなアップルパイを飽きるまで堪能した。
あたしが用意されたベッドに入ろうとしたとき、母さんがそっとあたしに近づき
「杏子。お友達、さかやちゃんだっけ?捜しに行くの?」
と小声で聞いた
あたしは
「ああ、あいつにはあたしと同じようにひとりぼっちになって欲しくないからな」
と答えた
「杏子は本当に良い子に育ってくれてお母さん嬉しい。気をつけて言ってらっしゃい」
それだけ言って母さんは部屋を出て行った。

神様ありがとう。あんな人生だったけどその分幸せだ。
けど、さやかをほっとけない。必ず、さやかをつれて帰る。そう決意をして
あたしは眠りに落ちていった・・・。

コメント:

320 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/05(土) 00:10:22.45 ID:igJtQerg0 [1/3]

あぁ、完全に寝坊してしまった
居候という立場で寝坊しちまうなんて図々しいにもほどがあるな
いつも、あたしの隣にいる優しい人はいなかった
なんだか、少し寂しいような気持ちになる
ぼさぼさになった自分の髪を手櫛でテキトーに梳きながら、ベッドから降りる
乱れてしまった掛け布団や枕の位置をあたしなりに丁寧に整える
確かに最近寒いからというのはあるが、たるみすぎているのかもしれない
最近は冬眠しちまったみたいに魔女の出現数も減っている
グリーフシードはある程度ストックがあるので困るということはないが、最近はたるみすぎかもしれないな
あたしはそんなことを思いながら、取りあえず顔を洗おうと洗面所に向かう
居候が勝手に人様の家のものを使うというのは気がひけてしまうが、あたしはあいつが言った言葉を思い出す
『杏子ちゃんはもうわたしの家族なんだから、この家のものは自由に使っていいんだよっ!』
あいつの顔と声が脳裏に浮かぶ まったく調子狂うよなほんと
でも、そんなあいつが好きだから、あたしはここにいるんだろうな・・・

顔を洗い終えると、あたしは広間に向かった
そこのテーブルにはサランラップのかけられたランチプレート
おにぎりや玉子焼き、ウインナーにサラダとバランスの良さそうな、それでいて美味しそうな朝食だった
その隣には新聞のチラシの裏に可愛らしく丸みを帯びた字で書き置きがあった
『レンジでチンして食べてね! あと、もうちょっと早起きしようね(はぁと)』
あいつの可愛らしい文字を見るだけであいつが愛おしく感じる
もうちょっと、早く起きればあいつの声を聞けたのに、あいつに直に触れられたのに、
そう思うといじらしくてたまらなくなる
明日からはちゃんと早起きしよう、と決心するあたしなのだった

3時30分、もういい頃だろう
あたしが迎えに行ったらあいつは喜ぶかな?喜んでくれたら嬉しい
というよりはあたしがあいつに逢いたくてたまらないんだ
黙って家で仔犬のように飼い主様の帰りを待つなんて事は出来ない
あたしは施錠して家を出た
そして、お気に入りの鯛焼き屋で鯛焼きを買った
あいつは以前にこの鯛焼きを食べて笑ってくれた
食べ物は人を笑顔にするし、誰かと一緒に食べた方が数段美味いに決まっている
それが、あたしの大好きな人だとしたら尚更のことだ
あたしはあいつの学校の方に向かった

あいつは友達と一緒に帰っているようだ
ここで割って入るのは野暮ってもんか
そう思って少し残念な気がしつつも、あたしは独りで家に帰ろうとすると後ろから誰かに抱きつかれた
この感触、温かさ、匂い、それはあたしの最愛の人だった
どうやら、辺りの匂いであたしが近くにいると気付いたらしい
鯛焼きの匂いじゃないのか、と訊くと「杏子ちゃんの匂いで気付いたのっ!」と答えた
まったく・・・こいつといると調子が狂う
でも、とても温かい感じがする
そのお礼ってワケじゃないけれど、あたしはさっき買った鯛焼きをあいつに差し出してこう言った
食うかい、って

帰り道、頬にあんこをつけながら二人で食べた鯛焼きはとっても温かかった

コメント:

657 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/06(日) 00:31:24.44 ID:08EZxfj60 [1/5]

久しぶりに仕事したって感じがする
最近、魔女の数が減っていて退屈していたところだ
いい退屈凌ぎになったよ
ちっと右腕にかすり傷を負っちまったが、グリーフシードも運良く落としてくれたことだしな
なんて言ったら、きっとあいつは怒るだろうな
『もっと、自分を大切にして』、まったくあいつらしい言葉だよ
魔法で傷を塞いだとはいえ、血は右腕についたままだ
面倒臭いけど近くの公園で洗っていかねーとな
それにしても気分がいい 洗い終えたらケーキでも買って帰るか

幸い人は少ないようだ 大した事はないと言っても血塗れたあたしくらいのガキがフラフラしてたら目につくしな
と思いながら、公園の蛇口の方に向かい固まった血を洗い流す
うぅ・・・11月に水は寒いな さっさと返ってシャワー浴びたい・・・
なんて考えていると公園の奥から不穏な気を感じた
これは魔女のものではない、きっと使い魔のものだろう
どうする?人は少ないとはいえ人は公園にいる
このまま放っておけば確実に食われるだろう

仕方ねーな、と溜め息をつきながら使い魔の気の方へ向かっていく
別に子供達のことを思って使い魔を倒すんじゃない
放っておけば魔女になって、グリーフシードを孕むだろう
だから、ここで使い魔を殺すってのは魔法少女的に考えれば得策とはいえないだろう
この話題で仲違いしたある人の顔を思い出す
あたしの主義を曲げる気はないが、あの人と決別した事はやはりいい思い出ではない
さて、昔に思い馳せるのはこのくらいにしておこうか
さっさと使い魔を殺して帰ろう そしてケーキでも食べるとしよう
グリーフシードのストックは十分にある
これから、あたしがやる事は慈善事業じゃない
ただの暇潰しだ
そう自分に言って、結界の中に入っていく

コメント:

658 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/06(日) 00:31:44.84 ID:08EZxfj60 [2/5]

やっぱり、雑魚は雑魚か 正直興ざめだ
屋根裏のネズミみてーに数だけはウジャウジャといやがる癖に大した強さじゃない
時間の無駄だったようだ さっさと葬ってやる
そう思って槍の形態を変えると、背後からドデカい爆発音が聞こえてきた
否、砲撃音と言った方がいいだろう
それはマスケット銃の砲声、そしてあの人の攻撃手段だった
まさかと思い、あたしは後ろを振り返る
二度と逢う事がないと思っていたあの人の姿があった
あの黄色いリボンに巨大な大砲、そしてあの技名
それは袂を分けたはずの、昔のあたしのパートナーそのものだった
あたしが呆気に取られていると後ろから使い魔が襲ってきた
チッ油断した ダメージ覚悟で受身の体勢を取るが使い魔はあたしを攻撃してくる事はなかった
否、出来なかったのだ
使い魔の身体は黄色いリボンでがんじがらめにされている
ハッとして再び背後をみると彼女はあたしに使いj魔を攻撃しろ、と合図を送ってきた
変な感じがしたが、確かにこの状況では使い魔を殲滅させるのが先決だ
そう思い至り、リボンで縛られた使い魔を槍で全て薙ぎ払う
2、3分くらいたっただろうか
使い魔の空間は崩壊し、もとの空間に戻っていた

彼女があたしの方に寄ってきた
あの過去の事もあり変な気持ちになってしまう、あたしだったが彼女は関係無しにあたしの腕に触れた
何すんだ、とあたしは振り払おうとするもおとなしくしていて、叱られてしまった
彼女はあたしの傷口に治癒魔法を施した
それはあたし治癒魔法なんかより、より高度で丁寧な代物だった
当たり前か、あたしに魔法を教えてくれたのはこの人なんだから

彼女はしつこくあたしに話しかけてきてくれた
分かってる、きっとあたしを気にかけてくれているんだろう
あんな別れ方をしたというのにこの人はどうして、あたしに優しくしてくれるんだろう
そんな考えが顔に出てしまったのだろうか
彼女は、後輩に優しくするのは普通でしょう、と答えた

数分おしゃべりをした後、あたしは公園のベンチから腰を上げた
もう行っちゃうの?、と彼女は寂しそうな顔をして、あたしの手を掴む
もっと変な気分になってきた とても苦しかったんだ
昔みたいにこの人のそばにいたい
この人の美味しいケーキを食べて、この人に頭を撫でられて、この人にいっぱい褒められたい
でも、無理だった この人と話していると話しているほど辛くなる、心が痛む
過去の所為だろう きっとこの人はそんなこと関係なく、昔のようにあたしにセ接してくれるだろう
でも、それが返って辛いのだ

あたしは彼女の手を振り解いた
そうすると彼女はこう言った
また一緒に組まないか、と
お願いします、と言えばそれだけで済むのにあたしはそれが言えなかった
考えておく、とあたしはぶっきらぼうに言ってしまった
なんてアタシは馬鹿なんだろう・・・
すると彼女は笑ってこう言った
明日もここで逢いましょうと

熱くなった目頭をおさえながら、あたしは走って帰った
ひょっとしたら昔みたいに戻れるのかもしれない
でも、あたしはなかなか素直になることができなかった

コメント:

816 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/07(月) 00:07:25.85 ID:VMdGeXEO0 [1/4]

どうしよう・・・冗談じゃねーぞ、オイ・・・
あたしは今年最大ワルプルギス級と言っていい程の焦りを感じていた
魔法少女にとっては死活問題となるグリーフシードを全て何処かに落としてしまった
少なくとも20個はストックがあったってのに全てパーになっちまった
ワルプルギスの夜を斃してしまった所為か、最近は魔女の出現率がガタ落ちしている
このままだとなんか大変な事になってしまう気がするのだ
不幸中の幸いと言えば、あたしのソウルジェムは一片の濁りもないって事だ
でも、魔法の無駄遣いは出来なくなってしまった ほんと、どうしよう・・・
一応、同業者はいるが、彼女らに恵んでもらうというのはどうも気が引ける
だってグリーフシードは魔法少女にとっての生命線だから
菓子とかなら心置きなく堂々と貰うことが出来るけれど、
あたしと同じ立場の人の生命線を貰うなんて図々しいことは流石に出来ない
意地が何でも見つけ出さないと・・・
昔のあたしならそんなに自分に執着する事もなかっただろうが、現在は違う
あたしの事を想ってくれる友達がいて恋人がいる
きっと彼女らはあたしがいなくなったら悲しんでくれるだろう
でも、それ以上にあたしがあいつらと逢えなくなるのはもっと嫌だ
ひとりぼっちは寂しいから・・・
ブルーな気持ちを紛らわせるようにあたしはパーカーのポケットからクッキーを取り出す
うん、美味い 流石あいつが焼いてくれたものだ
なんだか希望が湧いてきた 絶対に見つけ出してやる

結局、見つからないまま日が暮れてしまった
トボトボと帰路につくあたしの姿はきっと情けなかっただろう
ハァ、と溜め息をつくあたしだったがそんな憂鬱な気分はすぐに飛んで行ってしまった
今日の夕飯はステーキにシチューだったから
大好物を大好きな人と食べると嫌な気分も消え去ってしまう
そんな夕食中に、あたしの最愛の人はある事を訊いてきた
「これって杏子ちゃんの?」と
そう言いながらあたしの目の前に出されたもの
それは正しくあたしのグリーフシードだった
あたしは興奮して、それが何処にあったか訊いてみると、
どうやらそれはベッドの裏側に落ちてしまっていたらしい
あたしは基本、風呂に入る時以外は必ずグリーフシードを持ち歩いている
それが災いしたようだ  それにしてもこんなにあっさり見つかるとは
わざわざ一日中街の中を探したっていうのに・・・
あたしはその黒い宝石を受け取り、心の底から感謝した
すると、あたしは怒られてしまった
「お食事中に行儀が悪いよ杏子ちゃん」と
どうやら嬉しさの余りに興奮しすぎていたようだ
ごめん、と頭をかきながら謝るけどあたしの最愛の恋人は許してくれなかった
小悪魔のように、「あとでお仕置きだよ?」と悪戯に微笑むあたしの恋人

その晩、あたしは本当にお仕置きされてしまった

コメント:

823 名前:†[gase] 投稿日:2011/11/07(月) 01:00:45.92 ID:hOu+baKj0 [1/3]

(2日ほど間が空いちゃいましたが・・・。)
あたしは、「約束」を守るために父さんと母さんのいる家から、また暗黒の道をとぼとぼと歩きはじめた
あたしの歩く道は、音も無く、ただただ暗いだけの一本道。
父さんが説法したいたのとは違う宗教「ブッキョウ」では、死後善人は極楽へ行き悪人は地獄へ落ち
死してなお、苦汁を舐めさせられるような酷い扱いを受けると聞いた事がある

じゃぁあたしは「地獄」に居るのか?
いや、違う。元々あたしの教会には「地獄」も「煉獄」も存在しないのだから
けど、これはあたしの教会とは違う宗派の「煉獄」に相当するものじゃないのか?
だとしたらこれはきっと神様があたしに与えた試練なんだ。
「最期に交わした約束を本当に守れるかどうか」の

あたしは一人、暗く、長い道を歩く・・・。
徐々に、あたりが明るくなっていく
そして、ついにあたしは「最期の約束を果たす事ができた」
「さやかを一人で死なせない。死んでからも一緒にいてやる」という約束を
その瞬間、この世界が明るくなった
世界が明るくなる瞬間に、さながら『あかつきに一番美しい炎』が見えた気がした
これから、この世界であの魔法少女達の結末を見届けよう。
そう、心に誓い、あたしは、あたしという存在を少しづづ失っていった・・・。

コメント:

899 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/11/07(月) 22:53:04.30 ID:Kijr9n0k0 [2/3]

あんこちゃんに向けて歌を作りました。
あんこちゃん、マミさんおめでとう

クラスのみんなにはナイショ
http://www1.axfc.net/uploader/He/so/344475.mp3

あんこちゃん盲導犬カワイイ聖女
あんこちゃんスイカバーカワイイ聖女

だから静粛 キミには忠実
空腹でも分けてくれるポッキー
つまりは食うかい?
その優しさに胸が痛快

僕の耳を癒してくれるヒーリングボイス
お揃いのキーリングつけて恋する

コメント:

928 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/08(火) 00:07:08.99 ID:L1Vnv4Lq0 [1/5]

あぁ、潰れたのか、この映画館は
曇天の下のあたしと恋人
ここはあたしの家族との思い出の場所の一つ
たしか、アニメだったかな最後に見た映画は
よく覚えていないや
でも、親父とモモと母さんと、手を繋いで帰る夜道は好きだった
あたしは映画が好きだった
モモもとっても好きだった
でも、今思うとあたしは映画が好きだったんじゃないと思う
家族と一緒に映画を見る事が好きだったんだ
だって、あの日以来、全てが狂ったあの日以来、あたしは映画を見ていない
この思い出の場所すら忘れていた
いくらでも映画を見る機会はあった
それこそ、テレビで映画が放送されていた時もあった
でも、あたしは頑なに映画を見る事を拒んだ
たまたまつけたチャンネルで映画をやっていると、あたしはすぐにチャンネルを変えた
バラエティ番組やニュース、ドラマと回していくが結局つまらなくて、電源を切る
あたしは映画が嫌いだった

でも、今のあたしは映画が好きだ
バラエティ番組もドラマもニュースでさえ大好きだ
いつも決まった時間に放送される番組を、いつも決まった時間にあいつと観る
番組の内容なんてどうでもいいんだ
あいつと見るから面白く感じるんだ
あたしはあいつのお陰で失っていたものを取り戻せた
それは二度と戻ってくるものではないけれど
二度と同じそれを楽しむことはできない
その一瞬、一瞬があたしにとっての大切な時間だ
ふと親父の言葉を思い出した
━━Carpe Diem━━
そうだな、今を楽しんだ方がいいもんな

あたしは恋人にここの思い出を言った
彼女は哀しそうな顔をした
あたしは恋人に言った
あたしの為に哀しまなくていい 寧ろ笑っていてくれ、と
恋人は酷く戸惑っている
恋人は人の痛みが分かる優しすぎる子なんだ
だからあたしは恋人の手を握って言った

今度映画を見に行こうぜって

コメント:












タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年02月26日 20:48