【まどか☆マギカ】佐倉杏子はハラミ可愛い79個目





16 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/21(月) 07:59:31.08 ID:Djd8nvhk0

杏子ちゃんの一日は朝食作りに始まる
いつも友達のお世話になってばかりじゃダメだと杏子ちゃんは常日頃から思っていた
だから杏子ちゃんは早起きして朝食を作る
目玉焼きはちょっと焦げてしまったが、友達は喜んでくれたので杏子ちゃんは幸せだった
そんな杏子ちゃんたちの朝食はシュガートーストに目玉焼きにアルトバイエルンだ

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144 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 00:18:49.99 ID:6PDXhO2t0 [1/5]

はぁ・・・この空気どうしよう
これに関しては完全にわたしのミスだった
注意が足りなすぎたよ・・・
常に、このような状況を想定してUSBフォルダに移しておくべきだったかもしれない
または、名前をもっと分かりにくいものに変えてカモフラージュしておくべきだったのかもしれない
杏子ちゃんは、ディスプレイをじーっと見て、顔を赤らめている
「お前、こんなものを・・・///」
杏子ちゃんはわたしの作品を見て紅潮している
でも、わたしの方が大きな羞恥心を感じているのは間違いないだろう
この気持ち、親にノートを見られた時の恥かしさによく似ている
余りに恥かしすぎて顔から火が出そうなほどだよ
そう、わたしは杏子ちゃんに自作のSSを読まれていたの
そのSSは全てわたしと杏子ちゃんの愛の物語なの
実際の体験などを元にして、わたしの願望を全て叩きこんだもの
わたしは森羅万象万物一切をわたしと杏子ちゃんの愛の物語に変換する能力を持っている
その能力と努力の集大成が、このSSたちなのだ
そのファイル数は500を軽く超える
わたしは全ての物語一つ一つにそれぞれの想いを込めた、いわば愛し子のような存在だ
でも、やっぱり、杏子ちゃんにそれを見られてしまうは恥ずかしいの
しかも、恥かしそうに音読をされたときたらもう・・・

事の起こりは杏子ちゃんの一言だった
「この前の写真、見せてくれよ」
この前というのは杏子ちゃんと一緒に遊園地にいった時のことだ
わたしはPCを起動させマイドキュメントを開いたの
今になってわたしは思う 何故マイピクチャから開かなかったのか、と
わたしはその時、お湯を沸かしていたことを思い出して、
杏子ちゃんにその中から自分で探し出すようにお願いして、PCの前から離れたの
そして、5分後くらいに再び戻ったら杏子ちゃんが顔を真っ赤にしてわたしの物語を小さな声で音読してたの
そして、今に至るってわけなの///

「なぁ、これはいったい何なのさ?///」と杏子ちゃんが顔を赤くしてわたしに訊く
わたしは杏子ちゃんの顔を直視出来ずないよ・・・
「別に怒ってないからさ、だからこれは何なのか教えてくれねーか?///」
わたしは、その文章はわたしの願望です、と俯いたまま言ったの
杏子ちゃんは「はぁ・・・」と溜め息をつき、わたしの肩に手を置いた
呆れられちゃったのかな・・・杏子ちゃんに嫌われちゃったのかな・・・
そんなことを思っているわたしに杏子ちゃんは優しく囁きかけるように言った
「別にあんたが何を妄想しよーとあんたの勝手だけどさ」
「でも、どーせなら、妄想なんかしてないで実際にあたしにそうすればいいじゃん///」
え?、と思いわたしは頭を上げる
「あたしはここにいるんだ。だからさ、実際にお前がしたいようにしてくれればいいんだよ///」
「それに恥かしかったけどさ、あんたがあたしのことをどんだけ思ってくれてるかってことが分かったし・・・」
「嫌な気分はしなかったよ///」
杏子ちゃんはそう言って、わたしに抱きついてきた
わたしは杏子ちゃんのその寛大さに感動したよ///
「なぁ、これから毎日、あんたのあの物語を消化していかないか?」
「毎日、あんたの考えた一日を実行していくんだ、物語のまま終らせたらもったいないよ///」
そう言うと杏子ちゃんはわたしと唇を重ねた
これはわたしの記念する処女作のシチュエーションだ///
ちゃんと、読んでくれていたんだね・・・///

記念すべき第一作目のわたしと杏子ちゃんの物語
それは最高の愛の喜劇となった

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166 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/22(火) 08:23:59.48 ID:Zh4W9nT50

杏子ちゃんの一日はご奉仕に始まる
メイド服を着せられて恥ずかしがる杏子ちゃんだけど、実は満更でもないご様子
大好きな主を起こす為、杏子ちゃんは毎朝その少女のほっぺをつつく
たまに主に布団に引きずり込まれることもあるが、それもやはり杏子ちゃんにとっては満更でもない
そんな杏子ちゃんの作った朝食はお味噌汁に焼おにぎりだ

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362 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/23(水) 00:32:06.99 ID:6MNIp9SV0 [1/10]

可愛い杏子ちゃんを連れて今日はお出かけ
今日は杏子ちゃんにお洋服を買ってあげるの
パーカーにホットパンツといったお馴染みの服装もいいけど
わたしは杏子ちゃんにスカートを穿かせたいの
魔法少女のコスチューム以外のスカート姿を見てみたい
だから、わたしは杏子ちゃんとお買い物に来たの
杏子ちゃんにはファミレスでパフェ奢ってあげる、と言って付いてきてもらったの
杏子ちゃんは洋服買いに行こうというと、なんだかつまらなそうな顔をするから

今日はいっぱい杏子ちゃんのお洋服を買えた
試着で疲れたのか杏子ちゃんはグッタリしていた
ご褒美に苺パフェを奢ってあげたらすごい喜んでくれたけど
じゃあ、そろそろ杏子ちゃんに戦利品を身につけてもらうことにしようかな
そう思って、わたしは杏子ちゃんに新しく買った服を着てくれるようにお願いする
疲れたから寝たいと言っていたけど、雪見大福を買ってあげるよ、と言ったら着ると即答してくれた
杏子ちゃんは着替えるからと言って隣の部屋に移動する
わたしも杏子ちゃんの可愛らしい姿を収める為に一眼レフのデジカメを取り出す

隣の部屋から杏子ちゃんがわたしを呼ぶ
どうやらお着替えタイムは終ったようだ
さぁ、お手並み拝見といこうか、可愛い杏子ちゃん
そして、わたしは部屋の扉を開く

そこには天使がいた
可愛らしい天使は顔を赤らめて恥かしそうに立っている
白を基調とした服装の杏子ちゃん
スカートはヒラヒラのフリルつきでまさにアイドルのような杏子ちゃん
マイクを渡してステージに立てば、きっと誰もがアイドルだと思うだろう
また、チラリチラリと見えるその太ももは美しくて美味しそうなくらいだ
わたしはこの感動を収めようとデジカメを取りだす
すると杏子ちゃんは顔を真っ赤にして、それだけはやめてくれ!恥かしくて死んじまう、と訴えた
でも、撮らせてくれたらピノを買ってあげると約束すると、渋々了承してくれた
わたしが杏子ちゃんの素晴らしい姿に見蕩れていると杏子ちゃんは小さな声で訊いてきた
「似合ってるか?」と
当たり前だよ、と答えると杏子ちゃんは仄かに嬉しそうな表情になって、また訊いてきた
「じゃあ、あたしがこういう服を着るとあんたは幸せになってくれるのか?」と
「もし、あんたが幸せになってくれるんなら、こーいうのも悪くないかなって思ったんだ・・・///」
照れくさそうに言う杏子ちゃんはまるで恋する優しい無垢な少女のよう
わたしは嬉しくなって杏子ちゃんの身体を抱きしめる
「あっ・・・///恥ずかしいだろ///」
こうさせてくれると、わたしはもっと幸せなんだけどな///

その日以来、杏子ちゃんは新しいお洋服を買いに行こうと言っても嫌そうな顔をすることはなかった

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461 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/23(水) 21:05:02.86 ID:X5ON9p3U0

杏子がいつでもそばにいる 隣で笑ってくれる
恐怖も脱ぎ捨て 踏み出せる
杏子がいつでもここにいる 今なら何も怖くない
今宵もあんあんしよう 円環まで届くよに

杏子と出逢えた喜びが 力強く抱きしめる
昔諦めた 青春を
杏子と出逢えた偶然に 本当に救われたから
今宵もあんあんしよう 円環まで届くよに



杏子と二人で泣き笑い たまには喧嘩し すれ違い
願うのならいつまでも…… だけど
杏子は二次元で俺は三次元で 夢の終わりは知ってて
願うのなら その日まで共に
杏子と肩寄せて泣き笑い 時には朝まで語り合い
そんな日々が続くと 今日も信じている

杏子がいつでもここにいる もう俺はひとりじゃない
人は歴史から忘れても
あれからどれだけ経つのだろう 杏子とふたりで生きた
確かな証が 円環まで届くよに

願うのなら ただ も一度逢えるよに......

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523 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/24(木) 00:22:45.37 ID:5xR3lp/W0 [1/7]

そろそろ11月も終って12月になる
12月と言えば年末ワルプルギス級のイベント、クリスマスがある
正確にいうとクリスマスイブ、クリスマスといった方がいいのかな?
まぁ、どっちにしろクリスマスだ
わたしは来るべきその日の為にクリスマスツリーを出して飾り付けをしているの
杏子ちゃんは「ちょっと気が早くないかい?」と言いながらも飾り付けを手伝ってくれている
そういえば杏子ちゃんは教会の娘さんだった
やっぱ、杏子ちゃんはクリスマスに思い入れでもあるのかな?
そう思って杏子ちゃんに聞いてみた
「別にクリスマス自体に特別な思い入れがあるってわけじゃねーけど、
どんなに生活が苦しくてもクリスマスの時だけは比較的豪華なもんが食えたのはよく覚えてるよ」
「あたしやモモが心配しても、親父は『今日くらい好いものを食べてもいいだろう』ってパーティにしてくれたもんだ」
昔を懐かしむような口ぶりで杏子ちゃんは続ける
「それにウチは貧乏だってのに親父が無理してお菓子買ってきてくれて、枕元に置いてくれたりもしたな
わざわざサンタの格好なんかして、あたしの枕元にポッキーをよく置いておいてくれてたな~」
いいお父さんだったんだね・・・
「あぁ、とっても優しい人だったよ・・・」
そう言う杏子ちゃんの横顔はやはり寂しそうだったの
わたしが杏子ちゃんに出来ることはないかな・・・
そう考えていると名案が浮かんできたの

今年のクリスマスパーティーは教会でやらない?、と杏子ちゃんに提案してみたの
「あたしの教会でか?」と杏子ちゃん
うん、その通りだよ杏子ちゃん
わたし、実は一度教会でクリスマスパーティーやってみたいと思っていたんだ!
それに、あそこなら杏子ちゃんの家族と一緒に楽しめると思うの
わたしももう一度お義父さんに挨拶したいしね
『杏子ちゃんとは仲良くやっています』って
「はは、やっぱ変な奴だなアンタは・・・」
杏子ちゃんは目を押さえながら、少し笑ったような声で言う
しまった、余りにも軽率すぎたかもしれない
ごめんね、杏子ちゃんのことも考えないで・・・、とわたしは自分の軽はずみな発言を謝る
「いや、謝らないでくれ ほんとアンタは優しいやつだな」と杏子ちゃんはわたしの頭をワシャワシャと撫でてくれた
「うん、そうしよう 今年のクリスマスはみんなでパーティーだ!」
杏子ちゃんはわたしの身体を寄せて抱きしめてくれた
気持ちいい・・・///
「アンタのお陰で久しぶりに楽しいクリスマスになりそうだ、ありがとな」
そう言って杏子ちゃんはわたしのおでこに優しくキスをしてくれた

今年の杏子ちゃんと過ごすクリスマスは最高の聖夜になりそうだ
きっとお義父さんもお義母さんもモモちゃんも喜んで下さるだろう

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667 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/25(金) 00:15:07.91 ID:2RRGLSb+0 [1/5]

わたしは今まで自分のことをダメな人間だと思っていた
自分が悪いことをした覚えなどはないが、ともかく自分のことを好きになれなかった
別にわたしが他人に故意に迷惑をかけ、他人からわたしの人格を否定されたというわけでもない
別にわたしは他人のことを考えず、傍若無人な振る舞いをするエゴイストというわけでもない
おそらく生まれながらの性分、先天的な卑下気質と云うものがわたしの中にあったのだろう
わたしはそれを苦痛と感じることはなかったし、それがわたしの性格なのだろうと考えていた
確かに世間一般では自信を持てだの自分を卑下するなだの云われているので、
このようなわたしの性格は社会的に見て、決して好いものではないということは自覚していた
しかし、別にこの性格の所為で実生活に支障が来たされるというわけでもないのでわたしはそれを放っておいた
そう、あの日までは

その日、わたしはいつものように杏子ちゃんとお喋りをしながら惰性でテレビドラマを見ていた
温かいお茶を啜り、煎餅をぼりぼりと齧りながら杏子ちゃんはテレビを見ながら呟く
「こいつ、あたしみてーなエゴイストだな」
こいつとはドラマの登場人物の一人で、劇中では自分勝手な行動ゆえに破滅の道を辿っている
それにしても杏子ちゃんがエゴイストということはどういうことなのか?
わたしはそれについて杏子ちゃんに訊いてみる
「前にも話したと思うけど、あたしの家族はあたしのエゴの所為でいなくなっちまったんだ
それから、あんたに逢うまでは心を殺して、社会的に罪と呼ばれることを沢山してきた
自分が生きる為に、他人を不幸にしてきたんだ。流石に怪我を負わせることはしなかったけどさ」
杏子ちゃんはやや自嘲めいた口調で続ける
「そんな哀しそうな顔をすんなよ。これはあたしがやってきた事実だし、それを背負う覚悟も出来ているからさ
あんたが笑っててくれないと、あたしもけっこう辛いんだ」

杏子ちゃんは強いんだね。わたしなんてダメ人間だからそんな行動力ないよ、とわたしが呟くと杏子ちゃんは不快そうな顔をした
「自分のことを悪く言うような事はやめろ」
でも、とわたしが言い返そうとすると杏子ちゃんの言葉が遮った
「あたしの前で、あたしの大好きな人の悪口を言うのはやめろ
いくらアンタだからっていっても、そんなのあたしが許さない」
わたしは苦笑してしまった 確かに杏子ちゃんはエゴイストだね
わたしの最愛の恋人はわたしの自嘲すらをも許してくれないらしい
「あぁ、言っただろ?あたしはエゴイストだって」
杏子ちゃんは口角を上げて、八重歯を見せながら言った
分かったよ杏子ちゃん、最愛の恋人のお願いだ
もう杏子ちゃんの前で自分を卑下するのはやめるよ
「悪いね、あたしのエゴに付き合ってもらっちゃって」
気にしないでいいよ、杏子ちゃん
でもその代わりに、わたしのエゴにも付き合ってもらうからね杏子ちゃん
そう言ってわたしは杏子ちゃんの甘く柔らかい唇にキスをする

エゴイストは必ず滅び去ってしまうものなのだろうか?
それなら、わたしは喜んでエゴイストとなろう
最愛の杏子ちゃんと共に深淵の泡沫となって沈んで、滅びよう
エゴイスト同士、愛を貫いて、愛のもとに散華しよう

コメント:

766 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/26(土) 00:33:08.00 ID:SRfMu3Zh0 [1/4]

炬燵で伸びて寝ている杏子ちゃん
それを見ているとわたしの心も癒されるね
ぴょこんとはねた杏子ちゃんのアホ毛はいつ見ても可愛らしいの
杏子ちゃんに近づいてみるとすぅすぅという寝息が聞こえるよ!
杏子ちゃんの口に指を入れてみる
温かくて気持ちいいよ
わたしは調子に乗って舌を掴んでみた
「起きてるぞ・・・何すんだよ・・・」と杏子ちゃんが呆れたような声で言う
わたしはバレちゃったか、とふざけた感じで答え、杏子ちゃんのお口から指を抜こうとする
しかし、杏子ちゃんはわたしの指にしゃぶりついてきたの///
「あんた、あたしが寝てるうちになんか食っただろ!?」
杏子ちゃんはあからさまに不機嫌そうだった
「この味は・・・あんた、あたしのかっぱえびせん食っただろ!?」
しまった、さっき小腹がすいて食べてしまったお菓子は杏子ちゃんのものだったのか
杏子ちゃんはまだ、わたしの指にしゃぶりついて離れない・・・///

わたしは杏子ちゃんへの謝罪の気持ちも含めてディナーをレストランでとった
今はその帰り道
どうやら杏子ちゃんは機嫌を直してくれたようでよかった
「あんたがあたしのかっぱえびせん食ってくれてよかったよ。お陰で今日はハンバーグが食えたからな♪」
杏子ちゃんはご機嫌に鼻歌なんて歌っちゃっていてとても可愛いよ///
「あ、そこでアイス買っていこーぜ!」と杏子ちゃんがコンビニを指差す
やれやれ、杏子ちゃんの胃袋はブラックホールみたいだね
そして、わたし達は小さなアイスクリームを買って、帰路に戻った
「寒い冬にアイスを食うってのも乙なもんだな」と杏子ちゃん
それはわたし達がコートを着てぴったんこしてるから寒くないんだよ///
「恥ずかしいこと言うなよ~///」と杏子ちゃんはふざけ合うような感じでぶつかってきた
あっ・・・!
その衝撃でわたしのアイスクリームはベチャと道路に落ちてしまった

杏子ちゃんはあわてて、落ちたアイスクリームを拾う
「ごめん・・・ふざけすぎた この落ちたのとあたしのを交換しよう」
杏子ちゃんはそう言うと落ちて砂利だらけになったアイスクリームを口に入れようとする
ダメだよ杏子ちゃん!、とわたしは杏子ちゃんの持っているアイスクリームを取り上げたの
「返してくれよ・・・食い物を粗末にしちゃいけねーんだ・・・」と今にも泣きそうな杏子ちゃん
わたしはそんな杏子ちゃんを抱き締めて言う
そんなのダメだよ!食べ物を粗末にしちゃいけないっていう杏子ちゃんの意見は正しいかもしれないけど、
それで杏子ちゃんがお腹を壊しちゃったら本末転倒じゃない!
「だって・・・だってぇ・・・」
杏子ちゃんはついに泣き出してしまった
さっきの太陽のように笑っていた杏子ちゃんと別人のようだ
よしよし、とわたしは泣いている杏子ちゃんを抱きしめた
「ごめん・・・なさい・・・」と杏子ちゃんは何回も何回も言ってくる
こっちまで釣られ泣きしてしまいそうだよ・・・
わたしは泣きじゃくる子をお母さんが宥めるようにずっと、よしよし、と頭を撫で続ける
杏子ちゃんは家に着いてもしばらく泣いていた

杏子ちゃんは強いようでいて実は脆いのかもしれない
だったら、わたしがちゃんと支えてあげないと!、と思うわたしなのでした

コメント:

860 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/27(日) 00:25:15.31 ID:dd46Ns9W0 [1/4]

カチカチとクリック音が静かな部屋に響く
ディスプレイには地図が映る、グーグル先生のマップだ
わたしは今度行くつもりの展覧会の会場を調べているの
すこし時間がたつと、暇そうにしていた杏子ちゃんがにきょこっとわたしの肩から顔を出してディスプレイを覗き込んだ
「なに調べてんだ?」
杏子ちゃんは「ホイ」とポッキーをわたしに渡しながら質問したの
今度行こうと思っている展覧会の会場を調べてるの、と答える
「展覧会っていうとアレか?夏に行った『空海展』みたいなものか?」
よく覚えてるね杏子ちゃん、楽しかった?
「空海より、帰りに食った醤油ラーメンの方が印象に残ってるな」
杏子ちゃんらしくて、ついつい微笑みが零れてしまう
「あたしも連れてってくれるよな?」と目をキラキラさせる杏子ちゃん
勿論、杏子ちゃんも一緒について来てくれると嬉しいよ!でも退屈じゃない?杏子ちゃん?、と訊いてみる
「確かに展覧会自体には興味はないけどさ、あんたと一緒なら何処にいっても楽しめる気がするよ
この前の空海展もあんたとお喋りしながら色々見て回るのは楽しかったしな」
その言葉に嬉しくなって、わたしは杏子ちゃんをわたし向きに膝に乗せて頭をなでなでする
「へへ、そんなに撫で回すなよぉ・・・///照れんだろーが・・・バカ・・・///」
杏子ちゃんは満更でもないような顔をして、わたしの胸に顔をすりすりしてくる
昔のちょっとトゲトゲしてた杏子ちゃんも可愛かったが今の杏子ちゃんも可愛いなって///
でも、こういうことは杏子ちゃんがわたしに心を開いてくれているってことだよね
そう思うと無性に杏子ちゃんが愛らしくなって、もう一度頭を撫でてぎゅっと抱きしめる
えへへ、杏子ちゃんの身体って温かいね///

「そういえばその展覧会ってのはいつ行くんだ?」と杏子ちゃんがすりすりしながら上目遣いで訊いてくる
たしか12月の下旬、年末だったと思うよ、と杏子ちゃんにすりすりしながらわたしは答えた
「クリスマスの後か・・・」と杏子ちゃん
ちゃんとクリスマスにプレゼント買ってあげるからね、杏子ちゃん!
「あたしは、あんたと一緒ならそれだけで幸せなんだけどな
もう、ひとりぼっちのクリスマスは嫌だからな・・・」
クリスマスだけじゃなくて、年越しもお正月も・・・、ずっと一緒だよ!
杏子ちゃんはひとりぼっちなんかじゃないよ!
「うん・・・ありがとな」
杏子ちゃんの天使のような唇がわたしのほっぺたに触れた

ディスプレイにはスクリーンセイバーがかかり、もうクリック音もしない
ただ、わたしと杏子ちゃんの愛の調べだけが部屋に響いていたの

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943 名前:†[sage] 投稿日:2011/11/28(月) 00:18:06.40 ID:eDt6AL5D0

今日は日曜日だというのに、少し憂鬱だ
せっかくの休日だというのにアイツは風邪をひいて寝込んじまった
最近、夜更かしが多かった所為かもしれない
これからは、もう少し体調管理を意識しないとな、あたしもあいつも
そんなことを考えながらあたしは買い物カートを少し早めに走らせながらパーカーのポケットから紙切れを取り出す
あいつから渡されたメモだ あとはネギと卵と牛乳か・・・
さっさと買って、さっさと帰ろう
流石のあたしも、恋人が風邪で寝込んでいる時に悠長に菓子のコーナーで指を咥えて迷っているわけにはいかない
あいつはちゃんと風邪薬を飲んだから熱も少しは下がってきたところだろうか
それでもこういう時ひとりぼっちは心寂しいもんだ
早く帰ってあいつのそばにいてやらないとな

買い物を終えるとあたしは足早にスーパーから出る
すると何やらいい匂いがしてきた
匂いの方に視線を向けると美味しそうな屋台の団子屋があった
お土産に1パック買って行くか
そして、あたしは団子屋のおじさんからみたらし団子を1パック買った
おじさんは「お嬢ちゃんは可愛いからおまけで2本プラスしておくぜ」と言ってくれた
あたしはおじさんにお礼を言って小走りで帰路につく
早くあいつにこの団子を食べさせてやらないとな

重い荷物を持って坂道を突っ走るというのは流石の魔法少女でも疲れるもんだな
あたしは息を切らせながらドアを開け、ただいまと恋人に自分の帰りを知らせる
するとあいつはわざわざ玄関まで迎えに来て「おかえり杏子ちゃん」と言ってくれた
あいつの様子を見ると、どうやらかなり体調は良くなったようだ
念の為にあたしは恋人のおでこに手を当てて、熱を計ってみる
うん、熱は下がったようだな でも、顔は何故か火照っているな
「杏子ちゃんがいきなりおでこ触るからだよ///」
はは、いつものあいつに戻ったようだ

あたし達は炬燵で温かいお茶(あたしが淹れた!)を啜りながら団子を食べる
「このお団子はあんこが甘くて美味しいね」
そうだな、確かに今まで食べてきた団子のあんことしては甘い方だ
今度、行ったらおじさんにまたお礼を言わなくちゃな
その時はあたしの最愛の恋人を連れていこう
こいつは世界の誰よりも可愛いから、あのおじさんもまた、おまけしてくれるかもしれないしな
そんなことを思っていると、恋人があたしに顔を近づけてきて、あたしのほっぺたに舌を這わせた
「ほっぺにあんこ付いてたよ」
ああ、やっぱこいつは世界の誰よりも可愛いよ

あたしは恋人をぎゅっと抱きしめた

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最終更新:2012年02月26日 19:32