【まどか☆マギカ】佐倉杏子はローストチキン可愛い83個目


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104 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 00:22:26.20 ID:zBAtL6CW0 [1/7]

12月24日、今日は待ちに待ったクリスマス・イヴ
このイヴとはevening(夜、晩)と同義の古語evenから来ているらしい
どうやらアダムとイヴのイヴは関係ないようだ
さて、それでは杏子ちゃんと最初のクリスマスを過ごす事にしようか

午前3時、わたしはこっそり寝てる杏子ちゃんを残して教会にやって来た
真っ暗だし寒くて、冬の深夜に独りぼっちという状況は酷く心細かった
でも、これも杏子ちゃんの笑顔の為だ
リュックやモップに雑巾、ワックスにバケツに水などを持ってきた
クリスマスパーティの会場を綺麗にお掃除する為だ
ここは電気も通っていないので掃除機は使えない
ここは水道が使えないので自分で水を持ってくるしかない
冬の朝はとても寒くて水なんか触れたものではないけれど、これも杏子ちゃんの笑顔の為
そう思うと、凍える風も冷たい水もなんて事はない
教会の全ての部屋を綺麗に掃除し終えるのに6時間もかかってしまった
既に日は昇り、鳥達は歌を歌っている
さて、最後のワックス掛けも終ったし家に帰ろう
杏子ちゃんもお腹ペコペコだろう

家に帰ると杏子ちゃんに叱られてしまった
「こんな朝早くから何処に行ってたんだ」と
「夜は魔女も出るし、そんな危ない時間にどこほっつき歩いていたんだ」と
わたしは曖昧な返事で誤魔化したが杏子ちゃんは釈然としない感じだった
それでも、一応、杏子ちゃんは口では「分かった」と言い温かいお茶を淹れてくれた
杏子ちゃんは本当に思いやりのある優しい子だ

そして、クリスマスの夜
わたしは杏子ちゃんをクリスマスパーティの会場に案内した
月明かりが教会を照らしていたので、意外と中は明るかった
杏子ちゃんは驚いたような表情でまわりを見回す
「どういうことだ・・・オイ・・・」
杏子ちゃんが驚くのも無理はないだろう
今朝の大掃除、わたしは今までにないくらい頑張った
教会に散らばった全ての木片や、壊れたものは全て処理し、床にはワックス掛けまでした
新築の教会、とまでは言えないまでも、廃墟の面影は全くない
わたしは驚いている杏子ちゃんの腕を引張って教会の一室に入った
「ここは・・・親父の部屋・・・?」
そう、ここは杏子ちゃんのお父さんの部屋だ
クリスマスパーティの会場はここだ
それはお世辞にも大きな部屋とは言えないがとても落ち着く空間だった
その部屋にあった木製のテーブルも不思議な事に全く傷んではいなかった
わたしは杏子ちゃんをイスに座らせて、バッグからお弁当箱を取り出す
お弁当箱というちゃっちく聞こえるかもしれないが、わたしが心をこめて作った料理だ
冷めたりしないように保温もばっちりだ
お弁当箱を開くと美味しそうな匂いが部屋一面に広がる
杏子ちゃんはそれを見るとわたしに笑顔を見せてくれた

さぁ、クリスマスパーティを始めようか

コメント:

115 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 01:01:57.94 ID:zBAtL6CW0 [2/7]

12月24日、クリスマスイヴ
あたしはその日が楽しみで楽しみで仕方なかった
初めての大好きな人とのクリスマス
久しぶりに幸せなクリスマスがおくれるだろうと、あたしは確信していた

しかし、その日は朝からブルーな気分になってしまった
8時30分頃、あたしは目を覚ますといつもそばにいるはずのあいつがいなかった
いつも、あたしが目を覚ますまで一緒にいてくれるあいつが
あいつがいたところを手で確認してみると、あいつが起きたのはけっこう前のことらしい
あたしはいても立ってもいられなくなって、あいつを探すことにした
しかし、家中を探してもどこにもいない・・・
どうやら、あいつは家の外に出ていったらしい
ボサボサの髪も梳かさずにあたしはパジャマの上からコートを着て、外に出ようと玄関に向かった
すると、玄関の扉が開き、外の寒い風があたしに吹き付ける
「あれ、杏子ちゃん?」
あいつが帰ってきたのだ

あたしはあいつに何処に行っていたのか、何をしに行っていたのか、などを問い詰めてみたが全てはぐらかされてしまった
しかし、あいつが疲れるような事をしてきたことは明らかだ
手は氷のように冷え切り、あいつは隠しているつもりのようだが、疲れの色が見え隠れする
あたしはこれ以上、あいつに問い詰めるのは酷だと思い、問い詰めるのを止めた
そして、少しでも温まるようにお茶を淹れてやった
それでも、まだあいつの身体は冷たかったのであたしは風呂をいれた
あいつは風呂に入るのを拒んだが、あたしが無理矢理服を引っぺがして風呂に入れた
あいつは身体を手で隠して顔を真っ赤にして猛抗議してきたが、そんなのあたしが許さない
ちゃんと100数えるまで温まらないと浴室から出してやんねーぞ、と言うと
「杏子ちゃんはまるでお母さんみたいだね」と言われてしまった
別に構わねーさ、あんたのことを大切に思ってるって点じゃ、あたしもそこいらの母親と変わんないだろうよ

その夜、あたしはあいつに腕を惹かれてあたしの教会に連れて行かれた
どうやら、この前の約束通り、クリスマスパーティは教会でやってくれるようだ
そして、あたし達はパーティの会場に辿り着いた
あいつが教会のドアを空けると、そこはすごい光景だった
月明かりで照らされた教会内、そこはまるで新築の教会のようだった
荒れ果てた廃墟のような面影は完全になく、まだ使われている教会のように見える
「隠しててごめんね、杏子ちゃん 今朝はここをお掃除してたんだ」
あいつがあたしの手を握って微笑みながら言った
あたしが呆気に取られていると「褒めてくれると嬉しいな」とあいつはあたしにぴったりくっ付いてきた
あたしは嬉しかった ここまで、あたしの為に・・・
あたしはあいつの身体をぎゅっと抱きしめ頭を撫でる
「えへへ、じゃあ杏子ちゃん、ちょっと着いて来て」とあいつはあたしの腕を引張りある一室に入る
そこは少し狭いけれどとても落ち着く場所、親父の部屋だった
あいつはポケットからライターと4本の大きな蝋燭を取り出し明かりを灯す
そしてそれを蝋燭台に置いた
「蝋燭の火ってオシャレだよね」とあいつはあたしに微笑みかける
そしてあいつはバッグからランチョンマットと複数の弁当箱やタッパーを取り出した
「パーティにお弁当箱なんて貧乏ったらしいかもしれないけど味には自信があるから安心してね」
あいつがタッパーを開けるととてもいい匂いが部屋一面に広がった
そして、あいつはあたしの目を真っ直ぐ見てこう言った
「さぁ、クリスマスパーティを始めようか」
あたしは大きくうん、と頷いた

やっぱり、今年は最高のクリスマスになりそうだ

コメント:

129 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 04:04:16.14 ID:ODcfYQTw0

ネオンに照らされたクリスマス・イヴの街をわたしと一緒に歩く
女の子――杏子ちゃんは、ネオンよりもずっと綺麗で輝いていた。
その事を言うと、杏子ちゃんは「何言ってんだバカ」って言いながらも
ちょっと嬉しそうに顔を赤くした。その顔があまりにも可愛かったから、
わたしは杏子ちゃんを抱きしめてしまった。
寒さでわたしたち2人の躰は冷たくなっていたけれど、
抱き合っているとだんだん暖かくなってきて、髪を撫でながら
大好きだよ、って囁いてキスをするとすごく熱くなった。
今まで何十回も、何百回もキスしてけれど2人で初めて過ごす
クリスマス・イヴにするキスは今まででいちばん切なくて、嬉しくて、気持ちよかった。
唇を離すと、真っ赤な顔の杏子ちゃんが私に
「ずっと一緒にいてくれよな……来年のクリスマスも再来年のクリスマスも」って
言ってきた。わたしは微笑みながら
「もちろん!ずっと一緒にいてあげるからね」って言った。
一人ぼっちは寂しすぎるから。杏子ちゃんのいない冬の街は寒すぎるから。
すると、今度は杏子ちゃんからキスをしてきた。わたしたちは強く抱きしめ合いながら
お互いの唇と躰の感触をいつまでも楽しんでいた。
きっとわたしたちはネオンよりも、街を歩くどんなカップルよりも輝いていることだろう。

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139 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 10:01:01.79 ID:rQNTNJ/20

108 † sage 2011/12/24(土) 09:52:06.81 ID:XeTOzRLa0
今日、目を覚ましたら隣に杏子ちゃんがいたの
わたしの手を握って、安心したようにすーすーと寝息を立てていたの
余りにも可愛かったので、わたしは杏子ちゃんのほっぺたをつんつんしちゃったの
すると杏子ちゃんが「やめろよぉ…」って
わたしは杏子ちゃんを起こしてしまったかと思ったがどうやら寝言らしいの
てぃひひ、夢の中でも杏子ちゃんはわたしにつんつんされてるのかな?
わたしは杏子ちゃんが起きないのをいい事に、悪戯をエスカレートさせていったの
寝てる杏子ちゃんの首筋をくすぐってみたり、可愛らしい唇に指をぷにぷにしたり、
杏子ちゃんの口の中に指を入れて、舌を掴んでみたり
杏子ちゃんのお口の中はとっても温かくて気持ちよくて、わたし、飛んじゃいそうだったよ
流石にやりすぎたのか、いつの間にかに杏子ちゃんは起きてしまったようだ
すごいジト目でわたしの事を見てる・・・ああっ、その、表情、そそるよっ!
「何してんだ、あんた?」
えぇと、朝の挨拶・・・かな?
「へぇー、これがあんたの中じゃ朝の挨拶なのかー」
そ・・・そうだよ!これが普通だよ!『おはよう』みたいなもんだよ
「じゃあ、あたしがあんたに同じことをしても文句はないな?」
てぃふんっ///
そう言うと杏子ちゃんはわたしの口をこじ開けて、わたしの舌に指を這わせる
わたしが手をぱたぱたして抵抗しようとしてもすぐに押さえつけられてしまう
「ったく、暴れる悪い奴はこうだ!」
きゃっ///
杏子ちゃんの唇が私の口を塞いだのっ///
そして杏子ちゃんの舌が蛇の如くわたしの口の中を這い回るの///
わたしの頭は蕩けてしまい、既に抵抗する気なんて起こらなかったの///
そう、わたしの頭の中は甘い快楽でいっぱいだったの///
「ぷはぁ・・・これでお相子だからな///」
えへへ、杏子ちゃんはわたしの最高の恋人だよ///
わたしは思いっきり杏子ちゃんに抱きついたの
すると杏子ちゃんも微笑んでくれて、わたしのことを抱きしめてくれたの
ずっと一緒にいようね?
「当たり前だろ?あんたがあたしから離れるなんて、そんなのあたしが許さないよ///」


せっかくのクリスマスだからやってみました
ポエム書くのって面白いですね!

コメント:

226 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 00:21:37.50 ID:ySqhStCV0 [1/4]

部屋に広がるお肉の匂い
その正体はタッパーに入ったローストチキンを小さく切ったもの
骨付きの状態で豪快にガブリと喰らい付くのが普通かもしれないが、スペース節約の為に小さくした
どうやら杏子ちゃんは気に入ってくれたらしい
お口のまわりにたれを付けながら、美味しそうにお肉を頬張っている
わたしが他にもサラダやスープなどを勧めると杏子ちゃんは、新しい獲物を見つけたように喰らいつく

食事を終えたわたし達は紅茶を飲みながらほっと一息ついていた
「とっても美味しかったよ、ごちそうさま」と杏子ちゃん
杏子ちゃんが満足してくれたらしくて、本当に嬉しいよ
でも、ごめんね、クリスマスケーキは崩れちゃうから持ってきてないんだ
「気にすんなよ、せっかくあんたが作ってくれたケーキが崩れるくらいなら、家で食った方がマシさ」
そう言うと杏子ちゃんはわたしの隣に来て、わたしの頭をわしゃわしゃと撫でてくれたの
「本当にありがとな・・・ここまでしてくれて・・・」
杏子ちゃんは、眼を潤ませながら呟いた
杏子ちゃんが嬉し泣きしてくれるのはわたしも嬉しいけど、わたしのクリスマスケーキを食べた後にしてほしいな
まだ今日が終るまで時間があるのに、これじゃあ、もうクリスマスが終っちゃったみたいだよ
「べ・・・別に泣いてねーし!」
乱暴に潤んだ瞳をこする杏子ちゃんをわたしは優しく撫でる
ここまで杏子ちゃんが喜んでくれるとわたしも頑張った甲斐があったよ

教会を出てからもう1時間くらい経ったかな?
わたしと杏子ちゃんはお家のソファーで寛いでいた
杏子ちゃんはさっきからそわそわと落ち着かないようだ
どうやら早くクリスマスケーキを食べたいようだ
そろそろケーキ食べる?と訊くと杏子ちゃんはすごい速さで「食べる!」と即答した
わたしは冷蔵庫にケーキを取りに行くと杏子ちゃんは黄版のピカチュウのようにわたしの後をついてきた
杏子ちゃんは一つ一つの仕草がとても可愛らしくて堪らないよ
わたしがケーキを取り出してテーブルに置くと杏子ちゃんの目が宝石のようにきらきらと輝いた
「これ、本当にあんたが作ったのか・・・?」と杏子ちゃん
杏子ちゃんに驚いてもらえて嬉しい
わたしもここまで凝ったケーキを作るのは初めてだ
因みにケーキの上に君臨するサンタのお爺さんの砂糖菓子もわたしのお手製だ
「これ、本当に食ってもいいのか?」と垂涎寸前の杏子ちゃん
勿論だよ、その為に作ったんだから
杏子ちゃんは本当に美味しそうな顔で食べてくれるから嬉しい

さて、12月25日になってしまった
今日はクリスマス、また同時に乃木希典やアイザック・ニュートンの誕生日・・・どうでもいいかこんな事
もう杏子ちゃんは眠っている
いつもならわたしも杏子ちゃんの隣で寝ているけれど今日は特別だ
バレないように抜け出してきたわたしなのだった
わたしは通販で買ったサンタコスを身に纏っている
サンタクロースが行う事と言えばただ一つ
子供にプレゼントと夢を与える事だ
だから、わたしも杏子ちゃんにプレゼントと夢を与えよう

すぅすぅと寝息を立てている杏子ちゃん
いつもその寝顔には癒されるよ
わたしは杏子ちゃんのほっぺたをつんとつついて枕元にプレゼント
仕事を終えたサンタクロースはクールに去るよ!
と、ベットに背を向けた瞬間、わたしは何かに引張られた
「まぁ、待ちなよ あたしのサンタさん♪」
杏子ちゃんがわたしの手を掴んでいた
「こっち来て一緒に話そうぜ」

わたしはベッドに引き擦り込まれてしまったの

コメント:

234 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/25(日) 01:09:13.98 ID:ySqhStCV0 [2/4]

やっぱ、あいつの料理の腕はピカイチだった
このローストチキンも、海鮮サラダも、コーンスープも最高の味だ
こんなに幸せなクリスマスはあの時以来だ
親父と母さんとモモとのクリスマス、豪勢とは言えないながらもあの時は幸せだった
あたしの魔法で信者が集まり始め、いつも絶望の淵に立たされた親父が笑顔を見せてくれるようになった頃だった
そんな時期のクリスマスパーティはとても楽しかったものだ

食事を終えたあたし達は一息ついていた
「どうだったかな・・・料理」とわたしの恋人が訊いてくる
そんなの決まってるじゃないか、本当に最高な料理だったよ
そう答えるとあいつは満面の笑みを私に見せてくれた
同時にあいつは申し訳なさそうにケーキは持ってこられなかった、と言った
そんなの全然気にしてねーっての
でも、ここまでしてもらっておいてあいつにあんな顔をさせるわけにはいかない
だから、あたしはあいつの頭を撫でた
すると、あいつは幸せそうな顔をする
そんな顔を見て、あたしは自然と言葉が出ていた
本当にありがとな・・・ここまでしてくれて・・・、と
言葉を発し終えると同時に何故か目頭が熱くなっていた
すると、今度はあたしがあいつに撫でられてしまった
「まだ、泣くのは早いよ、杏子ちゃん♪」
べ、別に泣いてねーし!
でも、こうやってあいつに撫でてもらうのも悪くないかもな・・・

後片付けを終えてあたし達は蝋燭台の火を消す
そして、部屋を出るとあいつが部屋の方を向いてお辞儀していた
「今日はお部屋を使わせていただきありがとうございました」
「次は一週間後、大晦日にお掃除しに来ますね」

家に帰ってあたし達はクリスマスケーキを食べた
今まで食べてきたどんなケーキよりも美味しいケーキだった
そして、それを食ってるあたしを見て笑顔になってくれる
あたしはあいつにどんだけ感謝しても感謝し切れないかもしんねーな

真夜中、ベッドで目を覚ますとあいつがあたしの隣にいなかった
トイレにでも行ったのかと思ってると部屋の入口からあいつがすごい恰好で入ってきた
あれは、サンタのコスプレか?手には何やらプレゼントのような箱を持っている
あいつが近づいて来たので、あたしは一先ず寝た振りをして様子見をすることにした
「メリークリスマス、杏子ちゃん♪」
そういうとあいつはあたしのほっぺたを人差し指でつんつんして、箱をあたしの枕元に置いた
そして、あいつは仕事をやり終えたような顔をして去ろうとしていた
あたしはそんなあいつの手を掴んだ
「ひゃふんっ!」
あたしはあいつに言いたいことが沢山あるのだ
否、全て吐き出さないとあたしが収まりがつかなかったのかもしれない

あいつはあたしに幸せなクリスマスを与えると当時に思い出させてくれた
だから、あいつに何回も何回もありがとうと言った
すると、あいつも何回も何回もありがとうと言った
「わたしは杏子ちゃんが笑ってくれるだけで、幸せだよ」
わたしは何故かそんなあいつの優しさが怖かった
あたしの好きだったものは全てぶっ壊れてしまったから、あいつも消えちまうんじゃないかと思ってしまったのだ
だから、あたしは訊いてみた ずっとあたしと一緒にいてくれるか、と
するとあいつは「絶対に杏子ちゃんを独りぼっちになんかしないよ」と約束してくれた
あたしはもう一つ聴いてみた、あたしは本当に幸せになっていい人間なのかと
「いいに決まってるよ。もし、杏子ちゃんの幸せを邪魔するものがあるなら、そんなのわたしが壊してみせるよ」
「杏子ちゃんはもう充分辛い事を体験したんだから、あとは幸せになっちゃっていいんだよ」
あたしはそれ以上言葉が紡げなくなって、あいつの胸元に顔をうずめて泣いた
あいつは優しくそれを抱擁してくれたんだ

コメント:

324 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/26(月) 00:19:29.62 ID:vSjzDbpW0 [1/5]

12月26日、カレンダーを見てみると今年もあと少しだな
今日は作家の菊地寛の誕生日であり、哲学者の和辻哲朗の命日
また、今日はシェイクスピアの悲劇『リア王』が初演された日でもあるらしい
よく知らないが、あたしの恋人が得意気な顔で言っていた
でも、正直なんか地味って感じしかしない
シェイクスピアくらいしか聞いたことないからな
最近は天皇誕生日、クリスマスイヴ、クリスマスと行事続きだったので今日はなんか物足りなく感じる
クリスマスイヴがあるならクリスマスアフターもあってもいいんじゃないかとあたしは思ってしまう
まぁ今日もあいつとイチャイチャする事は変わんないけどな

聖夜の次の夜、あたしは恋人を連れて人気の少ない街を歩いていた
こんな時間に警察に出くわしたら補導されちまうかもしんねーけど、
それでもあたしはあいつに見せたいものがあった
まぁ、あたしがそんなヘマするようにも思えないけどな
あたしにぴったりくっついて、手を繋いでいる恋人を見ると満面の笑みを見せてくれた
寒くないか、と声をかけると恋人はあたしの手をぎゅっと握ってこう返す
「杏子ちゃんと一緒だから寒くないよ」
そっか、と言ってあたしは足を止める
「杏子ちゃん?」
悪いけど目を瞑っててくれないか?
そう言ってあたしはあいつを抱きかかえる
「きゃっ///」
お姫様抱っこの体勢の恋人は顔を赤くして可愛らしい声をあげる
へへ、やっぱこいつは予想通りのリアクションをしてくれる
じゃあ、目を瞑っててくれ、すぐ着くからさ
「うん!」
あいつは快く頷き、あたしの胸に顔を埋めてきた
なんかくすっぐたいけど悪い気はしないな///

もう目、開けていいぞ
「ここは・・・?  わぁっ!」
恋人は目をきらきら輝かせた
そこに映ったのは満天の星空に街を彩るイルミネーションだろう
クリスマスが終ったといえ、すぐにイルミネーションを片付けるってわけじゃない
「綺麗だね・・・」
少し遅くなっちまったが、これがあたしからのクリスマスプレゼントだ
ここはいつか前に一緒に来たことがあると思うが、やっぱりここの景色は絶景だと思うんだ
「ありがとね杏子ちゃん・・・この丘って今年の夏に星空を見せてくれたところだよね?」
その通りさ、覚えていてくれて嬉しいよ
そう言うとあいつはえへへ、と微笑みを見せてくれた
あたしは夜空の中の3つの星を指差す
見えるか?あれがプロキオン・シリウス・ベテルギウスだよ
「冬の大三角だっけ?」
やっぱあんたは色々知ってるなぁと言うと恋人はまた、えへへと笑った
いつ見てもこの笑顔は絵になるよ
あたしのプレゼント、気に入ってくれたかい?
「うん!勿論だよ!」
「でも、もう一つ欲しいものがあるの」
何だい?あげられるもんならなんでもあげるよ
「じゃあ、杏子ちゃんのその柔らかそうな唇、わたしにちょうだい?」
そういうと恋人はわたしに顔を近づけた
温かくて甘くて白い吐息があたしの顔に触れる
あたしは頷いて、黙って目を瞑り、あいつの愛を待つ
そして、恋人の愛らしい唇があたしの唇に触れた
今にも落ちて来そう星空の下で、あたし達は冬の夜想曲を奏でる

まったくあたしってやつは情けないね
プレゼントをあげるつもりが、逆に貰うことになっちまったよ

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341 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/26(月) 08:35:22.93 ID:LoYqI+720

朝だ夜明けだ 杏子の寝息
つんと突っつく 色白ほっぺ
小さな胸の 漲る誇り
畑の男の 毎朝日課
杏杏子杏杏杏子

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420 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/27(火) 00:21:15.03 ID:lUWjMk+L0 [1/5]

12月27日、気が付けば12月もそろそろだ
今日は虎ノ門事件って事件が発生した日であり、『ピーターパン』がロンドンで初演された日らしい
また、あたしも読んだことのある漫画『DEATH NOTE』の登場人物レイ・ペンバーの命日でもあるとか
例の如く、全部あたしの恋人が得意顔で教えてくれたことだ
あいつが得意そうにお喋りしているのを見ていると、あたしもなんだか嬉しくなる
さて、あたしとあいつが出逢って契りを結んだ記念すべき2011年もあともう少しで過ぎ去ってしまう
今年は残り僅かだから、これからは特にあいつとの時間を大切にすごすとしよう

なんて偉そうなことを言ったあたしだが、なかなか炬燵から出られない
どうやらあいつもあたしと同じようで炬燵に串刺しになっている、あたしのすぐ隣で
あたしが炬燵のテーブルで蜜柑の皮を剥いていると、あいつはあたしの腰らへんに頭を乗っけて
「わたしにも分けてくれたら嬉しいな」と甘えた猫のような声でねだってくる
あたしはテーブルに手を伸ばして剥いていたのと別の蜜柑を取り、とそれを渡すとあいつは頭を横に振った
「そうじゃないよ~!杏子ちゃんが剥いてた蜜柑をあ~んして欲しいのっ!」
あんた最近、前より甘えん坊になったな、とあたしは指で剥いた蜜柑ひとかけら渡す
すると、「杏子ちゃんが優しいからだよ」と答え、魚のようにあたしの指ごと口に入れる
「杏子ちゃんの指、温かいね」と顔を赤らめながら言うあいつ
恋人に人差し指と親指をぺろぺろされて、あたしは変な気分になってしまう
やばい・・・こりゃ、癖になっちまいそうだ
あたしは柔らかさと温かさを指に感じていると、あいつはあたしの顔を見てにこっと笑った
「杏子ちゃんって意外と敏感なんだね♪」
そんなんじゃ━━━
あたしが反論する前に、あいつがあたしの指を甘噛みする
んっ・・・///
「えへへ、やっぱ杏子ちゃんって多感症なんだねっ♪」
あいつはあたしの手首を掴んで指一本一本に舌を這わせる
指先は蛇のようにちろちろと舐め、指の付け根まで犬のようにペロペロと舐める
やられっぱなしってのも癪だったので、あたしはせめての抵抗としてあいつの舌を掴む
すると「いはい、いはい!」と涙目になってしまった
やりすぎたかと思ってあいつのやんちゃな舌を解放してやった
するとあたしはあいつに押し倒されてしまった
もう炬燵はぐちゃぐちゃで下の絨毯もしわしわになってしまった
「杏子ちゃんは悪い娘だね・・・悪い娘にはおしおきしなくちゃだよね?」
そういうと、あいつはあたしの口をその柔らかい唇で塞ぎ、健康的なピンク色の蛇があたしの中に入ってくる・・・
その蛇はあたしの口を、歯を、舌を余すことなく這いまわり、あたしを官能的な気分にさせる
そして、あたしの意識はミルクのように甘くて白い霧の中へと沈んでいったのだった

今年も数えるしかないって言うのに、今日も恋人との戯れで終わってしまった
でも、案外、こういうのも幸せかもしれないな

コメント:

529 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/28(水) 00:29:12.37 ID:u3Y+kh+l0 [1/3]

12月28日、今年もあと三日だよ
今日は作家の堀辰雄、フィクションを含めるなら言峰綺礼の誕生日らしい
また、文部省が全ての学校、生徒に身体検査の実施を訓令したので身体検査の日と言われるらしい
身体検査・・・所謂、身体測定のようなものだろうか
今日がせっかくの身体検査の日だから、杏子ちゃんの身体も検査してみようか
恋人として、婚約者として、杏子ちゃんの身体の事を知っておくのも大切な義務だ

「なぁ、あたしが何でこんな恰好しなくちゃいけねーんだよぉ・・・」
体育着の杏子ちゃんはダルそうに言った
うん、やっぱり杏子ちゃんの体育着姿は様になるね
「しかも何で下はブルマなんだよ!あたしが通ってた小学校でもブルマはなかったぞ!」
そう言って体育着のまま杏子ちゃんは炬燵に籠城してしまった
わたしは杏子ちゃんの腕を引張って引き摺り出そうとするけど杏子ちゃんも負けじと炬燵にしがみつく
やはり力では杏子ちゃんに歯が立たない
それも当然の事だ、杏子ちゃんは魔法少女なのだから
「第一、身体検査なんて何すんだよ?」
杏子ちゃんが床にへばり付きながら聞いてきた
身長測定とか体重測定とか・・・胸囲測定とかだよ!
「バカ!胸囲測定って、あんたは何考えてるんだよ///」
そう言うと杏子ちゃんは完全に炬燵の中に潜ってしまった
そんなやましい事考えてないよ!ただ恋人として杏子ちゃんの身体の事をよく知っておこうと・・・
「あんたが何言っても絶対にあたしは身体検査なんてしないからな!」
杏子ちゃんはこたつと床の隙間からふしゃーと猫のように毛を逆立てて拒絶の意志を明確にする

仕方ないなぁ・・・
わたしは炬燵に潜り、中で杏子ちゃんと顔を合わせた
「なっ・・・!ここまでするか普通?」と杏子ちゃんが呆れたような顔で文句を言う
大丈夫だよ、杏子ちゃんはそのままにしてていいよ
そう言って、わたしは杏子ちゃんの胸部に手を当てる
「ひゃっ///」と杏子ちゃんは素っ頓狂な鳴き声をあげる
「何すんだよぉ・・・///」
何って胸部測定だよ?杏子ちゃんが炬燵から出てきてくれないから、今出来る測定からしてるんだよ?
最初は身長、体重、胸囲って順番に測定しようとしたんだけどね
それにしても・・・杏子ちゃんのって柔らかくて気持ちいいね///
薄い体育着ごしの杏子ちゃんの体温が上がっていくのが分かる
「こんなっ・・・んっ・・・///・・・貧相な胸っ・・・///測るほどねーよ///」
杏子ちゃんが蕩けたような顔をして、わたしに抱きついてくる

そして、わたし達は身体能力測定をしたの///

コメント:

682 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/29(木) 00:26:13.38 ID:3jRkkeaV0 [1/2]

12月29日、今日は吃驚するくらいわたしにとって印象深い出来事がない日だ
今日は東京大賞典開催日や清水トンネル貫通記念日らしいが、正直よく知らないので興味が湧かない
いや、ただ、わたしがものを知らなすぎるだけかもしれないけれど
でも、わたしは知らないという事を知っている。所謂『無知の知』だ。どうでもいいか・・・
因みにフィクションでは今日は言峰璃正の誕生日らしい
さて、今日はどうしようか?
余りにも何にもない日だから勝手に記念日でも作ってしまおうかな?『杏子ちゃん記念日』みたいな
嗚呼、でも駄目だ。そんな事をしてしまったら毎日が『杏子ちゃん記念日』になってしまうから

余りにも何もない日に絶望したわたしは杏子ちゃんを連れて遊園地にやって来た
明日明後日は大掃除で余り遊べないので、今年最後の想い出を作ろうと思ってここに来たわけだ
わたしは杏子ちゃんとゴーカートで爆走し、コーヒーカップでくるくる廻った
メリーゴーランドでもくるくる廻り、空中ブランコでもくるくる廻った
どうやら杏子ちゃんは廻る系は不得意なようで、アトラクションから降りると目を廻してわたしにもたれかかってくる
気持ち悪そうな顔をする杏子ちゃんだったけどアイスクリームを食べる?と聞くと直ぐに復活して「うん!」と元気に返事をする
一つのアイスクリームを二人でぺろぺろするわたし達の姿は正しく恋人という感じだっただろう
食べ終わった後、杏子ちゃんの頬を見るとアイスクリームがついていたので、わたしがそれをペロッと舐め取ると
「ひゃあんっ///」と杏子ちゃんが可愛い声で鳴く
そんな杏子ちゃんが愛おしく思って、わたしは杏子ちゃんを抱きしめてしまったの
「オイ…///こういうのは観覧車でするもんだろ?/// 人前でこんなことするなよぉ・・・///」
杏子ちゃんの声で我に返ったわたしは周りを見回すと人だかりができていたの
彼らはクスクスと笑ったり微笑ましそうにわたし達の熱愛を見ていたの
わたし達の愛は見世物じゃないよっ!
わたしはそう叫んで杏子ちゃんをお姫様抱っこしてその場から立ち去った
走りながら思い返すと我ながら恥ずかしいことをしたものだ

「ったく・・・あんたってやつはさぁ・・・」
わたしは今、観覧車で杏子ちゃんに叱られている
やっぱり、流石にやりすぎてしまったのかもしれないね
舞い上がってたね、わたし・・・
「でも、まぁ、そんな嫌でもなかったけどね・・・///」
杏子ちゃん!
わたしは嬉しくなって杏子ちゃんを抱きしめちゃったの
「やっぱあんたに抱きしめられるのは心地いいな///」
「なぁ、あたしはいったい何回あんたに抱きしめられたんだろうな?」
杏子ちゃんはいままでいくつパンを食べてきたか覚えてるの?
「へへ、意地悪なこと言うね、あんたはさ」
そう言いながらも杏子ちゃんはわたしの事を抱き返した
じゃあ逆に聞くけど、杏子ちゃんはいったい何回わたしの事を抱きしめたの?
「あんたは自分が今まで食ってきたパンの数を覚えているのかい?」
ふふ、意地悪な事を言うね、杏子ちゃんは
「あんたほどじゃねーさ・・・でも、あたしはそんな意地悪なあんたに救われてるんだけどな」
そう言って杏子ちゃんはわたしの唇を奪ったの///

運命は廻る。歯車は廻る。世界は廻る。
そして、わたしの舌も杏子ちゃんの舌と一緒に廻ったの

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706 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/29(木) 08:21:54.38 ID:YGBivtXG0

杏子ちゃんの朝は早い
でも寒いから杏子ちゃんは目覚ましを止めると直ぐに布団に戻っちゃうの
そんな杏子ちゃんを起こす方法はただ一つ
美味しい朝食を作ってあげること
杏子ちゃん、杏子の朝食は海鮮風ドドリアだよ

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810 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/30(金) 00:17:29.69 ID:uoiXiUwL0 [1/2]

12月30日、ついに今年も今日を含めてあと二日だ
今日は哲学者ホワイトヘッドや作家の横光利一の命日らしい
また、元イラク共和国大統領フセインの死刑が執行された日でもあるとか
これもあいつが教えてくれたことだ
あいつは本当に物知りだ
そう言えば、あたしはいったいあいつからどれだけのことを教えてもらったのだろう?
お茶の淹れ方も、クッキーの焼き方も、ハンバーグの作り方も全部あいつが教えてくれた
いっぱいありすぎて、あたしにはとても数え切れないな

大掃除の前半戦を終えたあたし達は炬燵でほっと一息ついていた
あたしの淹れたお茶に、あいつの焼いたクッキー
もう夕方だから量はそんなに多くない
「最近、杏子ちゃんお茶の淹れ方上手くなってきたね」
あいつに褒められるとあたしはとても嬉しくなる
あんたに手取り足取り教えてもらったお陰さ
「ううん、そんなことないよ。杏子ちゃんの覚えが良いんだよ」
そう言ってあいつはあたしの頭を優しく撫でる
そのお礼ってワケじゃないが、あたしはクッキーを一摘みしてあいつの口もとに運ぶ
「あ~ん♪」
あいつはクッキーをポリポリと食べながらあたしの顔を見て笑った
そんなあいつの笑顔を見て幸せになったあたしも同じように笑った

何気ない会話に何気ない日常
それがあたしにとっては、この上ない幸福だった
好きな人と普通に食って、普通に笑って、普通に会話する
これほど幸せなことはない
豪華な和牛ステーキも、世界の珍味なんていう贅沢なものはいらない
あたしの隣にあいつさえいてくれれば、一汁一菜だって最高に美味い朝食になる
あ、でも、焼き魚くらいは欲しいかもな
あいつと同じ魚を箸でつついて始まる一日なんて粋なもんじゃないか

あたしはいつの間にかにあいつにもたれかかって、手をつないでいた
「気持ちよさそうに寝ていたね、杏子ちゃん」
どうやらあたしは寝ちまっていたらしい
大掃除で疲れた身体に温かい炬燵、そして恋人との心地良い会話
眠くなってしまうのも無理はなかった
あたしは目を覚ますとすぐにあいつにお願いした
明日の朝は二人で同じ魚をつつきたいと
「ふふ、夕ご飯もまだなのに変な杏子ちゃん」
あいつはそう言いながらも笑顔で了承してくれた
ありがとな、とあたしがあいつに抱きつくと、あいつもあたしのことを抱き返してくれた
ずっとこうしていられればいいのにな
「ずっと一緒だよ、わたしと杏子ちゃんは」
そう言うとあいつはあたしと唇を重ねた
あたしは目を瞑ってその温かさを確かめる

熱を帯びた透明の喜びがあたしの頬を伝っていた

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958 名前:†[sage] 投稿日:2011/12/31(土) 00:31:14.51 ID:TtVAbHRB0

12月31日、ついに今年最後の日、大晦日だ
今日は大本営がガタルカナル島撤退を決定した日で、内務省が廃止された日
聖飢魔IIが解散した日でもあり、フィクション上ではヴォルデモート卿の誕生日でもあるらしい
そして、今日はわたしと杏子ちゃんの初めての大晦日
今日は杏子ちゃんの傍で蕎麦を食べる日だ
夜には除夜の鐘を聞きに行かなくてはならないので今日は大忙しだ

大掃除を終えたわたしと杏子ちゃんは早めにお夕飯の年越し蕎麦を食べていた
近くのお寺に行って除夜の鐘を聞く為だ
杏子ちゃんは教会の娘なので信仰的にお寺に行っていいのかと聞いてみたけれど、杏子ちゃんはOKと言ってくれた
本当にOKなのか、それともわたしの事を思ってくれての事なのか、どっちにしろわたしは嬉しかった
それにしても杏子ちゃんの蕎麦の食べぷりは見ていて気持ちがいい
ずずーっという音を立てて豪快に蕎麦を啜る杏子ちゃん
「どうした?あたしの顔になにかついてるか?」
杏子ちゃんに見蕩れていただけだよ
「悪い気はしねーけどあんたも早く食えよ?冷えちまったら勿体無いからな」
わたしは杏子ちゃんに促され、わたしもずるずると蕎麦を啜る
「もっと豪快に啜りなよ ずずーっとさ!」

食べ終えて、ちょっとだけ紅白を観たわたし達は近所のお寺にやってきた
お寺は沢山の人で混雑していて、人混みに流されてしまいそうだったけど、杏子ちゃんがわたしの手を握っていてくれた
だから、わたしは杏子ちゃんと離れずに済んだの
「すごい人混みだな・・・あたしから離れんなよ」
そう言うと杏子ちゃんはわたしの身体を抱き寄せて、わたしは杏子ちゃんと密着する体勢になったの
その時の杏子ちゃんの顔はとってもかっこよくて凛々しくて、わたしは蕩けてしまったような気持ちになったの
「それにしても、まだ除夜の鐘はつかないのか?」
ちょっと、早すぎちゃったみたいだね、時計を見たらまだ10時だよ
「あちゃー、もうちょっと紅白観ててもよかったかもな
でも、まだ早いのにこんなに人混んでいるなんて凄いな・・・」
とっても煩悩を消しに来ているようには見えないよね・・・

「そういえば、煩悩って何なんだ?あたしは教会の方なら少しは知ってるけど寺については殆んど知らねーんだ」
確か煩悩っていうのは仏教で苦しみの事らしいよ
その煩悩ってのは何かに執着する事で生まれてしまうと考えられているらしいよ
「執着?」
うん、例えば小さな子がデパートで玩具がほしいと言って駄々を捏ねて泣いてるとしよう
「あぁ、その子は玩具が欲しくて泣いているんだな」
そう、その子は玩具に執着しているから苦しんで泣いているんだよ
でも、その欲しいと思っている玩具をその子のお母さんは買ってあげないと言っているの
その子は「玩具が欲しい」なんて思わなければ泣いて苦しむ必要なんてないよね?
その「玩具が欲しい」っていうのが執着で煩悩って事になるの
要するに何かを「欲しい」、「~したい、~になりたい」って思う事が煩悩なの
「じゃあ、あたしは絶対に煩悩なんか消せねーな
あたしはいつも美味いもん食いたいと思ってるし」
あはは、杏子ちゃんらしいね
「それにいつも、あたしはあんたに愛されたい、あんたを愛したいって思ってるしな///」

杏子ちゃん///わたしも杏子ちゃんに愛されたいし、杏子ちゃんを愛したい!
「今か・・・?///」
うんっ!

人のいない林の中でわたしと杏子ちゃんは除夜の鐘ならぬ愛の鐘をついたの///

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