【まどか☆マギカ】佐倉杏子はあんこカワイイ58





73 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/09(火) 00:12:27.78 ID:QUiEn5bZ0 [1/7]

草木も眠る丑三つ時
果てしない沈黙の闇夜を照らす遥か天空に坐す月
競い合うように輝く星々は夢を見るか
しかし大いなる生命の泉は常に活動する
終わりのない海原は漣と共に踊り続け
耐え難い沈黙を引き裂く
僕の眼には境が見えない
輝く空と暗き海が混じり世界を生み出す
空が海に流出しているのか、海が空に流出しているのか分からない
こんなに月が美しいのに、こんなに星が輝いているのに
僕には何も分からない
僕はどこにいるのだろう
広大な海に広大な大地、そして広大な空
考えれば考えるだけ自分がちっぽけに見えてくる
しかし、これは絶望ではない
寧ろ希望なのだ
僕に与えられたこの広大な世界
無限の扉が音を立て開く
それは余りにも多すぎて、どれを選べばいいのか分からない
だから君に手を引いてもらいたい
君と一緒に自由で幸福な世界を愉しみたい

真夜中の浜辺
僕と杏子だけがここに在る
風が吹き、月明かりに照らされた杏子の下ろされたルビーの髪がキラキラと輝く
とても甘く、優しい香りとともに
「夜の海ってのも静かでいいもんだな」
夜の杏子も静かでいいものだよ
「あたしがいつも五月蝿いっていうのかい?」
五月蝿いなんて言っていないよ いつも太陽みたいに明るく笑っていてくれて嬉しいよ
ただ、今の杏子は月のように静かでいて美しい
「照れるな」
杏子の顔は火照っていた

海を見て想う この世界はどこまで続いているんだろうね?
「さぁな、見当もつかないね」
だよね
「でも安心しなよ
この世界がどこまで広がっていようと、ずっとあたしはお前のそばにいてやるよ
そして、このお月様のようにお前を導いてやるよ」
ありがとう、杏子
「だから、安心してあたしのことを抱きしめてくれてもいいんだぜ?」

海が波の子守唄を詠うように
僕は杏子と愛の協奏曲を奏でた


コメント:

246 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 00:10:22.98 ID:h+qOKbv00 [1/7]

「野球しようぜ!」杏子が笑いながらそう言った
藪から棒にどうしたというのだろう
恐らく漫画か何かに影響されたのだろう
僕は快く返事した
しかし、僕は生まれて一度も野球をした事がない
それにバットもボールも持っていない
それを彼女に告げると(可愛らしくて小さな)胸を張ってこう言った
「それはあたしに任せてくれよ」

彼女が持ってきたのはごつい野球ボールではなく可愛らしいカラーボールだった
それは彼女の髪と同じ色でリンゴがプリントされている
どうしたの?これ?
「教会から持ってきた」
教会・・・思い出の品だろうか
バットはどうするの?
「魔法の槍の応用で簡単につくれるよ」
じゃあ、川原にでも行こうか?
「うん!行こうぜ」
彼女の顔は向日葵のように笑っていた

先ほどから僕がボールを投げ杏子がバット(のようなもの)で打つ、の繰り返しをしているが
とても、暑い
照りつける太陽が体力をジワジワと奪っていく
杏子も汗びっしょりだがまだまだ元気そうだ
でも、僕はけっこう辛い
「おい フラフラしてるけど大丈夫かよ?」
杏子の声が聞こえたような気がした
段々と意識が遠退いてくる
景色は蜃気楼がかかったように曖昧になっていき
とうとう、真っ黒に塗りつぶされた

僕が気を取り戻したのはベッドの上だった
知らない天井じゃない
僕の家の天井だ
「大丈夫か?」と杏子が心配そうに問いかけてくる
あぁ、熱中症になってしまい、倒れたのか
うん、気分はいいよ ありがとね杏子
「もっと自分の身体を大切にしなよ」
身体・・・そういえば、今僕はパジャマを着ている
それにベタベタした感じもなくサッパリしている
不思議な感じだ
そう思っていると杏子が顔を赤らめながらこう言った
「お前、ひどく汗かいてたから、その、あの、身体洗っといたぜ」
え?どういうこと?
「だから・・・その・・・お前のこと脱がしてシャワーした・・・んだ・・・」
益々、杏子の顔が赤くなってくる
僕も羞恥で顔が真っ赤になっているのが分かる
身体がとても高揚していて熱い
「はは、お前顔赤くなってるぞ」
杏子も顔真っ赤だよ
「なぁ・・・もっと顔赤くしてやろうか」
杏子が顔を近づけてくる
そして、互いの唇を交わした

僕達はある暑い夏の日
火焔が躍るかのような熱い恋の歌を奏でた

コメント:

410 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 00:10:49.82 ID:sbff3dnY0 [1/9]

杏子が夏風邪をひいてしまったらしい
幸い、症状はそれほど進行していないらしいが熱っぽいし鼻水も出ている
だから杏子には寝ていてもらっている
彼女曰く心配するな、とのことだがやはり心配だ
僕の大切な杏子
僕の大事な杏子
僕の最愛の杏子
あぁ、どうして君はそんなに可愛くて美しいのだろう!
だのに、何故君は今辛そうな顔をしているのだろう!
花のように可憐で、太陽のように眩しく
空のように優しく、月のように美しい
掻き分けた君の髪は蜜のように甘く優しい香り
君のその声は天使が囀るように優しく心安らぐ
あぁ、僕の大切な杏子!
必ず僕が君に笑顔を取り戻してみせるから
だから、君も頑張ってくれ
以前約束したように
辛いことも楽しいことも全て2人で乗り越えよう!
これは君のお父上にも誓ったことなのだから

彼女に粥をつくってそれをスプーンで掬って差し出す
「ちゃんと食えるから平気だよ」と杏子
なんて哀れなのだろう!
己の辛さをも下位に置き、僕に手を煩わせないようにするなんて!
君は聖女だ 女神様だ
でも、これだけは言わせてもらおう
僕は君の役に立ちたいのだ
だから、そんな事を言って僕の喜びを奪わないで
「ったく、調子狂うよな・・・ほんと」と微かに笑みを浮べた
あぁ!あぁ!あぁ!なんて表情だろうか!
「可愛い」なんてものじゃない
これはこの世界の至福の幸福だ
僕はその彼女の宝に涙した
嬉しかったのだ、彼女のその笑顔が!
「おい!なに泣いているんだよ!」とアタフタする杏子
ごめん、君の笑顔がとても嬉しかったから・・・
「お前・・・」
杏子は風邪に侵された身でありながら、僕ノのことを思い切り抱きしめてくれた
それはとても温かくてとても甘い匂い
花、蜜、いや違う・・・喩えることが出来ないほど優しい匂いだった

「なぁ、こっち来てくれよ」と杏子
「頭が痛くて仕方がないんだ
だからずっと、あたしのそばで看病していてほしいんだ」
そう言うと杏子は僕を彼女の寝ている布団に招きいれた
「クーラーついてんのに暑いな・・・」と顔を赤らめて言う杏子
なんで、こんなに温かいんだろうね?
「あたしがお前のことを好きだからだよ」
杏子は僕の手を取って自身の胸に当てる
「な?すごいドキドキしてんだろ?」
僕も君に負けないくらいドキドキしているよ

蝉の鳴き声が暑さを更にかきたてる中
僕と杏子は熱い情熱の曲を奏でたのだった

コメント:

448 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 06:19:54.66 ID:HmC/X5rfO [3/3]

いやちょっと待ってくれ
〇分スレ無しよりか、あんこちゃん妄想の方に突っ込み無しなのか!?
ゲロも吐いてくれないのか・・・あんこちゃん


「ばっかだなーそのくらいじゃ吐かねえーっつーの
だいたいアンタに貰った服汚せないだろ」
あんこちゃん・・・あぁ着てくれたんだ!すっごい似合うよ!

「そ、そうか~、慣れなくてちょっと恥ずかしいんだけど」
いやいや、お嬢さんみたいな感じで可愛いって
そうだ!ポニテ解いて帽子被ってみてよ

「?別にいいけど」 シュル・・・ファサァーサラサラサラ
はわー

「おーいっ、どうしたー」
あんこちゃん!今すぐ結婚しよう!

「は?」
5分あんこちゃんから拒否無ければ結婚!嫌?

「あーなんだーー・・・5分も待ってらんねーよ」


そう言うとあんこちゃんはそっとキスをしてくれました

コメント:

615 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 00:13:19.69 ID:EqespraQ0 [1/10]

最近は熱帯夜続きで困る
そして、今日も例外ではない
一日中クーラー付けっぱなしで電気代が嵩んでしまう
杏子は布団で寝そべって枕に顔をすりすりしている
彼女は可愛い
彼女の仕草が可愛い
彼女の容姿が可愛い
故に、彼女の全ては可愛い
愛おしい、全てが愛おしい
僕を見つめる瞳、僕の声を聴く耳、僕と交わす甘く優しい唇
全てが愛おしい
「何ずーっと見てるんだよ」と杏子が僕の方に寝転がってきた
あぁ、甘き匂い
あぁ、甘き声
あぁ、甘き瞳
杏子はとても甘い少女だ
見ているだけでぼくも甘い気持ちになってくる
「おいってば!」杏子が僕の頬を日人指し指でつんつんとつつく
その優しい指の感触は何者にも形容することができない
至高の感触 至福の瞬間
僕はその指をペロと舐める
「ひゃんっ!なんなんだよ・・・いったい・・・」と呆れ顔の杏子
ごめん、杏子の指がとっても魅力的だったから
綺麗で可愛くて甘そうだったから
杏子の手首を撫でながらそう言う
「変なヤツだなぁ・・・」と顔を赤らめ、手を引いた
「でも、お前にならされてもイヤな感じはしねーな」
杏子はその指でもう一度、僕をつついた
最高の身体を超越した精神の永遠的快楽だ

僕は杏子に押し倒されている
そして彼女は僕の唇をその麗しく可憐で艶かしい指で弄んでいる
「男の癖に柔らかい唇してるな」と時計回りに指を這わせる
僕の頭は段々と蕩けていく
「はは、だらしない顔してるお前も可愛いな」
彼女の指は蛇のように這い、口の中に侵入する
そして、僕の舌の上で艶かしく躍る
もう何も考えられなくなるほどに気持ちいい
彼女の指から彼女の体温が伝わってくる
んっ・・・身体が熱くなっているのが分かる
「だらしねーなぁ、男の癖にさ」
杏子は指を引き、透明の糸が纏わりついたその指を口に入れる
「とっても、美味いよ・・・」杏子が最高に甘い声を上げ、僕に顔を近づける
「次は直接食わせてもらうよ」
そして、僕は指に代わって彼女の舌によって弄ばれた

8月の灼熱の如き熱帯夜
僕は夜明けまで杏子の為に愛を奏でていた


コメント:

778 名前:†[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 00:16:31.14 ID:FtpXdocY0 [1/6]

杏子に殴られたい
杏子に思い切り蹴って罵られたい
真紅の聖女に鮮血の地獄へと堕とされたい、というのは流石に過大表現だが
そして大嫌いだと言われ絶望の淵へ沈んでいきたい
絶望の海に投げ出されることで今という杏子との幸福を再確認したい
分かっている
こんなの狂っているって
でも、怒ったりした攻撃的な杏子も見てみたい
僕は幸福すぎたんだ
だから、刺激を求めてこのような愚考と愚行に至ったのだろう

ある8月の夜のこと
僕は杏子を怒らせるような挑発をしてみた
勿論、彼女を傷つけることが目的ではない
故に彼女の家族や魔法少女といったタブーの領域にまでは踏み込んでいない
段々、彼女の顔が曇っていく
そして、杏子が僕の胸元を掴んだ
僕は殴られる、攻撃的な杏子の一面が見られると期待した
しかし、いつまでたっても彼女は僕を攻撃しない
杏子の性格だったらふざけ半分でも攻撃してきそうなものなのに
「・・・っ・・・」杏子が力が抜けたように僕に寄りかかってくる
僕の目論見は見事ハズれた
「なんで・・・そんなこと言うんだよ・・・」
杏子は泣きじゃくっていた
初めてだった こんなに悲しそうな杏子の表情を見たのは
僕はこんな杏子を見たかったんじゃない
こんなに辛そうな杏子を見たかったんじゃないんだ
「あたしのこと、嫌いになったのか?」
彼女の泣き声まじりの一言一言が僕の心を的確に刺していく
「ずっと、大好きだって言ったのはウソだったのか?」
彼女はとうとう泣き崩れて、僕に完全に身体を委ねる姿勢になる
「お前も親父みたいにいなくなっちまうのか?」
そう言うと、杏子は力の抜けた身体で懸命に、縋り付くように言う
「やだ・・・絶対に放さない」
涙が零れてきた
僕は、杏子を泣かせるつもりはなかった
ほんの出来心だった
でも、それが杏子を、杏子の心を深く傷つけた
情けない 情けない
「なんでお前が泣いてんだよ?」
涙と鼻水でグシャグシャになった顔でも無理に笑顔をつくって僕を抱きしめた
あんなに酷いことを言ったのにどうして・・・
「お前が好きだから・・・それ以外に理由がいるか?」
僕は無様に勝手に愚かにひたすら泣き続けた

僕は泣きじゃくりながら杏子に僕の愚行の理由を言った
彼女は呆れた顔も、怒った顔もせず、僕を抱きしめた
ごめんね、ごめんね
「そんなのあたしが許さない」
ごめん、ごめん
「許してほしいんなら全部忘れるくらいにあたしを抱きしめてみろよ」

罪悪感と贖罪
歪んだ愛を矯正され、僕は一心に彼女を奏でた

  • これはすごい (2012-05-22 23:35:08)
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最終更新:2012年05月22日 23:35