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遺言~‘04 秋~


「お母さんへ。あなたはどうして僕なんか産んだのですか?僕は何のために生まれてきたのですか?」

彼は今夜、自らの命を自ら断つつもりだった。彼を生んだ母親への手紙を残して。

人は皆、何かしらの才能というものを持って生まれてくるものだろう。しかし、彼は自分の中にこれといった特技も、能力も見いだせなかった。
何か得意なスポーツがあるわけでもない。
勉強も決してできるとはいえない。
これといって芸もない。
I was not gay.
気の利いた言葉が言えるわけでもない。
ティンコも人並み。
代謝も人並み。
クラス1の足クサボーイでもない。

はっきり言って、こんな人生にはもうウンザリだった。友達は人並みにいた。でも彼という存在は彼らにとってたくさんの友達のうちの1人であって、それ以上でも、それ以下でもなかった。僕が突然いなくなっても、世界は相変わらず回り続けるんだ。まるで何事もなかったかのように。彼はいつもそう思っていた。
毎日毎日、ただ過ぎ去っていくだけの時間たち。この時間という連続体の向こうに一体何が待っているというのか?輝かしい未来?馬鹿馬鹿しい。

生きていたって、何も楽しいことなんてない。

最近では、人と話すことさえ面倒になってきた。
僕が最後に笑ったのは、いつだったかな。
もう人の目なんて気にしない。いつも同じ服ばかり着ています。
体毛だって伸び放題だ。
人一倍腕毛が濃い。
人一倍鼻毛の成長が著しい。
人一倍尻毛がハミ出ている。
人一倍頭髪の縮毛度合いが激しい。
そのくせ下半身のほうの毛は縮れることを拒む。
そして僕の下半身は人一倍デリケートだ。
ああ、また僕の人一倍デリケートな部分が疼きだした。
僕はそのデリケートな部分に“MR.デリケートJr”と名付けた。
“MR.デリケートJr”は引っ込み思案だ。
“MR.デリケートJr”は暴れん坊将軍だ。
“MR.デリケートJr”は黄金の中足だ。
“MR.デリケートJr”は究極生命体だ。
“MR.デリケートJr”はもはや昔の“MR.デリケートJr”ではない。
“MR.デリケートJr”を今まで手塩にかけて育て上げたのはこの僕だ。
“MR.デリケートJr”と僕は一番の親友であると同時に、永遠のライバルでもある。



そうだ、この“MR.デリケートJr”を主人公にRPGを作ろう。その名も「“MR.デリケートJr”の冒険」
ある日、僕の人一倍デリケートな部分は僕という主体を離れて大いなる旅に出るんだ。小心者の“MR.デリケートJr”はその行く手に待ち構える幾多の困難に立ち向かい、それを乗り越えることで成長していく。そしてその結果、彼は見事、一人前のデリケートへの進化を遂げるんだ。彼は旅の途中、ある弱小国の姫君と出会う。そして2人は恋に落ち・・その姫君こそが、のちのミセス・デリケートである。





何だか楽しくなってきたぞ☆
さあ、今日も元気に学校に行こう!
「お母さん、行ってきまーす!!」


これが彼の朝の日課なのだ。そんな彼こそが、のちのムサシである。