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不幸の手紙がやってきた

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不幸の手紙がやってきた


不幸の手紙がやってきた。
「同じ手紙を3日以内に30通出さなければ、あなたは不幸になります」


当然のように僕は無視をした。しかし、それ以来、いくつもの不幸が僕に降りかかった。

足の親指の先っぽをトラックに轢かれた。
毎晩のように悪夢にうなされる。
片思いの女の子が僕の親友とつきあっていた。

ショックのあまり、僕は出家した。しかし不幸は終わらなかった。

住職によって「珍念」の名を与えられた。
住職は僕を「ナパチャット・ワンチャイ」と呼んだ。
住職の体は男性だが、心は女性だった。
住職は僕を求めた。
住職と一夜限りの関係を結んだ。
住職が孕んだ。
住職と幸せな家庭を築いた。
住職が芸能界でブレイクした。
住職が脱税で捕まった。

僕は路頭に迷い、アルバイトを始めた。小さな中華料理店で接客を始めた。しかしそれはまた、新たな不幸の始まりだった。

料理長によって「陳念一」の名を与えられた。
料理長は僕を「ナパチャット・ワンチャイ」と呼んだ。
料理長の体は男性だが、心はまぎれもなく女性だった。
料理長が僕に流し目を使います。
料理長が体の一部をこすりつけてきます。
料理長は僕を毎晩誘います。
料理長と一夜限りの関係を結んだ。
料理長が孕んだ。
料理長と幸せな家庭を築いた。
料理長は中華の鉄人だった。
料理長は芸能界で大ブレイクした。
料理長が脱税で捕まった。

僕はまたしても路頭に迷い、マネーの虎に出演した。しかしそれはまた、新たな不幸の始まりだったのである。

虎Aがいきなり僕に牙をむいた。
虎Bは僕に興味を示した。
虎Cは自らの過去を熱く語った。
虎DはAV業界最大手の社長だ。
虎Aは僕に色目を使った。
虎Bは僕だけに片乳を見せた。
虎Cは本番中に出してはならない声を出した。
虎Dは絶頂を迎えた。
虎Aの体は男だが、心はやはり女だった。
虎Bの体は男だが、心はやはり女だった。
虎Cの体は男だが、心はやはり女だった。
虎Dの体は男だが、心はやはり女だった。
吉田A作もまた体は男だが、心は女だった。
虎たちは金を出した。僕と一夜限りの関係を結ぶことを条件に。
虎Dはその地獄絵図をカメラに収めた。その一部始終を見よとばかりに。
ついに僕は孕んだ。
虎たちとA作の僕をめぐる壮絶な争い。
虎Aは虎Bに牙をむいた。
虎Bは虎Cに罵詈雑言を浴びせた。
虎Cは虎Dに斬りかかった。
虎DはA作をグーで殴った。
A作は虎Aを辱めた。

虎たちはいつの間にか、お互いを慰めあっていた。
僕は捨てられた。ゴミクズのように。

後に残ったのは、心にぽっかりと空いた大きな穴と、虎たちの遺産である一人の子供だった。その子供は虎Aに酷似していた。




すべてを失った僕は、今日もひとり街を彷徨う。愛憎に満ちたこの世のすべてから逃げたかった。ただ逃げたかった。辛くて辛くて体が引き裂かれるようだった。





でもやっぱり僕は独りでは生きられません。他の誰かと支えあうことなしに、この人生という長い道程を、まっすぐに歩いていくことはできないのです。





僕の体は男性だ。しかし僕の内側には、まぎれもなく女性の心が潜んでいる。
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