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おじいさんと僕(前編)」(2006/06/07 (水) 08:28:15) の最新版変更点

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*おじいさんと僕(前編) 僕が高校生の頃のことである。 放課後、僕はいつもの田んぼ道を自転車で駆けていた。あいつを追って。 僕は家路を急いでいた。いつものように、僕の前方には友人(?)D.kの姿が見える。DKといってもドンキーコングではない。通称カトゥー・ダイ。加藤あいとは全くの無関係である。彼は生まれながらにして世界を掴む豪脚の持ち主であった。ひとたび自転車にまたがれば、もはや彼のスピードに敵う者は皆無であった。しかし僕は来る日も来る日も彼を追った。いつか差し切ってやる、その思いだけが僕を突き動かしていた。 その日も僕の努力は報われなかった。僕はカトゥーを見失った。いつものことだ、また明日挑戦しよ・・ ん?何だあれ? 僕の目は道端に転がったひとつの物体に釘づけになった。それは紛れもなく、ひとりの、見知らぬ、おじいさんだった。サル、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、人間。その進化の最終形態としての、おじいさんだった。 「ロシアの殺し屋に追われています。かくまって」 おじいさんは僕にそう言った。 僕はあまりの突然の出来事に唖然としていた。そんな僕を見て、おじいさんは続けて言った。 「第一印象から決めてました。おねがいします」 「は、はいっ」 一生の不覚。 こうして、僕とおじいさんの奇妙な生活がはじまった。 家に着いて一息つくと、おじいさんは自己紹介を始めた。頼んでもいないのに。何だ、こいつ。 名前は「島袋スポポポポビッチ」沖縄県民とロシア人のハーフらしい。つーか、何だこいつ?ポポポ? 年齢は65。 好きな言葉は「開国してクダサイYo」 将来の夢は「沖縄にピロシキ畑を作ること」 座右の銘は「三度の飯よりピロシキ」 冷房の設定温度は常に氷点下。 宅急便は着払いに限る。 オシッコが飛び散ってズボンがぬれても隠さない。 うどんを上の口から入れて下の口から出せる。 すぐ泣く。 下痢気味の時も堂々としていられる。 穴があったら入りたい。 耳栓を鼻の穴(右)にさす。 左の鼻の穴には青春がつまっている。 そのせいで鼻呼吸ができない。 恥ずかしいと異様に顔を赤らめる。 野生の熊に襲われて2勝1敗1引き分け。 ナシゴレンって何ですか? 勝負服はチマチョゴリ。 マイブームは略奪愛。 年金失楽園。 おねしょで世界地図を描く。 野球ではライトしか守らせてもらえない。 ウォシュレットの温度も常に氷点下。 仲間を呼んで次から2回攻撃できる。 そんなおじいさんのチャームポイントは肛門のデカさだ。おじいさんは誇らしげに言った。 「私の父も母も、肛門の大きさではまわりから一目置かれていた。普通の日本人の肛門の大きさを1キャナルとするならば、沖縄県民である母は5キャナル、ロシア人である父は30キャナルの肛門の持ち主だった。そして私は5かける30で150キャナルだ」 僕は初めておじいさんに好意を覚えた。そうだ、足し算の人生なんてつまらない。人生は、掛け算なのだ!おじいさんは僕にそう教えてくれた。この瞬間、僕にとって、おじいさんは単なる進化の最終形態ではなく、かけがえのない人生の教師となった。 そして僕はおじいさんを愛し、おじいさんに愛されるようになった。おじいさんはまた僕を愛し、僕はおじいさんを愛するようになった。

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