六一〇ハップ関連記事まとめ

【ムトウハップ関連記事】

今年前半に日本各地で相次いだ硫化水素による自殺を受けて、
販売自粛要請を受けた入浴剤「ムトウハップ(六一〇ハップ)」を製造していた創業102年の老舗企業、武藤鉦(むとうしょう)製薬が業務を終了することが明らかになりました。
すでに工場は停止しており、会社自体も業務を終了する予定であるとのこと。
業務終了へと至った経緯は以下の通り。
GIGAZINE編集部が武藤鉦製薬に電話で問い合わせたところ、武藤鉦製薬は10月いっぱいで
「ムトウハップ」などを製造していた工場を停止したそうです。
そしてカスタマーサポートなどのために一定期間業務を続けた上で、
会社自体も業務を終了するとのこと。

そしてその背景として、相次ぐ硫化水素による自殺を受けて日本チェーンドラッグストア協会が
加盟しているドラッグストアに対して、今年の4月に「ムトウハップ」の販売自粛要請を
行ったことが大きく影響しているそうです。

これは「ムトウハップ」の全体の7~8割がドラッグストアで販売されているため、
売自粛による売り上げの大幅な低下や大量の返品に加えて、
販売自粛要請が7月いっぱいで解除されたものの、
解除されたこと自体がドラッグストアに周知されておらず、
ひどい場合は顧客からの問い合わせに対してドラッグストアが「会社が無くなった」などと回答していたことにより、
販売の見通しが立たなくなったことが挙げられています。




■<六一〇ハップ>10月末で製造中止…硫化水素自殺が影響

薬用入浴剤「六一〇(ムトウ)ハップ」を製造、販売していた武藤鉦(しょう)製薬
=名古屋市中区=が、 同製品の製造を10月末で中止し、
工場も来年中ごろに閉鎖することが分かった。
別の薬品を混ぜて硫化水素を発生させて自殺する事件が多発した影響で、
売り上げが落ち込んだのが原因だという。
同社は1906年創業。六一〇ハップは、硫黄、生石灰などが含まれた医薬品で、腰痛や肩こりなどに効果があるという。

今年5月、「日本チェーンドラッグストア協会」(本部・横浜市、約1万2700店加盟)が、
六一〇ハップなど硫黄成分の入った製品の販売自粛を加盟店に要請。
7月に解除されたが、売り上げの大幅な減少や大量の返品で出荷量が昨年と比べて
3分の1以下に減少。
経営が悪化し、9月に製造中止を決めた。

同社は「解除を知らないドラッグストアが多く、
『倒産した』などと入浴剤を求める客に説明していた店もあり、
大きな迷惑をこうむった。この商品一本で売ってきたが非常に悔しい」と話した。

会社自体は存続する方針だが、製造を再開したり、別商品の販売の予定はない。
従業員16人のうち6人はすでに退職金を払って解雇。
残りの従業員も半分近く解雇するという。


■本格的入浴剤の製造中止 硫化水素自殺騒動の影響で
11月26日12時23分配信 産経新聞

硫化水素自殺に悪用され、全国の薬局で販売自粛措置が取られるなどした影響を受け、
武藤鉦製薬(名古屋市)が10月末で、イオウ成分を含む入浴剤「六一〇(ムトウ)ハップ」
の製造を中止したことが分かった。
すでに販売自粛は解除されているが、同社は「知らない薬局も多く、作っても売れない状況が続くなどし、製造を中止を決めた」としている。
ムトウハップは同社の唯一の製品で、今後は別事業で会社を存続させるという。
ムトウハップは、硫黄や生石灰などを主成分としている。硫黄が入っている入浴剤は、
ほとんどなく「家庭で温泉気分が味わえる」として人気だった。
また、薄めて湿布すると腰痛や皮膚炎にも効くとされ、愛好者は多岐に渡っていた。
しかし、今年1月ごろにインターネット上に、硫黄成分を含む入浴剤と洗剤を混ぜる硫化水素自殺の方法が紹介されて以降、状況が一変。
自殺者のほか、巻き添えで死亡する家族も出るなど社会問題化し、
日本チェーンドラッグストア協会が硫黄成分を含む入浴剤の販売自粛を加盟の小売店に要請。
ムトウハップの返品が相次いだ。
販売自粛要請は7月には解除されたが、同社は「多くの店は解除を知らず、
倒産などの誤ったうわさも流され、返品は止まらなかった」
こうしたことを受け、製造中止を決めた。
同社は創業102年になるが、ムトウハップの販売だけに頼って会社経営を続けてきた。
社員のひとりは「長く続けてこられたのも製品が良かったから。
こんなことで製造中止に追い込まれるなんて…」と話していた。

引用元URL
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081126-00000533-san-soci
■自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止 「やめないで」存続望む声続々

「硫化水素ガス」自殺の原料に使われた入浴剤の製造が中止されたことが明らかになったが、製造元には700人以上の愛用者から「やめないでほしい」という声が寄せられている。ネットでも、「残念だ」「なくなる前に買い占めないと」などといった意見が書き込まれている。

「なくなれば死活問題。在庫がある限り売ってほしい」
入浴剤と洗浄剤を混ぜ合わせて「硫化水素ガス」を発生させ、
これを吸って自殺する事件が2008年に急増したが、
毒ガスを発生させるのに使われた入浴剤「六一〇ハップ(ムトウハップ)」の製造会社、
武藤鉦製薬(愛知県名古屋市)が製品の製造を2008年10月末日で中止していた。

「ムトウハップ」はイオウ、生石灰、カゼイン、硫化カリウムを浄水に過熱溶解し
、ろ過した医薬品の入浴剤で、疲労改善、アトピーや皮膚病にも効果があると言われ、
長年、愛用している人も多い。80年前から作り続け、最近は年間50万本を出荷していたが、
自殺に使われてから取扱店が激減した。

ところが、店頭から姿を消すと、愛用者から存続を望む声が多数寄せられるようになった。同社には700人以上から、「やめないでほしい」「どこで買えるのか?」などという電話がかかってきた。また、シルバーアクセサリーを作っている業者が「いぶし銀」の加工に使っていて、「なくなれば死活問題。在庫がある限り売ってほしい」という問い合わせが複数きている、という。ネットでも、「ずっと使っていた。なくなる前に買い占めないと」「重宝していたのに、残念だ」などという意見が書き込まれている。同社は、「できるだけ多くの人の要望に応えたい」として、在庫がある限り販売する。

工場の従業員のうち、すでに半数以上が退職
日本チェーンドラッグストア協会は08年5月、加盟店舗に「ムトウハップ」の販売を自粛するよう要請した。販路の8割を占めていた薬局やドラッグストアで扱われなくなり、売上げはがた減りする。さらに「amazon.com」などの通販サイトでも取り扱いをやめた。薬局での販売規制は7月に解除されたが、武藤鉦製薬の社員は、こう嘆く。

「解除から数か月経った今も、8割の薬局が商品を扱ってくれません。中にはお客様に対し、弊社が『倒産した』とか『厚生労働省から売ってはいけないと言われている』などという、いい加減な説明をしている店もあったようです。協会が解除したことや、その理由を全会員にきちんと伝えてくれていたらよかったのですが」
社員によると、十数人いた工場の従業員のうち、すでに半数以上が退職した。在庫整理や返品対応で09年中は会社を存続させるが、「その後はわからない」としている。


産経ニュース 2009/01/27
「六一〇ハップ」という入浴剤をご存じでしょうか? 「六一〇」は「ムトウ」と読みます。
名古屋市の「武藤鉦製薬」が昭和2年から製造してきた入浴剤で、赤茶けた透明の
液体をお湯に溶かせば、硫黄臭漂う白濁した“家庭温泉”を気軽に楽しむことができます。

この老舗入浴剤が昨年10月、製造打ち切りに追い込まれました。「とばっちりで…」と
同社の担当者が語る打ち切りの理由は、硫化水素自殺の激増です。インターネット上で
硫化水素の発生に必要な「混ぜる商品の一方」として紹介され、薬局の業界団体が
販売自粛を決定。全国の薬局が店頭から撤去し、売り上げが急速に
落ち込んでしまったからです。

警察庁によると、昨年1年間の硫化水素による全国の自殺者は1056人に上り、
前年の29人と比べて約36倍と爆発的に増加。警察庁は硫化水素による自殺を
誘引する書き込みを「有害情報」に指定し、全国の警察本部などがサイト管理者らに
削除を要請していますが、他の市販商品でも代用は可能でネット上には今も
硫化水素に絡む情報があふれているのが実態です。

会社は存続させるものの一部従業員も解雇。「在庫もすでに卸してしまい、
製造再開の予定もありません。申し訳ございません…」と語る担当者の言葉からは、
80年余の歴史を誇ってきた商品の製造を突然断たれた無念さとやるせなさだけが漂ってきました。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年01月28日 20:21