連星系の相対運動
【問題】 ※一部改題
質量
の2質点が,相互の万有引力だけを受けて運動する。
直交座標による初期位置は,それぞれ
同様に初速度は,
であるとする。ただし,
は長さの定数,
は速さの定数である。
(1) 重心系において2質点の運動が定常的な円運動になるための条件を求めよ。
(2) 全運動エネルギーが最大・最小となるときの2質点間の距離を求めよ。
(1)
重心系における
の初速度は,
として
となる。このとき,明らかに速度は動径に垂直であるから,円運動の方程式から
両者は結局は同じ式になり,
となる。ただし,
は換算質量
である。
実は,上記のような煩雑な計算は不要で,はじめから相対座標および相対速度と換算質量を用いて,
としてよかったのであった。
① 不等号 < のとき,軌道は楕円で初期位置は最遠点
② 等号 = のとき,軌道は円
③ 不等号 > のとき,軌道は楕円で初期位置は最近点 となる。
円軌道となる条件は,
… 答
(2)
もうひとつの最近点(最遠点)にあるときの2質点間の距離を
,相対速さを
とすると,重心系におけるエネルギー保存により,
---(i)
角運動量保存により,
---(ii)
(i)(ii)により,
整理すると,
不等号 < のとき,最近点距離
,最遠点距離
不等号 > のとき,最近点距離
,最遠点距離
系の全運動エネルギーは,最近点のとき最大,最遠点のとき最小となる。
最終更新:2009年01月14日 13:38