なんか全年齢対象の ADV ゲーム作りたいんだけど

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stupid_episode

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輪廻。何回も何回も同じ場所をぐるぐる回っている。
私はぐるぐる回っている。

今日の私はだぁれ?
今日の私はおしゃれさん?
それとも活発な女の子?

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…


目が覚めた。天井しか見えない。
またいつもの嫌な夢だ。
自分の人格がミキサーにでもかけられたような感覚。

自分が掴めない。時々思う。私はだぁれ?

…いや、私は私。
それ以上でもそれ以下でもない。

バカな事を考える暇があったら学校の支度をしなくては。
遅刻なんて恥ずかしい。

私の横を何人もの同級生が走り抜けていく。
私は足が遅い方なので、あまり気にはならない。

??
「本当に?」

――誰?
振り向いても、私に声をかけている人間はいないように見える。

気のせいだ。変な夢を見たからだ。
一歩足を踏み出す。

その時、まるで私の足が誰かに掴まれているかのように重くなった。

??
「私は私、私は私」

声が脳に響く。嫌、誰か!
ねとっとした感触が足に触れる。

誰かの手?
ヌルヌルと光沢を帯びたソレは徐々に私の体を這い上がる。
振り払おうにも、体が言うことを聞いてくれない。

ソレは私の顔までやってきた。やはり手。それもどす黒い。
その手から視線をたどっていく。
腕がある。肩がある。首がある。そして…

私と同じ顔がある。


私は校門の前に立っていた。
8時10分。幻覚? それにしてはリアルすぎる。

…だが、少なくとも今は目の前にあるものが現実。
今日はきっと体の調子が優れないだけだ。
私はゆっくりと歩みを進めた。



目が覚めた。天井が見える。
デジャブ。その事が頭に浮かんだ。

だがよく思いだせば、アレは夢の話。また嫌な夢を見たようだ。

私は巫女。学校にはもう通っていない。
いつものように着替えて外の掃除を始める。

朝の風は気持ちがいい。嫌な気分も綺麗に吹き飛ぶ。
まるでこの木の葉達のように。

木の葉が風に巻かれ宙に舞う。
私は慌てて飛び散った木の葉をかき集める。

??
「それはまるでアナタ」

誰かの声が聞こえた。
それは夢で聞いた。あの声。

私ははまだ夢を見ているのか?

??
「小さな小さな私が集まってアナタを作る」

どこから聞こえてくるのか分からない。どこを見ても人影はない。

急に木の葉が舞い上がり、人の形を作る。
私は声を出す事も出来なかった。ただその場にしりもちをつくしか。

??
「サア、私ヲ認メナサイ」

夢で見たのと同じだ。もう一人の私がそこにいる。
その顔は憎しみとも悲しみともつかない表情。

ソイツは私の首を掴んだ。木の葉の集合体とは思えない力強さ。
私はただ暴れる事しか出来なかった。


私は走っている。後ろから恐ろしいモノが私を追いかけてくるから。

広い道を私は走っている。このままでは追いつかれる。私は家と家の間のい路地に逃げ込む。




目の前にソイツがいた。私は急いで反対方向に走る。
何故? 私の後ろにいたのでは?
足がもつれそうになる。

ダメだ。止まってはいけない。私は走る。

??
「バァ」

後ろから? いや、前。
追いつかれた。

何が起こるか分からない。何が恐いのかも分からない。

いや、何故恐いのかは分かっている。
ソイツは私を憎しみの目で睨んでいたから。
そして私と同じ顔をしていたから。


箒を握っているのに気づいた。
そうだ、私は掃除の途中だった。
木の葉は綺麗に集められている。

気のせいか、まだ頭が痺れているような感覚がある。

夢、いや幻覚だ。
多分私は疲れているのだろう。
お父様に言って少し休む暇をもらおう。



浮月
「お父様」

返事がない。いつもならこの時間はいるハズなのに。

私は家中を探した。しかし誰もいない。
もしかしたら外にいるのだろうか。

浮月
「お父様ー」

やはり返事はない。今日は特に用事はなかったハズなのに。

??
「おい」

振り向く。誰かがナイフを向けている。助けーーー


目が覚めた。天井が見える。
何度目だろうか。これも夢なのだろうか。

自分の手をつねってみる。
痛い。間違いなく現実だ。

そうだ、買いたい本があるんだった。買いに行かなくちゃ。

コートを羽織り、家を飛び出す。
楽しみにしていたんだ。急がないと。

坂道にさしかかった。息を切らしながらも坂を駆け上がっていく。
…何かが転がってくるのが見える。アレは…ビー玉?

コロコロと私の足元に一つ転がってきた。
何故こんな所にビー玉が? 子供が遊んでいるのだろうか。

するとまた一つ、いや二つ三つ…段々と転がってくる量が増えている。
怖くなった私は坂道を戻る事にした。ふと、振り返る。

ビー玉の津波が背後に迫っていた。それは大口を開けた人間のように見える。
抵抗出来ず、私はビー玉の波に飲み込まれていった。



これは現実? 理解出来ない。
私が何をしたというの。私は何も悪くないの。

気づくと私は家の中で倒れていた。
今の私は巫女服。だが本当の私なのかは分からない。

私はどうかしてしまったのだろうか。すごく不安になる。

分岐点
A浮月「とにかく外に出る」
B浮月「もう寝る」







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分岐点Aストーリー
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ダメだ。気が狂いそうだ。
訳も分からず私は外に飛び出した。

晴天。雲一つない。
何故私はこんな目にあっているのだろう。
この空も夢なのか。私の体も私ではないのか。

道行く人全てが私に見える。
いや、実際にそう見えている訳じゃない。
だが私はそう見える気がする。

私は誰? アナタは誰?
皆が私を見ている。私の瞳で私を見ている。

気をしっかり保たなくては。
しかしあまりに現実に近い幻覚の連続で、私の精神は悲鳴を上げていた。

あれは夢あれは夢あれは夢。誰も見てない私じゃない。
あれは他人、今は現実。きっと現実。

私がしっかりすれば幻覚なんてきっと見ない。


アレ?

私は何をしているんだ?

手にはしっかりと箒を持っている。

多分今の私は叫んでいただろう。私には聞こえない。

私は私を殴った。先にやられる前にやった。

だがもう一人の私なんていなかった。


私は今病院にいる。
ここまでの記憶はほとんどない。

が、誰かを殴ってしまった事。
そして警察に連れて行かれた事は覚えている。

多分頭がおかしい人として入れられたのだろう。
何もない、真っ白で無機質な部屋。

後悔している。何て事をしてしまったのだろうか。
今は考える気力もない。ただ、時間の流れを待つしかない。

??
「クックックッ」

浮月
「…誰?」

ああ、私だ、私がいる。
もう慣れてしまっている自分がいる。

アナタは私に何を伝えたいの?
アナタはどうして私と同じなの?
アナタは私に恨みでもあるの?

??
「ある」

何? 私は何をした?

??
「まだ終わらせない…」

私の私は姿を消した。何も考えたくなかった。

気づいたら夜になっていた。だが眠るつもりはない。

アイツはきっと私の夢に現れる。
いや、もしかしたら今が夢なのかもしれない。

それに、眠ってしまったら私は自分を維持出来る自信がない。
布団を頭から被り、ささやかな平穏を楽しむ。


ふと、素朴な事を考えた。
そもそも何故アイツは私と同じ姿をしているのか。

ドッペルゲンガーの話を思い出した。
自分と全く同じ人間が存在し、それに出会すと死んでしまうという話。

もしかしてアイツは霊魂の一種なのでは?

そうだ、幸いにも私は巫女。寺院とは違うが、霊魂を鎮める方法も心得ている。

この力がどこまで通用するか分からない。だが試す価値はあるハズだ。
まずはアイツに出会わなくてはいけない。

私は静かに目を閉じた。


学校。あの夢の続きだろうか。私は今家に帰ろうとしている所らしい。

背後から誰かが近づいてくるのを感じた。アイツなのだろうか。

急に肩を掴まれる。それもかなり強い力で。
私は全力でそれを振りほどき、後ろを向く。

やはり、私。だが今回は怯まない。
私の全力をアイツにぶつけてみる。

ダメかもしれない。効かないかもしれない。
だが、やってみなくては分からない。

私は…

分岐点Aー1
A浮月「常に持ち歩いている御守りを握る」
B浮月「相手の頭にイメージを送る」





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分岐点Aー1A
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私は強く御守りを握りしめ、頭の中で強く祈った。

お願いだから消えて。
お願いだからこれ以上私を苦しめないで。
お願いだから…お願い…

お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い


『uzukiーsystem set up』

え?

御守りが熱くなっているのが分かる。
それだけじゃない。御守りと私の手が一つになっている。

浮月
「浮月…誕生………でとう…」

突然お母様との思い出が蘇る。

この御守りは私が10歳の誕生日に貰ったもの。
何か困った事があった時、怖い事があった時、御守りが守ってくれると教わった。

アイツは…とても臆病な顔をしている。御守りがそんなに恐ろしいのだろうか。

御守りはさらに私の体の中に入ってくる。御守りと私が一つになっていく…
一体何が起こっているのだろう。


『全テノウヅキニアクセススル権限ヲ発動シマシタ
            命令ヲ入力シテクダサイ』

全ての浮月?全ての私?
訳が分からない。どうすればいいの。

??
「止めろ止めろ止めろ止めろ」

私、いやアイツの声。アイツはコレを恐れている?

『命令ヲ入力シテクダサイ』

命令。つまり私が何か言えば何かが起きるという事か。


今の私の願いは一つ。

浮月
「ソイツを消して!」

『了解致シマシタ。ウヅキー35ヲ消去シマス』


??
「う、うわっ、ぎゃあああああああっっっ!!」

断末魔。
まるで砂の城が崩れるかのようにアイツが消えていく。

私の体の芯がさらに熱くなっている。私は何をしたのだろう?

私は私を消した。消したとは何だ?アイツはやはり霊魂だったのか?


結局私の除霊は成功したことになるのか。
少なくとも、アイツは消えた。

目が覚めた。天井が見える。
あれは夢? 夢としか考えられないが。

私の手にはしっかりと御守りが握りしめられていた。


夢…アイツは消えて…
私は除霊…いや、除霊? 私は何をしたんだろう?


分からない。
ただ、今は私の現実である事は確かなようだ。



END?「エンディングA終了」
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