三峠線(さんだけせん)は、内池市内池区の高森駅と内池市東区の三峠駅を結ぶ、内池急行の鉄道路線である。
内池急行では内池本線に次ぐ基幹路線であり内池と一大都市である横江を結びさらに池上海峡線(現美野里本線)の開通で内池と夜島を結ぶ大動脈、ライフラインとしての役割も担う路線である。

路線データ

路線名 三峠線
読み方 さんだけせん
ラインカラー
運営事業者名 内池急行
区間 高森~横江~柏木~三峠
路線距離 71.0km
軌間 1067mm
駅数 29
複線区間 全線
電化区間 全線
電気方式 直流1500V
閉塞方式 自動閉塞
運転指令所
最高速度 140km
備考

沿線風景

内池平野(内池~湯笹野公園間)

路線の起点は高森駅だが三峠線は高森駅に乗り入れる全列車が内池駅に乗り入れている。
内池駅は地下2Fから発車。地下を走ると高森駅に到着。高森車庫への連絡線が分岐すると向きを東に変え地上に駆け上がる。
地上に駆け上がると引き続き高架となり高森八幡駅。140km許容区間でもある内池川を渡り長野区に入ると西本町線の乗換駅の西長野駅に至る。
引き続き高架で布橋駅を抜けると右手には布橋城跡と地上に上がった地下鉄長野線が見える。布橋城跡の北端を抜けてしばらく走ると地上となり長野天神駅。八坂台団地を左手に見ながら走ると高田の街に入り国前高田駅。西野川を渡ると再び高架になり湯笹野法科大学の最寄駅であり学生で賑わう東長野駅に至る。湯笹野区に入り周りの標高が上がって掘割区間となり道路を三峠線最初のトンネルである田辺トンネル(30m)でくぐる。田辺トンネルを抜け横江自動車道の高架をくぐると湯笹野線への連絡線が分岐して斜面上の駅であり特急停車駅の湯笹野駅に到着。
湯笹野から先は佐井寺を左手に見ながら市街地続きの勾配を駆け上がり佐井寺駅を過ぎて湯笹野公園が見えた頃に湯笹野線南久保駅からの連絡線が合流して地下化工事の始まった湯笹野公園駅に到着する。

湯笹野公園~柏木間

湯笹野公園駅を抜けると内池平野に別れを告げて練成館峠を越える湯笹野トンネル(3830m)に入る。このトンネル内は急勾配が続き抑速ブレーキが本領を発揮する。湯笹野トンネルを抜け切ると横江区に入り練成館口駅を抜けて車窓には田園風景が広がる。右手に望む鍬開農業試験場を過ぎ瀬名の街が広がると国前瀬名駅
再び横江道をくぐり田園風景が続く中いくつか小さなトンネルを過ぎると国前荒牧駅を抜けて左手に横江区屈指の団地街である高見台が山の上に見えると西横江駅。右手に団地が広がった後横江街道が切通で抜ける清和峠をトンネルで抜けると横江の街が広がり横江車庫の引込線を活用した横南線が合流して横江駅に到着。
横江を過ぎると二見山を回り込むようにカーブして右手に柏木宇久神社の御旅所、続いて横江湾が望める。特急(特に座席指定特急のあおなみ・りょくふう)に乗っていると車掌によってはここで案内放送をすることもある三峠線のハイライトともいえる辺りを過ぎると海の見える東横江駅を抜ける。左手の二見山が見えなくなり右手に片浜スカイプラザが見えると横江大学の最寄駅である片浜駅に到着。片浜から単線時代の旧線の廃線跡が右に分岐すると片浜から三峠線2位、内急全線でも3位の長さである明日香崎トンネル(6350m)に差し掛かる。トンネルを出ると一気に柏木区に入り柏木宇久神社の最寄駅西柏木駅。ここから右手に広がる柏木の市街地を回り込み谷間の高架駅柏木駅に到着する。

柏木~三峠間

柏木を過ぎると掘割で東柏木駅に至る。ここから新一宮トンネル(1447m)を過ぎると池上海峡線が分岐する池上駅に到着。
ここから再び田園風景となりトンネルも増えていくつかトンネルを抜けると市原の街が広がり市原駅。住宅地の中に田畑が見受けられながら十四松トンネル(848m)を抜けてしばらく走ると市原台駅。市原台からは長大トンネルが多くなる。東区に入り大久田トンネル(1350m)を抜けると山裾を走って大久田の街並みが眼下に広がり大久田駅。街並みの向こうに海が見えてトンネルを抜けると右手に春日の街が見えて春日駅に到着する。
春日から先は山間路線の感が出てトンネルを抜けると山間の谷間にある高架駅の東峡谷駅を過ぎて内池急行最長の新三年山トンネル(8562m)に入る。
新三年山トンネルを抜けると内急金沢駅。再び田園地帯を抜けて黒川駅を過ぎると三峠の街に入る。西三峠駅を過ぎて三峠のシンボルでもあり内池島最東端の三峠灯台が見えると4面5線の頭端式ホームの終着駅三峠駅に到着する。

運行形態

2016年3月からの日中1時間の運転本数。
種別 内池~湯笹野間 湯笹野~湯笹野公園間 湯笹野公園~横江間 横江~柏木間 柏木~池上間 池上~春日間 春日~三峠間 備考
特急(1本はあおなみ、1本はりょくふう) 3本 3本 3本 3本 3本 2本 2本
快速急行 1本 1本 1本 1本 1本 1本 1本 柏木~春日間各駅停車
直通急行 3本 3本 3本 3本 3本 美野電直通
快速 3本 3本 3本 3本 2本 2本 1本 横江~三峠間各駅停車
準急 3本 3本 3本 1本 1本 1本 湯笹野~春日間各駅停車
普通 6本 3本 3本 2本 2本 2本 3本 一部南横江行
区間ごとの各駅停車の本数 6本 6本 6本 6本 6本 6本 4本
2014年のダイヤ改正で練成館越えが減便し毎時6本となった。また2016年ダイヤ改正で内池~湯笹野間も毎時6本となった。

横江・柏木ライナー

朝晩運転(朝は上り、夜は下りのみ)の全車座席指定特急。いわばホームライナーである。5往復運転。
停車駅 内池・(高森)・横江・(片浜)・柏木・(東柏木)・池上~春日間の各駅
内池~高森間での利用は不可。東柏木には2往復が、片浜には4往復が停車。指定券は停車駅の座席指定券販売機で購入できる。なお東柏木・市原台駅には座席指定券販売機が無い為駅窓口で購入することになる。

特急「あおなみ」「りょくふう」

「あおなみ」は内池~夜島市間で、「りょくふう」は内池~三峠間で運転。特急との差異は一部座席指定。それぞれ毎時1本運転。
「あおなみ」は全車座席指定。「りょくふう」は2~4両座席指定で列車により異なる。「あおなみ」は9000系特急仕様で運転。
停車駅 内池・高森・湯笹野・横江・柏木・(池上)・大久田・三峠
池上には「あおなみ」のみ停車。指定券は停車駅の座席指定券販売機で購入できる。なお特急でも同様だが車掌によっては観光案内(例 横江湾・佐井寺など)を行うこともある。
ちなみに深夜の最終「りょくふう」は内池駅でフェリー連絡の最終特急「はまもり」に連絡している。同時に内池駅で「はまもり」と連絡している加倉線快速新開橋行・普通加倉町行最終・加石線折戸(折戸で最終国前大宮行連絡)行最終に、瀬川駅で平家原線奈木行最終に連絡している。

特急「ペガサス」「プルート」

内急フェリーのジェットフォイルに連絡する特急。全車座席指定。内池本線本港~内池~横江間で朝晩運転。「ペガサス」は朝に本港行、「プルート」は夜に横江行のみ運転。指定券は停車駅の座席指定券販売機で購入できる。車両は三峠線の車両を使用する。
停車駅 (本港・新港北・早苗浦・瀬川・向船)内池・高森・湯笹野・横江

特急

内池~三峠間で8両編成で運転。昼間は毎時1本運転。「りょくふう」との差異は全車自由席。
停車駅 内池・高森・湯笹野・横江・(片浜)・柏木・(池上)・大久田・(春日)・三峠
朝晩の特急は()付きの駅にも停車。ちなみに朝夕に運転される横江始発や横江行き特急は快速急行と停車駅が同一であるが特急タイプの車両を使用している場合は特急、一般車を使用している場合は快速急行となる。

快速急行

特急の補完として8両編成で運転。昼間は毎時1本運転、朝晩は毎時2本に増発。
停車駅 内池・高森・湯笹野・横江・片浜・柏木~春日間の各駅・三峠
ホーム有効長6両の東峡谷・内急金沢・黒川・西三峠を通過する急行といった見方もできる。池上以東では昼間の急行が廃止されたため市原・市原台・春日の各駅からは貴重な優等種別となる。2015年から東柏木駅は通過していたが直通急行の東柏木通過の救済措置として2016年より再び東柏木駅が停車駅に戻った。

急行・直通急行

柏木以西では特急の補完、柏木以東では各駅停車の役割も兼ねている。急行は朝晩、直通急行は昼間は毎時3本運転。2015年ダイヤ改正で昼間の急行は全列車が美野電直通種別となり、2016年ダイヤ改正で直通列車には誤乗防止のため「直通急行」という種別が与えられることとなった。また直通急行は東柏木には停車しない。
直通急行は8両、急行は三峠行きは前述の通り一部の停車駅が6両までの対応の為6両編成で運転であるが横江行き(1日3本)、柏木行き、春日行きには8両編成が充当されることもある。
停車駅 内池・高森・湯笹野・国前瀬名・横江・片浜・柏木~三峠間の各駅
直通急行停車駅(柏木以東) 柏木・池上・はるみ台(本稲崎・神沢口・竹崎・美野里川・夜島市・[船垣]・筑江島・[中筑江]・夜島港・見島橋・平澄大橋・桶ヶ原~稲釧山間の各駅)[]付きの駅には平日朝のみ停車

快速

2015年ダイヤ改正より再び内池島内完結種別に戻った。6両と8両の混在だが三峠行はホーム有効長の関係上6両で運転される。準急と交互で運行。毎時3本運転。
停車駅 内池・高森・西長野・長野天神・湯笹野・湯笹野公園・国前瀬名・横江~三峠間の各駅

準急

内池平野内の速達種別。6両と8両の混在だが6両編成で運転されることが多い。快速の補完として快速と交互で運行。毎時3本運転。
かつては朝晩に三峠駅に乗り入れる列車もあったが現在は春日までである。
停車駅 内池・高森・西長野・長野天神・湯笹野~春日間の各駅

普通

各駅に停車。放送では「各駅停車」と案内される。昼間は南横江発着を除き横江駅を跨いで運転する列車は存在しない。内池方では準急のペアとなる列車は湯笹野まで、快速のペアは横江まで運転。
昼間の内池~湯笹野間では毎時6本運転される。また2014年のダイヤ改正で湯笹野公園~横江間も本数が増えた。内池~横江間の普通は原則6両編成で運転されるが運用の都合上8両で運転される場合や湯笹野~横江間では早朝、深夜に西野車庫への出入庫の関係から4両で運転される普通電車も存在する。
南横江・横江~三峠間は原則4両編成での運転で朝晩は6両運転される普通電車も稀に存在する。三峠~大久田間運転の普通電車は2015年ダイヤ改正で昼間も運転されることになり国前瀬名行は横南線南横江行に振り替えられることになった。

過去の運行形態

2014年8月まで。
種別 内池~湯笹野公園間 湯笹野公園~横江間 横江~柏木間 柏木~池上間 池上~春日間 春日~三峠間 備考
特急 3本 3本 3本 3本 2本 2本
快速急行 1本 1本 1本 1本 1本 1本 池上~春日間各駅停車
急行 3本 3本 3本 3本 3本 3本 柏木~三峠間各駅停車
快速 3本 3本 3本 3本 横江~池上間各駅停車
準急 6本 6本 3本 湯笹野公園~柏木間各駅停車
普通 8本 2本 2本 2本 2本 1本 横江で系統分割
区間ごとの各駅停車の本数 8本 8本 8本 9本 6本 4本

歴史

内池電気鉄道佐井寺線と横江鉄道、三峠電軌鉄道線の3路線が合併に伴い内池急行となりさらに内急自身が3線を連絡した形の路線となっている。
1908年3月20日 横江鉄道横江~明日香崎(1967年廃止)間が開通。先に開業した内池電気鉄道の影響を受けてか当初より複線であった。
1910年6月25日 横江鉄道横江~国前瀬名間開通。
1915年8月1日 内池電気鉄道佐井寺線高森~佐井寺間開通。
1918年10月1日 内電佐井寺線が内池駅まで乗り入れ。当時は内池駅の本線ホームに入線していた。
1920年11月1日 横江鉄道明日香崎~柏木(現西柏木)間開通。横江と柏木がつながる。当時は明日香崎以東は単線であった。
1922年2月10日 横江鉄道西柏木~柏木浜(1962年廃止)間開通。
1923年10月1日 横江鉄道国前瀬名~錬成館東(現錬成館口)間開通。同時に佐井寺~錬成館東間バス連絡開始。
1924年2月27日 三峠電気軌道三峠~黒川間鉄道線開業。当時の三峠電気軌道は路面電車中心で現在の三峠駅が三峠の町より西寄りにあるのは軌道線への配慮とされる。
1925年6月19日 三峠電気軌道黒川~三軌金沢間開通。同時に社名を三峠電軌に改める。
1930年4月28日 三峠電軌三軌金沢~春日(現在の春日駅と場所は異なる。現在の春日駅の開業日は内急としての開業日)間開業。
この時に建設されたのが初代三年山トンネル(全長3710m)である。当時は内池本線の坂田坂トンネルが開通しておらず内池最長のトンネルであった。
1932年7月1日 三峠電軌春日~大久田間開通。大久田駅の位置は現在より南東1kmの大久田の町の外れにあった。さらに併用軌道もあるなど高速路線としての役割は無く貨物メインの路線であり現在とは異なった形であった。
1934年3月1日 横江鉄道だけでなく横江や柏木の人々の悲願となっていた錬成館東~新湯笹野(現南久保)間が開通。当時は佐井寺参宮鉄道と連絡していた。
1941年3月22日 かねてより要望の強かった横江鉄道と内電との直通運転の為横江鉄道線に北久保駅が開設されここから内電佐井寺駅までの支線が開通する。これが現在の三峠線の原型である。
同時に直通運転が開始されて内池~柏木浜までが1本でつながる。
1949年9月1日 三峠電軌軌道3号線(黒川~金沢西口)間開通。金沢西口駅で鉄道線との直通運転を開始。
1952年3月31日 横江鉄道北久保~新湯笹野間営業運転終了。
1952年9月1日 横江鉄道横江大里駅が現在地に移設、西横江駅に改称。
1956年10月1日 横江鉄道唯一の併用軌道区間だった柏木町~柏木浜間が廃止。
1958年1月19日 豪雪により三峠電軌春日~大久田間休止。
1960年3月31日 内池急行への譲渡による新線切替の前段階として三峠電軌春日駅を東方0.2kmの位置に移設。同時に春日~大久田間廃止。
1960年4月1日 横江鉄道北久保駅が湯笹野公園駅に改称。
1960年6月1日 内池電気鉄道・横江鉄道を含む9社が合併し内池急行が成立。同時に内電佐井寺線と横江鉄道線は三峠西線に路線名変更。三峠電軌は鉄道線区間を内池急行に譲渡し三峠東線となる。これは鉄道線の横江鉄道(横江線)との連絡を企図したものといわれている。
1961年4月1日 西柏木~春日間単線で開通。同時に柏木町駅は柏木駅に移転改称。春日駅は現在位置に再移転。三峠西線と三峠東線が統合され三峠線となる。三峠東線と三峠電軌軌道3号線(翌年廃止)との直通運転終了。
1961年10月1日 西柏木~柏木間複線化。
1963年3月12日 柏木~市原間複線化。
1963年7月26日 市原~大久田間複線化。
1965年10月1日 市原台駅開設。大久田~春日間複線化。
1967年3月18日 片浜~西柏木間現在線切替に伴い明日香崎駅廃止。内池~春日間が複線となる。


駅一覧

所要時間は内池駅から。
駅名 読み 駅間 距離 特急 快速急行 急行 快速 準急 普通 最高速度 のりかえ
高森 たかもり 0.0 0.0 3 3 3 3 3 3 内池本線
高森八幡 たかもりはちまん 1.0 1.0 4 140
西長野 にしながの 1.4 2.4 4 5 6 140 西本町線
布橋 ぬのはし 0.9 3.3 120
長野天神 ながのてんじん 1.5 4.8 120
国前高田 くぜんたかだ 1.0 5.8 120
東長野 ひがしながの 1.6 7.4 120
湯笹野 ゆささの 1.8 9.2 11 120 湯笹野線
佐井寺 さいでら 0.8 10.0 130
湯笹野公園 ゆささのこうえん 1.1 11.1 130
練成館口 れんせいかんぐち 3.8 14.9 140
国前瀬名 くぜんせな 3.0 17.9 130
国前荒牧 くぜんあらまき 2.1 20.0 130
西横江 にしよこえ 1.5 21.5 120
横江 よこえ 1.4 22.9 25 120 横南線
東横江 ひがしよこえ 1.7 24.6 110
片浜 かたはま 1.6 110
西柏木 にしかしわぎ 6.8 140
柏木 かしわぎ 1.7 34.4 120
東柏木 ひがしかしわぎ 1.4 130
池上 いけがみ 2.1 37.9 140 美野里本線
市原 いちはら 4.0 140
市原台 いちはらだい 2.4 140
大久田 おおくだ 3.3 140
春日 かすが 1.8
東峡谷 とうきょうだに 2.6
内急金沢 うちきゅうかなざわ 9.2
黒川 くろかわ 3.3
西三峠 にしさんだけ 3.0
三峠 さんだけ 1.9 71.0
最終更新:2016年04月18日 23:37